今から約30年前、漁をして採れた魚を、物々交換して暮らしていた島民たちは、現金を稼ぐ術がなく3歳になるまでに3割が亡くなっていた。そんな生活を支え、楽しんで収入を得るために生まれたカオハガンキルトが、今存続の危機に見舞われている。幸せになるキルトを作り続けることができるように、応援お願いします!

プロジェクト本文

▼「カオハガン・キルトって何?」

21年前に小さな南の島で1人の日本人と始まった奇跡の物語です。

「何もなくて豊かな島」として知られるフィリピン・セブ沖合のカオハガン島から生まれた奇跡のキルトは、1人の日本人(吉川 順子)が1992年に島に移住したことから始まりました。

『周囲を海に囲まれ、自給自足で暮らす島民たちのシンプルな生活は、物で溢れかえった日本からやってきた私に、大きな感動をもたらしてくれた。そして、そんな島の女性たちにパッチワークを教えてみたいと思うようになった。しかし初めは誰もがまったく関心をしめしてくれない。そんな中で一人の女性だけがキルトを作り始めた。ある日、型紙も定規も使わずに作った彼女のキルトを買い上げたのがきっかけとなり、キルト作りがスタート。世界では、ミシンに頼ったキルトつくりが普及している中、「カオハガン・キルト」は、自由なデザイン、すべてが手仕事で創られているので、アメリカでは、「これは、全部、手で仕上げたの」と感心され、高い評価を受けている。このように、大きな自然に包まれて暮らし、その自然を大切にし、そしてその自然と共にあるシンプルな暮らしを続け、ほんとうに自由に、愛を込めてつくっている、すべてが手創りの「カオハガン・キルト」は、独自な、すばらしい発展をしている。』

 

そんな持続可能な自立に向けての取り組み、幸せにするキルト作りを続けて21年。1997年からは毎年日本でキルト展に参加し、多くの方からオーダーをいただくようになっていきました。現在、島の100人近くがキルターとして働き、平均して一家族に一人の人がキルトを縫っています。今では、島の総現金収入の約3分の1を占め、キルトからの収入が、カオハガンの人たちの暮らしを大きく支えており、この動きは近隣の2つの島にも広がり、カオハガン島以外でもキルトづくりが始まっています。毎年全国で展示販売を行い、さらには、日本現代工芸美術展での入選、アメリカやフランスでの招待展示販売、アメリカでの書籍の出版など、順調に見えていたカオハガン・キルトでした。

しかし……

2015年から立て続けに人災に見舞われ、さらにカオハガン・キルトを支援してくれた会社が倒産……経済不況はキルト業界にも影を落としました。当初から、完成したキルトをキルターから買い取り、それを販売してきたため、キルトの販売なくしては、次に新しいキルトを製作するための生地や材料を買う資金の工面が難しい現状です。現在は、寄付していただいた生地を使って小物の製作をしていますが、人災が重なり、元々キルトから得ていた島民たちの収入が減り、職を失うキルターも出てきてしまいました。

カオハガン島民が豊かな感性でひとつひとつ丁寧に仕上げたキルト。島に新しく根付いた伝統をここで途絶えさせたくありません。これからの世界に、最も大切で必要となる、「自然」と「愛」に溢れた「カオハガン・キルト」を、どうか応援してください。

 

 

▼このプロジェクトで実現したいこと

1人でも多くの方に、カオハガン・キルトの存在を知っていただきたいです。キルトを日常生活で使用してみて、南の島の風や香りを感じて幸せになっていただければ、それほど嬉しいことはありません。そのことが島民の生活の支えに繋がり、幸せの連鎖となります。

▼これまでの活動

カオハガン・キルトを運営するために、「非営利団体」を創設しました。そして2005年には、キルターの共同制作所、展示販売所である「キルト小屋」が完成しました。これはキルト販売の収入で建てられました。そこでは、10人近くの中心となる女性たちが、キルトを縫ったり、他のキルターたちが縫い上げたキルトの仕上げの作業をしたりしています。彼女たちには、毎月給与を支払い、月に2回ほど、1時間ほど離れたセブ島の街に行って、生地を買ってきます。布が到着する日は、キルト小屋はたいへんな騒ぎになります。島中にいる島民のキルターたちと、好きな色や柄の生地を少しずつ皆で分け合って、家に持ち帰ります。そして、3~4ヶ月後にキルトが出来上がると、それを持ってキルト小屋にやってきます。そして、中心となる技術力も高い選ばれた島民たちが、それを審査、評価し、問題がなければそれを買い取るのです。そのキルトを、今度は私が中心となり、世界中で販売しています。

 アメリカでの展示の様子

▼資金の使い道

カオハガン・キルトの制作のための、カラフルな生地や、中綿、刺繍糸、ミシン糸などの材料として、ミシンのメンテナンスなど、キルトを製作するにあたって必要な資金として使わせていただきます。
資金があることで、島民キルターがキルトをつくり上げた際に適切な価格で買い取り、その後、販売することができます。

▼このプロジェクトを企画した理由

アートとして価値のあるカオハガンキルトを継続させたいという思いで企画しました。またそれ以前に、楽しそうにキルトを製作する島民たちが、生活の糧を確保するための手仕事を守りたい。人を幸せにするキルトを人災のせいで消えてしまうことをどうしても防ぎたい、新しい伝統を繋いでいきたいという思いが詰まっています。

 キルト小屋にてキルトを縫う島民

▼リターンについて

リターンのキルトは、最初から最後まで島民が丁寧に仕上げています。*

シングルベットのカバーサイズのキルトは、一人の島民が約3ヶ月かけて、1枚を仕上げます。

用途としては、ベッドカバーとしてお使い頂くのはもちろん、ソファに掛けたり、ピクニックに持って行ったり、お子さまのお昼寝のためのマルチカバーとしてお使い頂けます。

お手入れは、洗濯ネットに入れれば、ご自宅の洗濯機で簡単に洗えます。日常の暮らしの中で、楽しく気軽に使いくださいませ。制作後、一度カオハガンの海で洗い、その後、真水と石鹸で洗い、柔軟剤で仕上げています。洗濯による激しい色落ちはありませんが、白い物とのお洗濯はお避けください。丁寧に作ってありますので、通常の使い方であれば、ホツレもしません。(布を島で洗濯しておりますので柔軟剤の香りが残っている場合がありますがお洗濯いただければ落ちます)

*一つ一つ手づくりしているため、柄や色はアソートとなります。こちらで選ばせていただきますことをご了承ください。どんなキルトが届くか楽しみにお待ちいただければと思います。リターン到着後の返品、交換は基本的にお断りさせていただきます。リターンによって大きさが異なりますので、サイズをご確認ください。

(シングルサイズのキルト使用例)

ソファーにかけてカバーに。

床に敷いてマットに。

お子様にも安心で、可愛い!

▼最後に

『8角形のキルト小屋の扉をすべて開け放って、海を眺めながら、今日も島民のキルターたちがキルトを創っている。島民たちの目に映る島での生活が描かれている。下絵も描かず、自由に布をカットしてつくられる島の情景は、この島に生きる島民たちだからこそ創ることができるのであろう、なんとも生き生きとしている。椰子の木が茂り、動物たちがのびのびと走り回り、海には魚が溢れている。自由奔放で、色鮮やかなキルトには、カオハガン島の魅力がぎゅっと詰まっている。』

そんな島で作られた、幸せのキルトを通して、幸せの連鎖が起きることを願って。

 毎年行われていたコンテストの表彰式にて

 最後に陽の光をたっぷり浴びて完成する。

 ▼キルターのインタビュー記事

キルト小屋で働く、4人のキルターに、インタビューしてみました。

 

マティア(写真上、左から2番目) 『娘に伝えるキルト』

 いつも笑顔をくれるマティア。現在、生地の管理や各キルターが縫い上げた作品の仕上げの作業を教える先生の仕事をしている。カオハガンキルトを語る上で欠かせない存在だ。22歳の頃からキルトづくりを始め、現在50歳。

「何歳からキルトづくりをしているの?」という質問に、「確か、娘のロウェーナがお腹にいた頃だったから22年前だわ!」とお腹に身ごもっている赤ちゃんが誰だったかという事実で、過去の記憶を辿っていく。なぜなら彼女は9人の母だからだ。そんなロウェーナも22歳の女性になり、母に教えてもらってキルトづくりを始めている。

「よく家族で一緒に海の貝を拾いに行ったり、魚を採ったりしているから、海のモチーフが得意よ。」と、話すマティア。家族と一緒に見てきたカオハガン島の美しい海の様子を、キルトに表現し、その手仕事を娘に繋げていく大切な時期を迎えているようだ。

 

マニン 『愛の歌から生まれるキルト』

 穏やかな表情で優しく話してくれるマニン。39歳の頃から始めたキルトの仕事は、現在59歳になり、「もう20年経ったのよ。来年は60歳だから高齢者の仲間入りだわ!」と大笑いした。現在、マニンはキルト小屋で販売スタッフとしても活躍している。

キルトの仕事を始める前は、夫のルーカスと共にドーナツや、ココナッツミルクともち米でつくる「ビゴ」というフィリピン伝統のお菓子をつくって販売していた。キルトをつくりはじめた頃、5人目の子どものロルナを妊娠。家計が苦しくなっていた時期だったゆえに、キルトの収入はとても助かったという。現在、6人いる子どもたちのうち、4人が家庭を持ち、孫が9人もできた。マニンがキルトで得た収入を、「娘ロルナの大学の学費に当てることができる」と話してくれた。

マニンの夫ルーカスは歌が上手で、その子どもたちもまた上手だ。マニンに「好きなアップリケのモチーフは?」と聞いたところ、「椰子の木とその周りの動物たち。」と答えてくれた。ルーカスに愛の歌をたくさん歌ってもらったマニンのキルトは、植物や動物たちがダンスをしているような、生き生きとした作品が多い。ゆかいな家族に囲まれて、楽しくキルトをつくっているマニンの様子が伝わってくるあたたかいキルト。そんなキルトの「幸せの連鎖が続きますように」と願った。

 

 

ミンダ 『寡黙なミンダの内なる想い』

寡黙に針を走らせる小柄なミンダ。35歳からキルトを始めて、現在52歳。17年間キルトの仕事をしてきたと改めて知って「あら、もう年寄りだわ。」と、くすりと笑った。

キルトを始める前は、何もすることがなく、家事に専念してきた。収入が少なく、食料を買うお金に困ったこともあったという。「家事よりもキルトづくりの方が好き。」と言う彼女は、日中はキルト小屋でキルトづくりをしたり、販売スタッフとして働き、夕方家に帰ったらまたキルトづくりを再開、夜8時頃眠るそうだ。ミンダにキルトのオーダーをすると、あっという間に仕上げてしまうのは、人一倍キルトづくりに熱中しているからだろうか。

カオハガンの自然の中で、豊かな感性でキルトづくりをしているキルターたち。ミンダは「椰子の木をアップリケするのが好き。」と答えた。成長が早い椰子の木と、キルトづくりが早いミンダ。スリムなフォルムも、黙って皆を見守るようなキャラクターも、なんだか似ている気がする。寡黙なミンダの内なる想いがキルトに表現される、そんなユニークさもカオハガンキルトの魅力なのだ。

 

 

アニー 『キルトで繋がる親子の愛』

 小柄な体と少し堅い表情、でも笑うととびっきりキュートなアニー。彼女もカオハガンキルターたちの先生である。定規を使って生地を裁断していく姿はとても頼もしい。39歳からキルトを始め、現在54歳。

シングルサイズのキルトに描かれる彼女の定番のモチーフは、上半分に椰子の木や動物たち、下半分に海の中の生きものがいる。「これは、カオハガン島すべてを表しているのよ。」と、教えてくれたアニー。彼女のキルトの中に、小さな世界が生まれる。

「キルトの仕事をしていて良かったことは?」という質問に、「娘のメリッサが刺繍の仕方を教えてくれた。」と、アニーは答えた。アップリケしたモチーフに刺繍を施すことが苦手だったアニーは、娘のメリッサが上手に刺繍をすることを知り、驚いたという。自分が娘に教えるはずのことを、彼女はすいすいとやってのけた。

「メリッサは今、ミンダナオ島に住んでおり、少しずつキルトをつくっては、年に一度か二度、カオハガン島の家族の元に持ち帰ってきている。」と、アニーは嬉しそうに話してくれた。離れていてもキルトで繋がるあたたかい親子の愛がそこにあった。

 

 ▼企画者・吉川順子 プロフィール

「セツ・モードセミナー」にてスタイル画を学ぶ。その後、服飾デザイナー、アーキテクチュラル・レンダラーを経て、1985年、パッチワーク・スクール「ハーツ&ハンズ」の講師となる。1990年、「ハーツ&ハンズ」の校長に就任、1992年退職。その後フィリピンの小島カオハガンに移り住む。1996年からカオハガンでキルト製作の指導を開始。1997年からは各地で開催される「インターナショナル・キルトウィーク」主催の展示、販売に参加。以降、カオハガン・キルトの販売に専念する。

著書:『南の島のゆかいな仲間たち-風とキルトと動物と-』(メディアファクトリー・1997年11月出版)、『カオハガン・キルト物語』(文化出版局・1999年7月出版)

『カオハガン・キルトはすべてが曲がっていて、同じ形がないのが特徴だ。日本の美しく整然としたキルトに物足りなさを感じていた私は、ずっと捜し求めてきたキルトと出会えたような気がした。型紙を作ったり、できあがりのデザインを最初からきめずに作れば、のびやかで素直なキルトが出来上がる。 カオハガン・キルトを見ていると「自然が作ったものに直線はない」ということがよく分かる。 私は世の中に「キルト」というものがあることを伝えただけ。あとは自然発生的に出来上がってきたのだ。 キルト作りを伝えていくことでたいへんだったことは、楽な作り方がわかっていても知らないふりをしなればならなかったこと。 だからこそ、彼らが自分で考えながら作り上げていったキルトはどれもが素晴らしく、そして私にはアドリブのきいたジャズ感覚のように感じられるのだ。 -吉川順子-』

【カオハガンキルト主な展示、受賞歴】

1997年11月 「カオハガンキルト」が、インターナショナル・キルトウィーク主催の横浜の国際キルト展に初めて招待される。以後毎年、各地で開催されるインターナショナル・キルトウィークやギャラリー等で展示・販売を行う。

2009年1月 アメリカのネブラスカ大学内の「インターナショナル・キルト・スタディ・センター」にカオハガンキルトが永久保存される。

2009年10月 立命館国際平和ミュージアムで「フィリピン・カオハガンキルト展:持続可能な経済的自立のあゆみ」が1ヶ月間開催される。(図録:『カオハガンのキルトたち』)

2012年4月 フランス・ナントで開催された国際的なキルト展に出展、作品を展示・販売する。

2012年4月~6月 長野県北アルプス展望美術館にて「南の島のアートな暮らし-カオハガンのキルト展-」を約2ヶ月間開催。約100枚のキルトを展示、カオハガン島のキルター2名が来日して、会場でキルト制作を披露。(図録:『カオハガンキルト』)

2013年4月 東京都美術館で開催された日本現代工芸美術展で、カルメリータ・アイング作のカオハガンキルト「黒い丸」が出展される。

2016年3月 アメリカのナショナルキルトミュージアムで行われた「the National Quilt Museum’s 25th Anniversary contest」で、ホビン・スマリノグ・アバニョ作のカオハガンキルト「CAOHAGAN: With Virgin Natural Environment」が入選。

【カオハガン・キルトの参考サイト】

カオハガン島公式サイト>カオハガンキルトのページ http://caohagan.com/quilt_1

カオハガンキルトの販売サイト(英語版)http://caohagan.com/store/index.html

 

 

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