高齢者が体が不自由になりできなくなったことを、元気な高齢者が代行する「フレンドサービス」事業

 三重県亀山市の南部に位置する昼生(ひるお)地区は、人口約1,600人の地域です。

 農業以外の産業も特になく、典型的な田園地帯で、ご多分に漏れず、高齢化率は35%で市内22地区の内6番目の高さです。

 地域内には行政の支所、医療機関、スーパーもなく、何をするにも約5km離れた市中心部まで出かけなければなりません。地域の足は、JRとコミュニティバスがありますが、利便性に欠けるので、住民の足はもっぱらマイカーとなっています。

 私たち昼生地区まちづくり協議会は、当地域の7自治会が参加して、地域の安全・安心を自分たちで作っていくという活動を行っています。

その中で、現在重きを置いている活動の一つが、高齢者を対象としたミニ地域包括支援活動です。

 これを「フレンドサービス」事業と名づけました。

 この事業は、高齢者の困りごとを元気な高齢者が支援しようという、有償ボランティア事業です。

 

 

利用者のニーズに応じた9種16項目の作業。「きめ細かい仕様と料金の設定」

 「フレンド サービス」事業のサービスの種類は、作業代行(買物代行、清掃代行)、機械器具の簡単な修理(電化製品、農機具、自転車)、建物の簡単な修理、果樹の手入れ(剪定・消毒)、庭木の手入れ(剪定・消毒)、家の周り・畑の草刈・除草、果樹・庭木の伐採、竹やぶの伐採、定期的な見廻り、ゴミ出し(集積所まで、市環境センターまで)の9種類16項目です。

 これらの作業1項目ずつについて、できる範囲、できないこと、リスク対応等を細かく規定し、それに応じた料金を設定しマニュアルを作成しました。

そして、このマニュアルを依頼者、支援者それぞれが理解し、合意のもとに作業が行われます。

 また、助ける人は、作業のつど、報告書を事務局に提出し、事務局はこれを集計分析して、作業の改善につなげていくことにしています。

 

地域の課題は地域で解決していくことが、昼生地区まちづくり協議会の責務 

 社会のあり方が多様化し、少子高齢化が進行する現在は、行政は使える金が少なくなってきており、地域から行政に対する要望も「あれもこれも」から、「あれか、これか」の時代に入っています。必然的に、地域課題の多くは地域での解決を求められています。

 体の不自由な高齢者の困りごと対策は、地域で対応しなければならないその最たるものです。

 高齢化率35%の当地区は、当然独居高齢者が多くいます。

 独居高齢者が体が不自由になったとき、又は夫婦2人とも体が不自由になったとき、今まで通りの生活ができるように助けることができるのは地域です。

 そして、助けることができるのは、働き盛りの年代ではなく、元気な高齢者です。

 今、助けることができる高齢者は、いずれ助けられる立場になり、そのときは元気な高齢者が助けることになります。

 いわば、助け合いの循環・継承です。

 「フレンドサービス」は、お互いが気兼ねなく、助け助けられるように有償ボランティアサービスです。

 

 

「フレンドサービス」は、昼生地区まちづくり協議会が実施するミニ地域包括支援事業 

 最近、高齢者による高齢者の助け合い活動が、全国各地で始まっています。それぞれ地域独自の特色を生かした活動です。

地域のことは地域でという意味で、フレンドサービス事業は、ミニ地域包括支援事業です。

 行政の施策としての地域包括支援は、地域のニーズに細やかに対応するにはフレームが大きすぎます。また、買い物代行、見守り等地域には極めて個人的なニーズがあります。

これらはその性質上、地域包括支援センター等が対応することは、必ずしも適切ではないと考えます。

 お互い顔見知りの者同士が助け助けられることが、地域の安全・安心につながり、地域の元気につながるものと考えています。

 

スケジュール 

  事業は、すでに動き出しています。

 フレンドサービス事業の開始は、平成30年7月末ですでに動き出しています。

 事業開始時では、助けてほしい人23人、助ける人21人(すべての項目を満たしており全部で66項目)で、相互のマッチングはうまくできたと考えています。

 今後は、事業が進行するにつれて、予想できなかったトラブル、クレームが出てくると思いますが、問題点があればマニュアルを改善して、次回の作業に反映させることが大切と考えています。

 また、年度末(平成31年3月末)には、事業を総括し、報告書の形で取りまとめることにしています。

 

支援金の使いみち

 

 

フレンドサービスは、ミニ地域包括支援の新しい形の有償ボランティア事業です。

フレンドサービスは、高齢者の日常の困りごとをきめ細かくすくい上げ、動ける高齢者が替わりに行うという有償ボランティアです。

 地域の高齢者の助け助け合いの循環と継承を確実にするために、動き出したこの事業を地域に根づかせ、地域の信頼を得る必要があります。

 事業収支では、今年度は立ち上げ時の初期費用として、事務局経費(取次ぎ員と事務局事務員の人件費)と取次ぎの電話料金が不足です。来年度以降は、今年度の作業料金からの事務手数料を持って充てることにしています。

 フレンドサービスを地域に根付かせるために、皆さまのご支援をお願いします。

 

 

お問い合わせ先

 

〒519-0133

三重県亀山市下庄町3049-2

昼生地区まちづくり協議会

フレンドサービス事業担当

月~土:8時30分~17時15分

電話番号:0595-82-9113

Email:hiruo@za.ztv.ne.jp

ホームページ:https://hiruomachi.wordpress.com/


 


  • 2018/09/12 10:54

     地域は、台風21号の影響もほとんどなく、これから爽やかな季節となります。  稲刈りもほとんど終わりました。今年は酷暑の影響で米粒が小さく、収穫量が落ちたという声も聞かれます。  今月末には、地域の小学校で運動会が行われます。地域は子供が少ないので、地域の交流を重視して「ふれあい大運動会」...

  • 2018/09/09 09:37

     フレンドカードは、フレンドサービスの依頼者が支援者にお礼として渡すカードです。  これは、フレンドサービス事務局で換金できますが、今回、このカードを使って、地域のお店で買い物ができるようになりました。  フレンドカードを地域通貨とすることで、フレンドサービスの後押しをしようというものです...

  • 2018/09/07 11:20

     フレンドサービスを地域の方に、もっと もっと 知っていただくためにミニコミ紙「フレンド通信」を発行しました。  今後、月2回、フレンドサービスに関することや地元のトピックを載せていきます。