駅前商店街にある銭湯『鶴乃湯』を再生させたい
FAAVOをご覧のみなさま、はじめまして。島根県江津市の駅前銭湯を再生させるプロジェクト発起人の田中健一郎です。 僕は高校卒業後に上京した後、実家の建築会社を継ぐためにUターンし、一流建築家を目指して勉強中です。 2013年、江津ビジネスプランコンテストで、廃業した銭湯を再生させようというプランを発表し、審査員特別賞を受賞。仲間の後押しを受け、本プロジェクトを本格的にスタートさせました。廃業した銭湯『鶴乃湯』を、「子どもたちが学べる銭湯」として再生させたいと考えています。 ▲『鶴乃湯』入り口。現在はお風呂の機能はなく、「銭湯居酒屋」や「手ぬぐ染めワークショップ」など、温かい交流が生まれる場所として活用している。▲『鶴乃湯』煙突。商店街のシンボルとして復活させていきたい。
しかし、いきなり開業というわけにもいきません。設備投資も必要で、段階を踏んで再生をしていこうと計画しています。
まずは、銭湯グッズの販売、鶴乃湯スペース貸出事業、地域向けイベントなどからはじめ、応援団を募るとともに資金調達を行うことにしました。
今回、FAAVOで募らせて頂く資金は、その銭湯グッズの開発費です。
閉じてしまった銭湯を「人を育てる」「人が育つ」場にしよう
▲江津市内。人口2万5千人を切ってしまった、島根県にある小さなまち。 江津市は島根県内で最も面積が狭く、中国地方の中で最も人口が少ない市です。 かつては多くの商店が軒を連ね、栄えていた駅前商店街も、人口流出や消費行動の変化により、足を運ぶ人の数が激減。自然と「人と人とのつながり」も薄くなっています。道端で挨拶を掛け合う光景が減り、交流も狭く限定的になってきているのが現状です。 ▲万葉の里商店会(あけぼの通り)。昼間にはほとんど人が歩くことがなくなってしまった。 地域に住む子どもたちはどうでしょう。コミュニケーションを取るのは家族や親戚、友達など限定的になり、近所のおじちゃんやおばちゃんなど家族以外の人に「かまってもらう」機会、そこから得られる経験や学びの機会が少なくなっています。 その機会を取り戻すため、僕たちは最高のコミュニケーション“裸のつきあい”が生まれる銭湯に可能性を見出しました。地域で「人を育てる」「人が育つ」場をつくり、幅広い交流、社会に出た時に役立つ学びと経験ができる場として、閉じてしまった銭湯を再生したいと考えています。銭湯は自然と交流が生まれる場。そして、最高の学びの場!
僕たちは、プロジェクトの活動を通して、銭湯を交流の場だけではなく、子どもたちや若者にとっての「人生の学び場」にして行きたいと強く願うようになりました。 特に子どもたちには最大限の学びを提供したいと思っています。新しく生まれ変わる『鶴乃湯』では、お客さん同士との交流だけではなく、子どもたちを番台に立たせるなど、銭湯の運営や営業のお手伝い体験ができる環境にしていきたいと考えています。 銭湯の集客を集めるための宣伝、お客さんに対しての接客、商店街の活性化につながるようなイベント企画、銭湯内で駄菓子屋なんかを開いてもらうのも良いかもしれません。 鶴乃湯のお助け人として、親戚や友達以外の沢山の人たちと触れ合い、社会経験を積み上げることが出来るのです。こうやっていろいろな人たちのもとで育ち、責任を与えられ、小さな規模ですが社会を学んだ子どもたちは、他人のことを気づかい、思いやりのある行動が取れる大人へと成長していけるのではないでしょうか。オリジナルグッズをきっかけに銭湯の存在を知って欲しい
銭湯はそんなに簡単に再生させることは出来ません。再生の第一歩として、鶴乃湯の存在、プロジェクトの活動内容を地域の方々に知って頂く必要があります。そして少しでも多くの人に銭湯再生の応援団になってもらい、修繕に必要な資金を集めていこうと思っています。 プロジェクトの立ち上げの際、地元のデザインスタジオ「D52」の佐々木さんにポップでキャッチーなプロジェクトのイメージキャラクターをデザインしていただきました。▲デザイナーの佐々木さん(※注:佐々木さんは猫ではございません。)
今回は、そのキャラクターを使って子供はもちろん大人も使いたくなるような「銭湯グッズ」を制作します。
今後予定しているイベント(ドラム缶風呂ワークショップや足湯cafeなど)の際にはこの銭湯グッズを持参していただき、「銭湯グッズを持って銭湯に通う」という、もう駅前の商店街では見ることが出来なくなってしまった風景を再生させたいと思っています。