惹きこもるスゴロクとは

 

コミュニケーションの面白さに惹きつけられ、思わず手にグッと力がこもるほど盛り上がってしまうスゴロクです。

ひきこもり・ニート等、課題を抱えた若者の手で作り上げてきたスゴロクゲームをしっかりとした形にすることで、達成感や自己肯定感を生み出すことに留まらず社会参加への足掛かりとしたいです。

 

ひきこもり・ニート等、課題を抱えた若者と一緒に社会へ羽ばたく最初の一歩

私は、若者支援を中心に活動している臨床心理士の村城公介と申します。

 

 

ひきこもり・ニート等のカウンセリング、居場所活動、親の会を主におこなっています。

私自身も不登校・ひきこもり・ニートを経験し、七転八起しながら今に至った経緯があります。

その経緯も後ほど記しております。よろしければ、読んでいただければ嬉しいです。

 

ひきこもり・ニートの中には、対人関係を苦手とする方は多く存在します。

また、人とのコミュニケーションを不安に感じるため、様々な場面での社会参加を困難にしています。

そこでコミュニケーションの活性に特化したスゴロクをひきこもり・ニートの若者と一緒になって作成しました。

スゴロクが形になることで、課題を抱える若者が「これだけ面白いものを作れる!」と社会に対して、アピールできる機会になればと考えています。

 

 

ひきこもり・ニートが作るスゴロクの魅力

 

スゴロクを作るきっかけになったのは、2年程前になりますが、ある場所で若者とアサーショントレーニングを実施していたときのことです。

“自分も相手も大切にするコミュニケーション”を考えてもらう一貫として、ある国民的アニメキャラクターの「良いところは何ですか?」と質問しました。誰でも知っているそのキャラクターについて若者は、「さぁ」と首を傾げるのです。他の若者も言葉が出ず、全員が固まってしまいました。その後も「自分の長所を教えてください」と尋ねましたが、ほとんど述べることができませんでした。

相手や自分の良いところを認識できずにいたのです。

 

コミュニケーションを学ぶきっかけがないかと考えた結果、スゴロクゲームを作ることを決心しました。マス目の内容には、本人の口から聞いてみたい質問や考えを盛り込み、自己開示を無理なく促進させるように作成したのが、最初のスゴロクver.1です。

 

 

▲スゴロクver.1

 

「あなたの好きな食べ物を教えてください」という簡単な質問でもゲーム上のルールで求められると自然な会話に繋がり、単なる雑談時に比べて自己開示の回数がアップしました。

しかし、マス目は固定されたボードゲームだったため、一度ゲームをしてしまうと面白さがなくなってしまうのです。何度も使えるゲームにならないかと考えた結果、カードタイプのVer.2になりました。

 

 ▲スゴロクver.2

 

その後も、ひきこもり・ニート達が聞きたいこと、言いたいことをスゴロクに盛り込んだことで自然な会話を促すことができる、他には類を見ない一品に仕上がりました。基本二種類のマスカードと効果カードのみで構成されています。マスがカードなので、何度でも新しい自由なコースを作り上げられます。

ゲーム性も重視しており、コミュニケーションが苦手な人達に限らず、家族、友人、教育の場、研修、地域の会合、飲み会等、スゴロクは幅広く使っていただけます。

ぜひ、プレイしてみてください!

 

惹きこもるスゴロクの遊び方をちょこっとだけ解説

 

事前にスタートとゴールのカードを表向きにして配置します。残りのカードを必要だと思う枚数だけ裏向けた形で、好きに並べてコースを作ります。道を2つにわけてもOK!

順番を決めたらサイコロを振ってスタート!止まったマスのカードをめくるって書かれた内容に従い、コマを進めていくだけの簡単なスゴロク!ゴールへ先に着いた人が勝利です。実際にプレイしてみたところ、メンバーの会話が盛り上がりすぎると時間がかかるので、枚数は調整して遊んでくださいね。あと裏側のイラストは現在作成中です…(´・ω・`)

 

“ひきこもり・ニート”ブランドが世界を変える

ひきこもり・ニートという言葉は、世間的にマイナスの側面として捉えることが多く、当事者・経験者にとって自身の存在を他者に知られることが、辛いと感じることもあります。ひきこもり・ニートに対する社会の考えが変われば、当事者や家族にとっても世の中の見方は明るくなるはずです。

 

私はひきこもり・ニートの経験は枷ではなく、最大の“強み”であり“武器”であると考えています。その1つに“丁寧さ”があります。集団活動において、季節の飾りモノを作ったり、内職活動で作った商品、地域のイベントで出すおでんの入れ方まで、慎重かつ丁寧にこなしていただける方が多いです。周りから見れば、時間がかかりすぎる、非効率と思われる方もいますが、しっかりとしたものを職人のごとく形作ることに特化しているとも思うのです。

 

また、宮西 照夫Dr.(紀の川病院副院長・ひきこもり研究センター長)の講演会に私が参加した際、当事者の方が、ひきこもりのニオイがする当事者同士は通じ合うものがあると話をされていました。Dr.には口を閉ざすが、同じ経験者であれば心を開き、繋がりを持つことができるというのです。

現在、国の公表によれば、ひきこもりの出現率は1.57%となっており、100人に1人以上いる計算です。地域に潜在化した、ひきこもりという身近な存在に対し、どのように関わっていくのかという突破口は、同じひきこもりの力を借りることで、当事者に出会うまで時間の短縮と関わりを円滑にする効果を生み、早期の社会参加に繋がる一助となるはずです。

 

「ひきこもり・ニート」という言葉は、経験者の私からしてもはっきり言って嫌でしかありません。しかし、ひきこもり体験があったからこそ、活かせる力はあるのだと他のひきこもり・ニートにも感じてもらいたいのです。私はひきこもり・ニートの概念を改革するため“ひきこもり・ニートブランド”を立ち上げたいと考えています。最初は奇異の目で見られると思いますが、今後、スゴロクのみならず様々なものを形にし、同じひきこもり・ニートのみならず、地域の人々も一緒に参加したいと思うような活動にしていきます。これから生み出される、ひきこもり・ニートのプラスの側面を感じていただければ幸いです。

  

私のひきこもり経験について

 

ここで、少し、私の経験をご紹介させてください。

 

不登校とニートを経て

当時、中学生の私はよく怒られる少年でした。教師から受ける暴力や縛られた規則等に嫌気がさしていましたが、逃れる方法を知らない私は段々と無気力になっていったのを覚えています。遅刻、早退が増え、最後には学校を休むことも多くなりました。休む私に中学2年時の担任は「あかん!頑張れ!」の言葉だけは、今でも忘れません。私はモヤモヤした気持ちを抱えていましたが、先生や家族の中に私の話を聞いてくれる人はいませんでした。

“信用できる人はこの世にいない”と決め込み、社会に対して絶望していたのだと思います。私は自律神経失調症と医師から診断を受けていましたが、学校を休むことを誰にも許されなかったので、体温計をストーブで温めたこともあります(猫ちゃんがいれば温めてもらえたのに・・・)。当時、休むために色々と工夫した自分を褒めたいぐらいです。

当時の友人達はそんな私の胸中を知らず、普通に接してくれました。ゲーム、音楽、映画の話等、他愛もない関わりがあったからこそ、休みながらも何とか学校に行ったのだと思います。

 

高校卒業を経て、大学へと行くことになりましたが、何もやる気がおきず、フラフラしていました。

大学で臨床心理士の先生と出会い、ゼミ生になれたことが奇跡でした。

臨床心理士の先生との出会いにより、様々な話を聴いてもらったことで、“信用できる人はこの世にいない”と思っていた私の狭い世界の中に“信用できる人”が突如として現れたことは、大変な驚きでもありました。私はこれほど話を聴いてもらって嬉しかったことはありません。カウンセラーの代名詞でもある臨床心理士という存在に憧れ、なりたいという気持ちは徐々に高まっていきました。すぐに大学生活も終わりを迎え、勉強不足がたたり、ニート生活1年間の後、大学院に進学をしています。ニート生活(自宅浪人)のことは、ニートというより、勉強をしなければならないという意識が強かったです。

 

大学院では、新たな臨床心理士の先生の指導の下、ひきこもりの親の会への参加、不登校のフリースペースでのボランティア活動等もおこないました。参加を通して当事者の気持ちにどのように接すればいいのか悩む中、支援を押し付けるでもなく、横にいるだけでもいいという関わりが本人達だけでなく、不登校時代の自分の心も救われている気がしました。

 

私がひきこもるきっかけと再出発について

不登校支援をおこなう適応指導教室でカウンセラーとして勤務。

その数年後、私はいじめ問題に関わる仕事に就きましたが、初日から全く職場になじめませんでした。

様々な問題や職場の人間関係に耐えられなくなり、仕事中に涙が止まらない状況になりました。辞表を出した日の帰りに池を眺めていたところ、私は“死にたい”という気持ちを初めて感じました。これほど無力感に苛まれたことはありません。しかし、死ぬ勇気もなかった私の選択は、“ひきこもる”という生活でした。そこから半年は寝てはゲームするだけで苦しかったです。親が実家でゴロゴロ過ごす私に何も言わなかったのは、少なからず見守ってくれていたのでしょうか。

重くなってしまった心と体を引きずりながら、再度、若者に関わる支援がおこないたいという気持ちを持って現在の仕事や支援活動に辿り着きました。私の中には、やはりどんな形でも若者支援に関わりを持ちたいという気持ちが行動をおこさせたのだと思います。

現在、若者の自立を考えるにあたって、社会との関わりは切り離せない状況にあります。このスゴロク作りを社会的な自立の一歩として捉え、また地域にひきこもり・ニートがおこなう活動に関心を持ってもらうことが大切だと考えています。必ずプロジェクトを成功させたいという気持ちです。よろしくお願いいたします。

 

一般社団法人peer pocket(ピアポケット)の活動

四條畷市教育委員会地域教育課と共催で“ひきこもり等の子どもを持つ親の会”を開催しています。

ひきこもり等、若者の問題に関連するセミナーと保護者の方がストレスを解消できる活動がメインとなっています。何度も顔を合わせる保護者も多く、仲良くなり、情報共有できる場になってきました。

また、peerpocketの活動に限らず、様々な場所で出会ったひきこもり・ニートの当事者と関係者の力によってスゴロクゲームの開発が進められています。


  

ひきこもり・ニートが自ら“働き”を生み出す

面白い!楽しい!を出発点に

ひきこもり・ニート等、若者世代を支援する施設は、どこも予算や人員不足により、苦しい運営状況であり、私達の団体も例外ではありません。

ただ若者に対して支援を続けているだけでは、何も変わらないと考えていた私は、「今回のクラウドファンディングは自分達の未来を創る挑戦だ」と若者達に伝えてプロジェクトをおこなう決心をしました。

当初、自身のひきこもり・ニート経験を社会に対して発信することへの不安から、一緒にプロジェクトに取り組むことは難しいという若者達の意見もありました。

プロジェクトの中身を何日もかけて若者達に説明した結果、「おっ!面白そう。やってもいいよ」と率先して参加してくれている若者が現れました。

現在もひきこもり・ニート達との話し合いは日々続けられており、このスゴロクをより良いものにしたいという思いで、夜まで活動が続けられています。様々な意見が飛び交い、参加者は時間を忘れるほど没頭しています。単純に面白い!楽しい!が活動の源になっているように思います。クラウドファンディングにかけるみんなの思いが、就労等も含めて次に繋がる可能性となっています。

 

ひきこもり・ニートと社会が繋がる日を目指して

 

平成27年度に内閣府が実施した調査では、15歳~39歳のひきこもりは日本全国に約54万人、大阪府には約5万人いるとされます。また、40歳以上のひきこもりに対しては、国の統計調査がおこなわれておらず、正確な数が把握されていませんが、一説には多くの、ひきこもりがいるといわれています。

 

ひきこもっている以上、出会うこと自体が困難であり、何とか出会うことができたとしても新たな課題が出てきます。ひきこもり・ニート支援の最終的な出口として“就労”を位置づけ、社会参加を促していますが、仕事への不安や人間関係の傷つき等を要因として、再度ひきこもり・ニートになることも少なくありません。もう一度、社会参加を目指すための気持ちをどのように想起させるかが、最大の難所となっています。

私は、若者の一進一退の現状を変えるため、このプロジェクトを通して若者自らが“働き”を生み出していくといった先駆的な取り組みを目指します。また、今回のプロジェクトで完成したスゴロクを今後も自分たちの手で販売をおこない、継続した社会との懸け橋を作っていきます!

 

今後のスケジュール

 

【3月】 スゴロクの魅力を知ってもらうため、若者支援団体等に伺います。また、各地域でのチラシや広報等に力を入れます。

【4月】 ひきこもり・ニートの若者達と一緒に座談会用DVDを作成。

【5月】 スゴロクすべてのイラストが完成。200セット発注。

【7月】 惹きこもるスゴロクを皆様のお手元に(´ω`*)

 

他にも4月から定期的に進行状況をお伝えしていきます!!

 

集まった支援の用途とその内訳

 

スゴロクゲームの作成費

・箱:101×154×29mm

・カード:63×89mm 70枚

・説明書:184×144mm2ッ折り 1枚

・カードトレー

・サイコロ 12mm

・チャック付透明袋 1枚

・コマ 8枚(1シート)

・広報チラシ

・イラストレーターへのデザイン料(ケース、説明書、チラシ等)

・ロゴ入りチラシ(支援者全員分郵送予定) 

・スゴロク体験会、座談会、セミナー、を実施するための交通費等 

※スゴロクゲーム200セット作成予定

合計 500,000円

 

プロジェクトをあなたと一緒に作っていきたい

私は、ひきこもり・ニート状態に陥ってしまった若者が持つ『可能性』を信じています!この気持ちに賛同してくれる人々に、スゴロクに詰まった思いを感じてもらいたいです。また「面白そうなスゴロクだからやってみたい!」と思ってくださるだけでも大変嬉しいです。地域の人々のみならず、全国の方々もスゴロクをプレイしてください(欲を言えばyoutuberさんもやってほしいです)。

あなた方の支援が必要です。私達のチャレンジを、ぜひぜひ応援してください!よろしくお願いいたします(*‘∀‘)!


応援コメントいただきました!

一般社団法人 日本コーヒーフェスティバル実行委員会 川久保彬雅さん

人間は関係性の生き物です。そこを関係付けるのは人と人、人と物等のコミュニケーションが主体です。

 

私たちのコーヒーフェスティバルでも、同様にコミュニケーションを大切にしており、コーヒーの香りに集う人たちが、老若男女、地位や肩書きを問わずコミュニケーションができる場所を作ることをひとつの目的としてます。

コミュニケーションと一言で言っても、その中身は様々ですが、現場に一緒に居合わせることがコミュニケーションの最初の一歩であると思います。実際にその人の身振りや手振り、表情の変化等を感じながらコミュニケーションをすることで、言葉以外の相手の世界観を感じることもできます。

そういった場所や機会がどんどん失われていっているのではないかと感じ、コーヒーフェスティバルを立ち上げました。

 

「ひきこもり」とは、コミュニケーションをする喜びを無くした状態なのかもしれません。コミュニケーションは未知との遭遇でもあります。少しの勇気と少しの好奇心も必要となります。

 

このすごろくを体験させていただきました。コミュニケーションをするためのちょっとしたレールが敷かれている、という仕掛けです。他者への好奇心の有無に関わらず、質問したり自己紹介したりします。少しの勇気はゲームのルールが後押ししてくれます。すぐさま現実へと結びつくかどうかはわかりませんが、そういったコミュニケーションの楽しみを再確認することができます。

 

これらを元「ひきこもり」が考案し現「ひきこもり」が作成に参加している構図はとても興味深いものがあります。コミュニケーションする喜びを一度は無くしたが、実は渇望していたのではないかと感じるところもあります。

 

皆様、このゲーム一度体験していただけたらと思います。

 

彼らに問い合わせるとすぐに行動してくれます。そういう人たちです。

 

 

起案者情報・お問い合わせ

【団体名】

一般社団法人peer pocket

【代表者】村城 公介

【HP】http://peerpocket.wixsite.com/pocoapoco/

【facebook】https://ja-jp.facebook.com/peerpocket/

【Twitter】@peer_pocket

  • 2018/03/05 19:09

    コンビニ及びPay-easy(ペイジ-)での決済画面で常にシステムエラーが出ていた件、直接、支援者様からご指摘いただいておりました。プロジェクト起案者として、心よりお詫び申し上げます。 FAAVO様から修正していただいたので、現在は決済可能となっております。 今後ともよろしくお願いいたしま...