ニシキゴイが優雅に泳ぐ栗林公園
栗林公園の歴史は、16世紀の後半に造られた小さな庭園に始まるといわれ、江戸時代初期の治水工事により生まれた豊富な地下水に恵まれた庭園で、日本を代表する回遊式大名庭園として、お庭の国宝と言われる「特別名勝」に指定されています。
回遊式庭園といえば、池を中心としたまとまりのある庭園空間を次々に巡っていくことが特徴。そして、池といえば、やっぱり美しい錦鯉が泳いでいる図が、皆さん浮かんできませんか? 栗林公園でも、園内いろいろなところで錦鯉が優美に泳ぐ姿を楽しんでいただいています。
ここ25年間は新たなコイの放流をしていませんでしたが、将来も錦鯉が泳ぐ風景を守り続けるため、近年、稚魚の飼育にチャレンジしてきたのですが、うまくいきません。
そこで、今回クラウドファンディングによって、一定の大きさに成長した錦鯉を購入し、若い元気の良い錦鯉も泳ぐ、美しい大名庭園栗林公園を取り戻そうとプロジェクトを立ち上げます。
ご存知ですか?お庭の国宝「栗林公園」
栗林公園は、全国で24か所あるお庭の国宝ともいわれる「特別名勝」に指定されている文化財庭園で、その中でも最大の 広さがあり、緑深い紫雲山を背景に6つの池と13の築山を巧みに配した、400年近い歴史を誇る江戸初期の回遊式大名庭園です。また、ミシェラングリーンガイドブックでも、わざわざ行く価値があるとされる、最高評価の☆3つをいただいています。
庭園は、樹木や花々で構成されていることから、四季折々の表情をみせ、花や紅葉の"旬"を味わえます。気候、時間帯、風の有無により、その表情を常に変化させながら私たちを楽しませてくれます。
南湖には人気の恋ツツジも
中でも、松の見事さは有名です。園内にはおよそ1400本の松があり、そのうち約1000本は栗林公園の庭師が手を加えている"手入れ松"です。「鶴亀松」などいろいろなエピソードのある松がありますよ!
鶴亀松
植物以外にも私たちを楽しませてくれるものに、カワセミなどの野鳥や水の中のメダカや鯉、カメ、ナマズなどの生き物が私たちを楽しませてくれます。
特に、池の錦鯉にエサを与えるのは、子どもたちや外国の方々には好評で、エサをねだる鯉の表情は私たちを和ませてくれます。
よみがえれ!!ニシキゴイの楽園「栗林公園」
庭園の中で鯉を飼う風習は、平安時代からで、色鮮やかな錦鯉も江戸時代には見られ、明治以降は様々な模様の錦鯉が誕生しました。
栗林公園でも、江戸時代の古図に錦鯉が泳ぐ様子が描かれています。
園内の池は続いており、正確に数えるのは困難ですが、現在、約1000匹の鯉が生息しています。公園では、昭和末期から平成3年までは、毎年新しい錦鯉を入れていましたが、それ以降はコイヘルペスなどの伝染病を危惧することから受け入れていませんでした。
しかし、錦鯉の寿命は長いとはいえ、栗林公園の鯉たちは壮年期を過ぎています。そこで、平成25年より鯉の稚魚の飼育を始めました。春に15㎝程度の稚魚を購入し、池の一部に網を張った養魚場を作り、秋まで餌やりして育てた後に池に放すという計画です。
しかし、池に放した鯉たちは、2週間で姿が見えなくなってしまいました。専門家に意見を伺うと、目立つ、色鮮やかな錦鯉は体長40㎝程度にならないと捕食されてしまうというのです。
このため、稚魚を40cm以上にしようと2年計画での飼育にもチャレンジしましたが、翌春の水温上昇とともに養魚場の中で死んでしまうなど、鯉の飼育の難しさを体験しました。
今回のプロジェクトでは、40cm以上に育った2~3歳程度の若い錦鯉を養魚店から直接購入し、池に放流するという試みにチャレンジします。
このままの状況では、今いる錦鯉も年を取りいなくなってしまいます。これからも引き続き、錦鯉が元気に泳ぎ回る姿を来園者の皆様に楽しんでいただこうと、取り組むものです。
60万円集まれば、80匹程度の錦鯉を放流できる見込みです。
栗林公園の池の広さから見ると、1500匹程度が最適ということですので、皆様からの熱い支援を期待しています。
ニシキゴイの放流イベントを開催します!
皆さまのご支援で、目標額を達成することができました。
となると、やっぱり放流イベントを開催しよう!と、盛り上がっています。
イベントの詳細はまだ未定ですが、11月の後半には行いたいなあと思っています。
また、「自分の支援したニシキゴイに名前を付けたい!」という、お声もたくさん届いていますのて゛放流イベントの開催と合わせて、一万円以上支援いただいた方には、命名権もプレゼントすることとしました。
「うーん、鯉って、放流したら広い園内の池のどこにいるか分からないし、見わけもつかないんだけど」ということで、皆さんに喜んでいただける手法として、特徴のあるニシキゴイの写真とその名前を、栗林公園のホームページ上で公開する予定です。
お楽しみにしてください。
以前は、こんな珍しい写真も撮影されました。
これからも、皆さんに、愛着を持って美しいと感動し、愉しみ、誇りにしていただける栗林公園であり続けるために、以前のように、栗林公園で多くの錦鯉が優美に泳ぐ姿を見ることができるよう、私たち「栗林公園にぎわいづくり委員会」の活動へのサポートをお願いします。