2度の天皇献上品に選定された、しゃくなげの森の「ヤマメ」

 


 

こんにちは。三股町で「しゃくなげの森」を運営しております池辺美紀です。

 

宮崎県立鰐塚自然公園内に位置する、昭和45年創業の「しゃくなげの森」内にあるヤマメ養殖場は、47年続く生産元です。受精卵は全国に出荷され、稚魚成魚は九州内の養魚場に出荷してています。また、当社のヤマメは、2度の天皇献上品に選定されるなど最高jの評価をいただいており、安心安全な高級食材として送り出しています。

 

幻の魚「尺ヤマメ」の素晴らしさを伝えたい

 

 

 

▲全長約60cm 2kgを超える日本最大級の大きさを誇る「幻の尺ヤマメ」

 

ヤマメの中でも、2年の歳月をかけて育成され、30cmを超えるヤマメは「尺ヤマメ」と呼ばれ「幻の魚」と称されます。通常の養魚場では大きくて800gほどですが、しゃくなげの森では1kgを超えるサイズのものを幻の尺ヤマメとして出荷、最大のものはなんと2kgを超えるものも!

 

尺ヤマメに育てるためには、ある時期に大きくなる形質を見極める洗練された選別を行い、毎日のように水温水量を調べ、日々魚の状態に合わせて餌の増減を行うという管理技術。また、密度が上がるとストレスで給餌行動が落ちるので、適度な放養尾数になるように計算された養殖が成せるものであります。

 

尺ヤマメの育成は高い養殖技術力が必要であり、量産しているのは全国でしゃくなげの森だけと言われています。平成27年にはNHK「あさイチ」で「幻の尺ヤマメ量産確立」と紹介されました。

 

 

ヤマメ養殖はリスクが高い生業(なりわい)

 

▲渓流の岩清水を活かしたヤマメ養殖場

 

そのような、ヤマメ養殖ですが自然を活かして行うため大きな苦労があります。例えば、台風や大雨により濁流が続いてしまうと、エラが傷つき死んでしまうこともあります。また、流れてくる落ち葉や枝により水が止まってしまうこともあります。

ヤマメは高い溶存酸素量を必要とするので、水が止まると30分ほどで死んでしまいます。そのため梅雨の大雨や台風のときは、雨が降り続けている間じゅう、夜通しで池の見回りをしなければなりません。

 

逆に少雨などの渇水期は、エサを食べなくなり、原因不明で死んでしまうこともあります。夏季に気温が高い日が続き、水温が20度を超えると餌を食べなくなり弱って死んでしまうこともあります。自然相手で養殖が難しい魚なので、多くの年月をかけた経験が必要なのです。

 

平成29年10月の台風では、洪水により水門が埋まり断水してしまい第2養殖場が全滅するという事故が発生。なす術ない状況に改めて自然の恐さを思い知ることとなりました。冷凍できたものは僅か。そのほとんどは破棄することになってしまい、被害額は700万円にのぼりました。

 

▲昨年の台風で砂利で詰まった導入管の除去作業風景


 

土管に詰まった 土砂の除去作業は過酷な肉体労働。ヘッドランプの灯りをたよりに真っ暗な中での人力作業で、100mの土管に詰まったおよそ3トンの土砂除去に1週間かかりました。

 

 

高齢化、自然減少…。日本の内水面養殖が危機に瀕しています!

 

 

 

「渓流の女王」ともいわれるヤマメは、高級魚として名高く美しい流線型の魚形とパーマークと呼ばれる斑紋が特徴的です。また、渓流の清らかで冷たい岩清水で育つ美味な魚として有名です。 数が少なく市場に出回らないため一般的にはスーパーやデパートに並ぶ事は少ない魚です。特に炭火で焼く塩焼きは絶品。初めて食べるとその美味しさで川魚の概念が変わる程です。

 

そんなヤマメ養殖が、全国的に減少の危機に瀕しています。その上、養魚業界は高齢化が進んでいるため、ここ数年九州内でヤマメにかぎらず、コイ・アユ・ニジマス・ウナギ養魚場の閉鎖が相次いでいる状態です。このままでは内水面養魚場そのものが危うくなってしまいます。

 

だからこそ私は、このヤマメの美味しさを知ってもらい、養殖に興味をもってもらい、内水面養殖の可能性を拡げ、志しある若者がいれば果敢にチャレンジしてもらいたいと思っています。もっともっとヤマメの魅力を広め後世へ残していくため、皆様のご協力をお願いいたします。

  

 

日本の魚食文化の崩壊をくい止めたい。

 

▲子どもにも大人気のヤマメの塩焼き

 ▲渓流カヌー体験

しゃくなげの森では、夏のイベントでヤマメ釣りやヤマメつかみどりを行っています。ヤマメはシャケ科の魚で骨が少なくクセが無いので子ども達も喜んで食べます。魚食文化の崩壊の危機と言われている現代でありますが、1尾を食べる入門編の魚としては最適の魚なのです。特に釣りやつかみどりをして、炭火塩焼にかぶりつくシーンは忘れられない良い想い出になります。ヤマメを通じて魚の美味しさを知り日本の魚食文化の向上に貢献していきたいと思っています。

 

尺ヤマメと注目度が高い黄金イクラ

 

 ▲全国ニュースで取り上げられた「黄金イクラ」と「幻のご飯味噌」

 

尺ヤマメから採れる卵は光り輝く黄金色。「黄金イクラ」はこれまで、鉄腕ダッシュ、いきなり黄金伝説、ペケポン、知っとこ、嵐にしやがれ、満点青空レストラン、Nスタなど、多くの取材を受けている注目の品です。今回ご支援いただいたお礼の品にも黄金いくらを入れました。誠心誠意の気持ちをもって豪華なラインナップをセレクトいたしました。

 

尺ヤマメの安定した生産を目指すためにご協力をお願いします

いまようやく軌道に乗りはじめた幻の尺ヤマメの生産。苦しい日々をどうにか乗り越えて量産ができるところまでたどり着きましたが、まだまだ安定して供給できるところまでは至っていない現状があります。また、2年の歳月をかけてつくり上げても、その良さを知ってもらい適正価格で販売を行うという販売の確立もまだまだこれからです。

 

この尺ヤマメ養殖の技術を伝え、経営で苦労している他の養殖場と力を合わせて、一緒になって九州の特産品の確立をはかりたいとおもいます。

 

ヤマメ養殖は日々のたゆまぬ積み重ねで成り立っています。養殖技術があっても自然の猛威で嘆く日も少なくないリスクの高い生業です。しかし私は、この美味しいヤマメを多くの人に食べてもらい笑顔になってもらいたい。その上で内水面養殖の素晴らしさを皆様に知ってもらいたい、そんな思いで今後も日々研鑽を重ねて参りたいと思います。

 

支援金のつかいみち

皆様からいただきました支援金は、創業50年を目前に迎えたヤマメ養殖場の老朽化した施設整備の補修、酸素供給するためのブロワー設備一式整備、養殖場の状況をスマホで確認できるためのカメラとシステム導入など、尺ヤマメの安定した生産を目指すために必要な環境づくりに役立たせていただきます。目標金額を超えたら「夏のヤマメまつり」での川遊び安全教室で使用する子供用のライフジャケット購入に充て、将来を担う子供たちの自然体験に貢献したいと思います。

 

みなさまの温かいご支援ご協力をよろしくお願いいたします。そしてぜひ、しゃくなげの森に足を運んでいただきヤマメに会いにきてください!

 

「しゃくなげの森」について


 

宮崎県立鰐塚自然公園内にあるしゃくなげの森。6ヘクタール(東京ドーム敷地面積)に世界のしゃくなげ500種3万本が咲き競うしゃくなげ園で、遊歩道総延長1,5km。

4月にしゃくなげ花まつりが開催され、多くの観光客でにぎわいを見せる。敷地内にヤマメ養殖場がある。平成23年宮崎県環境保全功労賞、平成24年1月には環境大臣表彰。 

 

※夏のヤマメ祭り

▲川遊び安全教室

 ▲夏のヤマメ祭り風景、釣り上げたヤマメの炭火塩焼は格別です。

平成29年夏に15年目を迎えた「夏のヤマメ祭り」は自然体験イベント。(後援、宮崎県教育委員会、三股町観光協会、三股町淡水漁業組合など)

しゃくなげの森リバーパークで、ヤマメ釣り、ヤマメつかみ取り、流しそうめんのほかに、川遊び安全教室、カヌー体験教室がある。8月の多い日は800人の来場者でにぎわいます。

また、夏休み宿題応援イベントである、川の自然観察会、川博士になろう、魚とり教室も大人気のイベントです。

 

● 実行スケジュール

平成30年2月クラウドファンディング募集開始

平成30年4月 募集終了

平成30年3月〜6月ブロワー設備、管理カメラ設置、設備補修

 

● お問い合わせ先

しゃくなげの森

HP  http://www.syakunage.org/ 

  • 2018/07/24 17:28

    夏のヤマメ祭りでは、渓流で子供たちが歓声をあげます。その子どもたちの命を守るライフジャケット。皆さまがたのご支援によりライフジャケットの購入ができました。これを使って安全に川遊びを楽しむ光景を是非見に来てください。

  • 2018/07/24 17:16

    応援いただきました皆様のおかげで、酸素供給ブロア機器を整備することができました。   実は、クラウドファンディング成立後の台風7号で450mmの降水があり、第2養魚場の水門が大量の流木で詰まってしまい、また大きな断水事故が起こってしまいました。台風による停電もありました。それにより約600...

  • 2018/05/17 12:33

    水温が上がりエサの喰い込みが良くなり、尺ヤマメは順調に生育しています。 これから梅雨の大雨が心配なところですが、しっかり守っていきたいと思います。