● 三鷹市の学校に50台の天体望遠鏡を届けよう!
「子どもたちに天体望遠鏡を届ける会」は、土星の環や金星の満ち欠けが観察可能な組み立て式簡易天体望遠鏡キットをつくり、全国の子どもたちに届けたいと思い、2008年から活動を進めてきました。その最終目標は「一家に1台、天体望遠鏡」です。ガリレオが宇宙を初めて観察したものと同程度の小型望遠鏡を安価に製作して、国立天文台本部のある三鷹市はもちろん、日本全国の子どもたちに配布し、かつてガリレオが体験した驚きや発見の追体験を促すことが目的です。そして、開発と検証を繰り返し、誰でもが入手可能な価格でその性能を実現しうる望遠鏡が完成しました。次にすべきは、一人でも多くの子どもたちにそれを届けることです。その第一歩として、まずは、ここ三鷹市の小中学校に約50台の天体望遠鏡を届けたい、その思いからこのプロジェクトに挑戦しました。
● ガリレオ体験とは?
天体は遠い距離にあり、手にとって調べることはできません。肉眼で見上げているだけでは、かろうじて月の満ち欠けや惑星が星空を惑う様子がわかるだけでしょう。しかし、今からおよそ400年前、ガリレオが天体望遠鏡という「道具」を星空に向けたとき、そこには、それまで見たこともない宇宙の姿がありました。「月の表面の凸凹」「木星のまわりを回る小さな四つの星」。ガリレオには望遠鏡が魔法の道具のように思えたことでしょう。この感動を追体験することが私たちの言うガリレオ体験です。
● なぜ、この望遠鏡が必要なのか?
公開天文台の大きな望遠鏡でもっといい天体像を見せてもらえばいい、そういう意見もあります。しかし、そこに、ガリレオ以上の感動があるでしょうか?自らの手で苦労して望遠鏡を組み立て、自らが工夫して天体を導入し、そこに肉眼とは違う宇宙を見つける喜び、その体験こそが、子どもたちが自然や宇宙に興味を持つうえで、大きな糧になるのです。実は、天体観察自体は、すでに学校のカリキュラムに組み込まれています。しかし、天体観察は夕方や夜など授業時間外の時間でないと困難です。月の満ち欠けや星の観察は、宿題とされることがほとんどです。つまり、子どもたちが、望遠鏡で天体を見るためには、学校で使い方を学べば、家で、自分で操作できる天体望遠鏡が絶対に必要なのです。
● 一緒に子どもたちに望遠鏡を届けましょう!
これが製作を計画している望遠鏡です。
今回の目標額である60万円は、この口径5㎝新天体望遠鏡組立キットの製造初期費用(金型他・320万円)への支援です。
2008年以降、日本国内や海外にて行われた「君もガリレオ!」ワークショップで用いられたのは、口径4cmの天体望遠鏡キット2種類でした。今回の新天体望遠鏡キットでは、より性能のよい口径5cmのものを制作します。新しい組立式小型天体望遠鏡は、三鷹市の小・中学校にて授業利用され、その効果測定が行われる予定です。その結果を参考に、国立天文台は国内外での販売を検討します。最終目標はズバリ「一家に1台、天体望遠鏡」です。従来の理科教育を根底から変えるツールを提供したいと思います。
そして、今回のプロジェクトでは、金銭的な支援を募るだけではなく、リターンそのもので子どもたちに天体望遠鏡を届ける仕組みを工夫しました。一定額以上のご支援で、まずはご自分の家に望遠鏡が届きます。支援金額によっては、さらに地域の学校へ、あるいはあなたの母校へ届けることができます。皆さん自身が、子どもたちに天体望遠鏡を届ける直接の担い手となるのです。製造初期費用の一部をご支援いただくと共に、本プロジェクト自体を、三鷹市内の子どもをもつ親や学校教育関係者に知ってもらうことが大切と考えました。
●三鷹市におけるさまざまな取り組み
これまで三鷹市は、国立天文台をはじめ様々な団体とともに「天文台のあるまち三鷹」としての取り組みを進めてきました。三鷹市全体を太陽系と想定して実施されるみたか太陽系ウォークは、今年10回目を迎え、もはや市民の秋の風物詩となっており、開催期間中はマップを片手にスタンプを押して回るたくさんの方の姿を見ることができます。星と森と絵本の家のテーマ展示、毎月恒例となっている三鷹ネットワーク大学でのアストロノミー・パブや毎年の「星のソムリエ」星空案内人養成講座、中央通り商店街での「天文科学情報スペース」協働設置、11月の星マルシェの開催、三鷹産業プラザのまるごと夏まつりでの4D2U上映会など、挙げればきりがありません。さらに、ロータリークラブの援助を受けて活発に活動する日本宇宙少年団YAC三鷹分団「みたかサイエンスキッズ」や任意団体の協力を得てPTAを中心に10年以上も運営されている市立三鷹第四小学校のアストロクラブの活動など、自主的に進められている取り組みも多数生まれており、まさに三鷹市は「天文台があるまち」であるだけではなく、すでに、多くの市民の皆さんが「文化として天文を楽しむまち」となっていると言えるでしょう。だからこそ、三鷹市の小中学校への50台の天体望遠鏡の配布は、子どもたちが「不思議の玉手箱である宇宙」への扉を開き、お祭りや行事としてだけではなく天文に親しみ、自然科学への興味をもつきっかけとなるのではないでしょうか?
●今後のスケジュール
☆9月中旬 ファンディングプロジェクト終了
☆9-10月 製造業者決定 製造開始
☆10月月 組立式望遠鏡キットの名称の確定
→登録商標の申請
☆10月~2019年3月 パッケージや説明書などの作成、ウェブ等宣伝方法の検討
初期ロット完成
☆2019年度内 三鷹市内の小学校に50個程度寄贈、教育実践と評価活動を行う
☆2019年4月11-12日 IAU100周年記念式典にサンプル100個提供@ブリュッセル
☆2019年9月~ 一般販売開始(予定)
● 関連リンク
2008年以来、世界格好で取り組まれてきた「君もガリレオ!」プロジェクトの過去の記録や、実際に使う観察シートなどを見ることができます。
国立天文台三鷹本部にある天文情報センターのページです。
IAU(国際天文学連合)は、世界の天文学者で構成されている国際組織で、来年100周年を迎えます。IAUでは2009年の「世界天文年」以来、世界中で「君もガリレオ」プロジェクトに取り組んできました。その間、2008年に開発されたアメリカ製の望遠鏡キット「ガリレオテレスコープ」を使用してきましたが、2018年3月をもって販売終了となり、IAU100(100周年記念行事)では、現在開発中のこの望遠鏡に、後継機として期待をよせています。完成の暁には、2019年4月に開かれる記念イベントでお披露目予定です。こちらのページでは、IAU100周年記念ベントの取り組みを知ることができます。
● 最後に…
良く晴れた日、陽が暮れてあたりが暗くなり、星が輝き始めたら、自分で組み立てた望遠鏡を持って外に出てみましょう。
宇宙はいつでも私たちのそばにあります。新しい発見と感動が私たちを待っています。
ご支援、よろしくお願いいたします。