緑と清流に囲まれた風景の中を、赤く煌く列車がのんびりと走ります。
長良川鉄道は岐阜県美濃加茂市にある「美濃太田駅」と岐阜県郡上市にある「北濃駅」を結ぶローカル鉄道です。その名の通り、清流長良川の河岸を走る全長72.1キロの路線は岐阜県の真ん中を南北に貫いています。
国鉄から不採算路線として廃止の対象とされていた越美南線を自治体主導の第三セクター方式で引き継ぎ、毎日の通勤通学のための市民鉄道として運行しています。
下の写真は昭和61年12月11日、国鉄から長良川鉄道に転換した初日の関駅のようすです。
ホームに溢れる人、人、人… 越美南線に対する人々の愛情・熱気が伝わってきますね。
(当時は開業初日の式典ということもあり許可されていたのでしょうが、線路内に人の姿がみられます。もちろん通常は通路以外での線路内への立入りは固く禁止しております。)
しかし、自家用車の普及・並行する高速道路の整備・少子化など社会情勢の変化に伴い年々利用者が減少し、経営は転換以来マイナス収支が続いています。
また幾つもの谷を越え、山をくぐり、川を渡る長良川鉄道は、美しい景色に囲まれている反面で、非常に厳しい地形の中を走っているのです。
たびたび豪雨・河川氾濫・豪雪・土砂崩れなどの自然災害に見舞われ、安全の根幹である線路や車両の改修工事に多額の費用が生じています。
また全線開通から80年以上を経て、懐かしい趣を残す駅などには逆らうことのできない老朽も進行しています。毎年国・県・市町から補助をいただき、線路・車両・駅を改修して安全を確保しています。
観光列車「ながら」のはじまり
この厳しい経営状況を打開するため、2016年4月 観光列車「ながら」の運行を開始しました。
森号(1号車)と鮎号(2号車)の2両で運行しています。
世界的な工業デザイナー水戸岡鋭治氏が描いた優雅な車両内では、沿線の山の幸・川の幸を詰め込んだ食事を召し上がっていただくこともできます。
内装やお料理について、詳しくは下の動画を再生してご覧ください!
多くの方々の応援をいただき、この列車は当初から連日満席で、せっかくご利用を希望されるお客さまがいらしてもお断りしなければならない心苦しい状況が続きました。
運行開始から1年半が過ぎ現在は予約が取り易くなってきましたが、ハイシーズンはやはり満席です…
新車両「川風(かわかぜ)」のコンセプト
そこでもっと気軽に♪、もっと多くの方々に観光列車「ながら」の旅へご案内したく、3号車となる観光列車「ながら」川風(かわかぜ)号を導入します!
運行開始は2018年4月末頃を計画しています。
「川風号」のデザインも「鮎号」・「森号」に引き続き水戸岡鋭治氏に依頼しました。外装は樹々の緑、清流の青、白銀の雪景色の中でも一際輝くロイヤルレッドにメイクアップし、内装は白を基調とした清涼感のある快適な乗車空間とします。
シート形状はロングシートを採用し、遠足や親睦会といった団体様にもご利用し易く、時には結婚式やダンスフロアなどパーティ会場のようにも多角的に活用いただけます。
お食事はこれまでの観光列車「ながら」ランチプランよりもリーズナブルにしつつもプレミアム感を味わえるお弁当を召し上がっていただけますし、地酒もお楽しみいただけるようなプランもご用意します。また過去にご好評いただいておりました「こたつ列車」をこの川風号で再び催行するように企画中です。
● 支援金の使いみち
車両改装の総事業費のうち1,000万円は自治体の補助事業を活用します。
ただし、この補助で改装費用すべてを補填することができません。
残りの費用の一部を皆様からのご支援で賄わせていただきたいのです。
いただいたご支援は全て車両の改装の為に大切に使用させていただきます。
● 最後に
このプロジェクトを通じて今後も市民鉄道として、また観光鉄道として持続的に発展し続ける鉄道を目指し、邁進してまいります。どうか皆様のお力を頂戴いただけますようお願いします。
● 起案者情報
長良川鉄道株式会社
〒501-3881 岐阜県関市元重町74番地1
☎0575-23-3921(代表) FAX:0575-23-3927