※本ページに掲載しておりますプロダクト写真は試作品のため外観に変更がございます。あらかじめご了承ください。

持ち運びができる“デスクトレー”で自由なワークスタイルを!

皆様こんにちわ。鹿児島を拠点にプロダクト、パッケージ、グラフィック、WEBなどのデザイン活動を行っているデザイン集合体「夜光雲」代表の伊地知裕貴です。 今回、私たちはこのSYNQA×FAAVO企画を通じて、鹿児島の県木である「クスノキ」を使用し、鹿児島の伝統工芸である「川辺仏壇」の技術を用いた都市型デスクトレーを開発します。 このデスクトレーは持ち運びできるため、場所に捉われない自由なワークスタイルを提供いたします。

変わりつつあるワークスタイルに地域の素材を利用した手作り品を浸透させたい

今ワークスタイル自体が変わりつつあり、1つのデスクで作業しつづけるのではなく、オープンスペースで好きな席に座って作業をしたり、カフェのソファで作業するなど場所に捉われない自由な働き方が出てきました。 このデスクトレーはよく使用されるA4用紙を基にサイズや収納を考えました。そして、好きな場所へ持って行き、作業できるようにしています。また、機械製品の多いオフィス空間のなかで、地域素材や手作りによる温もりが感じられればと思います。 今回、地域素材としてとりあげる「クスノキ」は我々の住む鹿児島だけでなく、日本では昔から生活に用いられ、防虫剤、医薬品などに利用されていました。また、神木として信仰の対象ともなり、心の拠り所としても地域に根付いたものです。 制作は川辺仏壇の職人さんにしていただきます。この川辺仏壇は鹿児島の伝統工芸であり、国指定伝統的工芸品に指定されています。その制作には全部で7工程あり、それぞれに専門の職人がいます。 縁あって私たちはその7工程のうち「宮殿」の職人である宮殿士・芝原重志さんにお願いしました。「宮殿」とは仏壇の最上段の上方の空間部分を指し、実際の宮大工の技術を取り入れています。寺社建築のミニチュア版のようで、自然素材で作るため細やかな精度と勘が要されます。 ▲宮殿士・芝原重志さん ▲川辺仏壇の「宮殿(くうでん)」の一部 1 ▲川辺仏壇の「宮殿(くうでん)」の一部 2 芝原さんは15歳からこの道に入り、50年以上続けてこられています。しかし、職人の数が減り現在「宮殿」に携わる職人は3名とのことです。次の担い手が必要ではあるものの、生活として成り立ちにくいため、なかなか積極的に働きかけにくいのが現状だそうです。 このプロジェクトで、ただ新しいワークスタイルに合わせたデスクトレーというだけでなく、日本の暮らしに根付いていたクスノキ、日本の伝統技術を用いることで、使う側自身がモノの温もりも感じて仕事にあたれる。そして、より多く利用してもらうことで作り手の今後にも繋がっていく。そのような作り手と使い手両方にとって良い関係性も生まれればと思います。

デスクトレー制作を通じて、県産クスノキの利用と川辺仏壇に新しい可能性を与えたい!

戦前、鹿児島では樟脳(クスノキを水蒸気蒸留して得られる成分で衣類の防虫用品、医薬品、などに使用)の生産をしていました。また鹿児島県姶良市蒲生町にある「蒲生のクス」は国の特別天然記念物に指定されており、日本最大の巨木とされています。その他にもクスノキの巨木があること、街路樹での使用などといったこともあり、鹿児島の県木として指定されています。 ▲鹿児島県産クスノキ しかし、現在は外国産材の使用が多く、木材としての利用は少ないのが現状です。植林においても県内では少なくなり、戦前と比べて暮らしのなかでクスノキはあまり使用されなくなりました。もう一度鹿児島だけでなく日本のクスノキがもたらした生活文化が見直されればと思います。 同じように、作り手によってもたらされたモノの文化も見直されればと思います。今回の技術提供をしていただく「川辺仏壇」は鹿児島県川辺町を中心に製造され、黒塗り、豪華な彫りと金箔押しが施された仏壇です。製造工程は、木地、宮殿、彫刻、金具、蒔絵、塗り、仕上げの7工程によって分業化され、各工程のほとんどが手作業で、部品の組み立てに工夫があり、分解しやすいことが特徴です。 ▲デスクトレーの接合部 ▲木組み用に溝の切り出し作業 ▲板の厚みの調整作業 今では外国産の仏壇が多く輸入され、原産地表示されずに使用されているため、その影響で川辺仏壇業界は廃業や転業を余儀なくされ、会社の数がピーク時の1/5にまで減ってしまいました。公正競争規約が導入され対策は行われましたが、その他の働きかけも必要です。 そのため、デスクトレー制作を1つのきっかけに川辺仏壇が技術を仏壇以外にも活用し、今後自分達でもいろんな商品を作れるようにできたらと思います。

全国的に鹿児島県産クスノキと川辺仏壇を知ってもらい、次の代へ伝えていきたい!

このプロジェクトから鹿児島県産クスノキを広く知ってもらい、今後の活用に結びつけば幸いです。そこからクスノキが利用されていた日本の暮らしが見直され、さらに生活に密着した木文化もまた見直されればと思います。 そして、その素材・生活・文化を見直し活かす上でも「職人」の存在は欠かせません。 今回のような川辺仏壇の宮殿士・芝原さんの「宮殿」に使用される技術の一部を用いて商品開発を行うことで、1工程の職人だけでも独自商品を持てるようにし、個人でも協働でもできる作り手同士が互いに依存し過ぎない関係性も作りたいと考えています。

スケジュール

4/15 ~ 6/12:クラウドファンディング期間 
5月:SYNQAでプロジェクトPR
 7月下旬:製品(クリアー塗装)の注文・発送 
8月中旬:製品(漆仕上げ)の注文・発送

集まった支援の用途とその内訳

・リターン品制作 ・発送費
 ・商品フライヤー印刷費

鹿児島から全国へ地域素材・技術を利用した新しいワークスタイルを提供したい!

一地方から、地元の人が、地元の素材で、地元の技術を使い、新しいワークスタイルを提供する。そんな事例を生み出せたらと思います。 そして、一地方の一事例として終わらせるのではなく、川辺仏壇、鹿児島の工芸、全国の工芸による次のライフスタイルやワークスタイルを考慮したものつくり、生産体制の見直しに繋がり連動していけたらと思います。 そのためにも是非みなさま、最初の1歩となる「鹿児島産クスノキを使用した川辺仏壇職人による都市型デスクトレー」の商品化へのご協力を宜しくお願い致します! ▲デスクトレー3点セット ▲PCトレー

起案者情報

【団体名】 デザイン集合体「夜光雲」 【代表者】 伊地知 裕貴 【HP】http://designyakougumo.tumblr.com/ 【Facebook】https://www.facebook.com/designyakougumo
  • 2015/06/23 12:56

    ご支援いただきありがとうございました。 この度は、「鹿児島産クスノキを活かす。仏壇職人による都市型デスクトレーを作りたい!」のプロジェクトをご覧またはご支援いただきありがとうございました。 我々の力不足により今回達成することができず、ご支援・ご協力してくださった皆様や職人の方々には...