こんにちは。この度はウオッカ支援ページをご覧になっていただき誠に有難うございます。

「ウオッカの写真集が欲しい··」

ギャラリー「サラブレッドアート」より豪華写真集「ウオッカinアイルランド」の完全版が上梓された後、このようなコメントがしばしば寄せられるようになりました。いわゆる廉価版を出して欲しいというリクエストです。

そのような声をうけ「少しでも多くの人に届けたい」と、写真家の関真澄氏をはじめこれまでウオッカに関わった関係者が制作を支援、廉価版写真集の実現へ向けて動くこととなりました。

この間、デジタル写真集の企画なども検討されました。確かにたくさんの人に見てもらう手段の一つですが、制作側の思いは「紙媒体の持つ波長でこそ、しっかりとウオッカの姿を伝え残すことができる」との考えで一致しました。


ウオッカと個人のストーリー

それは昨年の4月に舞い込んだ突然の訃報、耳を疑うかのような信じたくない知らせからでした。

アイルランドのウオッカはあまりにも遠すぎました。いるようでいないような··。北海道にいれば受け止め方は違っていたかも知れません。しかし二度と会うことが叶わないという現実は息が詰まるような思いとなり、重く重く受け止めるばかりでした··。

(2010.10月 初めてフィールドでウオッカを捉える)


ウオッカと共に生きた時があった。そして一緒に生きた人生が確かにあった。64年振りの牝馬による日本ダービー優勝、ドバイ帰りの不安の中で7馬身差をつけたヴィクトリアマイル、前に広がる壁をこじ開け一気に抜け出した安田記念、今も伝説として語りつがれる天皇賞·秋の写真判定、先行して2cmのハナ差でしのいだジャパンカップ。そして別れを言う間もなくドバイからアイルランドへ行ってしまい天に召されたウオッカ。引退式もなく北海道へ会いに行くことも叶わなず、何かやり残してしまっているウオッカとの関係性が心の奥深いところに確かにある。そしてふと気付くとこのまま忘れていってしまうような怖さも感じてしまう。

皆が感じていると思います。

自分とウオッカのストーリーを生涯の大切なものとして永久に残したい··。

(放牧明けの夕方にフィールドから厩舎へ、1番仔ボラーレと)


奇跡的な作品内容

ここで写真をご覧になってもらえないのは残念ですが、サラブレッド業界において、名馬がこのような内容で撮影された事例は過去に無いといっていいでしょう。競走馬は引退後に種牡馬や繁殖牝馬となり、大いなる夢を抱えそして経済動物としての宿命を背負います。億単位で動くビジネスの世界だけに万が一の事を考えれば、名馬や特に名牝の作品が少ないのは致し方ありません。

更に今回の撮影地はアイルランドのギルタウンスタッドという、シャーガー事件からも大変にセキュリティーが厳しい牧場でした(余談ですが世界屈指の栄養価を誇る牧草地だからこそ選ばれました)。その中でこのような撮影が行われたこと自体が大変に珍しいことであり、これはウオッカに関わる関係者の絆が、よほど確かな信頼関係の上で成り立っていることを意味しています。

また牧場の中に森がある抜群のロケーションを利用した撮影には、美しさが求められ最新の撮影機械が多分に持ち込まれましたが、動く被写体に対しては開発半ばの頃でもあり、ハード面での不足は否めない状況でもありました。

このように様々な難件がある中で類い稀な作品が生み出されたことは、それはもはや奇跡的といえるかも知れません。美しいアイルランドの光と名馬の写真集は、ウオッカファンにはもちろんその他一般の方々にも是非手にとっていただきたい至極の内容です。


二つの目的

このクラウドファンディングの目的は大きな二つの要素があります。

一つは、ウオッカとのストーリーが完結できていないファンのために。もう一つはこのようなサラブレッドをモチーフにした作品活動を行なっているアーティストのために。

実は廉価版の出版にあたっては、数年にわたり版元との話が進められていました。しかしデジタル化と出版不況、そしてこのコロナ禍が駄目押しとなり、もはや諦めざるを得なかった状況があります。

そのような寒風が吹き荒れている出版業界の中で、今後作品をどう残していくことができるのか··。

新しい形にて、名馬とファン、そしてアーティストの活動が繋がることを心から願っております。



ウオッカとの撮影 - 

(寄稿:写真家関真澄氏)

正式な撮影許可が出たのが2010年の夏、まずはとにかく撮影するということ、どんなものが撮れるかは全くの未知数であったため、企画を立てたり発表媒体を確保したりなどの前準備は全くできなかった。どこからの依頼も約束もなく完全な単独撮影として始まった。

それはもちろんウオッカに対して写真家としての好奇もあったが、しかしながらこのような初めての試みではもはや大義が大前提となった。牝馬がしかもお腹に子を宿している状態での撮影機会など国内でもなかなかあり得ない。ウオッカに関しては、まず現役時代があり、オーナーや関係者がいて、そして関係の深い写真家がいたという極めて稀有な縁から始まった、偶然的な事象でもあったと捉えていた。

(写真はウオッカとの初めてセッション)


約4年にわたった撮影ではあるが、印象に残るのはやはり朝方の目映いばかりの溢れ輝く光であった。その中に佇むウオッカはまた独特なオーラを発していた。通り雨も多く、一雨降った後の光はより輝きを増し眩しいほどにウオッカが輝いていたのが今でも目に浮かぶ。何度か近寄って戯れた時などは健気で可愛いのだが、撮影のためつれなくしていると、プイッとウオッカもつれなくどこかに歩いていってしまう姿も思い出深い。

(カメラバッグが気になるらしい・・)


幾度かの滞在も半分は悪天候で潰れた。中には洪水災害になってしまったこともあり、土砂降りの窓の外を見ながら気が滅入る日々を過ごした思い出も随分とある。それでもどんよりした雨の中、ひたすらカメラを構えてウオッカと対峙しているのだが、およそ動いている被写体には不向きな特殊なカメラを使用していたため、1 カットでも入ればとの思いでスローシャッターを切り続けたものである。

雨のシーンもそれはそれでしっとりとした絵になる趣もあるのだが、やはり太陽が降り注いだ時の素晴らしさにはかなわない。特にアイルランドの燦爛とした光は絵心たっぷりで、そのきらめきや陰影は実に深く印象的なもので、作風作りに腕を鳴らしながらも悩みまくったものである。

(セッションの中で最も印象に残っているシーン)


撮影が終わると次はいよいよ発表となる。作品についての大きな主題の一つとしては、名馬ウオッカの持つステイタスに相応しくということがポイントであったが、正式な許可が出たのは今から7年前の2013年であった。つまりそこから世に出すことが許された訳だが、それは写真展や写真集の形をとることを最初から意味していた。しかしながら両方ともデジタル時代への変革期と重なってしまったようだ。移り変わる世の荒波に揉まれていってしまった。まさかこんなにも写真展を行うこと、そして写真集を出すことがスムーズにいかないとは当時は夢にも思わなかった。一体何の力が働いているのか、このような撮影が国内でも恒常的に行えるようにと開拓精神ならではの責務も重荷となり、発表に関しては苦悩の連続であったといえる。


そのような中で、本来は最後段階にと予定されていた、究極の印刷と製本による美術書といえるような至極の写真集「ウオッカinアイルランド」を受注制作にて出すことになった。計画としては順序が逆になってしまったが、ウオッカの名に恥じないものとして作家冥利の写真集ができたことは感謝でしかない。

(巨木の生い茂る森にて)


この反響と内容をもって、より手元に届けやすいようにと商用印刷による廉価版の版元探しが改めて行われたが、一業界での写真集などもはや相手にもされなくなっていた。出版不況の荒波に飲み込まれているのは目に見える現象となってしまった。

そんな中で2019の春、ウオッカの訃報を聞かされた。まさかの出来事であった。その時から感じている身に詰まる思いとは、撮るからには色々な責任を負っているものだが、最もなのは、せっかく写真を撮っても一部分しか発表できていないという罪悪感でしかない。このままウオッカのアイルランドでの写真は必要とされず何ら昇華できずに眠ったまま終えるのか··。

(フィールドでのポートレート撮影、吹き抜ける風の中で行われた)


ウオッカが走ったこと、そしてアイルランドという素晴らしい地で繁殖としての生活を幸せに送ったこと。

初年度からシーザスターズを3年続けて付けたのは、その先にいつかガリレオの牝系の血を残したいというロマンである。たくさんの夢を重ねられながら遠い異国の地で晩年を過ごしたウオッカ、美しい森の木漏れ日の中で輝いていたビロードの肌、数頭の中でも瞬時に見分けがつくほどのオーラを放っていたウオッカ、フィールドではいつも孤高の女王なる振る舞いであった。

(森の中での撮影、「ビロード」)


感じた全て、事象の全てが撮れたとは到底いえない。いつ見直しても自身の力の無さを痛感する。悔やんでも悔やみきれないのが写真の決定的瞬間である。それでも、ほんのわずかでもアイルランドでのウオッカの姿を残せればと願ってやまない。ウオッカがそこに居たことは事実であり、その写真はどんなものであれこれしかないのだから。


ウオッカに許してもらえるのか、はなから相手にされていないのか、もはや対峙することすらできなくなってしまった。ウオッカはドバイから直接アイルランドに行ってしまった。未だに踏ん切りがついていない気もする。せめてアイランドでのウオッカは美しく本当に穏やかに過ごしていたと、写真集の中だけでも会話をしてもらいたいと切に願う。


微力ながらも、ウオッカの走りにプラスされたアイルランドでの後年の姿を、共に共有できることを心より願っています。

(秋の時期、唯一の赤い葉を背景に、「レッド」)


・ウオッカinアイルランドでの作品作り

昨今のデジタル化により、写真や表現手段などとても身近になり行いやすいものとなったが、ウオッカにおける写真作品は現場にてその1シーンをしっかりと写し出すものである。決して素材扱いではない。撮影後の加工などはほとんど行っていない。極めてアナログ的な撮影である。


日頃の写真撮影とは被写体の持つ主体性をありのままに捉えることから始める。相手の持つ良心を広げるようなイメージを持っているのだが、素直に感じ見る心を持たないといけない。最初から頭で考えていては上手くいかないものである。しかしとにかく馬は難しい。特にウオッカはその交わす波長も一方通行となってしまうことが多い。かといって与えられた立場からストリートフォトや生態写真のようなものは決して期待されていないのは分かっていた。

(最も重要なカット、これを撮るために通ったといっていい「フォーレスト」)


ウオッカの撮影で必要だったのは最高の素直さに少しの技術といったバランスであった。そしてちょっぴりの余裕があってこそである。その微妙なバランスの塩梅が必要とされていたが、最後にはやはり表現者の思想が反映してくる。どの光で、どの角度で、どのシーンを切り取っていくのか··、後悔ばかりであるが、それは貪欲なのか責任感なのか、はたまた勉強不足かと自問自答がひたすら続くばかりであり、ならばこそ常に一写入魂となる撮影に対する自我の獲得が必要とされるのだが答えは未だに見つからない。

(国内ではままならないストロボ撮影)


牧場の撮影などではほとんど草を喰んでいる。ファインダーの中で対峙していると首や体の角度を微妙に何とも少し動かしたくなる。少しずつずれていくウオッカを見ながら先を睨んで待ち構えていても、やはりなかなか思う通り絵には入ってこない。光も刻一刻と変化してしまう。などなど、それを楽しむぐらいの平静な状態でないと上手くいかない。結局はそのアイルランドとウオッカという共有した空間の素晴らしさ、それらが人間の浅はかな知恵や考えを凌駕していたと思う。なぜなら「ウオッカinアイルランド」を思う時、いつも心のさざ波がどこまでも清らかな水面となり、荘厳な趣へと変わっていくからである。

(西欧らしいりんごの庭木の中で「りんご」)


実施スケジュール

2020年11月上旬 プロジェクト終了

2020年11月下旬 写真集印刷入稿

2021年1月下旬より随時発送


写真集サイズ

180〜210 × 180〜210mm

60~80p *支援総数により調整


目標支援者数

500人


【支援金の使い道】

 1.印刷費

 2.デザイン編集費 

 3.写真集郵送費用

 4.作品プリント・額装費用

 5.ウオッカに関連する企画

 6.ギャラリー「サラブレッドアート」の活動資金。


【繋がりの輪】

このプロジェクトを立ち上げるにあたり、ギャラリー「サラブレッドアート」とご関係が深い皆様にご協力いただいております。

漫画家 やまさき拓味

イラストレーター 山口はるみ

洋画家 上鈴木正一


募集方式

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
*目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


問い合わせ

企画はウオッカ著作物管理会社スタジオリーヴス(株)の許可のもとにおいて行われています。

ご意見、ご要望などは下記アドレスにご連絡下さい。

info@thoroughbred-art.com

  • 2020/11/06 10:53

    昨日をもちまして、本プロジェクトが終了いたしました。大変多くのご支援をいただき本当にありがとうございました。この成功は多くの支援者、また多くの方々に拡散の御協力をいただけた事により実現できました。心より深く感謝いたします。おかげさまで当初の目標から上回る結果となり、チーム一同感謝の気持ちでいっ...

  • 2020/11/05 10:47

    本プロジェクトもいよいよ最終日となりました。ここでギリギリとはなってしまいましたが、インテリアパネルの写真を2種「レッド」「フォーレスト」を単品支援用として追加させていただきました!サイズはA3・4・5と3種になります。ギリギリのご案内となってしまい誠に恐縮ではございますが、諸事情のためご容赦...

  • 2020/11/04 19:40

    11月4日、プロジェクト終了前日ではございますが、ご支援いただきました額が目標の3,000,000円に到達しました。本当にありがとうございます。多くの皆様にご支援とまた拡散のためにご協力をいただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。当初の目標金額を達成することができましたが、このプロジェクトは...

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