たくさんのご支援を頂き、心から感謝しております。残り期間がすくなってきましたが、「白峰ボーディングスクール」プロジェクトのイメージ動画や、シルバーウィークに開催するプログラム「AUTUMN CAMP2020」の詳細をアップしました。このプロジェクトは約120万円で空き家一軒分のリノベーションを見込んでいます。最後までご支援、どうぞよろしくお願いいたします!(9/5 追記)
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白山麓の美しい山村「白峰」は、限界集落まっしぐら。もう“待ったなし”の状況です
石川県白山市の白峰地域は、養老元年(717)に泰澄大師によって、牛首と呼ばれる現在の白峰集落の中心となる村が開かれたとされています。手取川ダムのさらに上流、福井県と岐阜県の県境にある山村ですが、江戸時代には幕府の直轄地「天領」として栄えたこともあり、独自の文化を持ち、今でも住民の結束力が強い地域です。築100年以上の古民家が密集して町場のような美しい景観が保たれ、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。
しかしながら多くの過疎地域の例に漏れず、この白峰地域もまた少子高齢化が加速し、限界集落への道を辿っています。
昭和50年には1,700人だった住民も今は700名程度にまで落ち込んでしまっています。
どんどん空き家になっていく町並み。
20年前は未就学児童が70名程いたのですが、今は一桁です。ここ10年間で30%の人口、数にして約300名減少しました。2019年に至っては、亡くなった方が約20名、生まれたのは片手の数以下……今では2人に1人がお年寄り。
山村にもかかわらず、強い地域の結束力を保ってきた白峰地域は、限界集落、さらにその先には消滅集落への道をまっしぐらに進んでいます。
上は毎年夏に開催する「白山まつり」(今年は新型コロナウイルスにより中止)の様子。こうしたお祭りも、住民が減れば続けることが難しくなります。
よく地域再生などの文脈で使われる「アップデート(更新)」では、もはや間に合いません。そのくらいの危機感持っています。そこで、白峰地域全体を、地域の若者を巻き込んで教育先端都市「白峰ボーディングスクール」へとトランスフォームする(生まれ変わらせる)ことを決断いたしました。
「ボーディングスクール」とは、イギリスを起源とする特徴ある教育を行う全寮制の学校のこと。新型コロナウイルスの影響を受けて予定を1年後ろ倒し、2021年夏に本格運用開始予定の「白峰ボーディングスクール」にとって、今最も大きな課題となっているのが、空き家等の活用を含めたインフラ面の整備です。これら古民家リノベーションなどにかかる経費や、オープンに先行してこの秋から走り出す各プログラムの段階的な運用の準備にかかる経費をご支援頂きたく、クラウドファンディングを立ち上げました。
あらためましてのご挨拶と「白峰ボーディングスクール」への歩み
はじめまして!「白峰ボーディングスクール実行委員会」の代表をつとめる山口隆と申します。この委員会は、特定非営利活動法人白山しらみね自然学校のメンバーを中心に、地元の中堅・若手メンバーによって構成され、約20,000人のスキルを持った「旅人」の力で地方創生に取り組むスタートアップ・株式会社SAGOJOや、学校法人金沢工業大学の産学連携事業に参加する学生、教員との連携によって運営されています。
白峰地域が「白峰ボーディングスクール」という先端教育都市へのトランスフォームを決断した背景には、この地域が自然・文化の両面で、里山ならではの教育を行うのに十分な資源を持ち、ここ数年、それを活かす取り組みを行ってきたことがあります。
これまで、今回のプロジェクトの実行委員会の母体となる特定非営利活動法人白山しらみね自然学校のメンバーが中心となって、日本ジオパークに認定されている「白山手取川ジオパーク」とも連携し、大地(ジオ)・動植物(エコ)・人(ヒト)の観点からその関わりについて学ぶプログラムを数多く提供してまいりました。今でも子どもたちや海外からの留学生の受け入れを行っています。
また白山市がSDGs未来都市に選定を受けたこと、時を同じくして、白山市の山麓地域に金沢工業大学の産学連携拠点であるイノベーションハブが新設されたこと(金沢工業大学白山麓キャンパス)を踏まえ、白峰地域全体を学校にするためのコンセプトをまとめ、地域の中心メンバーと議論を重ねてきました。
しかし、「白峰ボーディングスクール」への地域の機運も高まり、いよいよ今年、試験的にプログラムをスタートしていこう、としていたところにやってきたのが新型コロナウイルスでした。
このコロナ禍においても、プロジェクトの歩みを止めないために
もともと「白峰ボーディングスクール」は、企業からのスポンサードを受け、今年2020年の夏休みの時期を目処にプログラムを実施する計画でした。ところがこのコロナ禍で、いわゆる夏休みらしい“夏休み”は無くなってしまい、人が集まらないことが明らかな状況になり、企業からの協賛を得てスタートする計画が頓挫してしまいました。
さらに、いつもであれば白峰にいらしていただける観光のお客様も激減しています。そのため、「白峰ボーディングスクール」の母体である白山しらみね自然学校も、白山のガイドや白峰の里山生活文化体験を学生向けに提供することで得られていた収入が、通常の1割程度に減少してしまいました。
危機的な状況を乗り越えるため、このクラウドファンディングでご支援を募り、皆様と一緒にこのプロジェクトを進めていきたいと考えています。
山村の価値をプラスに転換!「白峰ボーディングスクール」実現への決断と、活動内容
「白峰ボーディングスクール」のコンセプトは、単に子どもたちに自然体験を提供するものではありません。
・"イワナ"で過疎化した白峰と都市の新しい関係を作るには
・コンビニのない白峰。"おすそ分け"をデジタル化したらどうなるか
・"屋根に積もる雪"でつくるエンターテインメント
上記は「白峰ボーディングスクール」で取り組む可能性のあるテーマの一例です。
町の過疎化も、高齢化で屋根に積もる雪下ろしの負担が重いことも、そんな地域にコンビニがないことも、解決困難な社会課題です。しかし、「白峰ボーディングスクール」では、これらをむしろ"都市にはない資源"ととらえ、新しい価値を生み出すためにアイデアを生み出し、それを地域で実現するところまでを行います。
社会で解決することが困難とされる課題に子どもたちやその親御さん、講師陣やボーディングスクールの運営を担う地域住民やソトモノが一丸となって向き合い、多様な学習機会と社会実装という実証実験に取り組む学びの場を、全ての方々に提供したい。言い換えると、課題山積の山村ではなく、日本の発展に寄与する山村のあり方を、ここ白峰から示していきたいと考えているのです。
経済に偏った価値観に陥らず、豊かな自然環境と地域の暖かいコミュニティをリソースに、Art、Science、Engineering、Designといった分野を融合した学びの場を、子どもから大人まで、幅広い人材に提供してまいります。霊峰白山の歴史的な文化や様々な教育事業に取り組んできた背景を踏まえ、「教育(学び)」をテーマに、経済発展都市と白峰地域の新たな関係性を構築し、日本の発展に寄与できる白峰地域として存在し続けていきたいと考えています。
プロジェクトの背景・詳細は「白峰ボーディングスクール」のWebサイトをご覧ください。
また2020年9月19日から、白峰ボーディングスクールの一端を体験できる「AUTUMN CAMP 2020」を開講予定です。
このプログラムは、白峰の持つ資源や課題を教材に、地域でSDGsを実現することを念頭に置きながら、米国マサチューセッツ工科大学 (MIT) が運営するMITメディアラボで、創造性を発揮するうえで重要な4要素として言及されている「Art × Science × Engineering × Design」を同時に体験できる3泊4日の体験型授業となっています。
自然環境の変化やコロナ禍により、生活様式や仕事のスタイル、価値観が想像もしなかったほど変わろうとしています。その変化する時代に求められる、時代に翻弄されない「切り開く力」を学ぶ機会を、各領域のプロフェッショナルと共に白峰で提供させていただきます。
白峰との「縁」ができるさまざまなリターン
白峰地区に足を運んで頂ける方にも、それが難しい方にも、白峰地区にご縁を感じて頂けるようなリターンをご用意させて頂きました。
新しくリフォーム&オープン予定の新施設にお名前を掲示させていただくスポンサーシップ型のリターンや地域の特産物のご用意のほか、「白峰ボーディングスクール実行委員会」の代表・山口をはじめとした地元メンバーによる案内で白峰の山々を散策するガイドツアーなどもございます。
法人様につきましては、自然豊かな学びの場であり、事業創出の拠点でもあるこの「白峰ボーディングスクール」を、じっくりと視察して頂けるプランをご用意いたしました。充実したリモートワーク環境をお探しの企業の方、教育先端未来都市を実装するというビジョンに共感いただくと共に新たな事業創出をご検討の企業の方に、おすすめのプランとなっております。実施日程については個別に調整させて頂きますので、ぜひご支援のほどよろしくお願いします。
資金の使い道・実施スケジュール
これから白峰地区が教育先端都市としてトランスフォームしていくにあたっては、地域外の人を受け入れが不可欠。その受け皿としての「家」「住む場所」「滞在できる場所」はやはり非常に重要です。
村をまるごと学校にするというプロジェクト「白峰ボーディングスクール」は、現在、本格運用を2021年の夏を予定しております。また今年の秋からは、それに先立ち、各プログラムを段階的に実施していく計画です。その中で今最も大きな課題としていることが、空き家の活用を含めた、インフラ面の整備となります。クラウドファンディングで集めた皆様からのご支援は、こういったリノベーションにかかる経費や各プログラムの段階的な運用の準備にかかる経費として活用させていただきたいと考えています。
村全体を学校に見立てるとしたら、ある家は教室に、ある家は寄宿舎や寮に、ある場所は体育館に、ある家は食堂にトランスフォームしていきます。
年々増えていく空き家を壊すのは簡単です。コストも少なくて済みます。ただ、壊してしまったら何も残りません。もし今、空き家でも、これを価値あるものにトランスフォームすることができれば、いろいろな方に来て頂くことができます。
地域の「住む力」「住める力」を維持すること。それが経済発展都市から訪れる皆さまをお迎えし、山村ならではの資源を活かした先端的な学びを提供する「白峰ボーディングスクール」の、次に必要な一歩なのです。
皆様からのお力添え、ご支援、どうぞよろしくお願いいたします。
※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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