最高品質の味噌で、大切な人を支える

いわき市平久保町で味噌や醤油の醸造・販売を行っております、山田屋醸造の五代目、青木貴司です。今から18年前に、地元の新聞記者を辞めて戻ってきました。創業127年、四代目の父が80歳の節目を迎えた今年、防災備蓄用としてもお使いいただける最高品質の「防災お味噌」を開発すべく、この「企業・ひと・技」応援ファンドにチャレンジすることになりました。


私ども山田屋醸造は、明治時代に味噌醸造元として創業以来ずっとこの地で、地域のみなさまに向けて商売をしてきました。現在も使用している蔵は、明治の創業まもない頃から使ってきたものです。水害や震災など、創業以来、幾多の災害がありましたが、昔から伝わる知恵を大切に、かつ新しい技術を取り入れる「温故知新」をモットーに味噌・醤油づくりに励んでおります。

味噌や醤油は、日々の食卓になくてはならない調味料です。当たり前にあるものですから、普段あまりその存在を意識することはありません。主役ではなく「端役」だと思います。でも、忙しい毎日のなかで、朝ごはんにお味噌汁を飲むと、なんだかホッとすることってありませんか? 今日も1日、がんばるかって、そう思えるような。

家に戻ってきて、仕事に追われて悶々と過ごした時期にも、震災や台風19号の水害に襲われ、後片付けに追われたあの時期にも、私たちを元気づけてくれたのは味噌汁でした。いい音楽がラジオから流れてきたとき、ふと元気が出て、空を見上げたくなる時がありますよね。それと同じように、私たちが作っている味噌や醤油というのは、だれかの背中を押すことができる食品なんだと思い知りました。

今回のクラウドファンディングにチャレンジしたのも、傷ついたときに、それでも前を向くのを応援してくれるような商品を作れないかと考えたからです。今回、私がチャレンジしたいのは、台風や地震などの自然災害、コロナウイルスの流行による外出の自粛など、暮らしが揺らいでしまったときこそ使っていただける高品質の災害備蓄用の「防災お味噌」です。

<All-in方式>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

もくじ

 ・山田屋醸造のこれまで
 ・味噌屋を継ぐ、葛藤
 ・だれかの背中を押すような、味噌を
 ・みなさんへの返礼品について


山田屋醸造のこだわり

クラウドファンディングの話に入る前に、お店の話をいたします。山田屋醸造のルーツを辿ると、江戸時代までさかのぼります。元は農家でしたが、磐城平城に向かう人々の小腹を満たすため自前のコメを使って饅頭屋を始めました。その後、明治時代に味噌屋として創業。大正時代からは醤油の醸造も始め、現在に至るまで地域の皆さまとともに歩んできました。

 <かつての山田屋醸造。父も、この大八車で好間地区まで味噌を運んだそうです>

<数々の災害を経た今も、先祖から引き継いだ味噌蔵で仕込みを行っています>


味噌や醤油というものは、米や大豆、それに麹菌といった天然由来の原料を使用した商品です。スーパーに並んでいる商品からは想像しにくいですが、味噌づくりや醤油づくりは自然相手の商売。例えば、梅雨のしっかりした年とそうでない時期では微生物の働き具合が違うので、同じように作っていても風味が変わってきます。

私の父が働き始めたのは機械化が進む前の時代。工程すべてが手作業でした。その後、高度経済成長に伴う需要の急増に応えるべく機械設備の導入を進めてきました。近年はお客様のニーズが細かいものになってきたと感じております。品質のバラツキを抑え、味の再現化を図ることも大切です。私の代では、伝統の技術や知恵も生かしながら、新たな知見も取り入れていこうと思っております。

<特許取得菌を使い、健康で香り豊かな味噌を製造・販売しています>


味噌は、北海道・青森産の大豆を使い、すっきりした風味や香りを出すため、秋田県の微生物メーカーから取り寄せた麹菌(特許取得菌)を使っています。発ガン性を抑える「抗変異原活性」の働きが通常の麹菌よりも3倍も高くなり、同時に香りも高くなることが証明されたものです。

味噌は生き物ですから、人の都合だけでは作れません。最先端の良い原材料を積極的に仕入れ、いわきの風土で、いわきの方々に馴染んだ風味に仕上げていくのです。

<一番人気商品の「ヤマキュウ・うまくち」。いわきの魚に合う甘みが特徴>


醤油づくりは、協業化を採用しています。福島県内で生産されている醤油の大半は、県醤油醸造協同組合の工場で一括して「生揚げ」を作り、組合に参加している企業がそれを購入して、自社の独自の味付けなどを加えたり熟成させたりして販売します。これを「福島方式」と言います。この協同生産体制が、福島県内の醤油の品質の高さ、多様な味を守り続けているんです。

いわきを離れた人たちが帰省したときにお店に立ち寄って昔話をしてくださったり、故郷の味がないと困るとおっしゃって、遠方の方からも注文をいただきます。やっぱり味噌や醤油というのは、故郷の風景や風土、日常が溶け込んでいるんだと思います。その意味で、山田屋醸造とは、いわきにゆかりのある皆さんにとって「故郷」のような存在なのかもしれません。


味噌屋を継ぐ、葛藤

この店を継ぐことを考え始めたのは、社会人になってから5年後、28歳の頃でした。大学を卒業し、地元の新聞社に就職しました。地方紙の仕事はとてもハードで、朝早く出勤し、深夜に帰宅する、といったような生活をしていました。きつい仕事でしたが、子供の頃から目標にしていた職業だけに、非常にやりがいがあり、毎日が充実していました。

一方、仕事を終えて家に帰ると、両親は私よりも遅くまで立ち働き、私が朝出社するよりも早くに仕事を始めていました。そんな両親の姿を見てしまうと、記者としての私の替えは誰にでもできるが、味噌屋の後継ぎは自分にしかできない、そのことに向き合うべきではないか、と思うようになったのです。

正直、店を継ぐ決断をした後も、迷いは残ったままでした。あのまま会社員を続けていれば、ごくごく普通に、週休2日の生活もできたんじゃないかとか、昔から憧れていたスポーツのライターになるという目標にチャレンジすることもできたのに、とか。実家で働き始めてから、自分の人生に関するモヤモヤをずっと抱えていました。

<80歳になった、父と>


それでもなんとか一人前になろうと、技能検定(みそ製造技能士)の試験を受けたり、料理教室に参加して味噌や醤油を使った加工品のヒントを探ったりして、扱う商品の研究を重ねてきました。そんな中、東日本大震災と、昨年の台風19号の水害を経験しました。二度の災害に見舞われた店は、そのたびに再建を余儀なくされました。

<台風19号水害では、指で示している高さにまで浸水しました>


震災のときも、台風のときも、災害から3日ほど経つと、お湯を沸かして温かいものを食べる余裕が生まれ、ボランティアに駆け付けてくれた地域のみなさんや親戚たちに炊き出しを行いました。具材もない、味噌をお湯で溶いただけでしたが、味噌汁を飲んで皆さんホッとされたような顔をしていたんです。ああ、自分の商品でだれかの背中を押すことができるんだと気づいた瞬間でした。

私がこの店を継いだのは、たとえ辛いことや悲しいことがあっても、だれかの背中を押すような「いつもの味」を作るためなんじゃないか。そう考えを巡らすと、抱えていたモヤモヤも消えていました。

実は、山田屋醸造は明治時代にも大きな水害に二度見舞われています。当時の当主もさまざまなことを思ったはずです。それから百年。再び震災と台風という大きな災害を経験しました。苦節を通して明確になった自らの役割や使命といったものを握りしめ、いま、スタートラインに立っている、そんな心境です。

<いわき市の平と好間の間、平久保町に店舗と蔵を運営しています>


大切なひとの、無事を祈る味噌

そして今、再び新型コロナウイルスの災禍に見舞われ、店の営業は困難を迎えています。今回のクラウドファンディングでは、こんな不安定な時代だからこそ、「日常」をみなさまに味わっていただけるよう、非常時でも「いつもの味」を感じていただける味噌を新たに開発したいと考えております。

味噌は、ご存知の通り大豆を原料に作られますが、そこに麹菌をかけた米、すなわち米麹を合わせて作られるのが、当店をはじめ多くの蔵で造られている「米味噌」です。米味噌の風味は、大豆と米麹の分量によって味噌の芳醇さが変わってきます。

例えば、東日本で売られている米味噌の多くは大豆とコメの比率が10:8の「8歩麹」です。当店でも「からくち」として販売しているのがこちらの味噌です。例えばさんまのつみれ汁のように、味の濃い具材や野菜と一緒に味噌汁にすると、ちょうど良い味加減で召し上がることができる味噌です。味噌にも食材の向き不向きがあるんです。

一方で、今回新たに開発する災害備蓄用の「防災お味噌」は、大豆とコメの比率を10:14まで高めた「14歩麹」非常に高品質で香りの立つ味噌ですので、災害時のように、食糧や物資が不十分な時でも、お湯に溶かしていただくだけで「いつもの味」を感じられます。ちなみに、具材を合わせるならダイコンが最高ですよ。

<今回のクラウドファンディングで開発したい災害備蓄用の「防災お味噌」の試作品>


また、災害備蓄用の「防災お味噌」は、常温で3年間の保存が可能です。何かあったときのための非常食として備蓄しておき、もし3年間災害がなく、色が黒くなってしまったとしても、有効な利用方法があります。といいますのも、味噌の熟成が進むと、腸をきれいにしてくれるメラノイジンなどの成分が豊富に生成されます。

健康効果が期待できるうえに、味に深みがでてきます。色味が気になる場合は、他の味噌に混ぜて使うことをオススメしています。遠くで暮らし家族や親戚、友人たちに、災害が起こらないことを祈る「お守り」としてお送り頂くのもいいと思います。

<3年ほど経つと、右の味噌のように黒く熟成します>


災害時に使ったとしても、3年間使わなかったとしても、無駄にはなりません。私たちが背中を押してもらえた味噌を、美味しい食材として使うだけでなく、だれかを大切に思う、その気持ちを表すものとして使っていただきたい。そんな商品を作るために、今回のクラウドファンディングの支援を役立てたいと思っております。

ご支援いただいたみなさまへの返礼品

ご支援いただいたみなさまへの返礼品は、全てのコースで当店の味噌、醤油やその他加工品をおつけしました。味噌の香りを味わえる、いわきの旬の野菜を詰め合わせたセットなどもご用意しています。

また、今回のクラウドファンディングには、いわき市平「さわきや酒店」の店主、永山満久さんにも加わっていただき、永山さんが厳選した清酒を加えたセットも作りました。私たちのYoutube動画にも出演していただいた永山さん。動画を撮影した時には「カツオに合うお酒」を紹介いただきましたが、今回は「カツオに合う酒」に加え、「白身の魚に合う酒」を提案いただき、さらに私たちの醤油も合わせました。男たちで、醤油と酒、いわきの食について語っている動画ですが、興味のある方はぜひご覧ください。


返礼品は、このページの右側に一覧表示されております。どうぞご覧いただき、気になったものがあれば、ぜひご支援をよろしくお願いいたします。



【企業・ひと・技 応援ファンドとは?】

いわき市、いわき産学官ネットワーク、いわき信用組合、いわき商工会議所などが連携し、次世代に継承していく技術やサービス、商品を持つ事業者や、新型コロナウイルスを乗り越えるための新しいビジネスモデルを構築し、市民の安全・安心に取り組む事業者をサポートするために企画されたものです。新しい時代に、残したい・伝えたい。そんな企業を、ぜひ、みんなの力で支えましょう。応援よろしくお願いいたします。(事務局・いわき商工会議所 創業・承継委員会)


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