はじめに

江戸時代、高田藩の城下町として栄えたここ新潟県上越市仲町は「田端」という町名で呼ばれ、主に魚の市場や卸業を営むお店の多い町でありました。江戸時代末期、2代目である寺島甚之助は仕出し屋を営んでおりその後、幕末から明治初期に甚之助の娘婿である3代目の八蔵が割烹料亭を始めたのが「百年料亭 宇喜世」の始まりです。

              昭和初期の宇喜世の北門


          昭和初期の東門。仲町通りのシンボルのひとつ。

大正から昭和初期には4代目となる寺島竹松が切盛りするようになり今の財や位を築き、財界人が宇喜世に足を運び、宇喜世に来るのがひとつのステータスだという認識を植え付けました。3階の増築、大広間や庭園を新設したことからも宇喜世が発展した時期でもあり、また「田端」は県内有数の花街で昭和13年に芸妓置屋が13軒あり芸妓さんが約100名以上いたと言われ大変栄えておりました。

                昭和8年当時の「竹の間」                 

         昭和27年頃の祇園祭り。芸妓さんと料理業組合の方々。


プロジェクトの背景

ここ数十年の経営は官官接待がなくなり官公庁や企業の宴会が減り、バブルが崩壊してからは非常に厳しい状況が続いております。また、100年以上の建物を修繕するにも巨額の費用がかかるので経営継続が益々難しくなっております。

この様な経営難から料亭文化が凝縮されている小座敷を20年以上も修繕できないまま営業を続け、売上を重視した大宴会に力を注ぐことを優先してきました。その結果、今春からの新型コロナウイルの影響で大宴会がゼロになると一気に業績が悪化することとなり、今後この新型コロナウイルが終息しない限り大きな宴会は見込めない状況です。

             2階大広間(153帖) 舞台より撮影

               2階大広間(約140名の大宴会)

そこで本来の「百年料亭 宇喜世」を見つめ直すと、木造建築で3階に位置する趣のある小座敷や「日本の伝統芸能」、「芸妓文化」と一体になっている「料亭文化」の良さというものを再認識することができ、次世代に残していく必要性を感じました。

是非この「料亭文化」をたくさんの方々に知ってもらうためにも小座敷を修繕し再びお客様にご利用していただきたくこのプロジェクトを立ち上げました。


資金の使い道

皆様からご協力いただいたご支援は、本館木造建築3、4階にある4つの小座敷のうち3部屋の改修工事に活用させて頂きます。


<桜三階>

この階段から3階の桜三階へ上がっていきます。腰壁には網代張りにするなど随所に手の込んだ仕上げになっています。

階段を昇り切った廊下には想像するにとても大きな松の木から採った一枚板が使われています。

広さ8帖座敷。現在使用している唯一の3階の小座敷で特別なお部屋としてお客様にご利用いただいておりますが、水廻りを修繕しないと完全な個室としては使用できません。

出書院を備えた座敷で、その名が示す通り床柱や落掛をはじめ至るところに桜材が用いられております。

西側の床柱には「だるま」の絵が描かれております。東門の梁に宇喜世を象徴する「だるま」の看板が掲げられておりますが、”世の中は七転び八起”今日、嫌なことがあっても美味しいお酒とお料理でリフレッシュして、明日からまた頑張りましょう!というメッセージか込められていると昔から伝えられております。


このプロジェクトでは、トイレの水廻りを中心に改修工事をして使用できるようにします。

共有のトイレを使用せず部屋内のトイレを使用することにより他のお客様と顔を合わせることなくゆっくりとお食事することができます。

トイレの扉には黒柿が使われており、しかも瓢箪の形に彫られていて細かなところにも手を加えております。

壁も傷んでおり内装工事が必要です。


床の耐震補強や内装工事、トイレの改修工事、給排水衛生設備工事、諸経費に約2,800,000円かかります。




<仲三階>

仲三階へは、とても幅が狭くなっているため上がりにくく、降りにくい階段を上っていきます。階段を昇り切った通路には、豆じゃりがひかれ踏石が並んでいます。

また、右手正面にはタイル張りの手洗い場と原木小口切りした踏板があります。 

広さ6.5帖座敷。 床の間は他の小座敷と異なり奥行きが浅く床脇も小さい造りです。床柱、落掛は自然木が用いられており全体として素朴な雰囲気が感じられます。

昔、ここで1ケ月芸妓さんと暮らしていた男性がいたという噂話があります。何かの時に逃げ口にしていたという通路があります。


このプロジェクトでは、壁や床の耐震補強や内装工事、水廻りを改修工事します。

床も傾いており耐震補強工事が必要です。

壁や床の耐震補強や階段の壁の補修、トイレや水廻りの改修工事、内装工事、給排水設備衛生工事、諸経費に約4,200,000円かかります。



<妙高の間>

外から本館を見ると一番高い位置にあるためお城の天守閣のように見えます。

階段を上がると南側の窓から妙高山を一望できることから「妙高の間」と名付けられました。写真はあいにく雲がかかっております・・・

広さ8帖座敷。他の3階の部屋より高いところにあることから、座敷を囲む縁廊下からは建物周囲の景観を見渡すことができます。


このプロジェクトでは、床と壁、天井を中心とした内装工事を行います。

2004年10月の中越地震と2007年7月の中越沖地震の影響で壁や天井がかなり被害を受けました。


壁や床の耐震補強や内装工事、諸経費に約1,600,000円かかります。



実施スケジュール

2020年11月中旬頃に着工し、約3ヶ月間の工期を経て竣工は2021年2月中旬頃を予定しております。


活動状況

 <国登録有形文化財に登録>

建物の維持・保存をしていくために、平成20年10月23日に「本館」、「北門」、「東門」の3か所が文化庁の国登録有形文化財に登録されました。


「本館」

                                「本館」木造3階建、入母屋造、平入、桟瓦葺

主屋の建築年代は、昭和13年の改修で現在の姿になったと推定されておりますが一番古い建屋は明治14年(1881年)以前に創建されたという記録が残っております。


「北門」

                                       「北門」木造、切妻造、平入、茅葺

創建当時からあったといわれている北門ですがその資料はあまり残っていません。昭和8年に発刊された書物には北門の写真が掲載されているのでそれ以前には存在していたことは確かです。


「東門」

                                    「東門」木造、切妻造、平入、銅板葺

東門の建築年代もはっきりしない。しかし、昭和26年に行われた資産税現地調査時の写真に屋根が板葺の東門が写っていることからそれ以前に建てられたものと言えます。



<料亭文化を現代風に・・・>

今までの料亭の売上構成は非常に小さいマーケットの中でしか営業してきませんでした。営業は夜のみで、お客様は地元の企業と男性のみの完全予約制でした。そこで夜だけではなくお昼のランチを始め、予約がなくても飛び込みでお食事ができるようにしたところ女性のお客様が増えました。

また県内外の旅行会社様からのツアーの予約も増え、昼食と館内見学をセットとしたご案内をさせていただいております。


                 のどぐろ御膳


                百年料亭 特別昼会席



<百年料亭ネットワークの設立>

経営のノウハウを全国の歴史ある料亭に教えてもらおうと私たちと同じように創業も建物も100年以上経っている料亭を半年かけて全国約3000軒の飲食店に問い合わせをして調べました。そうすると67軒の料亭が該当したのですがどこの料亭も私たちと一緒で経営が厳しく、お客様が減り、自力で建物を修繕するのが難しいと言った同じ問題を抱えていることがわかりました。

そこで、同じ問題を抱えている全国の料亭に協力を呼びかけ2017年3月に創業・建物ともに100年以上の北は青森県から南は大分県の全国18の料亭と設立したのが「百年料亭ネットワーク」です。

100年以上続く料亭の伝統と文化を地域の活性化につなげ全国の料亭が連携し合うことによって経営についての情報交換や建物の保存について話し合う場をつくりました。

また、2018年6月には百年料亭ネットワークをご支援いただいている有識者の皆様(隈 研吾様/東京大学教授、鳥井信吾様/サントリー副会長、大谷信義様/松竹会長、清野 智様/日本政府観光局理事長)による有識者会議を開催致しました。

有識者の皆様からは、日本古来の建築物保存やネットワークの強化、或いは和食(日本料理)の伝承など多彩なご提案をいただきました。さらに2019年1月には辻調理師専門学校の理事長(校長)でおられる辻 芳樹様からも有識者会議のメンバーへの就任に快く賛同していただき和食の世界の問題点や可能性についてなどご示唆いただきました。

さらに2018年7月には国会議員の皆様による「議員連盟」が衆議院第二議員会館において開催され、各料亭所在地の各選挙区から選出された衆議院、参議院の国会議員様が参加され、「百年料亭ネットワーク推進議員連盟」が全員の賛同のなか設立致しました。

参加された各議員様からは、「百年料亭」への応援メッセージを沢山いただき、更に、国内外への情報発信や地方創生・観光振興にも資するものだと、のお言葉をいただきました。

尚、会長には細田博之衆議院議員様、幹事長には高鳥修一衆議院議員様、事務局長には務台俊介衆議院議員様が選出されました。





リターンについて

【百年料亭 宇喜世 応援プラン】

■3,000円 

①心から感謝の気持ちを込めてお礼の「メール」を送らせていただきます。


■5,000円 

①心から感謝の気持ちを込めてお礼の「メール」を送らせていただきます。

②ランチ1,000円割引券を進呈させていただきます。

③改修工事完成見学会にご招待させていただきます。


■10,000円 

①心から感謝の気持ちを込めてお礼の「メール」を送らせていただきます。

②ホームページに支援者様のお名前を記載させていただきます。(ご希望者のみ)

③改修工事完成見学会にご招待させていただきます。

■30,000円 

①心から感謝の気持ちを込めて「宇喜世オリジナルの絵はがき」を送らせていただきます。

②ホームページに支援者様のお名前を記載させていただきます。(ご希望者のみ)

③改修工事完成見学会にご招待させていただきます。

■50,000円 

①心から感謝の気持ちを込めて「宇喜世オリジナルの絵はがき」を送らせていただきます。

②ホームページに支援者様のお名前を記載させていただきます。(ご希望者のみ)

③改修工事完成見学会にご招待させていただきます。

④宇喜世オリジナル風呂敷と手ぬぐいを送らせていただきます。

■100,000円 

①心から感謝の気持ちを込めて「宇喜世オリジナルの絵はがき」を送らせていただきます。

②ホームページに支援者様のお名前を記載させていただきます。(ご希望者のみ)

③本館1階ロビーに支援者様のお名前を掲示させていただきます。(ご希望者のみ)

④改修工事完成見学会にご招待させていただきます。


【百年料亭 宇喜世 ランチご招待プラン】

■10,000円 

①心から感謝の気持ちを込めてお礼の「メール」を送らせていただきます。

②宇喜世で3,000円相当のランチを1名様ご招待

③改修工事完成見学会にご招待させていただきます。

■20,000円 

①心から感謝の気持ちを込めてお礼の「メール」を送らせていただきます。

②宇喜世で3,000円相当のランチを2名様ご招待

③改修工事完成見学会にご招待させていただきます。


【百年料亭 宇喜世 お披露目夜会席ご招待プラン】

■50,000円 

①心から感謝の気持ちを込めてお礼の「メール」を送らせていただきます。

②改修工事した小座敷で10,000円相当の夜会席を1名様ご招待+館内見学


■100,000円 

①心から感謝の気持ちを込めてお礼の「メール」を送らせていただきます。

②改修工事した小座敷で10,000円相当の夜会席を2名様ご招待+館内見学



応援メッセージ  

歴史的建造物保存修復研究室 「アトリエ 雁木」主宰
一級建築士 清水 恵一

国登録有形文化財の申請の依頼を受け、料亭 宇喜世さんの建物を調査させて頂きました。幕末・明治・大正・昭和・平成・令和と引き継がれた料亭建築の素晴らしさを現しています。料亭建築は、おもてなしの心をもって、亭主の「数寄」(数奇)すなわち「好みに任せて」をどんどん進めて行ったものです。

高田の中心飲食街通りである「仲町通り」にある「東門」は、料亭の華やかさを表し、梁中央部には「宇喜世」を象徴するだるまの看板が掲げられています。対照的に「北門」は、国重要文化財「浄興寺」の大門通りの南側に面し、屋根は茅葺で出来ており、梁柱は“なぐり”仕上です。(共に登録有形文化財です。)

玄関を入ると右手中央に大きな階段が鎮座し、二階大広間へと導いています。今回の主役は、三階の小座敷です。中央階段を上がっていくとホールの右前方に更に階段があります。その先が「桜三階」です。8帖間で北側には仲町通り見おろせる縁があります。その名が示すとおり床柱や落掛をはじめ、至る所に桜材が使われています。室の東側には床の間を構え、敷込棚とした床脇の天袋には箔押しの建具、出書院の障子には松皮菱など細工を施した組子を用いており、意匠性に富んでいます。

 対面には火灯窓風の飾窓を設け、また、縁や階段の腰壁は網代張りとするなど、随所に手の込んだ仕上げ・手法が用いられており、料亭の客室として上質の座敷構えです。

反対にホール左前方の階段を上がっていくと「仲三階」が待っています。床には豆砂利がひき詰められ、樹の幹が飛び石状に上がり框に繋がっています。 変則的な室形状で、東側には浅い床の間を設け、床脇も小さな造りになっています。床柱、落掛は自然木を用いて、全体として素朴な雰囲気を感じさせる部屋です。

次に建物の外観を眺めると、中央に飛び出した望楼が見えます。これが「妙高」 です。二階ホールから「水車の間」の廊下を通って行くと、更に階段があり、ここを上がっていきます。建築的には三階ですが、一番高い部屋なので通称四階と 呼ばれています。8 帖の座敷で、周囲に縁廊下が廻らされています。室の東側に 自然木の床柱の用いた床の間を設けあります。床脇は文道棚とし、脇壁及び背面壁には飾り窓を設けています。

天井は非常に特徴的で、室を斜めに二分する竹の落掛を設け、このうち一方を棹縁天井、他方を網代張りになっています。この「妙高」の間は高松宮様のお気に入りの座敷の一つでもありました。

これらの小座敷は、大切の人との会食に素敵なひと時を与えてくれる文化財料亭ならではの空間です。      

平成30年秋 黄綬褒章を受章された清水恵一さんです。                                                               構造設計の分野で全国の歴史的建造物の保存・活用に尽力され、大学在学時には故坪井義勝東大名誉教授に師事しておりました。


最後のあいさつ

築100年以上の木造の建物を維持・保存していくには巨額な費用がかかります。今回は3階の小座敷を修繕しますが、まだまだ本館の耐震補強であったり大掛かりな改修工事や修繕が必要です。そのためには、私共の「料亭文化」を守っていく活動にご賛同いただいている方々からの応援だけではなく、全国の皆様からの応援が必要です。この「料亭文化」を次世代に繋げることが「百年料亭 宇喜世」の使命であると感じておりますので是非、皆様のお力をお貸しください。

株式会社 宇喜世

〒943-0831

新潟県上越市仲町3-5-4

TEL:025-524-2217 FAX::025-523-9030

営業時間 昼 11:30-14:00  夜 17:30-22:00(LO 21:00)

定休日   不定休


 




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