はじめに・ご挨拶

徳川家康公の生誕地、東海道の宿場町として発展してきた愛知県岡崎市。岡崎城のすぐ近くで呉服商を営む創業216年目を迎える大賀屋呉服店です。この度、「麻の葉」柄の浴衣を作るためクラウドファンディングに挑戦いたします。アニメファンだけでなく、正統派の古典文様を好む方までご愛用いただける商品を作りたいと思います。なぜ江戸から続く呉服屋が「麻の葉」柄の浴衣製作をめざすのか。その想いをお伝えしたいと思います。

その前にお店と筆者の自己紹介を


【創業216年。江戸時代からつづく呉服店です】


江戸文化元年(1804年)、岡崎の木町(現材木町)で機織り職人であった初代植田八三郎が、現在の岡崎市連尺に移転し、呉服商を始めたのが始まり。以来初代八三郎、二代目石芝、三代目藤四郎、四代目良二、五代目良平、六代目一郎、七代目浩一郎と200年以上に渡り、代々呉服屋を営んでまいりました。今では西三河地区の呉服屋として最古の歴史を誇り、今日に至ります。きものの販売を通じて、心豊かな和の暮らしのご提案をいたしております。その歴史と経験の蓄積から、どの店よりも、岡崎の人々の好みを熟知。特に茶道や日本舞踊、着付けなど和のお稽古をたしなむ方のお着物を得意としております。

 

【筆者自己紹介】~呉服屋の7代目はサブカル好きの元・新聞記者

現在7代目を務める私は、昭和48年岡崎市の生まれです。大学卒業後に新聞記者、経営コンサルタントの職を経験。そんなサラリーマン生活を経て、今から10年前、37歳の時に家業の呉服屋に戻りました。遅咲きです。着物文化を守りたい。そんな気持ちで岡崎の町に戻ってきました。子どものころから着物に囲まれて暮らしてきました。時には古臭いものと敬遠したくなる時期もありましたが、和の文化の歴史やその奥深さに魅入られ、現在に至ります。元新聞記者という経歴を生かして、毎日SNS等で和文化に関する情報を発信しております。といっても趣味のサブカルチャーの情報発信が多いです( ;∀;)

性格は凝り性で研究者気質があるが普段は温厚。昔から映画鑑賞(累計4000本程度)のほか、読書将棋アマ三段、茶道、カフェ巡りなどブログやインスタグラム、Twitter毎日更新しています。昔から漫画アニメの類は好きです。

【風呂敷講座やコスプレイベントも企画】


2016年にはきものとアニメのコスプレイベントの企画。有名声優さんとわが町のヒーロー・オカザえもんをお招きしました。

年4回ほど開催する風呂敷教室。外国人の方向けの講座も開催実績あります。

通訳の方を交えての国際交流です。いまはコロナ禍でできないことが残念でなりません。

一日も早い収束を願っています。

2020年秋には地元中日新聞にも大きく取り上げられました。風呂敷はいまとても人気を集めています。

3年前から定期的に風呂敷講座を開催してきました 

近年では着付け講座や落語会、ランチ会、着物文化講座などの各種着物イベントも実施しております。フィギュアスケートファンの方を対象に唐草風呂敷をご紹介して普及活動をしたり、3年前の2017年には地元でアニメ声優を招いてのコスプレイベントを企画したり、地元商店主らを対象にしたビジネス講座を開催したり。自由な発想と遊び心をもつ呉服屋です。


さて本題です。

このプロジェクトで実現したいこと

「麻の葉」柄の浴衣をきっかけに、まちにきものの着姿を増やしたい。職人たちを守りたい。それが一番大きな理由です。

そのために「麻の葉浴衣を作ります。そしてファンミーティングを開催します」

ここを入り口に日本の古典文様のデザイン性や歴史などについて知っていただきたい。そうした文化性を次世代につなげていきたいということも今回のクラウドファンディングの目的。これを機に、多くの方に着物そのものにも興味を持ってもらえるよう「麻の葉」柄のゆかたを仕立てることを企画しました。



人気アニメの主人公の妹が着用している着物「麻の葉」。今回の一番の目玉。子ども用と大人用、その浴衣(反物)を作成します。

反物は綿織物の一大産地、浜松市内の染色工場にて生産。水通し加工は岡崎市内の悉皆屋(しっかいや、着物の直しや各種加工を行う何でも屋さんを指します)。仕立ては地元のベテラン和裁士が行います。


「反物からゆかたができるまで」~和裁の仕事~

製品ができるまでの簡単な流れ

浴衣は綿織物の一大産地浜松にて生産します。完成した反物は作業に入る前に水通し作業を行います。

これは和裁士ではなく悉皆屋と呼ばれる職人が行う重要な作業。綿で織られることが多いゆかた。綿は水分を含むと縮む性質があります。これをあらかじめ水に通す工程を入れてやることで、繊維内に入り込んだ不純物を取り除くとともに、意図的に生地を縮めておいて、繊維の布目を安定させてから縫製に入ります。この工程がないと、正しい寸法の仕上がりにならないので必要な工程です。反物で売られている着物はこの水通し加工を行ってから縫製に入ります

 ①裁断

浴衣1着につき、幅約38㎝、長さ12m程度の長さの反物を使用します。

これで一人分です。ゆかた(着物や襦袢)を仕立てる場合、平面の布を立体的に縫い合わせてます。洋服が曲線裁ちするのに対して、きものは再利用、仕立て直しすることを考慮してすべて直線裁ち、形の違う長方形のパーツに裁断してそれを縫いあわて作成します。一度はさみを入れたら二度と戻りません。 身に着けたときに、一番いい場所に柄の中心が来るよう、サイズを気にしながら、気を遣いながらの作業です。

 

➁本縫い

1で裁断した生地を、身頃・袖、衿の大まかな形に縫い合わせます。浴衣の原型がここで姿を現します。ゆかたを縫う場合、生産効率や低コスト実現を考慮するならミシン縫いや海外縫製ということになりますが、当店は手縫いの縫製にこだわります。並縫いで縫えば、仕立て直しをする際にすぐに糸が抜けて、再利用できます。ミシン縫いでは縫製が食い込みすぎて再利用ができません。何度も使えるように配慮されたエコ衣料。そこに日本人の暮らしの知恵があります。

 

くけ(手縫い)
 衿、袖口を手で縫います。糸目が目立たぬよう「まつり縫い」を用います。
 ここで手縫いをする主な利点は、衿に若干の膨らみを持たせ、着た時に胸元が崩れにくくなること、袖口の表に糸目が見えにくくなるため、見た目の美しさが生み出せることです。ここは一番技術を要する工程。和裁士の腕の見せ所でもあります。

 

アイロン仕上げ
 バキュームが付いた特殊なアイロンを用います。これによりしわを伸ばし、浴衣の折り目線をつけるだけでなく、糸くずや糸ほつれを吸い取ります。この時に、仕立てに不備が無いかどうかのチェックも同時に行います。


⑤検品(検針・寸法確認など

和裁士が出来上がった製品の検品を行います。具体的には検針機と呼ばれる金属探知機を使った検査。縫い針の残留や不純物がないかを確認します。直接身にまとう着物では特に大切な工程です。出来上がった商品は再度呉服屋でも再検品。これにより品質や寸法、各種仕様の確認を行います。 

 

①~⑤の工程が大まかな流れです。手縫いの場合、一着あたり10~2週間程度の製造期間を要します。これはとにかく丁寧に慎重に仕事を進めること。きれいな反物にはさみを入れますからやり直しがききません。集中力がいる仕事です。

こうしてできた製品をたとう紙に一枚一枚包んで納品いたします。こうして作られた浴衣が皆様のお手元に届けれらるわけです。


プロジェクトをやろうと思った理由

【コロナ禍における着る機会の喪失】

着物を着る機会がない。着物業界、浴衣を取り巻く状況を一言でいえばこうなります。春の卒業式・入学式をはじめ、お茶会、日本舞踊の会、着付け教室講座や花火大会など着物を着るイベントや機会そのものがことごとく中止になりました。自分のお店だけを考えた場合、着物メンテナンスや雑貨販売などに力を入れることになります。しかしそこにはまた別の問題があるのです。

「着物を作る職人たちの仕事がなくなっている」

きものの市場規模は年々縮小の一途をたどっています。1980年代には2兆円程度あった呉服市場も2018年には2800億円程度に。コロナ禍の2020年はさらに厳しい状況ですでに染織工場やだけでなく、問屋小売業などでも廃業が相次いでいる現状です。着物の製造現場は分業制。デザインを描く人、下絵を描く人、生地を作る人、型紙を作る人、染める人、着物を縫う人、家紋を入れる人など。多くの工程を複数の職人が分業して一枚のきものが出来上がるという特性があります。呉服屋はお客様の要望を吸い上げ、その声をもとに製造の過程を統括するお客様窓口件司令統括の役割を果たします。その複数の業務を担う職人や工房が、櫛の歯が欠けるがごとく少しづついなくなり、これまでの分業体制が維持できなくなっている。そんな瀬戸際にいるのです。また職人の多くは高齢化が進み、技術伝承も待ったなしの状況を迎えています。

そんな状況を打破するにはどうしたらいいか。これは着る人を増やすこと。それもいきなりはものすごくハードルの高いこと。少しづつでもいいから日本のきもの文化に興味を持つ人を増やすこと。それ以上に有効な策はないと思います。

「麻の葉」柄のゆかたは、コロナ禍で苦しむ職人の助けにもなる。

いま社会現象にまでなっているあの人気漫画には、多くの和装ファッションの要素がちりばめられています。そのデザイン性は令和の現代でも十分通用する。特に麻の葉は女性の可愛さを際立たせてきた伝統の文様。平安時代からいまも受け継がれる文様には、女性の美しさを際立たせる力が宿っていると思うのです。それを形にしたい。そして日本の伝統の業を次世代へとつないでいきたい。地元に着姿を増やす第一歩になるのであれば、コロナ禍に苦しむ製造現場や和裁士ら職人の助けになるのであれば。

2020年10月に和柄文様の手ぬぐいを製造販売したところ、2週間で400本を超える反響をいただきました。アニメの世界観を愛する多くの人が麻の葉や市松、うろこなど伝統の文様に興味を持って下さったことの証なのだと思うのです。いよいよ次は着物を作りたい。女性の美しさを際立たせる古典文様の良さを多くの人に知って体感していただきたい。それが今回、クラウドファンディングを行うことにした最大の理由です。


【これまでの主な活動】

10月には「着物柄」講座も開催

今や社会現象にもなっている某アニメ。私もコミックスを何度も読み返しましたが、この漫画には人の心を夢中にされるものがたくさん盛り込まれていると感じます。


なかでも今回、着目したのが高いファッション性と文様の多様さ。日本古来の古典文様が持つ意味や歴史背景を、呉服屋が見ても実に上手に取り入れています。

 

例を挙げてみると

市松文様の羽織、片身替わりの羽織(赤錆色と毘沙門亀甲柄)、瑞雲柄の羽織、鱗文様の羽織、蝶の羽をモチーフのぼかし羽織、炎の柄の羽織、縞模様の羽織、「南無阿弥陀仏」羽織、ぼかし柄の羽織に桧垣の角帯

一つ解説すると

・市松模様…未来永続の繁栄。「市松模様」というのは、江戸時代の人気歌舞伎役者の佐野川市松(さのがわ・いちまつ)から付いた名前。市松は人名です。当時、「心中万年草」という芝居で、舞台で着る袴に紺色と白色の碁盤縞を並べた格子模様を使ったのが最初だそうです。

佐野川市松に憧れる追っかけの女性たちがその格子模様を好んで使ったことから広く流行し「市松模様」と呼ばれるようになりました。

もともとある古典の素材を上手に取り入れ、独自の世界観を作り上げています。


こうして世界観が多くの人たちに受け入れられたと思います。

各文様には意味があります。そのイメージが上手に登場人物にリンクされているのがこの作品の特徴でもあります。そんな背景もあり、今年の10月4日にその着物柄を解説するZOOM講座も開催。北は帯広から南は福岡まで全国各地のファンの方にご参加いただき、ご好評をいただきました。10月16日には映画の公開に合わせて手ぬぐい3種の販売も開始いたしました。


【リターン品について】
本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。


1100円→和柄手ぬぐい1本(市松・麻の葉・ウロコ)

2200円→和柄文様解説ZOOM講座&ファンミーティング参加権利 8月開催予定

2750円→和柄手ぬぐい3本セット(市松・ウロコ・麻の葉)

4000円→7代目主催の風呂敷講座参加券

11000円→着付け個別指導料(3回分)

20000円→元新聞記者の7代目がプレスリリースの書き方講座

     またはきもの講座講師派遣料

     (愛知県内限定、交通費込み、1~10名まで受講可)

22000円→和裁士の手縫い仕立て 女児用ゆかた(6~7歳90㌢ 10歳児用110㌢)

24000円→ゆかた反物

40000円→和裁師の手縫い仕立て 麻の葉浴衣(S150㌢/M157㌢/L165㌢の3サイズ)     

水通し加工・仕立て代・たとう紙代+送料込み

 

早期割引 先着20名様は10%オフの36000円。


【実施スケジュールについて】

11月下旬募集開始

1月10日 募集終了 

2月 生産受注数決定

3月下旬  反物完成 および手ぬぐい発送開始

4月 仕立て完成次第順次配送 

6月末にはゆかた配送完了

8月 ファンミーティングイベント開催 文様ZOOM講座+交流イベント


【最後に】

岡崎に着姿を増やしたい。多くの人に古典文様の良さ、日本のきもの文化の良さを再認識していただきたい。コロナ禍に苦しむ自分たちだけのためでなく、同じように苦境にあえぐ職人たちのの力になりたい。なによりきれいな麻の葉文様の浴衣をまとう人たちの笑顔が見たい。皆様のご支援、ご賛同をお願いしたく存じます。

                            大賀屋呉服店7代目宗七こと植田浩一郎


創作呉服と和装小物・和雑貨のお店創業文化元年 おおがや(大賀屋呉服店)
住所=〒444-0046 愛知県岡崎市連尺通1-4(名鉄バス「康生町」バス停下車徒歩1分)
営業時間=9:00~18:00 木曜、第3水曜日定休
取扱品目=呉服全般・和装小物・メンテナンス全般(洗い、染め替え、仕立て直し)など
電話=0564-22-1249 
FAX=0564-22-1249
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