生まれ変わった木村ミルクの、次の100年を作りたい
2018年に創業100年を迎えた牛乳メーカー「木村ミルクプラント」の木村俊太郎です。いわき市平の地で100年続いた牛乳屋を、さらに次の100年間受け継ぎ、皆さんに愛されるようなブランドにしていくため、今回「企業・ひと・技 応援ファンド」に参加しました。ぜひ、最後までご覧いただき、ご支援をお願いできればと思います。よろしくお願いします!



私の実家、木村ミルクプラントは、2018年に創業100年となった牛乳メーカーです。そのほか、ヨーグルト、アイスクリーム、プリンなどさまざまな加工品を製造するほか、市内のお菓子屋さんなどに牛乳を卸売しています。いわきでは唯一の牛乳製造メーカーということで、地元の皆さんに支えられ、創業100年を迎えることができました。

弊社の事業は「宅配」から始まりました。現在も事業の軸は宅配です。逆に言いますと、宅配ではない分野、ギフトをはじめとする直売などはまだまだ不得意で、宅配以外のお客さまへいかにしてお届けするかが長年の課題でした。そこで今年4月、次の100年を見据えたイメージチェンジを計り、牛乳などメイン商品のパッケージを一新いたしました。

新しくなった木村ミルクの商品デザイン

福島県は「酪農先進県」です。会津、中通り、浜通りそれぞれに乳製品メーカーがあり、牧場も各地に点在しています。そんな福島県で、木村ミルクはまだまだ認知度が低いのが現状です。実家に戻りまだ2年ですが、現場のこだわりや品質の高さを知ったことで、余計に、この牛乳をもっと多くの人に知ってもらいたい、牛乳の価値を伝えたい、と感じてきました。

今回クラウドファンディングに参加したのも、弊社の牛乳を、これまでとは違ったチャンネルで知ってもらいたいと考えたからです。いただいたご支援は、弊社の商品を知っていただく場づくりや、デザインの実装のために役立てたいと思っています。いわき唯一の牛乳メーカー、木村ミルクプラントの次の100年を作るため、ぜひ皆さんのお力をお貸しください。


<All-in方式>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

もくじ

 ・木村ミルク、これまでの100年
 ・牛乳屋の4代目として
 ・次の100年へ
 ・みなさんへの返礼品について

 

木村ミルク、これまでの100年

もともと木村ミルクプラントは、私の曽祖父が1918年に開業した牛乳メーカーです。当時は田んぼと畑しかなかったこの土地で、4頭の乳牛から事業が始まりました。事業の主軸は宅配です。震災と原発事故という危機もありましたが、安全性と美味しさを粘り強く発信したことで、お客様も少しずつ戻り、数多くの世帯に、日々、牛乳を配達させていただいています。


朝の配達前の時間。倉庫の前は多くの配達員が集まります


弊社の牛乳の特徴が「パスチャライズ製法」です。パスチャライザーという特殊な窯を使い、85度で15分間、ゆっくりと加熱して殺菌するという製法です。すごく手間のかかる製法ですが、機械任せにせず、職人がじっくりと加熱を管理することで適度に水分が抜け、旨味が引き出されます。雑味がなくなり、牛乳本来の旨味が感じられる牛乳に仕上がるわけです。 

一般的には、120度で1〜3秒加熱するという方法がとられます。牛乳を細い管に通して加熱することで一気に殺菌し、それを急速に冷やして仕上げる製法で、効率よく牛乳を製造することができるのですが、細い管を通すので、水分を含んだ蒸気が逃げる隙間がなく、牛乳の中に水分が残ってしまい、結果的に水っぽくなってしまうという難点があります。


これがパスチャライザーです。一定の温度でじっくりと熱を加えます

紙の匂いがつかないよう、牛乳は全て「瓶」か「ペットボトル」に詰めます

一方、パスチャライズ製法は、牛乳の水面と蓋との間に空気の層があるため、そこに水蒸気が逃げていきます。このため、適度に水分が抜けるので、牛乳の中に旨味が残るんです。また、加熱する過程で、アミノ酸と糖分が結びつく「メイラード反応」が起きます。ケーキを焼くと、もともとは白かった生地が茶色に香ばしく仕上がるのと同じで、つまり牛乳も「焦げる」のですが、これによってほのかな「香ばしさ」が生まれます。

その旨味を最大限発揮するため、木村ミルクではガラス瓶とペットボトルを採用しています。一般的に知られる紙パックだと、紙そのものの匂いや、内側に塗られた「ろう」の匂いが移ってしまうことがあります。また、大量生産される牛乳は、ポンプを使って生乳を汲み上げる過程で乳脂肪の細胞膜が壊れ、脂肪分解酵素が働いて「ランシッド臭」という生臭さが出てしまうんです。こうした臭いこそ、「子どもたちの牛乳嫌い」の要因になっています。

1本1本が手作業です。大量生産はできません

小さな子どもたちの栄養補給のため牛乳を飲ませたいという親御さんは多いかと思いますが、だからこそ、私たちは「匂い」にまで気を配り、旨味のある牛乳を作ってきました。美味しくなかったら毎日続けて飲みたいとは思えないし、せっかく牛の力を借りて牛乳を作るんだから、美味しいものを届けたい。そうして100年間、変わらない「ものづくり」を続けてきました。

おかげさまで、弊社の牛乳を継続して使っていただいている飲食店さん、洋菓子店さんが市内に増えてきました。今回の「企業・ひと・技 応援ファンド」に参加している47planningさんのパンケーキにも、私たちの牛乳が使われています。料理人やシェフ、パティシエからも評価いただいている牛乳を、もっと多くの人たちに味わってもらいたいと思っています。


牛乳屋の4代目として

製造現場に入り、牛乳について多少は詳しくなりましたが、もともとは演劇の道を志していました。いずれ家業は継ぐんだろうな、とは思っていましたけど、親父も元気ですし、親父が元気なうちは、自分の好きなことさせてもらおうって。でも、結局、大学では経営学を学んでいましたし、気づけば、実家に戻ってくることになりました。木村ミルクに入社したのは、大学卒業後の2017年です。


牛乳と向き合う日々
実家に戻ってきてからは、まずは現場ということで、製造部門に配属されました。牛乳屋の朝は早く、繁忙期になると、朝4時から工場に入ります。

これまで意識せずに牛乳を飲んできましたので、製造現場に入れば、牛乳に対する見方が変わるかな? とも思いましたが、何も変わりませんでした。昔から「うちの牛乳は時間かけて作ってるからうまいんだと」親父から言われていましたが、その通りだったんです。めちゃくちゃ時間がかかる。大量生産なんてできないと思いましたし、親父の言った通り、時間をかけてるからうまい。それを実感する毎日です。

現場に入ることで、命の恵みをいただいている、と強く感じるようになりました。牛乳の製造は「学校給食」と密接な関係があります。夏休みになると、給食がないので牛乳の需要が極端に減ります。だから牛たちは、夏休みの時期に出産するように交配されます。すると、2学期の始まる9月ごろになると、母牛たちの子育てが始まり母乳を蓄えるようになる。私たちは、それをいただいているわけです。

お客様にも、できるだけ「思い」を伝えるよう心がけています

自慢の牛乳を使って作ったプリンなども人気商品のひとつです


つまり、牛乳を飲むため、人間の都合を牛に押し付けているわけです。そもそも牛乳って、母牛たちが愛する我が子を育てるためのものですよね。それを私たちはいただいて、商品にし、飲んでいる。牛乳という、当たり前にある飲み物が、そのような生命の営みに支えられているということを、現場に入るようになってから強く意識するようになりました。

だから思うんです。牛乳を飲むというのは、単に栄養をとるだけじゃない。もっと大切なことを考えるきっかけを作れるはずだし、牛乳メーカーとして、味や品質だけでなく、牛乳の価値を伝えなければいけないんじゃないかと。


次の100年へ

時間をかけて作っています。100年分の蓄積もあります。けれど、まだまだ木村ミルクの味を、牛乳の価値を伝えきれていない気がします。まだまだマイナーな牛乳メーカーです。100年続いた牛乳を、次の100年に伝えていくためには、これまで以上に、外に向けて発信しなければいけないんじゃないか。これまでとは異なる伝え方で伝えなければいけない、と感じるようになりました。

そこで、今年4月、経済産業省の支援もあり、新しいパッケージデザインを決めるデザインコンペを実施しました。多くの案の中から、このデザインを採用したのは、牛乳に込められた価値をわかりやすく伝えているものだと感じたからです。

既存の牛乳のような、なんとなく牧場のイメージを膨らませたデザインでも、無機質なデザインでもなく、いろいろな価値が、ハッピーな感じでぎゅっと詰め込まれている。このデザインを次の100年のきっかけにしたいと感じました。


牛にまつわるさまざまな物語をデザインの要素に組み込みました

ただ、新しいデザインを実際に商品に実装したり、新しいデザインを周知してもらうための場づくりには経費もかかります。今回いただいた支援は、新しいデザインを商品に実装していくための費用や、商品の魅力を伝える場づくり、オンラインショップの整備などに役立てて参ります。ぜひ、みなさまのお力をお貸し下さい。


リターンについて

私たち木村ミルクの魅力をまずは味わっていただきたいので、弊社の商品を組み合わせましたが、インテリアとしても使える「牛乳缶」など、牛乳屋ならではのグッズなども入れております。また、今回のクラウドファンディングを通じてつながったヤナイコーヒーさんにもご支援いただき、美味しいカフェオレが作れるコーヒーも合わせていただきました。

ヤナイコーヒーの新店舗「sons」にて

箭内さんたちとお会いしたのは今回が初めてでしたが、同じ「親から事業を引き継ぐ」という立場同士、似たような悩みや葛藤も話すことができ、今回のコラボレーションにつながりました。このいわきの地で事業を継続していくため、今後もなんらかの形でつながっていければと思っています。ぜひカフェオレのセットもお試しください。

今後も、このような形で、これまでにないチャンネルを開拓し、次の100年に向けて、木村ミルクプラントを盛り立てていきたいと思います。ぜひ皆さまのお力をお貸しください!


【企業・ひと・技 応援ファンドとは?】

いわき市、いわき産学官ネットワーク、いわき信用組合、いわき商工会議所などが連携し、次世代に継承していく技術やサービス、商品を持つ事業者や、新型コロナウイルスを乗り越えるための新しいビジネスモデルを構築し、市民の安全・安心に取り組む事業者をサポートするために企画されたものです。新しい時代に、残したい・伝えたい。そんな企業を、ぜひ、みんなの力で支えましょう。応援よろしくお願いいたします。(事務局・いわき商工会議所 創業・承継委員会)


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