こんにちは。私たち人形劇団京芸は京都の宇治を拠点とする創立70周年を迎えたプロ人形劇団です。1949年の創立以来、全国各地に赴き、子どもから大人まで幅広い世代に人形劇を届けてきました。
『モモ』より
子どもから大人まで、すべての人に人形劇を届け、想像の世界を共有し続ける、それが私たちが実現したいことです。
2020年、新型コロナウィルスの感染拡大のために数えきれない公演が開催断念を余儀なくされ、人形劇を届けるたくさんの機会が失われてしまいました。
私たちは、どうすれば再びみなさんの前に立ち人形劇を届けることができるか試行錯誤を続け、感染予防策を徹底しながら少しづつ公演活動を再開できるようになってきました。
しかし現在、以前のように公演活動ができない状況下で、劇団を存続させていくことそのものが厳しい状況に陥っています。2020年の4~9月の収入は例年の9割減となり、年間収入の半分が失われました。その後も感染拡大の波は収まらず、これまでのような公演活動に戻る道は容易ではなく、息苦しさが蔓延する社会の中、劇団員ひとりひとりの暮らしも決して楽ではありません。
私たちの仕事はこれで終わりなのか、人形劇は必要ないのか。自分たちが一番大切に思ってきたものが、社会にとってそうでは無かったのかと無力感に飲み込まれそうになる日々が続いています。しかし、当たり前だったことが次々と変化し、足元が揺らぐような感覚の中でも、変わらなかったものがあります。子どもたちです。
コロナ禍以前のふれあいの様子
少なくなった公演活動の中でも、子どもたちは決して変わりませんでした。世界が窮屈に形を変える今、子どもたちだって毎日何かを抱えているかもしれない。しかし人形劇を観るとき、彼らは以前と変わらず、強く素直な真っすぐさで人形劇の世界に飛び込んでくれました。
どんなことが起きても、人形劇をみんなで観る今この瞬間は、ともに笑い、驚き、冒険をして、人形と共に生きてくれる。子どもたちのその姿に私たちがどれだけ救われたか知れません。そして、この笑い声、このエネルギーを、私たちは諦めたくない。子どもたちが改めて気づかせてくれる人形劇のたくさんの魅力を、子どもたち、そして大人たち、すべての人に届け続けたい。私たちは足を踏ん張り顔を上げて前に向かうことを選びました。
子どもから大人まで、すべての人に人形劇を届け続ける。私たちは、この思いを実現するために、本プロジェクトを立ち上げました。誰もが大変な社会の中で、このようなお願いは心苦しくもあります。自分たちでどうにか出来ない不甲斐なさも痛感しています。でもどうか助けてください。みなさまにご支援をお願いしたいと思っています。どうかお力をお貸しください!
『ぼくのおとうと』より

人形劇団京芸は、幼稚園保育園での公演、小学校の体育館での鑑賞行事の公演、地域の子育て支援での公演、全国各地のおやこ劇場や行政でのホール公演、また劇団の自主公演など、全国各地で様々な公演活動を行っています。また毎年、文化庁の「文化芸術による子ども育成総合事業」の巡回公演の実施や、地方巡回公演などにも取り組んでいます。海外では近年ASSITEJ Korea Internationalの招待公演において、現地の子どもに楽しんでもらうために字幕ではなく全編韓国語での人形劇上演を実施しました。また、45周年記念作品『モモ』では文化庁芸術祭優秀賞を受賞。その他様々な作品でも、厚生労働省社会保障審議会児童福祉文化賞や、日本人形劇大賞などを受賞させて頂いております。
70周年記念作品『あっちこっちサバンナ』より
京都においては、日本三大祭りのひとつ、祇園祭に奉納される鷺踊りの衣装や、平安神宮の節分祭の鬼の衣装等の製作を担当し、拠点である宇治では女性鵜匠の協力のもと鵜飼いをモチーフとした人形劇を製作するなど地域に根付いた活動にも力をいれてきました。
祇園祭・鷺踊りの衣装を毎年メンテナンスしています
また人形劇サークルへの講師活動や、子どもたちに向けた人形劇ワークショップ、大学での講師などの活動にも取り組んでおります。
こうした多様な活動をさせて頂く中で、やはり私たちの真ん中にあるのは、人形劇を届けることです。このことを大切にこれからも活動を続けて行きたいと考えています。
『火よう日のごちそうはひきがえる』より
人形劇の舞台を観るということは、映像を観ることとは違います。舞台の人形は画面の向こうではなく、私たちの目の前に現れて物語を生きます。人形劇を観るとき、隣に座る友達や家族と同じ空間に人形は存在し、泣いたり笑ったりします。人形は作られた「想像」のものです。しかし、私たちが生きているこの現実にはっきりと存在することができる「想像」です。子どもも大人も垣根なく、確かに分かち合える「想像」です。そしてそれは、人形劇を観るそのときに、目の前で生きている「想像」なのです。
『とどろヶ淵のメッケ』より
人形劇の作品創りはいつも挑戦の繰り返しです。子どもにも大人にも、観てくれるすべての人にちゃんと届くだろうか?たくさん笑ってくれるだろうか?怒りや悲しみや説明のつかない沢山の感情を、物語の真ん中を一緒に分かち合ってくれるだろうか?私たちはいつも緊張と不安と、それ以上の期待を持って舞台に挑んできました。観てくれた人たちが、想像の世界を一緒に体験し、心を震わせて人形たちと共に冒険に乗り出してくれる、そのたびに私たちは力を貰い、また必ずワクワクする人形劇を創ろう!と決意してきました。
劇に出演する人形たち

クラウドファンディングでご支援いただいた資金は、劇団存続のための運営資金に充てさせて頂きたいと考えております。みなさんのご支援を力に変えて、70年の歴史のその先へ、子どもから大人まで、すべての人に心が躍るワクワクする人形劇を届け続けていきたいと思います。
仕込み(制作)の風景

人形劇はすべてが作り物の世界です。舞台に登場するすべて、人形だけでなく、例えば机やコップなどの道具ひとつひとつ全て人形に合わせて作られます。背景に登場する木も家もすべて作ったもの、言ってしまえば「ウソ」の世界です。
たとえばクマが歯痛を訴えたり、絵に描いた竜が絵から飛び出してきたり、ひきがえるとミミズクが紅茶を飲んだり。そういう「ウソ」は現実には無い想像の世界であり、それらは「不要不急」のものかもしれません。
ですが、この作り物の世界を創造し、共有しあうことが出来るのは人間だけです。存在しないものに想いを馳せて、心を動かすのは人間だけです。人形劇を楽しめるということは、人間が人間らしく生きている証のひとつと私たちは考えます。
誰もが人間らしく生きていくために、私たちは人形劇を届け続けたい。想像の世界を分かち合い、自由に心を動かす楽しさを届けたい。どうかみなさん、お力をお貸しください。
人形劇団京芸 一同
<お問い合わせ>
TEL … 0774-21-4080(平日10:00~16:00・土日祝休み)
メール … nabekurakyougei@gmail.com(クラウドファンディング用期間限定アドレス)
SNS … Twitter・Youtube・Facebook・Instagram
70周年記念作品『あっちこっちサバンナ』より
ご支援頂く際に、人形劇の色んな魅力を楽しんでもらいたい!という思いから、様々な形のリターンを21種類ご用意しました。
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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