はじめに・ご挨拶

はじめまして、私たちは、埼玉県比企郡滑川町を拠点として活動する一般社団法人 武道振興會 倭式騎馬會と申します。私たちは、昔から伝わる流鏑馬という伝統文化を残すため、また、流鏑馬の活動を通して今や絶滅に瀕している日本の在来馬の活躍の場を作るための活動をしています。

しかし、コロナ禍の影響により、神社等で実施する流鏑馬の活動が全て中止になり収入が絶たれ、現在、流鏑馬において必須のパートナーである馬たちの住む牧場の維持・管理をする上での資金が不足しています。その上、今年の梅雨や台風が多く発生した時期には、牧場内が沼地状態となってしまい、馬の蹄が腐食しかけてしまうなどの問題が発生しました。

次の梅雨時期が来るまでの間に牧場の水はけを良くするための土壌改良の工事をする必要があるので、当会の会員などからも寄付を集めてはいるものの、コロナ禍による収入減を賄えるほどには至っておりません。そのため、このままでは現在牧場で飼育している8頭の内の何頭かを手放すことも考えなくてはならない状況に追い込まれており、将来における流鏑馬の実施も危ぶまれる事態となっております。

そこで、この日本に古くから伝わる流鏑馬という文化と在来馬という希少な存在を守るための活動を継続できるよう、皆様のご支援・ご協力をいただきたく募集をかけさせていただいた次第です。

以下において、詳しく説明させていただきます。

1 当会における流鏑馬の活動

 〇 流鏑馬とは

「流鏑馬(やぶさめ)」とは、馬に乗って駆けながら三枚の的を射当てる騎射です。これは武士の習わしとして、騎射三者(流鏑馬、笠懸、犬追物)と呼ばれる平安時代から伝わる伝統的な武芸(のちに儀式)の一つとなります。

流鏑馬

天下泰平、国家安穏、五穀豊穣を祈願する神事として、宮中や神前で行われ、当った的や矢を御守護としていただく習わしとして、平安時代ごろから行われている武道的要素を含んだ伝統行事です。儀式や所作は厳然とした作法に則って行われることから、厳正な雰囲気を与えると同時に、駆け抜ける馬の馬上から騎射が矢を放ち的を射抜く姿が、観衆の心を捉えます。しかし、かつては日本各地の祭や行事として行われていた流鏑馬も、正確な古実に基づいた流鏑馬行事を今日ではなかなか見ることができなくなっています。

 〇 当会の実績

当会は、日ごろの修練の成果を流鏑馬や馬上武芸を通して、定期的に神宮・大社・神社等において流鏑馬行事を奉納しています。

現在、一般社団法人武道振興會の一事業部として、後進を育て末長く継続していくため、倭式騎馬會は年十回程度の流鏑馬行事を催行しています。

令和元年度には、以下の9回流鏑馬を披露いたしました。

1月      白馬祭(鹿島神宮)
3月  鎌形流鏑馬(鎌形八幡宮)*木曽義仲ゆかり
4月  小鹿野流鏑馬(小鹿神社)*秩父一族ゆかり
5月  鹿島流騁射(鹿島神宮)
8月  佐野流鏑馬(唐澤山神社)*藤原秀郷居城跡
9月  上田城流鏑馬(眞田神社)
11月 嵐山流鏑馬(菅谷館跡)*畠山重忠居城跡
11月 河越流鏑馬(河越館跡)
12月 秩父流鏑馬(秩父神社)

 〇   流鏑馬に必須のパートナ

当たり前のことではあるのですが、流鏑馬は人間だけで行うことはできず、必ず「馬」というパートナーが必要となります。

現代において「馬」というと、競馬や馬術競技などで目にすることの多いサラブレッドのような西洋馬をイメージする方がとても多いのではないでしょうか?そのような中、当会では「在来馬」を流鏑馬のパートナーとし、人馬ともに日々稽古に励んでいます。

流鏑馬を実施するためには、動きだけでなく気持ちにおいても馬たちと一体(人馬一体)になる必要があります。私たちは、古来から日本人と共に暮らしてきた在来馬たちと日本の伝統である流鏑馬を通して、より一層の人馬一体を目指しています。

そのため、騎馬術や弓馬技術の習得に留まらず、在来馬に関する知識、お世話を通して馬それぞれの個性や性格、習慣等を理解することにも重点をおいて活動に取り組んでいます。

 〇 在来馬とは

古来日本では在来馬と呼ばれる比較的小型の馬と生活を共にしていました。在来馬は、日本の気候や風土の下、大切に育てられ、農業、林業、運搬等の場面において主に活用されていました。

また、西洋馬と比較すると体は小さいですが、足腰が強く丈夫で、蹄も固いので基本的には蹄鉄を打つ必要がなく、粗食にも耐え、性格も温厚なので、非常に扱いやすいという特徴があります。

さらに、斜面での歩行も得意で、体高も比較的小さいことから日本人の体に合っており、騎乗するにも、荷物を載せて運ぶことにも適していました。(参考:西洋では、肩までの高さが147cm以下の馬をpony、それ147cm以上の馬をhorseと呼んでいますので、この考え方からすると、現存する在来馬8種はすべてponyとして分類されます。 )

これらの在来馬の性質から、現代においても子供の乗馬、障害者乗馬、ホースセラピーなどの分野で活躍しています。

頭数に関しては、戦前の馬が人々の生活に密着して活用されていた時代には、数多くの在来馬が飼われていましたが、明治時代末期に当時の政府の政策により外来種との混血が進められたこと、また、戦後の社会生活の変化や自動車の普及などにより、明治初頭には約150万頭いたといわれていた頭数が、1994年時点で3466頭、令和元年時点では約1500頭にまで減少しています。(現存している8種の在来馬の合計)

在来馬とは(公益社団法人 日本馬事協会)

https://www.bajikyo.or.jp/native_horse_01.php

日本の在来馬に関する動画(日本競馬協会):

https://www.jra.go.jp/gallery/update/info/geinou/index.html

在来馬の頭数に関する現状(日本馬事協会調査):

https://www.bajikyo.or.jp/pdf/shiyoutoususuii.pdf

〇 在来馬の復興と当会の考え方

当会においては、昔から日本において様々な局面で活躍していた在来馬を活用する形で、流鏑馬を実施しています。例えば、現在当会の牧場で飼育している馬は全8頭の内、6頭は道産馬(北海道和種)、2頭は木曽馬です。(道産馬(北海道和種) は、北海道の文化遺産に指定されており、源義経が東北の藤原氏にあずけられた頃に乗りこなした南部馬の血を引いているといわれています。また、木曽馬は、長野県の天然記念物に指定されており、木曽義仲の愛馬であったと知られています。)

当会では、日本古来の馬を乗りこなして流鏑馬や馬上武芸を行うことにより、流鏑馬という活動を広めて、絶滅が危惧されている在来馬の復興を目指しています。

また、馬は30歳くらい(注:馬の1年は、人間の4年に相当) まで生きる場合もありますが、およそ20歳を境に体力的に弱っていきます。このため、現在日本においては、経済的な理由から、馬たちが高齢のため思うように使えなくなると手放さなければならないケースや多額の医療費がかかり安楽死という選択をせざるをえないケースが多くみられます。

しかし、当会ではたとえ流鏑馬のために全力疾走ができなくなったとしても、貢献してくれた馬たちを最後までお世話していける環境づくりを目指しています。


 〇 当会所属の馬の紹介

1 日之丸(ひのまる)
馬種:道産馬
性別:♂
毛色:黒糟毛
年齢:20歳
特徴:性格はとても温厚で賢い馬。
顔は一番かっこいいともっぱらの評判ですが、前髪がフサフサすぎて見えなーい!
流鏑馬のときには、おじいちゃんとは思えない俊足を誇ります!

2 白星(しろぼし)
馬種:道産馬
性別:♀
毛色:佐目毛
年齢:18歳
特徴:普段の目は碧(あお)く澄んで見えますが、日の光に透かすと赤く輝くのがミステリアス!
真っ白な躰は、ご神馬の証。気持ちの強さも天下一品。しかし、誰が乗っても安心の懐の大きな女王様でもあります。

3 木曽富士(きそふじ)
馬種:木曽系馬
性別:♀毛色:鹿毛
年齢:17歳
特徴:いかにも木曽馬!という体形と毛色が子供から大人気!何事にも動じない、初心者や子供まで安心して乗れます。でも、おばあちゃんらしからぬ、一番食いしん坊の富士ちゃん♪

4 磨墨(するすみ)

馬種:北海道和種
性別:♂
毛色:青鹿毛
年齢:10歳
特徴:お手本となるような運動パフォーマンスの持ち主!紳士的な姿に人からも馬からも大人気!

5 鏡栗毛(かがみくりげ)

馬種:北海道和種系
性別:♀
毛色:栗毛
年齢:12歳
特徴:挨拶すると「じーーっ」と見つめ返してくれる、牧場内一の美女!誰よりも流鏑馬の練習に励んでおり、初心者でも流鏑馬が出来るほどの安定した走りを見せてくれます。

6 権太黒(ごんたぐろ)

馬種:北海道和種
性別:♀
毛色:青鹿毛
年齢:7歳
特徴:見た目も名前も男前ですが、実はれっきとした年ごろの女の子!素晴らしい運動能力と学習能力の持ち主ですが、気の強さは牧場一。超迫力のある走り、そして跳躍力!

7 三日月(みかづき)馬種:道産馬
性別:♂毛色:月毛
年齢:6歳
特徴:いたずら好きのやんちゃ坊主。好物は人参のぬか漬け。まだ子供ですが、流鏑馬の走りは尾を立ててかっこいい!更なる成長に乞うご期待!

8 桃介(ももすけ)

馬種:木曽馬
性別:♂毛色:黒鹿毛
年齢:1歳

特徴:コロナと大雨で大変な夏に来たばかりの子馬の男の子!背中がまだ出来ていないので、人を乗せるのはこれからです。おっとりした性格で、地道な運動をコツコツ積み重ねることのできる頑張り屋さん!人懐っこく、何かくれるの?と、あどけない顔でいつもかわいく挨拶をしてくれます!


2 牧場の状況(今回クラウドファンディングを実施するに至った理由)

今年の梅雨から夏にかけて、雨や台風により、牧場内が沼地状態となってしまい、馬たちの蹄が腐食しかけたり、流鏑馬の稽古に支障がでるという問題が発生しました。現在は何とか乾いて、いったん問題は収まっているものの、次の梅雨が来るまでの間に、牧場の水はけを良くするための土壌改良の工事等をする必要がある状況にあります。

馬房に関しては、何とかスタッフと会員の作業により、排水、掘削、石灰塗布、土嚢積・・・を行い、泥沼となることを阻止しましたが、放牧場や走路に関しては、傾斜の調整や排水の流れ等に関する土木の専門的な知識と経験がなければ、逆に悪化させてしまう可能性もあることから、どうしても工事をして対処するしかないという状況です。

具体的に、工事が必要な個所は、以下の通りです。

放牧場:通常馬たちは馬房から出て、30m×13mの放牧場でくつろいでいるのですが、放牧場内の排水が非常に困難で、馬の足首までつかるような泥沼状態で、馬にとってはとてもストレスのかかる状態が続いていました。基本的には馬房と同じような対策を施したいのですが、専門業者による土壌改良と排水設備を整えた上で、相当量の土の入れ替えが必要な状況です。

流鏑馬の稽古を行う走路:長さ180mの走路が2レーンありますが、こちらも放牧場と同じく水害にて浸食され、足首まで埋もれてしまうため、馬にとっても人にとっても安全で十分な練習ができない状況となっていましたので、こちらも土壌改良と土の入れ替えが必要な状況です。

また、今回のクラウドファンディングにおいては、その他牧場に必要な馬房・馬柵の整備や発電機や雨水のタンク等の機材の購入を行う事も考えております。

〇 コロナの影響による収入減

流鏑馬行事の開催においても新型コロナウイルスの影響は甚大で、例年実施している神社等での流鏑馬行事の開催ができず、今年は全ての流鏑馬行事が中止になりました。これらの行事に参加することにより頂いていた謝礼金等を用いて、牧場の管理やえさ代等を賄っていたのですが、それらが現在絶たれてしまっている状況です。

〇 クラウドファンディングの活用

そこで、流鏑馬という日本古来の伝統文化の担い手である大切な在来馬達が安心して暮らせる牧場にするために、今回のプロジェクトを立ち上げることとした次第です。


最後に

私たちは、在来馬が新たな役割の下活躍し、人と馬とが互いに支え合って生きていくことのできる世の中を実現していきたいと考えています。

流鏑馬、そして、在来馬の未来を守るため、どうか皆様のご支援とご協力をお願いします!

大切に育てています!

これからも流鏑馬を皆様に見ていただけるよう、頑張ります!


*本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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