「なぜ月の光で写真を撮るのか – 闇夜と人間の関係」

皆さんは暗い夜に写真を撮ったことがあるでしょうか?
きっとその多くは写っていなかったり、フラッシュを使ったせいで明るすぎる写真になってしまった経験があるかもしれません。

隼田大輔は、そうした夜の暗い風景を月の光だけで撮影するプロジェクトを行ってきました。 現在の私たちの生活には人工照明があふれています。それは私たちの不安を取り除くかのように、街のいたるところに作られて暗闇を排除しています。一方で、昔の人が当たり前に感じていたはずである、夜の暗闇についての手触りを伴った感覚を、私たちは忘れてしまっているのではないでしょうか?

そうした過去における、闇夜と人間の関係はどういったものだったんだろうかという疑問を抱き、それを表現してみたいという気持ちから、隼田大輔は2009年より2011年までの3年間、1人で日本各地を旅し、月の光だけで風景写真を撮るプロジェクトを行ってきました。誰もいない夜の暗がりを求めて、屋久島、青森、千葉、伊豆、佐渡島、兵庫の山々などを1人で訪れました。夜の暗がりを撮影するために月の光を必要としたため、満月の前後3日間だけを撮影に選びました。また、この期間であっても、雲で月が隠れると撮影はできませんでした。そういった自然に身をゆだねた状況の中で、写真1枚につき30秒ほどのシャッターを押し続け、プロジェクトを開始してからの3年間で総撮影枚数は1000枚ほどになりました。

月の光で撮影した、風景写真集制作(写真家 :隼田大輔)_01

月の光で撮影した、風景写真集制作(写真家 :隼田大輔)_02

今回、そこから厳選した30枚弱の写真を、写真集『うばたま』として年内をメドに自費出版することにいたしました。「うばたま」という言葉は聞き馴染みが薄いですが、短歌の中で夜や暗闇の枕詞として使われてきました。(例:うばたまの 夜のさくらの 仄明かり おもむろいして 闇に息する 浜田陽子 )

月の光で撮影した、風景写真集制作(写真家 :隼田大輔)_03


「みなさんと共有したいこと」

この写真集を通して、夜の暗闇の風景の中で、さまざまな知覚を通して認識した世界を、読者の方々にも追体験していただきたいと考えております。昼や、人工照明に照らされた空間とは違い、視覚だけで捉えきれない夜の世界では、その認識を音を知覚する耳や、見えないものを想像力によって見るといった知覚に自然と依存していき、世界の認識を補っていきます。そのようして夜の暗闇の風景は、私たちの想像の世界へと昇華していくのです。それは撮影者としての隼田大輔だけのものではなく、写真を見る読者も共有することが可能であり、写真集というかたちを通して切実にそれを望んでおります。

月の光で撮影した、風景写真集制作(写真家 :隼田大輔)_04


「なぜ写真集なのか — みなさんの支援でできること」

日本に限らず、世界の芸術写真界では、写真集を制作するということが写真家の評価に大きな役割を果たしています。ですが、昨今の出版不況といわれるような現状では、芸術写真集はコストに対する利益が見込みづらいため、出版社を通した制作が非常に難しいのが現状です。
写真を再現できる綺麗な印刷をするためには、良質の紙を選ぶことが重要です。カラー写真の場合は4色のインクを使うので、黒1色だけの印刷に比べて、値段がすでに4倍になります。そして、写真を見せるために、ある程度の大きさも必要になります。こうした理由で、写真集の印刷コストは高額になります。
しかし、隼田大輔は50年後にも残っている写真集を作りたい気持ちでいます。また、この写真集出版を実現することが今後の作家活動をより充実なものにし、『うばたま』に続く作品を生み出す基盤を築くことになると考えております。

月の光で撮影した、風景写真集制作(写真家 :隼田大輔)_05

月の光で撮影した、風景写真集制作(写真家 :隼田大輔)_06


「これまでの評価」

活動履歴としまして、今回の『うばたま』の作品で、これまで東京と名古屋、フランスのパリで展覧会をしてきました。また、2010年には現代美術の賞である「ALLOTMENT TRAVEL AWARD」( http://www.allotment.jp/shinsa.html ) を受賞することができました。このコンテストで隼田大輔に対して頂いた審査員の評価を以下に掲載いたします。
「彼が理論的に考えていた闇の世界とは、場所やものの輪郭が無い総体としての一つの闇(彼曰く、アノニマスな世界)と考えたわけですが、実際に写真を撮ってみると、その考えを裏切ってかすかな輪郭が浮かび上がり、その場所をぎりぎりで特定づける作品ができてしまったというものです。その写真作品は大変シンプルなものですが、彼が感じるその不思議というものが面白く映り込んでいると感じました。思考することと作品が出来上がったときのギャップ(裏切り)を、思考から作品を解放して行く大切な鍵として確り認識しながらまた闇に向かって行く彼を応援したいと思いました。」近藤正勝/美術家 ( http://masakatsukondo.com )

月の光で撮影した、風景写真集制作(写真家 :隼田大輔)_07


「今回の写真集出版の費用、詳細について」

出版された写真集は東京とロンドン、パリ、アメリカなどにおいて美術本を扱う書店、美術館内にあるミュージアムショップ、また隼田大輔のオフィシャルwebサイト( http://www.hayatadaisuke.com/index.html )にて販売を予定しております。販売価格は2,000円から2,500円のあいだを予定しております。

支援金の使用目的はすべて、写真集制作費(印刷、製本費)になり、制作費として90万900円かかります。

本の仕様につきましては以下のとおりです。
寸法: A4変型
部数:750部
ページ数: 本文32ページ
加工:並製本かがり
デザイン:山崎正樹(hiyocostudio)(http://setagaya-school.net/People/masaki-yamazaki/ )
印刷:大伸社( http://www.daishinsha.co.jp/index.html )

プロジェクトの目標金額は20万円ですが、目標を超えた更なる支援をお持ち申し上げております。なにとぞよろしくお願いいたします!

以下の動画は、過去に制作いたしました、海を題材にした作品『いさなとり』です。参考としてご覧下さい。


「リターンについて」

1,000円と3,000円のリターンでプレゼントいたします、過去の展覧会の案内に使用したDMカード2枚は以下の写真になります。サイズはそれぞれ、B5(182mm x 257mm)と、A5(148mm x 210mm)です。

月の光で撮影した、風景写真集制作(写真家 :隼田大輔)_08


  • 2012/10/20 21:51

    前回の活動報告から、ご無沙汰してしまいました。 申し訳ございません。 写真集制作の近況といたしまして、いくつかご報告を差し上げたいと思います。 まず、添付画像のように表紙のデザインが決まりそうです。 表紙に穴をあけ、そこからタイトルと写真が覗けて見えるというデザインです。全体的に写...

  • 2012/08/11 00:31

    本日8月10日、写真集の印刷を担当してくださっております大伸社さんへ、デザイナーさんと一緒に、印刷のテストを拝見してまいりました。 黒ばかりの写真を本にするのは、大伸社さんにとっても、デザイナーさんにとっても、きっと特殊な仕事であるでしょうが、これを楽しんでやってくださると嬉しいなと思っ...

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