埼玉県所沢市にある築53年の木造2階建ての建物に誰もが安心して集える私設図書館「シン図書館」をつくるプロジェクトです。

■所沢にみんなの居場所となる私設図書館「シン図書館」をつくります!■

はじめまして。「シン設計室」を主宰する高橋真理奈(たかはしまりな)と申します。
私は大学時代に建築や家具、デザインについて学びました。
大学で建築の面白さに魅了され、将来は建築家になりたいと思い、大学を卒業してからは当時の憧れであった建築家・長谷川豪さんの事務所の門戸を叩き、スタッフとして働き、修行を重ねてきました。
長谷川豪建築設計事務所では住宅や企業の社宅、世界遺産の休憩所を設計するなど8年間多くの経験をさせてもらい、2019年12月に退職、2021年1月に建築設計事務所「シン設計室」を地元の埼玉県所沢市で開業しました。

シン図書館108

私の開いた「シン設計室」は、埼玉県所沢市にある築53年の木造2階建ての建物「吉祥荘」2階の四畳半の1室が拠点となります。
今回は、この「シン設計室」ではなく、その隣のもう1室の四畳半の空き部屋を私設図書館「シン図書館」として開館するためのプロジェクトとなります。

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「シン図書館」では私が所有する約500冊の本を提供します。
「シン図書館」内で読むもよし、貸し出しも可能なので、持ち帰ってじっくり読むこともできます。
本を読む、借りる以外に自分の領域を街に解放して、みんなの共有財産にしていくことを目指します。

こうした私設図書館をなぜつくろうとしたのか、それに至る経緯にお付き合いいただければ幸いです。


■自分の領域を街に開放する■

自分の領域とは私が所有する500冊の本とそれを読む場所になります。
私はすごく読書家というわけではないですが、今まで読んだ本によって救われたり、ときめいたり、傷つけられたり、世界を壊される経験をしてきました。
そうした経験と数々の本は私の財産となり、いつもそばに本があって良かったと思っています。
私のそばにあった本たちが他の人にとっても、何かの寄る辺になればと考えました。
こうして私設図書館をつくろうとしたのも、全ては今まで出会った本のおかげです。

自分の財産である本を街に開放しようと考えたのは、本という知的財産と読む場を開放することで、少しずつお互いの共有財産を増やしていけないかと考えたからです。

資本主義下では「富」がどんどん「商品」に姿に変えていきます。
例えば水といえば誰もが公平にアクセスできる「富」であるはずなのに、それがペットボトルに詰め込まれ、「商品」化してしまい、それまで地域の人々が共同利用していた水汲み場は立ち入り禁止となり、水を飲みたければその「商品」を買うしかなくなります。

私は私設図書館「シン図書館」つくることで、「コモン」をつくりたいと思いました。
「コモン」とは共有財産のことです。
自分の領域を街に開放する、自分の範囲(本と本を読む場所)を差し出してみることで「商品」化されたものを「富」へと戻していくことはできないか、「コモン」をつくれないかと考えています。

人新世の資本論

彼が思い描いていた将来社会は、コモンの再生に他なりません。いわば、コモン(common)に基づいた社会、つまり、コミュニズム(communism)です。わかりやすくいえば、社会の「富」が「商品」として現れないように、みんなでシェアして、自治管理していく、平等で持続可能な定常型経済社会を晩年のマスクスは構想していたのです。
ー斉藤幸平『100分de名著 カール・マルクス 資本論』

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■本の貸し方、借り方
「シン図書館」では基本的に無料で本を読むことができます。
本の貸し借りですが、「シン図書館」の本をただ貸すという一方的な交換で終えたくない、と考えました。
例えば本を借りたい人がいれば、代わりに私に本を貸すというような仕組みにしたいと考えています。
本の代わりに絵本や漫画、CD、DVDとかでも貸し借りするのもいいかと考えています。

ちなみに「シン図書館」に置く本は私の私物ですが、あえて取捨選択をせず、なるべく私の本棚をそのまま移したいと考えています。
ちょっと難しい本や名著と呼ばれるもの、建築の本や、わざわざ人に見せたくない本もあります。
あえてそこは、選別せず、なるべく色んな世代や志向の人のフックになる、なりやすいようにした方が面白いと考えています。
そして、「シン図書館」に訪れた方の本も是非手に取り、私自身読んでみたいです。

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■きっかけは安心して「居る」ことができる場所が欲しいという気持ち■

冒頭で私は、2019年12月に当時の職場を退職し、2021年1月に開業したと説明しました。
その間に空白の1年があります。
8年間割とハードに働いたこともあり、1年ほど休養することにしました。
東京で借りていた1人暮らしの賃貸物件を解約し、地元の埼玉県所沢市の実家に戻りました。
それが2020年1月になります。

自分としては休養のつもりでしたが、肩書きとしては「無職」となり、世の中にただ生きる、存在して「居る」だけで過ごすことがいかに難しいかを実感しました。

人間は「居る」ことができないと、「する」こともできません。
何かをしないと世の中では「居る」ことが承認されにくい辛さを感じたこともあり、特に目的がなくとも安全地帯として誰もが「居る」ことができる場所をつくりたいと思ったことが、私設図書館をつくろうとしたきっかけでした。

居るのはつらいよ

 「いる」ってふしぎだ。
 (前略)そうやって何かを「する」とお金がもらえる。それが僕の日常だ。
 でも、それって、僕がそこに「いる」ことが前提となっている。当たり前すぎて、忘れちゃうけど、たしかに僕は職場にちゃんといられる。
 僕らは、自分になぜ「いる」ことが可能なのか、ふだんは考えもしない。魚が水のことなんか考えないように、犬が酸素のことを気にもしないように、僕らは自分の「いる」を支えているもののことに気がつかない。そんなことは当たり前だと思っている。
ー東畑開人『居るのはつらいよ』

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■なぜ所沢で私設図書館を開くのか?
突然ですが、「埼玉都民」という言葉をご存知でしょうか。
「埼玉都民」とは埼玉県から東京都区部に通勤・通学する者を指す俗語です。
平成27年の国勢調査によると埼玉県は昼夜間人口比率が88.9%と日本で一番低く、15歳以上の就業者・通学者のうち、県外へ従業・通学している者は約106万人と神奈川県に次いで第2位となっています。
私は生まれも育ちも埼玉県所沢市ですが、私は小学生の時に中学受験をしたことで、中学、高校、大学、職場は全て東京という、典型的な「埼玉都民」でした。

埼玉地図2

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所沢の駅前の通りは全国チェーン店が並び、ベッドタウンとして住みやすい街のためタワーマンションが乱立し、私は幼い時から地元の風景は好きではありませんでした。

大学から通算するとかれこれ12年程度建築の設計について勉強し、実務を経たはずなのに、いざ自分の設計事務所を開こうとした時に「地元の所沢は好きではないから」という理由で東京で開業していいのか?これでいいのか?と、自分の行動にブレーキがかかりました。
技術や知識を身につけた今でも何もアクションを起こさず、所沢の街を見るたびに複雑な思いを今後も抱き続けなければいけないのかと思いました。

それならば、むしろ所沢で建築家としての活動を始めた方が意義があるのでは、と思い始めました。
所沢での開業を決めたというのに、自分自身が所沢に対して抱く複雑な感情から、誰にも認識されることのない賃貸の一室で設計活動を始めるのではなく、地域の人が集えるような場所、そして、私自身が所沢の市井を調査できる場所がよいと考えました。
こうして、私は設計事務所だけでなく、その隣に私設図書館をつくることで「埼玉都民」としてではなく、「埼玉県民」として活動を始めることにしました。

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■所沢での新たな縁で「吉祥荘」を拠点にすると決めた
こうした理由で自分の設計事務所を構える場所は重要だと思い、所沢でこれぞと思えるような物件を探し始めました。
また同時に、私と同じような感情を所沢に抱きつつも、自分の周辺から場を良くしていこうと活動されている方々の存在を知りました。

私はそうした場所にいくつか赴き、実際活動されている方にお話しを聞くことができました。
その一つが西武池袋線「西所沢」駅から徒歩2、3分に位置する古書店「サタデーブックス」でした。
こちらの古書店は大竹悠介さんという私と同世代の方が店主として週末だけ開店するお店です。
大竹さんは「郊外ならではの豊かなライススタイルの編集と発信をする」というコンセプトで本業のかたわら、週末は古書店の店主として活動されています。

早速私は「サタデーブックス」を見に行くことにしました。
大竹さんに上記のような私の経緯を説明し、相談したところ、西所沢のエリアリノベーションに取り組む地元の不動産会社、吉祥リビングの岡川拓之社長を紹介していただき、さらに「実は隣の2部屋が空いていますよ」と教えてもらいました。
その場で空き部屋を見せてもらうと四畳半の部屋が2部屋ありました。
私は1部屋を自分の設計事務所に、もう1部屋を私設図書館にできるひらめき、すぐにこの部屋を借りようと決意しました。

平面図

後日、すでに地域に根ざしている街の古書店「サタデーブックス」の隣に街の設計室「シン設計室」と街の図書館「シン図書館」を設けることで、小さいながらも3つの異なる施設を持った街の文化拠点としての推進力を増すことができないかと、岡川社長に説明したところ、その場で提案を快諾していただけました。
こうした所沢で独自の活動をしている方々のご縁に支えてもらいながら、自分の活動を始めることができました。


■応援していただいたお金の使い道■

今回のクラウドファンディングでご支援をいただくお金は、「シン図書館」の改修費に充てられます。

和室

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「シン図書館」は「吉祥荘」という築53年の木造2階建ての2階部分になります。
築53年で長らく使われていない部屋ということもあり、建物の痛みが激しいです。
自分で改修できるところはDIYをし、床の下地調整、床の仕上げ施工、電気工事などは職人さんにお願いする予定です。
下記が「シン図書館」の整備にかかる費用になります。

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■床・天井工事:10万
■本棚造作工事:10万
■電気工事:2万
■空調工事:8万
■テーブル、椅子、照明などの備品:10万
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計:40万

費用は合計40万円ほどかかりますが、今回のクラウドファンディングでは応援の気持ちを募るとして、目標額は最低設定価格の1万円に設定としました。
みなさまからの温かい応援が集まった分を大切に使わせていただきます。


■リターンについて■

リターンにつきましては、地元の名産や「シン図書館」のTシャツやエコバッグをご用意して、なるべく魅力的なリターンにてご支援を多く募ろうと思いました。
しかし、このプロジェクトを始めようとしたきっかけは図書館(本)をみんなの共有財産にしていく、誰もが「居る」ことがきる場所をつくるというものでした。
それはなるべくお金や「商品」に頼りすぎない場をつくりたいという思いから始めたものです。

もともと自分の持っているものをみんなの共有財産にする、ということで始めたこともあり、基本的には自己資金で完結できるようなミニマムなプロジェクトとして考えています。
ですが、最初から最後まで自己完結となると、結局それは、自分だけの居場所つくりとして終わってしまうようにも感じました。

今回の目標額を最低設定価格の1万円としたのは、まずは自分から持ち寄ることを前提としたからです。
そうした中で、「シン図書館」を一緒につくってみたいと応援してくださる方がいるのなら心強いというのが本音です。
また、共感・応援してくださる方や仲間が現れてこそ、本当の意味でこの場をつくるスタート地点になるのではないかと考えました。

リターンについては、外から取り寄せた「商品」に頼ることなく、この「シン図書館」の成り立ちを共有できるようなものをご用意しています。
そして、このプロジェクトに支援をくださる方に、このプロジェクトを成功させることをお約束します。

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正式なオープンは4月頃を予定しております。
地域の人が気軽に立ち寄れる図書館にします。
私設図書館「シン図書館」にご支援いただけると幸いです。


■銀行振込での支援をご希望される方■

銀行振込での支援をご希望される方は、下記アドレスまでメールにてご連絡ください。
担当者より、折り返し手順についてご案内させていただきます。

marina_takahashi@kichijoso.com

  • 2021/07/15 13:09

    皆さん、こんにちは。大変長らくお待たせしましたが、本日リターンを発送しました。3000円以上のコースをご選択の方にはもれなく、ポストカードをお送りしております。また小冊子コースの5000円、10000円コースをご選択の方には小冊子も合わせてお送りしました。明日明後日にはお手元に届くかと思います...

  • 2021/06/30 19:25

    皆さま、こんにちは。図書館が開館してから、早いもので2ヶ月ほど経ちました。おかげさまで、限られた開館時間ではありますが、多くの方にご来館いただいております。館内の案内を分かりやすくするためにサインを新たに設置したり、図書館にエアコンを設置したり日々アップデートしておりますので、ご都合のよろしい...

  • 2021/05/07 19:35

    皆さま、こんにちは。今週の5/5(水)に、ついに「シン図書館」がオープンしました!当日は風が強い荒れた天気でした。そして、オープニングイベントも特に用意していないにも関わらず、多くの方にご来館いただきました。また、来館していただいた方にお祝いの品まで頂きました。ひとまず無事に開館日を迎えること...

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