はじめに・ご挨拶

はじめまして、プロジェクト発起人の増田靖と申します。

私はこれまで、大阪府堺市で障がい福祉事業に約20年携わってきましたが、これからは福祉という枠にとらわれない仕組みが必要だと強く感じ、福祉×他事業のプロデュースを手掛ける「株式会社ふくのこ」を仲間と立ち上げました。

誰もが生きやすい豊かな社会、子ども達に残したい未来の日本を思い描きながら、日々仲間と汗を流し、時には酒を酌み交わし「みんなが幸せになったらええなぁ」という思いで過ごしています。


堺で育てたお米で、最高の日本酒を造りたい

大阪府堺市南区に上神谷(にわだに)という地域があります。

「神の郷」と呼ばれたこの地には、今も美しい棚田の風景が広がっています。

粘土層で鉄分をたっぷり含んだ土と、朝夕の寒暖差が大きい地形は、酒米の栽培に非常に適しています。

江戸時代から明治時代にかけて堺は日本有数の酒どころで、上神谷(にわだに)の酒米がその産業を支えていました。

この地に魅了された私は「上神谷で作った米で、日本酒を造りたい。」という思いを強くし、ご縁を頼ってお借りした田んぼで、2019年に初めて米作りをしました。

農薬・化学肥料を使わずに米作りをしている方に教わりながら、山田錦の栽培に挑戦したのです。

お米作りで汗を流した後に飲む日本酒は格別で、日本酒を飲むと、酒米が育った土地や仕込み水の持つエネルギーが、温泉のようにじわじわと自分本来の元気な状態へ戻してくれるように感じます。

▼農業のアドバイスを頂いた鈴木さん


『やっぱり日本酒ってええなぁ。自分が生まれ育った堺の米で、最高の日本酒を造ってみたいなぁ』

という思いからこのプロジェクトは生まれました。

1人の思いから始まった夢は、人とのご縁や歴史を辿りながら進み、日本最古の国道「竹内街道・横大路」へと導かれ、1400年の歴史ロマンが詰まったプロジェクトとなりました。

かつて酒米の名産地だった堺・上神谷(にわだに)で育てた無農薬の山田錦を使い、堺と縁の深い奈良・今井町の老舗の酒蔵「河合酒造」で醸す純米吟醸酒「金の鳩」

地域復興と未来への願いを込めて、本数限定でお届けします。


障がいのあるメンバーとの米作りから得たもの

一緒に米作りをしているのは、私が運営するヤオヨロズヤという就労支援施設を利用するメンバー達です。

ヤオヨロズヤは、就労の意思があるのに、症状や障がいなどで一般的な雇用契約を結ぶことが難しい人が、それぞれの体調やペースを考慮しながら働ける場で、農業、八百屋、カフェ、よろず相談事業をしており、小さなお子さんからお年寄りまで気軽に遊びに来れるカフェ兼仕事場スペースを運営しています。

春先の田起こしから始まり、4月の種まき、5月の田植え、7月、8月は雑草取り、水撒き・水管理を経て、10月秋の稲刈りまで丁寧に作業していきました。

子どもたちも一緒になって手伝ってくれました。

こうしてヤオヨロズヤのメンバーと一緒に育てた無農薬米は、米の良し悪しを決める等級検査で、 1年目にして特定名称酒に使える3等級を得ることができ、2年目は更に上出来の米を作ることができました。


無農薬でお米を作る農家さんは日本でも少なく、お米の総生産量に占める有機米の割合はわずか「0.12%」です。
日本のお米の約1,000分の1しか作られていない貴重なお米を栽培できたことは私たちの誇りです。

視覚障害のあるメンバーが驚くほど丁寧に田植えができたり、社会生活の中で自信を失くしていたメンバーが、イキイキとした表情で率先して動いて助けてくれたり。

「障がいのあるメンバーは最高の生産者になれる」

私たちはお米づくりの中で、「障がいのある人」が支援される人ではなく、その強味を生かして農業分野で活躍し、自信や生きがいを持って社会とつながりをつくれることをこの日本酒「金の鳩」とともにメッセージとして社会に届けたいと思います。

あと少しのところでお米が害虫被害に?!

しかし収穫まであと一週間という時に、西日本を中心に数十年ぶりに大きな被害を及ぼしたウンカ (害虫)が、私たちの田んぼにも大量発生してしまいました。

大粒の米がたわわに実り、1200Kg の収量が見込めていた稲は次々と枯れて倒れていきました。

無事な稲を少しでも救おうとメンバー達と4日間に渡って手刈りしましたが、収穫はほんのわずか。


「あんなに一生懸命に育てて来たのに・・・。」

みんなで肩を落としていたところに、その様子を見兼ねたつながりのある農家の方々が、日本酒を造るための山田錦を分けて下さることになり、諦めかけた日本酒造りを進められることになったのです。

みなさんは、ど素人の私たちが、一生懸命お米を栽培してきた姿を見てくださっていました。

人の優しさに涙が溢れました。

▼助けていただいた農家の寺田さん(左)


江戸時代から続く奈良県「河合酒造」での酒造り

「自分から変化を起こすのは苦手だけれど、やってくる波には乗るようにしています。

その先に、新しい何かに出逢えるかも知れないから」


 そう言って、このプロジェクトに力を貸して下さったのは、奈良県橿原市今井町で約280年続く蔵元「河合酒造」16代当主の西川暁子社長です。

▼「河合酒造」16代当主の西川暁子社長 

今井町は戦国時代に寺内町として発展し、江戸時代には" 陸の今井、海の堺”と呼ばれるほど栄えました。

当時は堺と同様に自治権を認められ、諸外国との貿易が盛んだった堺と、竹内街道・横大路を通じて都市同盟のような繋がりを保っていました。伝統的な建造物が約500軒も残る今井町は、国の"重要伝統的建造物群保存地区”に指定され、江戸の情緒漂う町並みが保存されています。

その今井町で唯一続く酒蔵が河合酒造で、国の重要文化財に指定されている歴史ある蔵元です。受け継がれてきた伝統を守り続け、代表銘柄の「出世男」を始め、人々の暮らしに寄り添う丁寧な日本酒造りをされています。

▼「全国新酒鑑評会」 金賞受賞日本酒「出世男」


河合酒造さんとは、堺で育てたお米で日本酒を造ってくれる酒蔵を探す中でご紹介頂きました。今井町と堺市の歴史的な結びつきを知り、出世男を飲ませてもらい「堺商人たちも今井の酒を飲んでいたんだろうな」と思いを馳せました。


また、若くして先代からこの酒蔵を受け継ぎ、並々ならぬ思いと努力で守り抜いて来られている西川社長の物語やお人柄に感銘を受け、ぜひ河合酒造で造って頂きたい!とお願いをすることになりました。


堺市で生まれた御神酒「金の鳩」

今回のプロジェクトで造る銘柄「金の鳩」は、昭和22年まで堺市にあった益田酒造で造られていたお酒です。江戸時代に創業した益田酒造は、堺区の竹内街道が始まる地点のすぐ近くにありました。「金の鳩」は明治9年から造られ、百舌鳥八幡宮の御神酒とされたこともあります。


2016年、その曾孫に当たるイタリア在住の益田美穂さんが、地元堺の歴史や文化を世界に発信していくために「金の鳩」ラベルのお酒を復活させ、百舌鳥八幡宮にも奉納されました。

そのお話を知り、堺とご縁の深い「金の鳩」を、堺で育てた米で継承させてもらえないかと、人伝いに繋いで頂きました。

▼「金の鳩」 を復活させたイタリア在住の益田美穂さん

益田さんから、イタリアでのコロナ禍 の深刻な状況をお聴きし、このような時期にご縁が繋がったのは必然だったと思いました。

益田さんも私たちの思いに共感して下さり、この日本酒を1つのきっかけにして日本とイタリアを結んで未来への願いを分かち合いましょうと、「金の鳩」の銘柄を受け継がせてもらうことになりました。


 上神谷米×河合酒造で継承する「金の鳩」はどんなお酒か?


河合酒造の西川社長からどんな日本酒を造りたいのか丁寧にヒアリングを頂き、精米した山田錦を託しました。


「金の鳩」の主な特徴


米を丹念に磨くことでスッキリした切れの良い飲み口ながらも、山田錦の持つきめ細やかな甘みを楽しめる日本酒に仕上がりました。

 

「七福神」と「金の鳩」プロジェクトに込めた願い

コロナでもスマホがあればすぐにつながる。

便利な世の中になったはずなのに、わたし達は何故か生きにくさを感じていないでしょうか?

宝船にのった7人の神様「七福神」。

江戸時代の庶民の間では「七福神」 の内、6人は障がい者であり、心身に障がいを持って生まれてきた子は「福と富を呼ぶ福子(ふくご)」と呼ばれ、大切に育てる周囲の人に幸せをもたらしてくれるとされていたと、師匠から教わりました。

▼師匠の八田さんと今回の奉納先櫻井神社の神主さん

「福の神」である「えびす様」は、障がいを持って生まれ、幼いときに川へ捨てられました。

その後ある村で助けられ、人々の温かさに守られ大切に育てられ、その村は豊かになったそうです。

自身の不便さが人や社会とのつながりをつくり、周りの人たちに優しさが生まれ、多くの富や福を招くことに繋がったとも言えます。

私たちの米作りも、障がいのある人や地域の農家の人と一緒になって進めています。

様々な社会的障害によって生きにくさを抱える人を真ん中に置き、働きやすさ、生きやすさを模索し続けるうちに、次々と共感を寄せて下さる方が現れ、導かれるように地域、人、伝統、歴史へと繋がっていきました。

かつて活躍した堺商人たちは、様々な境界を取り払い、人や物を組み合わせて新たな仕組みを作り、堺を日本最大の物や情報が集まる拠点として繁栄させました。

コロナ禍において、本当の豊かさを問われている今、私たちもみんなの間にある障害を取り除き、喜びや豊かさを行き渡らせたい。その思いは堺商人達から受け継がれているように思います。

堺から始まり、奈良へと続く「竹内街道・横大路」は、2017年に『1400年に渡る悠久の歴史を伝える「最古の国道」 』として日本遺産に認定されました。

堺と今井町はその西と東の端を結ぶ重要な拠点として、かつての日本の経済を牽引していたそうです。

▼日本遺産:日本最古の国道「竹内街道・横大路(大道)」(松原市HPより)


私たちが不思議なご縁で繋がっていくことで浮かび上がって来たこの道は、何か大切なことを思い起こさせようとしているように思えてなりません。

守りたい古き良きものと、今を生きる私たちの思いや知恵を織り混ぜ、1400年の歴史に思いを馳せつつ、 いま一度本来の在り方を見つめ直し未来へ繋げたい。

そんな願いを込め、平和への祈りの「金の鳩」を、あなたへと届けたいと思います。
ぜひあなたの大切な人と、このお酒を酌み交わしてください。

▼上神谷の風景(2021年4月1日撮影)


このプロジェクトを応援してもらうことで、あなたにも一緒に物語を紡ぐ1人となって頂けたら幸せです。

ご購入頂いた方には、蔵元の杜氏、お米の作り手、このプロジェクトのメンバーと一緒にオンライン飲み会も企画予定です。

日本だけでなく、イタリアにも応援していただける方がたくさんいます。

 一緒に想いをつなげていけるよう、当プロジェクトのオンラインコミュニティへの参加案内をお送り致しますので、ご支援よろしくお願いいたします。

▼金の鳩facebook応援グループ

神酒「金の鳩」を美味しく飲むグループ~1400年のロマンを味わう~

https://www.facebook.com/groups/2585970845032230


■クラウドファンディング目標金額200万円の使い道 

クラウドファンディング手数料(金額の10%)22万円(税込)を差し引いた178万円を、

 下記製造販売費用の一部として活用させていただきます。

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出世男 金の鳩 1000本  

製造販売経費300万円 

(OEM製造、製品企画、販促、広報、リターン配送料含む) 

*上記にはプロジェクト事務局運営費は入っていません。 

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◆今後のスケジュール

*生産状況や新型コロナウィルス等の状況により変更する場合がございます。

2021「金の鳩」キックオフイベントスケジュール

支援者限定グループにて参加方法をお伝えします。

▼(オフライン)

4/16(金)19時~20時30分

4/30(金)19時~20時30分 

5/14(金)19時~20時30分 

5/21(金)19時~20時30分 

5/28(金)19時~20時30分 

会場:71LABO「堺でつくる人を増やすための基地」

https://www.71labo.com/

(コロナ対策のため毎回限定15名:間隔をあけて4名テーブル×4)

*200平米ほどの広さで蜜にならないスペースを活用します

*オンライン視聴参加も可

◆2021年5月下旬~2021「金の鳩」順次発送

*製造の状況によりスケジュールが変更する場合もございます。


◆2021年6月下旬~「金の鳩」支援者限定オンライン飲み会  

*生産発送状況により時期が遅れることがございます。

プロジェクトの支援者のみなさん、お米の作り手、お酒の造り手、プロジェクトメンバーが一緒に飲み語る交流会を企画しています。

題して、

 「金の鳩☆ソーシャルディスタン酒 」 

~金の鳩で乾杯!距離があっても心はつながる~

*複数回開催予定

支援者限定グループにて参加方法をお伝えします。


◆2021年6月下旬~ 2022年酒米サポーター

ヤオヨロズヤメンバーと一緒に「酒米つくってみませんか?」お手伝い募集

「できる人が、できる時に、できることを」でお米づくりを通じて交流ください

◆2021年10月頃  お米収穫体験 &収穫祭

◆2022年1月~2月頃 奈良県橿原市河合酒造 酒蔵見学ツアー

◆2022年3月「金の鳩」先行予約開始

昨年度はヤオヨロズヤメンバーでつくったお米はほとんど害虫(ウンカ)でやられて、

 農家さんのつながりから2021「金の鳩」が造られました。

 2022「金の鳩」は、

 私たちが育てたお米で100%自家製日本酒に再度挑戦したいので、

 ご協力よろしくお願いいたします。

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◆堺市上神谷(にわだに)での

お米作り体験リターン購入者の方々のスケジュール

6/20(日)田植え

7/25(日)観察会

10月下旬稲刈り脱穀

11月収穫祭&交流会

*天候や作物の状態により日程変更可能性があります

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◆留意事項 

リターン品の一部に日本酒が含まれておりますので、以下内容を参考情報として記載させていただきます。 

*未成年者の飲酒は法律で禁止されています。

* 日本酒のリターンは20歳以上の方に限りご支援いただけます。

*本リターンの履行は、 必要な許認可をすでに取得している河合酒造様より製造及び発送をいたします。

*株式会社ふくのこが販売する場合は、酒販免許取得後に販売致します。

 【販売場名称及び所在地】河合酒造株式会社 〒634-0812 橿原市今井町1-7-8 

【酒類販売管理者】:西川 暁子

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