はじめに・ご挨拶

糸あやつり人形一糸座は、江戸時代から続く日本の糸あやつり人形(人形浄瑠璃)を継承している人形劇団です。

2003年、一糸座代表の結城一糸が、独自の活動を行うため結城座から独立し設立しました。

【結城一糸】プロフィール:
1948年 結城座十代目、結城孫三郎(故・結城雪斎)の三男として生まれ五歳で初舞台。
1972年 三代目結城一糸を襲名。
2003年 結城座から独立。
2005年 「江戸糸あやつり人形座」旗揚げ。
2015年 「糸あやつり人形一糸座」と名を改めて現在に至る。

一糸座は糸あやつり人形の魅力を多くの人に知ってもらうため、古典作品の上演にとどまらず、多くの演劇人と共に、さまざまなチャレンジをおこなっています。おなじみの児童文学作品「泣いた赤鬼」を人形と俳優で上演したり、20世紀最大の演劇人として革命を起こしたアルトーの世界に挑んだり、新しい作品を生み出しています。

また、国内だけではなく、チェコとの共同公演など海外での活動も多く、高い評価を得ています。

さらに、義太夫・三味線も交えた本物の人形浄瑠璃を子どもたちに体験してもらうため、毎年日本各地の小中学校を巡回しています。体育館で人形浄瑠璃を公演し、実際に子どもたちに人形を遣ってもらうワークショップを行うなど、糸あやつり人形の発展と普及に力を入れています。


<コロナ禍での一糸座>

しかし、2020年コロナウイルスの感染拡大によって、一糸座も大きな影響を受けました。

2020年に中止または延期になった公演

【主催公演】

・『少女仮面』ザ・スズナリ 6ステージ

・『カスパー』国内・海外公演 13ステージ

 横浜 若葉町ウォーフ

 フランス(パリ)

 ノルウェー(オスロー)

 ドイツ(ケルン・ベルリン)

 チェコ(プラハ)

 スロバキア(ブラチスラバ)

【文化庁 巡回公演 (文化芸術による子供育成総合事業)】

学校のキャンセル・大幅な場所の変更など


上記の公演の中止・延期により、表現の場を失うと共に大幅な収入の減少、ついには劇団存続の危機に見舞われました。


<この窮地から脱するために>

●今だからできること

江戸時代から続く日本の糸あやつり人形を継承している劇団は、現在では結城系しかなく、「日本の宝」ともいえる伝統芸能を未来へつなげられるかどうかの瀬戸際です。

糸あやつり人形を未来へ繋げていくために、このコロナ禍をどう乗り切るか。

表現の場を失った今だからこそ、できる事があるのではないかと考えました。

今回のプロジェクトでは、1階に色々な人が集まれる交流と憩いの場「カフェ」。

地下では常に新しい作品を生み出す場として、基本稽古・古典・新作公演の稽古、人形製作、映像制作など様々な活動が行える「アトリエ」を新たに作ります。

さらにアトリエでは、地域の方や糸あやつり人形に興味のある方に、人形ワークショップや人形教室などを行う開かれた場を提供します。

コロナ禍の切迫した状況でも、「糸あやつり人形を未来につなげる」という自分たちの使命をあきらめず、チャレンジを続けるためには、拠点が必要なのです。

●なぜアトリエを新設するのか?

私たち一糸座の人形たちは、すべて手作り。脚本からイメージをふくらませ、ひとつひとつ魂をこめて、手作業で、つくっています。

そのため人形を制作する場所も、保管する場所も必要です。新作を上演するたびに、人形の数も増えていくので、今の場所では手狭になってきました。

また、一糸座の新作公演では、人形と役者が一つの同じ舞台に立ちます。

そのため、その他の人形劇団より広い稽古スペースを必要とします。

今までは、公演のたびに1ヶ月~2ヶ月ほど都内の稽古場を借りることが必須だったため、劇場費の他に稽古場費も捻出しなければならず、人形を携えての移動も大変でした。

自分たちのアトリエを持つことができれば、稽古場と作業のためのスペースを同時に持てるだけではなく、アトリエ公演として表現の場を常に持つことが可能となります。

また、この場所でワークショップやミニ公演を行うことによって、地域の人や子どもたちに日本の糸あやつり人形を知っていただく機会が増えます。

●なぜカフェを併設するのか?

一糸座に限らずすべての劇団がそうですが、そもそも劇団は、公演が打てなければ収入がありません。さらに人形劇団は、公演に応じて新しい人形を全て手作りするため、収入が得られない準備・稽古期間を多く必要とします。カフェを併設・運営することによってそれを補い、劇団員の日々の生活を守ることができます。

また、人が集まるカフェという場所をつくることで、「一糸座」という劇団が小平市にあることを地域の人々に知ってもらうきっかけになり、新たな出会いやつながりをうむチャンスができます。

もちろん感染症対策・飛沫感染防止策を十分に設けたうえで営業致します。


<クラウドファンディング挑戦に至った理由>

いつも人形が傍にあり、稽古したい時に稽古ができる。

そんな場所を持ちたいと何年も前から思い続けてきました。

さらにコロナ禍によって劇団が存続の危機に追い込まれたことにより、劇団として大きな変化が必要だと感じ、「あきらめずに、挑戦し続けよう」という結論に至りました。

1年以上場所を探し、ついに小平市一橋学園駅前に理想の場を見つけることができました。

そこは元・お寿司屋さんの居抜き物件で、前店舗で使っていた什器や食器などがそのまま残されていました。

リフォームの資金がないため、自分たちで掃除したり、天井や壁を塗り替えたり、椅子やテーブルをリメイクしたり、自力でできる所はコツコツとDIYでやってきました。しかし、工事が進むにつれ、修繕箇所が予想よりも多く、資金不足に陥ってしまいました。

修繕資金だけでなく運転資金も不足しているため、このままではオープン後の存続もままならないことが、目に見えています。大ピンチです! 劇団員全員で話し合い、意を決してクラウドファンディングに挑戦することに決めました。


<カフェ オオワニ通リ>

「オオワニ通リ」の名前は、ポーランドの画家で作家でもあったブルーノ・シュルツの短編「大鰐通り」に由来しています。

人形映画作家のクエイ兄弟による「ストリート・オブ・クロコダイル」の原作としても有名な作品です。

小説では、バロック風の遠近法で描かれた立派な地図があり、その地図のオオワニ通りの界隈だけは、ぼんやりとした靄のかかったような空白のまま残されています。

奇妙なオオワニ通りは、不思議で幻想的な街並みが続く通りです。

その小説とオオワニ通りという街並みがとても魅力的なので、この小説のように不思議で魅力的な町になればと思い、その名前を店の名前にしました。

自力で掃除や内装工事を少しずつ進め、開店まであと一歩のところまで来ることができました。そしてあと一歩のところで、「資金不足」という大きな壁にぶちあたっています。けれども、ここで諦めては江戸時代から繋いできた日本の糸あやつり人形を未来へ繋ぐことができなくなってしまいます。

日本の糸あやつり人形は時代を超え、常に改良を加えられて表現豊かに進化してきた、世界に誇る芸能です。糸あやつり人形を今ここで途絶えさせる訳にはいかないのです。

未来の子ども達にも人形を楽しんでもらうため、そしてその先に繋げてもらうため、皆さんのお力を是非お貸し下さい!


<プロジェクト達成によって得られるもの>

稽古場費の負担軽減

コロナ禍であっても常に表現の場を持つことができる

地域の人や子どもたちに伝統芸能に触れてもらうための場所づくりができる

劇団存続の危機からの脱出


【資金の使い道】

〇稽古場床貼り工事         20万
〇看板製作             15万
〇劇団員で行う内装材料費      30万
〇コロナ感染防止用品        27万 
〇運転資金(1ヶ月)        30万 
〇クラウドファンディング費用    28万


<リターンについて>

ご支援頂いた全ての方に、お礼のメールをお送りし、お名前をカフェのホームページに掲載させて頂きます。コースによって、カフェ オオワニ通リでご利用頂けるお食事券や、オリジナルグッズなどお送り致します。
また、私達の本業である糸あやつり人形をご覧頂くコースや、アトリエオープン記念お披露目公演の観劇券、実際に人形を遣う体験コースも限定数ですがご用意致しました。
リターンを少なくし、ご支援額の多くをプロジェクトに充てる「応援コース」も作らせて頂きました。皆様のお気持ちに応えられる良い場を作りたいと思います。ご支援よろしくお願い致します。


<実施スケジュール>

2020年12月カフェ併設稽古場に適した物件に巡り合う。

2021年2年店舗賃貸契約

       3月   居抜き物件内の古い什器、シンク、大型冷蔵庫、食器類の片付け

           廃棄、使えそうな沢山の食器は店舗前で地域の方に無料配布、思わぬ宣伝効果があった

           店舗内片付けと同時進行で、地下1Fの稽古場となる店舗を解体、片付け

     4月   店舗内装工事開始

     5月  一糸座新稽古場へ引っ越し・店舗オープンに向けて最終準備

     5月末~6月始め頃  カフェ オオワニ通リ オープン予定  


<一糸座のこれまで・そしてこれからの活動>

私達の本業である舞台の活動も、ここに少しですがお知らせ致します。

2003年 結城座から独立 公演事業開始 古典作品の上演と共に新作公演を行う

2014年 『アルトー24時++再び』原作:鈴木創士 脚本・演出:芥正彦

2015年 イタリア・ボローニャ大学から招聘され、「伝統と前衛」をテーマに「アルトー一部上演・古典作品上演」 / イタリア・パレルモ演劇祭参加『伝統と前衛』上演

2016年 『ゴーレム』日チェコ共同公演 脚本・演出:天野天街 部分演出:ゾヤ・ミコトバー

2017年 『ゴーレム』好評のため再演

2019年 2020年『カスパー」欧州公演リサーチのため、ノルウェー・ドイツ・フランス・訪問

2020年 『少女仮面』コロナで延期・『カスパー』ヨーロッパ5ヶ国7都市公演 コロナで延期

2021年 7月『少女仮面』上演予定 作:唐十郎 演出:天野天街 於:ザ・スズナリ

2022年 3月『猟師グラフス』上演予定 作:フランツ・カフカ 構成/演出:ラーシュ・オイノ 於:座・高円寺1/シアターχ/シアターE9 KYOTO/ノルウェー・オスロ グルソムヘテン劇場


一人でも多くの人たちに日本の糸あやつり人形を知ってもらうため、そしてこの先も永くこの伝統芸能が続いていくよう、皆様からのご支援をお願い致します!




<All-in方式の場合>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2021/05/30 13:31

    元お寿司屋さんのカウンターと内装を、カフェにリフォームしています。限られた人数での作業で時間がかかり、オープンが先に伸びてきたため、資金不足です!ですが、ここで止めるわけにいきません。何としても、この伝統文化を未来へ繋ぎます!!あともう少し情報拡散、ご支援お願い致します!!!

  • 2021/05/29 15:49

    業者さんによる、電気・水道・ガスなどの工事がほぼ終了し、あとは劇団員全員で、日々内装をDIYしています。内容は、天井の壁と側面の壁塗り、元お寿司屋さんのカウンターをカフェに改装。テーブルとイスを、やすりかけしてニスを塗り、新たなテーブルとイスに仕上げます。その他、できる事は全て自分達でやってい...

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください