はじめに
私たちは、大阪府門真市で市内の中学生を対象に無料の居場所・学習支援事業を実施しているKADOMA中学生勉強会です。2018年10月に門真市出身の大学生(当時、大阪府立大学4年)らの手弁当でスタートし、本年4年目を迎えることとなりました。現在も大阪府立大学や関西大学などの大学生有志らが運営・企画をしています。活動はすべて皆さまの温かいご支援によって成り立っており、一昨年度、昨年度も市民の方々だけでなく、全国の皆さまからご支援をいただき、何とか活動をさせていただきました。この場をお借りして改めて感謝申し上げます。
2020年度活動の御礼
勉強会だけではなく、12月にはクリスマス会、3月には卒所式(写真上)も開催をいたしました。またご支援を活用させていただき、参加中学生全員(25名)に参考書・赤本のプレゼントし、門真市社会福祉協議会とのコラボ企画としてパラリンピックスポーツ・ボッチャ体験会なども実施しました。年度末の生徒・保護者アンケートでは感謝のコメント(下記参照)が多数寄せられました。感染対策など神経を使う日々が続きましたが、みなさまのおかげで無事に終えることができました。心よりお礼申し上げます。
2021年度活動の展望
4月中旬より各中学校で生徒募集のチラシを配布し、5月上旬から申し込みの受付(抽選)を行う予定としております。対象中学校は、これまでの市立はすはな中学校、市立第3中学校に、市立第2中学校を追加し、定員は25名~30名程度の予定です。生徒募集においては、引き続き市関係部局とも連携を密にし、より必要としている生徒たちに届くよう努力していきます。
「居場所」と「学び場」の両立をさらに目指し、勉強会の時間(18:30~20:00)前後の有効活用やスポーツ大会、語り場など生徒同士、大学生との交流を図っていきます。また中学生勉強会の卒所生による高校生活の紹介や大学生ボランティアによる大学生活紹介に加えて、現場に足を運び、大学・高校見学などのキャリア教育も計画中です。門真の子どもたちのため、さらに学生団体や市内各団体の皆さまとも連携をして、コラボ企画なども実施をしていきます。2020年度に実施した参加生徒への参考書・赤本のプレゼントおよび大学生ボランティア向け座談会についても、引き続き実施をいたします。
中学生勉強会は、すべて寄付で成り立っており、皆さまからの温かいご支援により活動をすることができております。2021年5月下旬のスタートを目指して、4年目(2021年度)も引き続き変わらぬご支援とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
KADOMA中学生勉強会で大事にしている3つの柱
①勉強だけでなく居場所的視点を重視する 単なる「塾」の代替えではない。
~どんな家庭環境に生まれても学べる機会を~
生徒たちが勉強会に行ってみたいと思えるような「居場所」になるのが大きな目標です。そのためには決して「塾」のような雰囲気ではなく、生徒たちの主体性を重視。
②歳の近い大学生と接することで生徒たちのモデルになる
~大学生が生徒たちのロールモデルに~
生徒たちに少しでも身近なモデルである「大学」「大学生」を見せてあげたい。市内に大学のない門真市、周りに大学へ進学している人が少ない門真市の生徒たちにとって大学生は貴重な存在。大学生が個別に指導(大学生1人に生徒2人~3人)
③文化的体験もできるように行事を開催
~文化資本を補う役割を~
毎回の勉強会だけでなく、スポーツ大会や高校・大学見学、12月にはクリスマス会、3月には卒所式などの行事も開催。全て大学生らによる手作りのイベントです。他にも毎回、休憩時間にはお菓子やジュースも用意をしています。
中学生勉強会の必要性~門真市の現状~
①全日制高校進学率の状況(2021年2月発表分)
近年の門真市の教育状況は非常に厳しい状態にあります。
全国学力・学習状況調査では、改善しつつあるものの依然として全国平均・大阪府平均を下回る状況にあります。また令和元年度の全日制高校の進学率は86.0%に及んでおり、近隣市である他の北河内6市と比べても大きな差があり、全国で大学・専門学校への進学率が8割に届こうとしている昨今、この現状は厳しいと言わざるを得ません。
②平成28年度実施の「門真市子どもの生活実態調査」から見える門真の子どもたちの状況
「(経済的理由で)子どもを学習塾に通わすことができなかった」
中学2年生の保護者を対象とした調査結果から「(経済的理由で)子どもを学習塾に通わすことができなかった」と回答した保護者は20.9%(大阪府平均12.3%)となっており、非常に高い数字が出ています。また門真市の就学援助受給率は、平成29年度32.50%(全国平均14.92%)と極めて高い数字が出ています。
※就学援助とは・・・一定の所得水準(生活保護受給基準額の1.0倍~1.2倍程度)以下で経済的な理由により就学が困難な家庭の小・中学校に通学する児童生徒の保護者に対して、自治体が学用品代や給食費、修学旅行費などを支援する制度。
③門真市では子どもの学習支援事業のうち「学習支援」が実施されていない
生活困窮者自立支援法(平成27年4月施行)の成立にともなって、全国各地の自治体で生活困窮世帯の子どもたちを対象にした学習支援事業が実施されるようになった。行政が直営で運営するものや NPO、 社会福祉協議会に委託するものなど方式は様々であるが、平成30年度時点で全国 59%の自治体が実施をしている。なお門真市でも子どもの学習支援事業の一部は実施をしているが、多くの自治体で実施をされている「学習支援」は令和3年度も実施の予定はない。
これまでの活動で生徒・保護者から寄せられた声
(生徒からの声 ※2020年度アンケートより)
「プライベートな話もでき、とても楽しい」
「わからないところを教えてもらえたり、お話できる」
「先生よりもわかりやすかったり、解説でわかないときとかも気軽に聞ける」
「わからないところを分かりやすく教えてくれたり、勉強以外でもちょっとしてプライベートの話もできるので楽しいです」
「普段一人で勉強は長続きしないから、だれかと一緒に頑張って勉強すると楽しい」
「大学生と休憩時間にいろいろなお話ができる」
「勉強を教えてくれる。だけでなく趣味や学校での話などができて楽しい」
「わからないところをが分かるようになって、勉強している意味が感じられる」
「大学生さんたちが中学生に勉強を教えてくれることなど滅多にないのでとっても感謝しています」
「大学生さんたちは忙しいだろうに、夜中まで中学生の勉強を手伝ってくれて本当に感謝でしかないです」
(保護者からの声 ※2020年度アンケートより)
「勉強会を開催していただき、本当にありがとうございます。毎回、お菓子までいただき、無料でここまで子どもたちの為を思い、して下さることに感謝でいっぱいです。この勉強会に参加させていただいたこと、お忙しい中、ボランティアで勉強を教えてくださる大学生の方、コロナ禍で例年以上に大変な中、ありがとうございます」
「塾に行く余裕がなく、こちらの勉強会の存在はすごく助かっています。ありがとうございます」
「勉強する場所、機会を提供してくださっているだけでなく楽しいイベントやお菓子などを準備くださり、子ども共々とても喜んでいます。また勉強も静かな環境で丁寧に教えてくださり感謝しております」
「ほんとうに大勢の方々が陰で支えていただいているおかげで楽しくいみのある勉強会に参加させてもらえたことに大変感謝しています」
「門真の中学生のためにご支援いただき本当にありがたいです。子どもにもボランティアの大学生のように地域の方々に貢献できる、立派な大人に成長してほしいと考えております。社会に恩返しできるように成長してほしいです」
「今まで3年間、本当に心から携わっていただき、感謝でいっぱいです。コロナだったり難しい状況もありましたが、それでも子どもたちのために毎回いろいろ考えて下さり、行動してくれたことは、本人も一生心に残る思い出となったと思います。皆さまが無償でしてくださった恩を忘れずに中学生たちも立派に成長していくよう願っています。本当に3年間ありがとうございました」
資金の使い道・実施スケジュール
【2021年4月現在の収入】
【2021年度支出予定】
①学生謝礼(大学生・大学院生に限る)835,000円
昨年度から大学生・大学院生に限り、謝礼(1回あたり1人1,000円)をお支払いすることとしました。大学生・大学院生も決して余裕のある状況ではありません、無償ボランティアの活動では学生の困窮を加速させることにもつながりかねません。
水曜日:17,000円(17名分)×40(回数)=680,000円
土曜日:5,000円(5名分)×15(回数)=75,000円
運営メンバー(管理費):1人500円/回 2,000円×40(回数)=80,000円 ※水曜日のみ
※人数は2020年度の平均参加者人数を反映させたもの
②ボランティア交通費 540,000円
水曜日:12,000円(1回あたり平均)×40(回数)=480,000円
土曜日:4,000円(1回あたり平均)×15(回数)=60,000円
※2020年度の平均支出額を反映させたもの
③行事代 100,000円
スポーツ大会(施設使用料、景品代、備品など)25,000円
クリスマス会(ケーキ代、プレゼントほか)35,000円
卒所式(記念品・デザート代)45,000円
④教材費(生徒プレゼントも含む)80,000円
【生徒プレゼント用】
参考書:1,500円/冊×25人=37,500円
赤本(中3のみ):1,500円/冊×15人=22,500円
【中学生勉強会用・予備】
参考書・問題プリント:20,000円
⑤⑥備品・消耗品 50,000円 日頃のお菓子ジュース 40,000円
50,000円(インク代、印刷費、通信費、用紙代、電話代、備品など)
40,000円(水曜日:2Lジュース3本/小分けお菓子 土曜日:2Lジュース1本/小分けお菓子)
実施スケジュール
4月中旬より各中学校に生徒募集チラシを配布し、5月8日(土)から申し込みをスタートします。今年度からは先着順から抽選順に変更となり、5月15日(土)までの1週間が応募期間の予定です。詳しい実施スケジュールは以下の通りです。
●5月下旬より【毎週水曜日(計40回程度)】18:30~20:00 門真市民文化会館ルミエールホール3F研修室 ※お盆、正月は開催をしません。また施設の利用状況によっては実施できない日もあります。
●9月上旬より【隔週土曜日(計15回程度)】10:30~12:00 京阪門真市駅・古川橋駅周辺(現在調整中)※お盆、正月は開催をしません。
<All-in方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最後に
厳しい家庭環境・教育環境にいる子どもたちが多い門真市。しかしながら、先にもあげた子どもの生活実態調査の結果では、門真の子どもたちは「将来の夢や目標を持っている」と回答した子どもの割合が大阪府平均を大きく上回っていました。その彼ら、彼女らの夢が少しでも実現するように、そして家庭環境や教育環境で左右されないよう、大学生と力を合わせて生徒たちの後押しをしていきたいと思います!このKADOMA中学生勉強会で門真の子どもたちが多くの大学生と出会い、会話をすることで学力向上だけでなく、少しでも自身の選択肢や価値観が広がること目指していきます!!
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これまでの活動やメディア情報などはホームページに掲載しています。是非ご覧ください!!
最新の活動報告
もっと見る【残り1週間】近畿ろうきんNPOアワード奨励賞受賞!!
2021/05/05 17:22【クラウドファンディング残り1週間!!】4/3より2021年度のクラウドファンディングをスタートさせていただき、おかげさまで多くの皆さまからご支援をいただきましたこと心より感謝を申し上げます。生徒募集も5/8よりスタートすることとなります。大学生ボランティアについても、学生の大学卒業なども重なりましたが、大学生の登録も30名を超え、着実に受け入れ態勢も整ってまいりました。緊急事態宣言の延長が気になるところではありますが、予定通り5/26より活動を開始できるよう準備してまいります。また、近畿ろうきん様が企画をした「2020年度 近畿ろうきんNPOアワード」の奨励賞にKADOMA中学生勉強会が選ばれました!!近畿2府4県の数多ある活動の中から当団体を採択いただき、大変光栄な限りです。これも長きにわたり、KADOMA中学生勉強会にご支援とご協力をいただいている皆さまのおかげです。残り1週間、シェアや拡散などご協力いただけると嬉しいです!どうぞ最後までよろしくお願いします!!KADOMA中学生勉強会 もっと見る
各中学校で生徒募集チラシ配布開始!!
2021/04/17 16:04クラウドファンディングスタートから2週間が経過いたしました!!多くの皆さまにご支援をいただきまして、目標額の【88%】まで達成をいたしました。早速、ご支援をいただきました皆さまに改めて感謝を申し上げます。さて、2021年度の活動スタートにあたって、各中学校で生徒募集チラシの配布が開始いたしました。応募は5/8から5/15までの1週間です。今年度からは、先着ではなく、抽選(総合的な判断)で参加を決定いたしますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。いよいよクラウドファンディングも後半戦に入ってまいりました。新型コロナの影響が心配をされる中ではありますが、このコロナ禍で最も影響を受けているのは子どもたちだと思います。こんな時だからこそ、生徒たちの「居場所」「学び場」を提供していくのが社会の役割でもあると考えています。昨年度と同様に、しっかりと感染対策をとって、市教育員会とも連絡を密にして、志ある大学生を中心に活動を展開していきたいと思いますので、引き続き、ご支援とご協力のほどよろしくお願いい申し上げます。一人でも多くの方々に届くようシェアや拡散のご協力もよろしくお願いいたします!! もっと見る
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