京都で200年の歴史を持つ金属工芸工房・竹影堂と新進気鋭のプロダクトデザイナー 福定良佑がコラボレーションして和装小物を制作!伝統工芸の技術の高さとどんな着物にも馴染むミニマムデザインから生まれた逸品。ハイセンスな着物ユーザーにこの造形美を届けたい!

はじめに・ご挨拶

はじめまして。私は京都で伝統工芸の新しいあり方を模索しているWGD京都(World Good Design京都)の久藤と申します。今回は京都で200年の歴史を持つ金属工芸工房・竹影堂と共同でクラウドファンディングに挑戦します!私は今まで伝統産業に関わる数社と商品開発をし、より現代の生活に馴染む伝統工芸品のかたちを探ってきました。やはり開発する上で必要なポイントは生活の中で本当に必要とされる価値を見つけること、そして単純にカッコいい!ことではないでしょうか。今はあまりモノを持たない時代。そんな時代でも選ばれるモノづくりをしていくことが伝統工芸、伝統産業を担う会社に必要なことだと思います。



今回のプロジェクトはコロナの影響で売上が落ちている金属工芸工房の竹影堂と今後より必要とされるモノを開発できないかという話から始まりました。京都にはきものに関わる会社やきものを愛する人も多く、そして多くの伝統工芸を担う会社が一様に苦境に立たされているため、銀細工の技術を使った和装小物を開発することで何か業界の力になることはできないかと思うようになりました。一般的に伝統工芸品は量産ができないため価格が高くなることが多いですが、その問題を解決するためプロダクトデザイナーの福定良佑さんにも協力してもらいました。そして京都で呉服販売をしている京都きもの市場にもヒアリングをしてシンプルだけど上品でどんな着物にも馴染む銀製の和装小物を作りあげました。今回は伝統工芸とプロダクトデザインの融合を実現するために、溶かした銀を型に流し込む鋳造(ちゅうぞう)という製法で商品を作りましたが、型の元となる原型はなんと職人さんの手作り。本当に細かい作業をこなしていただきました。ぜひ多くの人に「竹影堂」の素晴らしい技が活かされた美しい商品を見て欲しいと思っています。


竹影堂の工房の中にある工具置き場


このプロジェクトで実現したいこと

私たちが目指すのは京都の伝統工芸の技術を活かしより現代のライフスタイルに馴染む商品を作ること。京都で200年以上の歴史ある金属工芸工房・竹影堂×プロダクト デザイナー福定良佑×京都きもの市場によって作られた美しいかんざし&帯留めを発表し、より多くの人に伝統工芸品の魅力を届けたいです。 

竹影堂は創業より200余年続く歴史ある金属工芸工房です。初代は刀を作っていたと言うからその歴史の長さを感じます。現在の代表、中村佳永さんは竹影堂の七代目として日夜手作業で作品を作っている傍ら大学でも指導をしており後継者の育成にも情熱を注いでいます。また2004年にはより日常的に金属細工を楽しんでもらうため工房の隣にアンテナショップ「かざりや 鐐」もオープン。町屋にかかる大きな幟が目を引くお店で、若手職人の手作りの商品を始め価格帯も様々な商品を購入することができます。そしてこのアンテナショップにはもう一つ別の目的も。若手職人は仕事ができるようになった後も継続的に手を動かさないとすぐに手技が衰えてしまいます。こうした若手職人の継続的な仕事を創出するためのお店でもあります。また金工の体験や工房見学、秋には中村佳永さんのYouTubeチャンネルも開設予定で金工へ興味を持ってもらうための努力も惜しみません。


アンテナショップ「かざりや鐐」外観

繊細な彫りが施された銀瓶


また今回コラボレーションしたプロダクトデザイナーの福定良佑さんは元大手家電メーカーのデザイナーで、イタリアでの修行経験もある新進気鋭のデザイナーです。そんな彼の事務所は京都にあります。京都が地元な訳でもないのになぜと思いますが、日本的な思考や形状をデザインに織り込むことの多い彼のデザインからすると当然の選択だったのかもしれません。

<福定良佑さん/プロダクトデザイナー>

<作品例>


<デザイナーからのメッセージ>

京都で200年余りの歴史を持つ、金属工芸工房・竹影堂に向けて帯留めとかんざしをデザインしました。

和装に合わせる装飾品に対して、和のモチーフを取り入れながらも洋風のスタイルをミックスすることで、現代的な和装アクセサリーを実現しました。

参考にしたのは、1900年代前半にヨーロッパやアメリカで流行したアール・デコスタイルです。当時幾何学的なモチーフを用いて様々なパターンが作られ、洋服やインテリアを美しく彩っていました。

和装には比較的具体的なモチーフを用いた表現が多くみられますが、この幾何学的パターン表現を取り入れる事で、オリジナリティを出すことを試みました。

具体的には、厄除けとして用いられる南天と、京都を象徴する石庭をモチーフとして取り入れました。


南天イメージの ”ファヤージュ”

石庭イメージの ”ジャルダン”


それぞれのモチーフを幾何学形状に単純化し、さらに深みを与えるために段差を付けた二重構造のパターンにしました。これは非常に細かなパターンですが、竹影堂に代々受け継がれた技術により、手作業で精度の高い原型を完成することが出来ました。

最終的な製品は、原型をもとにしたロストワックス鋳造にて銀で製造されています。

帯留めは、同じモチーフで異なる柄を二つ作り、それを筒状の本体の裏表に配したデザインになっており、一個で二つの柄が使用できるようになっています。


石庭イメージ ”ジャルダン” の帯留め表裏リバーシブル柄


かんざしは、シンプルなバチ型の形状に、帯留めと同じパターンを調整して配置しました。

帯留めとかんざしをどちらも合わせて身に着けた時の調和も考慮し、共通のシリーズとしてデザインしました。

それぞれのパターンの名前は、フランスを発祥とするアールデコにちなんで、フランス語で庭を意味する”ジャルダン”と、木の葉を意味する”ファヤージュ”と名付けました。

アールデコのレトロな空気感も持ちながら、和装を引き立てるモダンな銀の帯留めとかんざしです。

福定良佑

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プロダクトデザイナーは多くの場合量産品をデザインします。そのためには綿密なプラン設計からより幅広い人に受け入れられるための機能やサイン、グラフィック的な表現まであらゆるシーンを想定してデザインしていきます。今回の竹影堂とのコラボレーションは手作り×プロダクトデザインという相入れない状況からのスタートでしたが伝統工芸をより多くの人々に身近に感じてもらうための挑戦でもありました。コスト面でもより多くの人の手元に届くようにできるだけ商品価格を抑えるようデザイン面でも検討を重ねました。

また実際にきものを購入される方の意見などを聞くために京都きもの市場にも協力してもらいました。シンプルで抽象的なデザインなので季節や用途など幅広いコーディネートに使用いただける商品に仕上がりました。





ここで今回使用したロストワックス鋳造(ちゅうぞう)について、もう少し説明します。
商品にはロストワックス鋳造で製造する量産品(かんざしA/ジャルダン、かんざしB/ファヤージュ、帯留めA/ジャルダン、帯留めB/ファヤージュ)と、1点のみですが手作業で削り出した原型を販売する限定品(かんざし/ミュージャルダン)があります。ミュージャルダンはデザイナーからの初期案でしたが、ゴム型を作る時点で鋳造しても高額な商品しかできあがらないことが判明しました。そのためデザインを鋳造しやすい形に変更し、最終的には素晴らしい量産品ができあがりました。ただミュージャルダンのために作った原型が一つ残ることになり、今回量産はできなかったもののこの精緻な職人の透かし彫りを多くの人に見てほしいと原型も商品にすることにしました。


ミュージャルダンは↑この原型(工程2つ目)を商品にしています。

他の量産品はこのように型に溶かした銀を流し込んで制作する方法で作ります。そのためコストを抑えた商品を実現することができました。



カラーはシルバーの他、黒燻し、赤燻しの3パターンご用意しました。



私たちの地域のご紹介

京都は伝統産業を担う大小様々な企業が密集する地域です。コロナの影響で国内外の観光客が減少して京都の伝統産業の多くがダメージを受けました。今回の金属工芸工房・竹影堂も元々原料の高騰などで苦労が続いており、今でもその状況は厳しくなるばかりです。またきもの業界も年々状況が厳しくなっていることに変わりありません。また昨今の状況でなかなかきものを着て出かける機会はないかも知れませんが、少しでも未来のきものライフを豊かにするお手伝いができれば、また伝統工芸品の魅力に触れてもらう機会ができればと思い京都の伝統技術を活かしたものづくりに挑戦しました。



プロジェクトを立ち上げた背景

私たちWGD京都は京都に多くある伝統産業の人的価値を活かし生活によりフィットするモノづくりを目指す会社です。金属工芸工房・竹影堂の200年以上受け継がれている技術力の高さとコロナ禍での苦難を知り、この技術力を活かしたプロダクトを作れないかと思うようになりました。また一方できものを着る人の、本当に欲しい和装小物がないという声を聞く機会もあり、竹影堂の技術を活かした新しい和装小物を作るプロジェクトを立ち上げることにしました。デザイナーには京都で活躍するプロダクトデザイナー福定良佑さんを迎え、またきものユーザーの声を代表して京都きもの市場に協力をしてもらい1つのチームとして商品を作り上げました。 “手作業が基本の伝統工芸” と “機械製造が基本のプロダクトデザイン”の相容れない状況を乗り越えてついに素晴らしい商品が出来上がったと自負しています。より多くの人に伝統工芸の素晴らしさを知ってもらい、再び世界に通用するモノづくり大国日本となるきっかけになれればと思っています。



これまでの活動

<WGD京都>

2006年に新しいライフスタイルに合う仏壇として、深澤直人さんと京都の蒔絵職人下出祐太郎さんのコラボレーション仏壇「壇」を発表しました。その際にグッドデザイン賞も受賞し伝統と新しいデザインが融合したところにこれからの伝統産業の可能性があると強く感じました。今までコラボレーションした企業はまだ少ないですがこれからも京都の伝統産業の活性化と社名にもあるWorld Good Designを志し活動を続けていきます。


<金属工芸工房・竹影堂>

竹影堂 家歴

初代 金 吾 西屋敷に奉仕し、錺に趣味をもち、好んで目貫刃剣の小道具を自作す
 ― 天保15年(1844年)3月歿 68歳

四代 竹次郎 金、銀、銅、赤銅、四分一を配したる床飾り床置物等、 緻密精巧なる美術工藝品を製作し 国内のみならず、フランス、ドイツ等 各国に発表し絶賛を得る
 特に故有栖川宮殿下の御用命を受け御寵遇を蒙り、殿下より「竹影堂榮真」の号を賜りもって、京都金 工界に大いなる業績をのこす
 ― 大正4年(1915年)12月歿 66歳

七代 佳 永 15歳より父榮真に師事を受け、平成2年6月「株式会社 竹影堂」を設立
 竹影堂佳永の称号を得る
 平成21年2月 四世竹影堂 榮眞を襲名す
 平成30年 京都府伝統産業優秀技能者 に表彰される



資金の使い道・実施スケジュール

ご支援いただいた資金の内CAMPFIRE手数料を除いた金額はリターンの製造/発送及び京都の伝統産業を担う企業と新しい価値を見つけるための活動資金とさせていただきます。また竹影堂応援リターンの工房見学などはCAMPFIRE手数料を除いた全て竹影堂の今後の活動資金とさせていただきます。ご購入いただいたかんざし、帯留めは2021年11月中旬頃に発送いたします。



リターンのご紹介

【竹影堂応援リターン】お礼のメール 1,000

【竹影堂応援リターン】工房見学&彫金体験 銅画作り(通常より10%OFF) 2,500

かんざしAまたはB(早期割引/10%OFF)1点 34,650

かんざしAまたはB(クラファン限定割引/5%OFF)1点 36,575

帯留めAまたはB(早期割引/10%OFF)1点 25,740

帯留めAまたはB(クラファン限定割引/5%OFF)1点 27,170

かんざし&帯留めAまたはBセット(早期割引/14%OFF)1セット 58,300

かんざし&帯留めAまたはBセット(クラファン限定割引/5%OFF)1セット 63,800

【限定数1!】すべて手作りの神業かんざし1点 165,000


今後のスケジュールについて

2021年9月末 クラウドファンディング終了
同時進行にて銀細工のゴム型制作
2021年10月 ロストワックス鋳造にて銀細工を制作
2021年11月中旬 リターン発送


最後に

京都には長い歴史の間に洗練された美しい伝統工芸品がたくさんあります。私は本当に伝統工芸品の魅力を知るには本物をじっくり見るのが一番良い方法だと思っています。少しだけ私の話をすると学生時代は休みの日にはいつも美術館や博物館に行って「美しいもの」を見るのが大好きでした。伝統工芸品は見れば見るほど作り上げた職人の熱い想いを感じる素敵なものです。世界にも誇れる日本のアイデンティティだと思います。一方で多くの伝統工芸品は流通量が減っていて近い将来本当に美術館でしか見られなくなりそうですもっと身近に伝統工芸品を利用して流通量を増やせないでしょうか。もちろん伝統工芸品は量産ができないため、当然価格は高くなり伝統工芸品を手元に置いて楽しめる人は一部の限られた人だけになってしまいます。その問題を解決するため普段は量産品をデザインしているプロダクトデザイナー福定良佑さんと、ユーザーの意見を代表して多くのきもの展示会を手がける京都きもの市場に協力してもらい伝統工芸を身近に楽しめる「モダンにもアンティークにも似合うかんざし&帯留め」を作ることができました。伝統工芸の未来に少しでも役に立てば幸いです。




<プロジェクトオーナーについて(特商法上の表記)>

■特定商取引法に関する記載
 ●販売事業者名:株式会社WGD京都
 ●代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名:久藤美智子
 ●事業者の住所/所在地:〒604-0875 京都市中京区車屋町通竹屋町上ル砂金町403番地
             田丸産業ビル4F
 ●事業者の電話番号:Tel: 075-213-5624
 ●送料:送料込み
 ●対価以外に必要な費用:プロジェクトページ、リターンに記載のとおり。
 ●ソフトウェアに係る取引である場合のソフトウェアの動作環境:該当なし
 ●その他記載事項:プロジェクトページ、リターン記載欄、共通記載欄(https://camp-fire.jp/legal)をご確認ください。


<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2021/10/01 17:12

    応援いただいた皆様へこの度は竹影堂とWGD京都の初めての挑戦を応援いただき誠にありがとうございました。心より感謝しております。伝統工芸とプロダクトデザインの融合と銘打って開始したプロジェクトでしたが、お陰様で目標金額の312%を達成することができました。これを励みにこれからも伝統工芸に関する情...

  • 2021/10/01 17:08

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 2021/09/30 12:08

    皆さんこんにちは。今日は気持ちの良い気候ですね。本日ついにCF終了します!あと12時間です^_^/もしお悩みでしたらぜひ早期割引がある今回のCFでのご支援お願いいたします。今回第二の目標金額も達成できたので、次回また竹影堂さんと洋装でも似合うものを開発したいと思っています。どうぞよろしくお願い...

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