2021年 7/14夜、西ドイツのワイン産地アールで
史上最悪規模の大洪水が発生。


2021年7月14日夜から15日未明にかけて、大規模な洪水に見舞われた、西ドイツ最北のワイン生産地・アール(AHR)地方。これは2021年春以降から断続的に続いていたドイツ国内全土に及ぶ異例の豪雨に起因します。
アール地方の年間平均降雨量は560㎜ですが、今年は7月14日までに、既に490㎜の雨量が観測されていました。そして同日、94㎜もの雨が集中して降ったことが最終的な引き金となり、水位が 最高8mにも及ぶ大洪水が発生しました。
この大洪水により、アール谷で亡くなられた方は140名、負傷者700名、被災者数は42,000名にものぼり、依然として行方不明者も数十名いらっしゃる状況です。

そこでワインインポーターである私たちディオニー株式会社は、まずこの災害を造り手とともに一丸となって乗り切るため、アール地方のワイナリーの中でも特に被害が酷かったマイヤー・ネーケルと共にチームを立ち上げました。本プロジェクトを通して彼らの醸造所の復旧、施設・設備等の修繕といった、ワイン造りを継続させていく上で必要不可欠な設備面でのサポートを実施します。


ドイツ・アール(AHR)地方とは?

アール地方はドイツ西部における最北のぶどう栽培地であると同時に、赤ワインの銘醸地として知られています。
ぶどう栽培面積は約560ヘクタール、ドイツで最も小さい生産地のひとつである一方、赤ワインの原料となる黒ぶどうの栽培比率が高く、畑の84%で黒ぶどう品種が栽培されています。限られた生産量ではあるものの、とりわけ優れたシュペートブルグンダー(=ピノノワール)を始め、傑出した赤ワインを生み出すのに理想的な気候風土を兼ね備えた場所として知られています。(Wines of Germany HPより一部抜粋)

ライン川の支流・アール川が流れるアール渓谷。ここではぶどう畑のほとんどが渓谷の急勾配の傾斜面に広がっています。一方で、川沿いは比較的なだらかな平地面が多く、居住地をはじめワイン醸造所、貯蔵庫や販売所などを含むあらゆる建物が密集して建てられていました。

ピノノワールの名手「ヴァイングート ・マイヤー・ネーケル」は
65軒のワイナリーの中で一番大きな被害を受け、畑以外のすべてを失った。

ヴァイングート・マイヤー・ネーケルは5世代にわたりシュペートブルグンダー(=ピノノワール)を主とした赤ワインを手がけている名家です。
当主のヴェルナー氏、奥様のクラウディア、そして2人の娘ドルテとマイケを中心に自家栽培・自家醸造によるワイン造りを行っています。
ヴァイングート・マイヤー・ネーケル(Diony HPより)
現在は18haのぶどう畑を所有し、それらは急勾配の日当たりの良い南向き斜面に広がっています。彼らは完熟したぶどうを手摘み収穫し、テロワール由来の細やかなタンニンを伴ったエレガントかついきいきとしたミネラル溢れるワインを生み出しています。そのワインの品質はあのジャンシスロビンソンMW※1 も認めるほどです。(2017.11.12日本経済新聞掲載)※1:MW=マスター・オブ・ワイン。ワイン業界でもっとも権威のある称号。現在の資格保有者は全世界で340名程、日本人の有資格者はわずか2名。マイヤーネーケルチーム 2021.9撮影ネーケル家の屋台骨である姉・マイケ(左)と妹・ドルテ(右) 

アール地方において、彼らのように自家栽培・自家醸造の生産者は全部で65軒あり、その中でも今回一番甚大な被害を受けたのがネーケル家だったと言われています。彼らは洪水によって畑以外のすべてを一瞬にして奪われました。

被災したマイヤー・ネーケル醸造所 外観と内観 

被災後のマイヤー・ネーケル販売所左:トラクターなどの様々な農機具の汚損・破損  右:6~7トンほどあるプレス機までも流された

マイヤー・ネーケル貯蔵庫のワイン マイヤー・ネーケル貯蔵庫のワイン前述の通り、この地域のぶどう畑は傾斜畑が中心のため90%以上は無事だったのですが、それ以外の被害は想像を絶するものでした。
8メートルを超えるアール川洪水に、アール川沿いに位置した醸造所の数々はあっという間に飲み込まれました。ネーケル家の19年、20年のヴィンテージが入った大事な300個のフレンチオーク樽は全て残らず流されてしまいました。樽熟成が終わり、ステンレスタンクの中で今年8月前半に瓶詰め予定だったワインも汚水と混ざり全てダメになりました。重量何トンもするワインプレスも醸造所の数キロ先から発見されました。高価なプレスだけではなく浸水したフォークリフト、農作業に必要な農機やトラクターの損害。村の中心にあった販売所と事務所も4mの洪水に覆われました。
パソコン、デスク・・・・・もう何も残っていません。貯蔵庫のボトルは流され、被災後2週間以上何十人ものボランティアが手作業で回収し、その後また数週間キツイ匂いがする泥水がついたボトルの洗浄作業が行われました。
もちろんそれに並行して畑作業もしなければなりません。車両が流されたので畑に向かう手段さえ最初の数週間はありませんでした。被災した地域は広範囲に及び慢性的な物質不足が続いています。

ドルテとマイケが被災後に初めて心配するネーケルファンに向けて投稿したSNSの文章
「Jetzt stehen wir mit leeren Händen da 今、私たちは空っぽです」の一言が
彼らの状況を端的に表していました。

彼らは被災後まだ復興作業が進まず生活基盤も整っていない中なのにも関わらず、被災してから2ヶ月間休むことなく、これから数週間後に迫った21年のヴィンテージを確保する為に格闘しています。デルナウ村に住んでいたチームも家や財産を失いました。全員自分の家の復興作業を後回しにして毎日醸造所で働いています。

今回の大洪水がもたらした損害は、アール地方のワインだけでも被害総額  推定約64億円にものぼります。(年間ワイン販売総額 約41億円)現在、ドイツ国内でも急ピッチで復興活動や支援が始まってはいますが、人員の生活基盤の確立、被災した醸造所の清掃・修復、破損しなかったワインの回収、泥にまみれたワインボトルの洗浄作業、さらには今年2021ヴィンテージのブドウ確保のための畑作業とその労働力の確保、そして収穫準備と収穫労働者の確保、仮の醸造場所&設備の確保など・・・。ワイナリーとしての復興も現状から課題が山積みで、まだまだ前途は非常に厳しいものがあります。


彼らのワイン輸入元である「私たち」が、いま日本でできること

今回のプロジェクト主体者となるディオニー株式会社は、ヨーロッパを中心とした直輸入ワインをはじめ、全国の國酒および加工食品を取り扱う専門卸商社です。
大洪水があったとの第一報が入った時には、にわかに信じることができませんでしたが、泥だらけのマイヤー・ネーケルの木樽の写真を複数のSNSで目にしたとき、悪い胸騒ぎがしました。どうか大きな被害には巻き込まれていないで欲しいという願いも虚しく、被害の全容が明らかになるにつれ、ネーケル家が今回の災害で一番大きな被害を受けたワイナリーだったことが分かりました。この事実に私たちも大きなショックを受けました。
濁流に流されたマイヤー・ネーケルの樽 凄惨な状況を知れば知るほど心配になったのは、ネーケル家、そして彼らと共に働くスタッフ皆さんの安否です。水道、電気、電波などのライフラインが途絶えていたため、彼らからの知らせが届いたのは災害が起きてから約1週間後のことでしたが、幸いにも皆さんの命に別状はなくご無事であったことにただただ安堵しました。
しかしながら、突如として洪水が彼らを襲ったあの夜、ネーケル家の屋台骨である姉妹マイケとドルテは醸造所にいたそうです。なんと彼女たちは、濁流に呑まれ樽やタンクと一緒に一時流されてしまったのですが、運良く木に掴まることができ、木の上で一晩を過ごし難を逃れたそうです。ひとつ間違えば取り返しのつかないことになってしまったかと思うと・・・本当にぞっとします。

彼らのワインの国内正規輸入代理店(インポーター)として、私たちに一体何が出来るのか・・・
彼らの力になれることは何なのかを改めて自分たちに問い、災害が起きた翌月の2021年8月より、毎月のドイツワイン売り上げの一部をネーケル家へ寄付することを開始しました。しかしながら、それだけではまだまだ彼らへのサポートとしては不十分だと感じたため、支援の輪を拡大すべく、本プロジェクトはネーケル家と共同でチームを立ち上げることにしました。

私たちディオニーは、ここ日本で
彼らの想いが詰まったワインたちを きちんとお伝えし、
そして、彼らの想いを絶やすことなく 伝え続けてくれる同志の輪を広げていきたいと思います。

一方で、ドイツのネーケル家は、1日も早い復興と、彼らが築いてきたワインの灯を絶やさないためにも
皆で力を合わせ、全力でワイン造りに取り組むことを約束してくれました。

そんな彼らの明日のエネルギーになれるよう、私たちは
日本の皆さんからのエールをお届けしたいと思っています。

これらのことを踏まえ、ディオニーの中で出来る限りの原資を集め
本プロジェクトのために、社内でアイデアを出し合い次のリターンをご用意いたしました。

◆◆◆◆リターンについて◆◆◆◆

①マイヤー・ネーケルの赤ワイン 限定60本 
アールヴァイラー ジルバーベルク シュペートブルグンダー2017
※日本未発売/店頭価格10,000円(税込)相当の特級ワイン

このワインに使われているぶどうが植わるジルバーベルグは、特級区画(グランクリュ)に認められた、特別な区画のひとつです。標高150~250m、土壌はスレート(粘板岩)やグレーワッケ(硬砂岩)から構成されています。畑の傾斜角は実に45度という、大変な労働力を要する急斜面の南西向きの畑です。ここは日当たりも非常に良好で、傑出した長期熟成のポテンシャルをもったワインを生み出します。ぶどうが完熟するのを待って、2017年10月末に収穫。人為的に手を加えることは最小限に留め、樽(オークの新樽使用比率70%)で16ヶ月の熟成。
品種:シュペートブルグンダー(=ピノノワール)100%、収量:25hl/ha

ハリの良い赤や黒の小粒ベリーの香りに、タバコやペッパーのニュアンス。シダ、森の下草などの抜けの良いアロマ。口に含むと芯の強い黒い果実味、スモーキーさに細やかなタンニン、塩気を感じるミネラル。これから花開く要素を十分に兼ね備えた液質。長期熟成にも耐えうるポテンシャルです。

②マイヤー・ネーケルのロゴ入り オリジナルTシャツ 限定130枚

本プロジェクト限定のオリジナルTシャツを作成いたしました。「We AHR(=今回被害があったアール地方) Together.」の文字と、マイヤー・ネーケルのロゴ入り。飽きのこないシンプルなデザインに仕上げました。また、彼らのボトルデザインをイメージし、Tシャツカラーはスミクロ(※Tシャツカラーは予告なく類似色に変更の可能性有り)。サイズはXS・S・M・L・XL(男女共通)からお選びください。イメージ画像
≪Tシャツ サイズ表≫


加えて、リターンとしてお送りしたTシャツは、後日、支援者さまより着用したお写真を1点頂戴いただきたく思います(強制ではありません)。
写真は集まり次第、1枚のパネルなどにまとめ、ネーケル家に郵送したいと考えています。
「日本からこれだけ多くの方々に応援頂いている」ということはきっと彼らに、大きなエネルギーを与えてくれるはずです。



◆◆◆◆支援金の使いみち◆◆◆◆

集まった支援金はプロジェクト終了後、CAMPFIREの手数料(支援総額の10%+税)を差し引いた額を全額、ネーケル家が被災した際に失った醸造設備の購入費用等に使用させていただきます 。


◆◆◆◆実施スケジュール◆◆◆◆

2021年
10月中旬 クラウドファンディング開始
12月末 クラウドファンディング終了

2022年
1月 順次リターンの発送
2月~3月 皆さまよりTシャツ着用の写真データを頂く
春頃 ネーケル家に写真パネルを送付


◆◆◆◆さいごに◆◆◆◆

彼らがいま立ち向かっている現実、そしてこれから歩んでいくであろう長く険しい道。想像を巡らせるだけでも、胸が苦しくなります。しかしながら、すでに彼らは前を向き、休むこともなくただひたむきにワイン造りに没頭しています。

わたしたちの心は彼らと共にあります。彼らはこの困難をかならず乗り越え、そのまっすぐな情熱と、アールという土地の美しい気候風土を表現した素晴らしいワインたちをまた、私たちに届けてくれることでしょう。その日を信じ、これからも日本から、たしかなエールを送り続けたいと思います。彼らの未来のために、本プロジェクトを通して応援を頂ければと思います。
皆さんのあたたかいご支援をお待ちしております。


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■特定商取引法に関する記載
 ●販売事業者名:ディオニー株式会社
 ●代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名:菊香 順昭
 ●事業者の住所/所在地:〒612-8311 京都市伏見区奈良屋町408-1
 ●事業者の電話番号:Tel: 075-622-0850
 ●送料:送料込
 ●対価以外に必要な費用:プロジェクトページ、リターンに記載のとおり。
 ●ソフトウェアに係る取引である場合のソフトウェアの動作環境:該当なし

一般酒類小売業免許
伏見酒第171号、伏見酒第313号 伏見税務署長


【企画・運営】
 ディオニー株式会社
 Meyer Nakel

<募集方式について>本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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