こんにちは、リージョナルフィッシュです!

このトラフグは、自然界でも起こり得る進化を先取りする技術、ゲノム編集技術を利用した品種改良法「ナノジーン育種」を使って作られています。未来の味がする?かもしれないこのトラフグを通じて、水産業の問題、タンパク質クライシスの問題を考えるきっかけにしてもらえると嬉しいです!


22世紀ふぐのここがすごい!

「22世紀ふぐ」の最大の特徴は、その圧倒的な飼育効率のよさ。一般的な品種の1.9倍の早さで成長するため、飼育期間の大幅な短縮が可能です。加えて、飼料利用効率(体重増加÷摂取した飼料量)が42%改善しており、より少ない飼料で育てることができる、環境にやさしい品種となっています。また、弾力のある身質となっており、ふぐらしいプリプリした食感をお楽しみいただけます。

なお、肝臓、卵巣などの部位は通常のトラフグと同様に取り除き、食品衛生法と都道府県の条例に即して食用不適として適切に処分しております。


22世紀ふぐは、ゲノム編集技術を利用して作られました

この度、私たちが開発したこのトラフグは、国の手続を経て上市するゲノム編集動物食品としては、先月販売を行った22世紀鯛に次いで、二例目となります。

厚生労働省の「ゲノム編集技術応用食品及び添加物の食品衛生上の取扱要領」 に基づき、遺伝子組換えに該当しないこと、また食品としての安全性について問題がないことを確認していただき、「高成長トラフグ」として届出を行いました。農林水産省からも、生物多様性影響などの観点から問題がないことを確認していただき、同様の届出を行いました。
※届出の詳細については、厚生労働省HP農林水産省HPをご確認ください。
また、表示については、消費者庁の「ゲノム編集技術応用食品に係るQ&A」に則して進めます。

この高成長トラフグは、22世紀にはあたりまえに食卓に並んでいたかもしれないトラフグ。これを先取りするという意味で、「22世紀ふぐ」と名付けました。


現在、私たちの身の回りにある食品のほとんどは、品種改良されたものです。畜産物・農産物のうち、品種改良されていないものはミツバくらいと言われています。しかし、水産養殖については歴史も浅く、品種改良がほとんど普及していない実態があります。

優良な特性を持つ品種がやがて評価されるであろうことは歴史が証明しています。実際、水産物で品種改良に成功した数少ない例であるサーモンは、流通しているものの大半が品種改良されたものです。品種改良された水産物が豊かな食生活の一端を担う未来が必ず来ることを、私たちは確信しています。


新技術「ナノジーン育種」がもたらす可能性

これまで品種改良では、自然に、あるいは放射線や化学薬剤を用いるなど人為的な方法で起きた突然変異が利用されてきましたが、 ランダムに遺伝子の変異が発生するのを待つため、およそ30年の時間を要します。目まぐるしく変動する地球環境の中で、人々のニーズに応え、タンパク質不足の解消を目指すには、圧倒的に時間が足りません。

そこで私たちは、ゲノム編集技術を水産物に適用し、超高速の品種改良を行うことにしました。そして、ゲノム編集食品ベンチャーや関係団体と相談の上、「欠失型ゲノム編集」(SDN-1、すなわち品種改良に分類されるもの)を「ナノジーン育種」と名付けることにしました。

”ナノ"は「10億分の1」を表す言葉で、ごく僅かな遺伝子(”ジーン")にのみ働きかけることによって品種改良("育種")を行うことができるという意味を込めています。この手法を利用すれば、品種改良にかかる時間を、従来の30年から、わずか2-3年に短縮することができます。


ゲノム編集と遺伝子組換え・品種改良の違いは?

ゲノム編集とは、酵素を使って、起こしたい進化を担うDNAにピンポイントで刺激を与えることで、自然界でも起こり得る変化を起こす技術です。

遺伝子組換えは、開発したい生物に、別の生物の遺伝子を導入することによって、別の生物の持つ特性を付与する技術であるため、自然界には存在しない品種が生み出されます。これに対し、ゲノム編集では、遺伝子導入を行わず、開発したい生物の遺伝子に対して自然界でも起こり得る変異を再現する手法です。そのため、自然界にも存在し得る品種を生み出すことができます。

また、従来の品種改良は、ランダムかつDNAを数千個単位で起きる突然変異を利用してきたのに対し、ゲノム編集では、DNAを数個単位でピンポイントに変異させることが可能になります。 


ゲノム編集技術って安全なの?

従来型の品種改良は、ランダムに起きる変化に依存するため、どの遺伝子にどのような影響が出るかは、実は正確に把握できていないのが実態です。

それに比べて、ゲノム編集は、どのような働きを持つ遺伝子がどう変化したか、変化の過程が明確になるため安全です。実際、狙った遺伝子以外の遺伝子に変化(オフターゲット変異) がないことを確認しております。自然界でも起こり得る品種改良なので、安全性の面でも問題ありません。

※詳しくはリージョナルフィッシュWebページをご確認ください:欠失型ゲノム編集について


京都大学×近畿大学の研究成果を社会へ

私たちのコア技術は、京都大学と近畿大学における2人の研究者の長年の研究成果をベースとしています。

木下政人准教授は、京都大学にて30年以上に渡って研究活動を続けており、水産物へのゲノム編集分野における第一人者です。また、家戸敬太郎教授は、近畿大学水産研究所の実験場長も務めており、ゲノム編集に必要な水産物の完全養殖に精通しています。

国内はもちろん、世界でも最高水準の技術を社会に還元するべく、私たちは日々奮闘しております。


私たちの養殖場は「海の京都」京都府宮津市にあります。日本三景の天橋立、丹後の美しい海に囲まれた好立地に陸上養殖施設を構え、心を込めて魚を育てています。また、各地の一部養殖場でも、22世紀ふぐを生産しております。

京都で開発された新品種を京都で育てる。まずは京都の水産業を盛り上げることから、地域経済の活性化に貢献していきます。


生物多様性への影響を考慮した陸上養殖設備

ゲノム編集技術を用いるため、魚が外海に逃げ出さないよう、飼育水槽は陸上養殖施設に設置し、様々な拡散防止措置を執っています。

例えば、水槽内に筒状ネット、排水溝に二重のネットを設置することで、合計三重のネットを完備。魚の発育ステージに応じて目合いを変更すると共に、毎日こまめに掃除・点検を実施しています。

※なお、繁殖用の親魚の水槽では、必要に応じて、別に卵回収用の小型水槽(卵回収装置)を設置し、水槽外への卵の流出を防止しています。また、精子は、海水中ですぐに活性が失われ、外海に到達するまで受精能力を保持できないことを確認しております。


スマート陸上養殖による未来の養殖モデル構築へ

「22世紀ふぐ」の飼育にあたっては、「スマート陸上養殖」を取り入れています。

AIカメラで魚の大きさを測定し、自動給餌機と連携させることによって、給餌量を適正化します。また、海水をろ過および紫外線殺菌することによって、魚病と水質汚染のリスクを最小化し、IoTセンサーで水質を調整することで、魚と環境にやさしい養殖を実現します。

これらのデータを活用することで、給餌・清掃といった現場業務の省力化・自動化を進めるなど、水産事業者様に必要とされるスマート養殖技術を開発し、地域経済の発展に貢献することを目指します。


学術機関、技術を持つ企業および公的機関からも応援いただいています

「日本の水産業の再興・世界のタンパク質クライシスを解決する」という想い、「ナノジーン育種」や「スマート養殖」の実現に向けて、共感いただけた最先端の技術を持つ学術機関、企業、公的機関から、ご支援・ご協力をいただいております。

<学術機関>
京都大学、近畿大学 等

<企業>
荏原製作所、宇部興産、NTT、NTT東日本、NTTドコモ、電通、TSI、農林漁業成長産業化支援機構(農林水産省所管の官民ファンド)、京都銀行、京銀リース・キャピタル、中信ベンチャーキャピタル、京都中央信用金庫、京都信用金庫、京都北都信用金庫、三菱UFJキャピタル、フューチャーベンチャーキャピタル、Beyond Next Ventures 等

<表彰>
大学発ベンチャー表彰2021 経済産業大臣賞 受賞
経済産業省 近畿経済産業局 J-Startup Kansai 選出
農林水産省 総合化事業計画 認定


22世紀ふぐのロゴデザインは現役大学生が制作

22世紀ふぐのロゴデザインは、リージョナルフィッシュのインターンシップ生として活躍中の京都大学農学部2回生の長澤茅子さん(20)が担当しています。

世界の食糧問題や日本の水産業の抱える課題を理解してもらうと共に、最先端の技術にも触れてもらうことで、未来を担う若い人材も積極的に参画してもらっています。


現在、世界では、近い将来タンパク質の需要が供給を上回り、タンパク質が不足してしまう「タンパク質クライシス」が到来すると予想されています。この問題を解決するため、良質なタンパク質を効率的に生産する方法の確立が求められています。

私たちは、既存のタンパク質源の中でも比較的生産効率の高い水産物に着目しました。特に、水産物の品種改良は未知の領域であり、新品種の創出にはたくさんの可能性が眠っています。生産効率の改善はもちろんのこと、おいしさや栄養価の向上により消費者のニーズに応えることも可能と考えています。

世界の水産生産量は大きく伸びていますが、乱獲・気候変動といった要因によって水産資源の保全が重要となっており、この30年間、漁獲量はほとんど増えていません。つまり水産業界の伸びしろは、天然物の漁獲ではなく、養殖にあります。

しかし、日本の水産業を巡る状況は、厳しさを増しております。この30年間で水産業従事者は20万人以上も減少し、かつて世界1位を誇っていた生産量は8位に落ち込んでいます。私たちは、水産物の品種改良技術×スマート養殖技術を開発・普及していくことによって、日本の養殖業、ひいては水産業をもう一度盛り上げていきたいと考えています。

 

この度のクラウドファンディングにて皆さまからご支援いただいた資金は、

◆22世紀ふぐの量産化およびメニュー開発
◆ナノジーン育種による品種改良種の拡大に向けた研究開発

のために、大切に使わせていただきます。


リターン①:22世紀ふぐを味わってください!

22世紀ふぐを使った料理を、ご自宅で楽しんでいただける食材セットとしてお届けします。 これらの料理は、株式会社関門海の協力の下、メニュー開発・加工されたものです。

・22世紀ふぐ てっさセット
・22世紀ふぐ てっちり/から揚げセット
・22世紀ふぐ フルコースセット(てっさ・てっちり・から揚げ)


<加工場所に関する許認可>
株式会社関門海
■食品の冷凍又は冷蔵業に関する許可証: 大阪府指令 藤 保 第0302-0393号
■ふぐ販売営業許可証:大阪府指令 藤 保 第1018号
■ふぐ取扱登録者:稲木富美恵 第35781号


リターン②:弊社の取り組みへの応援をお待ちしております!

ナノジーン育種は、水産物の生産効率や付加価値を大きく向上させる可能性を秘めた技術です。世界の食糧問題・日本の水産業の復興に貢献できるよう日々邁進して参りますので、リージョナルフィッシュの取り組みへの応援を何卒よろしくお願いいたします!

・リージョナルフィッシュ ノベルティパーカー
・22世紀ふぐ ノベルティパーカー


リージョナルフィッシュ株式会社は、京都大学×近畿大学の共同研究の成果を基に創られたフードテックベンチャーです。

技術と志とエネルギーを持ち合わせた若いチームを中心に、世界の食糧問題 ・地域の養殖業の発展に挑むべく、日々業務に励んでおります。

応援、よろしくお願いいたします!


リージョナルフィッシュ株式会社 一同
Web: https://regional.fish/


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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