小さな帆舟で自然の風に乗りながら、海洋保護区に行き、ありのままの海の姿をみなさんに楽しんでいただきたい!また島民の暮らしに繋がる海洋保護区を素晴らしい状態で守りたい!

プロジェクト本文

▼カオハガン島とは?

オランゴ環礁内のカオハガン島 撮影:渡辺一生 

フィリピンのセブ島の南に小さな島カオハガン島があります。「何もなくて豊かな島」という本が20年ほど前に出版され有名になった島です。約30年前に日本人の崎山克彦がこの島に移り住み、小さなホテルを経営しながら、そこに当時から住む島民と一緒にその島の自然とライフスタイルを守りながら生活しています。

 

▼2人の日本人女性が島に嫁ぐ

私たち、佑子と嘉恵は約3年前にカオハガン島に住み始めました。佑子は、学生の時にカオハガン島を舞台に行われたスタディツアーに参加。そこで、恐れではなく、愛をもって人と関わってくれる島の人々のあり方に心を打たれ、その後も何度も島を訪れるうちに、愛で包まれるカオハガンというコミュニティーの秘密をもっと知りたくなりました。そこで、島の運営のお手伝いをしながら、島で暮らすことを決意しました。嘉恵は、カオハガンキルトを日本で販売していたことがきっかけで島を訪れ、カオハガン島の自然と人が調和した中に自分がいるということに癒され、何度か島を訪ねました。その後、ヨガのインストラクターとなり、島に住み始め、宿泊施設の運営のお手伝いをするようになりました。

左:嘉恵と娘のシェリー、右:佑子と息子の陽(はる)

そんな私たちは、カオハガン島の島民と恋に落ち、結婚し、子どもも授かりました。現在は、村に住みながら、子育てをし、島を訪れるお客さまのご案内をしております。また、島のオーナーの崎山克彦の思想を受け継ぎ、自然と共にある暮らしを実践しながら、毎日のように島の中で起こる自然からのメッセージを受け取り、カオハガン島民からじんわりと溢れ出る幸福感の秘密を発見し、学んでいます。

 ▼島の宝、熱帯珊瑚礁保護区

島の綺麗なビーチを目当てに毎日宿泊、日帰りも含めた観光客が国内、海外から多くいらっしゃいますが、実はサンクチュアリー(聖域)と呼ばれる素晴らしい熱帯珊瑚礁保護区も存在します。この保護区は島民により管理されており、違法なダイナマイト漁などで傷ついた漁礁の再生と生態系の保護を目的にしています。

カオハガン島熱帯珊瑚礁保護区内の様子

また周辺にある他の保護区では観光客向けに魚が餌付けされており、海に入ると人間慣れした餌目当ての魚が寄って来ますが、このカオハガンの保護区では餌付けをせず、近隣では唯一自然な状態で保護をしています。このような形で熱帯珊瑚礁保護区を守ることで生物の多様性の維持に貢献し、また自然と共にあるライフスタイルを送っている島民の暮らしを守ることにもつながっています。ところが、残念なことに、現在この保護区のブイや監視小屋が劣化のため破損していることから、保護区の適切な保護管理が難しいという現実もあります。

壊れてしまったブイの様子

 

▼豊かな時間を取り戻したい!

私たちの夫も島で生まれ育ち、美しい海で水浴びをし、魚や貝などの恵みをいただき、それに感謝しながら生きてきました。太陽が眩しく照らしてくれるから、心と体にエネルギーが満ち溢れ、潮の満ち引きがあるから、魚や貝を食べてお腹を満たすことができ、雨が降るから、体を清めることができ、月が優しく照らしてくれるから、ゆっくりと休むことができます。そんな自然の中のサイクルに順応しながら、のんびりと暮らしていました。

そんな島民の暮らしを、十数年前まで帆舟が支えていました。珊瑚からできた島では、採れる野菜や穀物はほぼない状況の中、マクタン島やボホール島まで帆舟に乗って3時間、食材を求めに行っていました。風の力のみで動く帆舟に揺られて、一日一日を気長に過ごしてきました。

ところが、近年、エンジン付きのボートを所有する島民が増え、現在では帆舟は一隻もなくなりました。私たちの夫は、海が大好きで、漁師でもありますが、帆舟が海を渡っていたのは、まだ彼らが小さい頃だったため、乗ったことがないと言います。彼らやその下の世代の海の男たちが、のんびりと帆舟が海を渡るように流れるような豊かな時間を取り戻して欲しい、また島を訪ねてくださったお客さまにもその豊かな体験をして欲しいという願いから、熱帯珊瑚礁保護区を守り、帆舟に乗ってエコなツアーを実現させたい!と、考えるようになりました。

 

▼オリジナルの帆舟をつくり、海へ

帆舟のイメージ

帆にはカオハガンキルトを使い、海とマッチングするアートなものにしたいと考えています。カオハガンキルトとは、カオハガン島の島民が豊かな感性を生かして、ひとつひとつ丁寧に手縫いしていく独自のキルトです。
動力を使わず、自然の風のみで動くエコな帆舟。これには通常の舟に使われているプロペラがないため、プロペラで珊瑚を傷つけることもありません。風を感じながら海を進み、熱帯珊瑚礁保護区の自然を楽しむことができます。

 カオハガンキルト

帆舟をつくることができる島民はまだいます。その技術を次の世代に残し、昔ながらの島の帆舟でエコロジカルな形で海と触れ合える場を作りたいと思っています。また、熱帯珊瑚礁保護区を適切に保護するため、ブイや監視小屋の補修も行いたいです。

 舟をつくるカオハガン島の職人

▼最後に

私たちは、家族と家族同然のような島民たちとこの島で暮らしていくことを決めました。彼らのシンプルなライフスタイルを体験するたびに、とてつもなく大きな自然への感謝が湧いてきます。この島に生きているのではなく、生かしてもらっているのです。

このカオハガン島の海洋を保護しながら、島の伝統的な技術を保つこと、それは今ここに生きる私たち、島民の使命です。自然と共にある暮らしが、これからもずっと続けばと願っています。

皆様からご協力いただければ幸いです。

 
▼帆舟のある暮らしを思いだす、島民からの小さなエピソード

『いつも家族一緒に』フォロミナ

銀髪のカーリーヘア、小さくてどっしりして、のっそのっそと歩く名物キルターであるフォロミナ、72歳。娘のルシアは29歳、二人の子どもがおり、もう一人の娘のコーラは26歳、まだ小さな赤ちゃんを抱えている。この三人と子どもたちはいつも寄り合ってぞろぞろと歩いている。通りすがりの立ち話で、帆舟のことを聞いてみた。

フォロミナの夫、ベンベネードは生粋の漁師で、漁に行くときや、マクタン島に行くときによく帆舟に乗ったという。帆の部分はサコと呼ばれるビニールの素材で、こちらでは米袋などに使われている丈夫な素材を継ぎはぎして作っていたという。ところが、継ぎはぎして作った帆はあっという間に壊れてしまい、破れた帆がパタパタとなびく少しだらしないのがベンベネードの帆舟だったという。帆舟に乗って出かけるときは、必ずフォロミナも付き添った。波が高く、ベンベネードとフォロミナがだめだと言っても、二人の娘もくっついて、家族で寄り添いながら小さな帆舟に乗った。「どんなに怖くても、家族一緒がよかった。」と、ルシアが語った。風に任せて乗る帆舟はバランスが大切。乗せてもらえなくなることを恐れて、子どもながらに必死でバランスを取ったという。

ベンベネードは6年前に亡くなっている。夫を失った今、どうかとフォロミナに聞いてみると、「女同志楽しくやってるわよ!」と、笑った。「帆舟ができあがったら、乗ってみる?」と聞いてみると、「帆は布でつくりなさいよ、ベンベネードの舟みたいになっちゃうよ!」とフォロミナが言うと、ルシアもコーラもどっと笑った。ベンベネードが空から見守っているような明るい風が吹いていた。

 

『帆舟と芽吹く小さな命』

小さな体で少し前かがみ、ボブカットが似合うレベッカ。 冗談が大好きで、にんまりと笑いかけてくる姿を見ると、 なんだかウキウキしてしまう。今年で54歳だという。 彼女はパンダノン島という、 ボホール島の近くの島からカオハガン島まで嫁に来た。
嫁に来て、子どもを授かるたびにパンダノン島へ帰っていた。 もうそろそろ産まれるかと思うと、 帆舟に乗ってのらりくらりと進んで行く。なんと、5人の子ども全てが逆子で、通常分娩だったとのこと。 日本人の私たちからは考えられない能力を持っているのだ。 そして驚いたことに、 5人目はなんと舟の上で産まれてしまったという。早く早く~! と、急かしても帆舟だもの、そんなに早く進めない。 『祈るような気持ちでいると、舟の上で産まれてしまったの!』と、 レベッカが大笑いで話してくれた。 私たちが予想するよりはるかに素晴らしい機能を搭載した体である レベッカは、いつもパワーがみなぎっているように見える。 レベッカが帆舟に乗ると、 今度は違う奇跡を起こしてくれるのでは、と思ってしまった。なんだか楽しみだ。

 

『命をかけて海を渡る』ミックミック

今年58歳になったというミックミックは、島のビーチでガードマンのリーダーとして活躍している。60代近いのに、そう思わせない、あどけない笑顔と、お人よしが滲みでたような優しいまなざしの持ち主だ。若い頃から漁師であったためか、しゃんと伸びた背筋はさすが海の男を感じる。そんなミックミックは、20代でボニーという美しい女性と結婚した。二人の家は、砂の上にランタイ(竹のベッド)、ココナッツの葉を工夫して、雨よけにした。彼らはとても貧しかったそうだ。ミックミックは毎日漁にでて、帆舟に乗り、魚を採っては、ボホール島のアシナンに行き、交換の市で魚とサツマイモや穀物を交換して帰ってきたという。帆舟でボホール島まで行くには3時間以上かかった。風があればスイスイと進むが、風がなければ、ボクサイと呼ばれる櫂を使って、漕いで行ったそうだ。ボホール島までの道のりには、海が荒れやすい場所がある。無事に海を渡れるように、ボニーも家でミックミックのことを祈ったという。

久しぶりに帆舟に乗れるか?という質問に、「昔のことすぎて忘れちゃったよ。」と笑っていたミックミック。命をかけて何度も渡った海での経験を体が忘れるわけがない。もう一度、ミックミックに帆舟に乗って欲しい。今度は穏やかなカオハガン島の近郊の海で、息子や孫と一緒に爽やかなカオハガンの風を感じながら。

 

 

 

▼資金の使い道

皆様からいただくご支援金は、以下のことに使用させていただきたいと考えています。 

・保護区の監視小屋の補修

・ブイの補修・購入

・帆舟の製作

・監視用防水ライト

・監視用ビデオカメラ

・監視用双眼鏡

 ▼リターンについて

ご協力していただきました皆様には、カオハガン島の珊瑚礁保護区でのツアーにご招待、帆舟の操縦体験、カオハガン島宿泊無料券をご用意しております。また、珊瑚礁保護区監視小屋の命名権や帆舟の命名権など、通常できないようなスペシャルなものもございます。有効期限がございますリターンに関しましては、発行日からとさせていただきますので、発行日を後日お知らせさせていただきます。

 

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