1887年(明治20年)長野県下高井郡新野村(現・中野市)に生まれた中山晋平は、現代歌謡の礎を築いたとされる多くの傑作を生み出した、日本を代表する作曲家です。

「シャボン玉」「てるてる坊主」「背くらべ」といった誰もが耳にしたことのある童謡、大正〜昭和初期の世相を色濃く映した流行歌、全国各地の新民謡や校歌など、多岐にわたる作品を残しました。

中山晋平(1887-1952)

北信濃の美しい自然のなかで育った晋平は母親に女手一人で育てられ、16歳のときに尋常高等小学校の代用教員となります。当時から唱歌をこよなく愛し、生徒からも唱歌先生と呼ばれていました。その後、単身で上京した晋平は、文芸評論家の島村抱月のもとで書生生活をしながら、東京音楽学校に入学します。

島村が旗揚げした劇団「芸術座」に参加すると、公演の劇中歌の制作を皮切りに作曲活動を開始。「カチューシャの唄」の大ヒットをきっかけに、作曲家として華々しいスタートを切りました。

島村の死去による劇団解散以後も精力的な活動を続けた晋平は、野口雨情や西條八十、北原白秋といった詩人との童謡・新民謡の制作に取り組みます。1928年(昭和3年)に日本ビクターの専属となったのちも、数多くの流行歌を生み出しました。

日本音楽文化協会理事長など音楽業界の要職を歴任したのち、1952年に死去。65年の生涯で生み出した楽曲は、3000曲にも及びます。


作曲家として大成してからも、幼い頃に過ごした故郷の風景を忘れず、自身の音を奏でた晋平。彼の生まれ育った長野県中野市にて、日本酒を製造する志賀泉酒造の現当主・中山治は、晋平の孫にあたります。

晋平の功績を後世へ語り継ぐため、没後70年の節目に合わせ、当時の流行歌であった二作をモチーフとした日本酒を製造します。ラベルには、大正ロマンを代表する画家・竹久夢二による楽譜装幀画を使用。日本酒の華やかな香りと柔らかな味わいを、唄の旋律に耳を傾けながら、五感でお楽しみください。


♪志賀泉「カチューシャの唄」純米大吟醸

「カチューシャの唄」は、トルストイの長編小説「復活」を題材とした演劇の劇中歌として1913年(大正3年)に発表された歌謡曲です。

劇団芸術座の座長・島村抱月の書生として寄宿していた晋平は、島村から依頼を受けて、作曲家としての処女作を手掛けることに。「復活」の世界観にも調和する、日本の俗謡とリードの中間のような旋律が、公演とともに人気を博し、大正時代を代表する一曲となりました。

酒米には自社で栽培した長野県産山田錦を用い、香り高く、米の甘さやふくらみを感じながら、綺麗な酸で喉をさっと流してくれる味わいです。


♪志賀泉「ゴンドラの唄」純米吟醸酒

「ゴンドラの唄」は、発表から100年以上が経つ現代でも歌い継がれる大正時代の流行歌。作曲家・中山晋平は、母の死の直後、悲しみに暮れる帰りの汽車の中で自然と旋律が湧いてきたと語っています。

2017年に品種登録された長野県の酒造好適米・山恵錦(さんけいにしき)を酒米に使用。華やかな香りを抑え、強めの酸と甘旨味のバランスが取れた一品です。


♪2本を同梱する化粧箱を制作

さらに、上記の日本酒2種を収める化粧箱を制作します。箱の表紙には、晋平が生前に300部のみ発行した木版本「中山晋平作曲全集」の装幀画を使用します。大正の浮世絵師と呼ばれた竹久夢二を象徴するような美人画です。


志賀泉酒造は、1960年に信濃中野税務署管内の蔵元11社が集まり、清酒共同瓶詰場として発足。その後、品質の画一化と酒質向上のために全国でも特殊な清酒共同製造場を設立しました。この土地の気候風土に適合した地酒作りを心掛け、地元の人たちに愛される酒造りに取り組んでいます。

代表銘柄「一滴二滴」をはじめ、奥信濃の水と米にこだわった日本酒を製造しています

日本酒の80%を占める水は、酒の命です。あちこちの水を試した末、自然豊かな奥信濃、長野県木島平村にある龍興寺の湧水(環境省選定 平成の名水百選)に辿り着きました。当蔵の日本酒は、すべての仕込水に龍光寺清水を用いています。

龍興寺清水のある長野県木島平村は、全国有数の米処でもあります。この地で栽培された「ひとごこち」や「山恵錦」、さらには自社で栽培した「山田錦」を酒米として使用。深い旨みとコクを引き出す上質な素材を惜しみなく使っています。

当主・中山治が自ら栽培した酒米も日本酒造りに使用しています

酒造りは生き物を相手にしています。その日の気温の影響なども大きく受けながら造るので、毎日環境も変わってきます。造りを知れば知るほどその難しさを思い知らされますが、毎年進化を重ねられるよう、妥協なくこだわり抜いて全力で造っています。


初回製造となる今回は、晋平の作曲人生において黎明期の作品である「カチューシャの唄」「ゴンドラの唄」を取り上げますが、前述の通り晋平は、音楽史、そして全国各地に傑作を残しています。将来的には今回の2曲だけでなく、様々な楽曲を記念酒として製造・販売したいと考えています。

さらには、晋平の残した楽曲に耳を傾けながら、日本酒を楽しむコンサートの企画なども予定しています。晋平の愛した信州のアーティストとコラボするなど、文字通り彼の奏でた楽曲を歌い継ぐ機会を作っていきたいく予定です。この企画についてアーティストの汐入規予さんにお話したところ、ご協力頂けることとなりました。

歌手 / ボイストレーナー
汐入 規予 さん

「しゃぼん玉」や「うさぎのダンス」「あめふり」など‥中山晋平さんの歌は自分の幼少期の思い出が沢山詰まっています。

祖父母の家へ遊びに行き、夕方になると黒電話の有線放送から流れてきたのが「あの町この町」。この曲を聴く度、懐古の念に駆られ、郷愁の旋律と共に温かな感情が溢れてくるのです。

中山晋平さんの故郷、信州で生まれ育った私にとって、今回のこの企画に歌・音楽で参加出来る事…大変光栄な思いです。

また、以前から竹久夢二さんのファンでもあり、竹久夢二記念館や美術館にも訪れ、また彼の詩集・詩画集を何冊も読みました。

特に好きな詩は「十字架」。軽井沢の画廊で購入した夢二の代表作「黒船屋」のリトグラフは、我が家のリビングの一角でいつも私を見守ってくれています。

中山晋平さん、竹久夢二さんへの想いを曲の旋律と歌詞に乗せて…

そして信州への愛を込めて、歌いたいと思います。

日本酒造りはもちろんのこと、晋平の思いや楽曲を伝えられるような活動を、彼の愛した故郷・信州中野から起こしていければと思っています。

まずは今回のクラウドファンディングを通じて、多くの方に晋平やその楽曲について知っていただきつつ、今後の活動に繋げていければと考えております。ご支援・ご協力のほど、何卒よろしくお願いします。


■ クラウドファンディングの実施方式と資金使途
今回集まった資金は、新商品開発にあたってのラベル・パッケージのデザイン費および初期ロット制作費に充てさせていただきます。本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

・ラベルデザイン費・初期ロット制作費(一部) 300,000円
・リターン品提供費(商品代・送料等) 590,000円
・実施手数料(10%+税) 110,000円

※費用内訳は概算です。ご支援総額やご支援プランの数などにより変動します


■ プロジェクト実施スケジュール
1月中旬 クラウドファンディング開始
1月31日(月) クラウドファンディング終了
2月1日(火) 支援者様情報の開示
2月上旬 各日本酒の製造完了予定
2月28日(月) リターン品発送完了予定 , ご支援金の入金


■特定商取引法に関する記載
●販売事業者名:志賀泉酒造株式会社
●ホームページ:https://shigaizumi.jp/
●代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名:代表取締役 中山治 
●事業者の住所/所在地:〒383-0024 長野県中野市東山3番1号 
●事業者の電話番号:0269-22-3322
●送料:送料込
●対価以外に必要な費用:プロジェクトページ、リターンに記載のとおり。
●ソフトウェアに係る取引である場合のソフトウェアの動作環境:該当なし
●その他記載事項:プロジェクトページ、リターン記載欄、共通記載欄(https://camp-fire.jp/legal)をご確認ください。

  • 2022/01/30 17:00

    このたびは本クラウドファンディングにご関心をお寄せいただき、誠にありがとうございます。大変短い期間ではありましたが、クラウドファンディングも残り僅かとなりました。通常販売は3月以降を予定しておりますが、初回製造となる今回はロット数が決して多くはありません。販路も限定的になってしまうかと思います...

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