生産不足の手漉き和紙の原料“ねり”をみんなで育てて!
和紙職人の生まれ故郷「小川町」から和紙を世界へ

はじめまして。このページをご覧いただきありがとうございます。

今回のプロジェクトの代表を務めております、企画屋かざあなの川口です。

私たちは、世界無形文化遺産に登録されている細川紙をつくる和紙の里、埼玉県比企郡小川町の和紙を使ってノートを制作し、パリをメインに販売したり、アーティストに和紙を使っていただいたりしています。

 需要があるのに生産不足となっている手漉き和紙に不可欠な原料“ねり”をみんなで育て、小川町の和紙職人さんと一緒に小川町和紙体験学習センターを活用して、和紙をもっと多くの人に広めたいと考え、昨年からはじめた「わしのねり」プロジェクトを進めています。

ご支援いただいた資金は、みんなでねり(トロロアオイ)を育てる『わしのねり』プロジェクト運営費と新商品開発費用として活用いたします。



企画屋かざあなは伝統工芸や和文化を学び、海外や次世代に対して普及活動をしています。

私は自身でさまざまなノートを作ってきたなかで和紙に出会い、和紙に書き留めることで感性が豊かになる感覚を伝えたく、字が綺麗に浮いて見え、欧州ではチェック柄として馴染みのある市松罫の和紙ノートを開発し、パリで販売をはじめました。

ノートを欧州で販売するなかで、自然から作られた日本の伝統工芸に対し、海外の方の方が価値を認めていることに気づかされ、和紙の原料をたどることになりました。


そこで知ったのが手漉き和紙には欠かせないトロロアオイの生産不足です。

昨年より「わしのねり」プロジェクトを立ち上げ、全国74名の方とトロロアオイの生産をはじめ、約42kgを出荷することができました。

埼玉県小川町のトロロアオイ生産組合の農家さんには、家庭で生産できたことに驚かれましたが、私たちが納品した量は微々たるもので、2021年も生産組合さんに来ている注文の半分しか生産できなかったのが現状です。

トロロアオイの生産は本当に難しいですが、和紙を後生に残せたらと活動しています。


材料づくりから手漉き、そして仕上げまで実際に体験したり、職人さんのお手伝いや農家さんとお話してきたことで、和紙業界が立たされている状況を知ることになりました。

薄くて丈夫で保存性が高いことで世界的に知られている日本の和紙ですが、この薄くて丈夫な和紙を作るには、原料となる『ねり(トロロアオイ)』が必要不可欠です。


この『ねり(トロロアオイ)』の生産が全国的に不足しています。

手漉き和紙は、水のなかに楮などの植物の繊維を拡散させ、漉くことで繊維同士を絡ませて紙にしていきます。

しかし、水よりも重い繊維は、水だけで漉くと水中で拡散させてもすぐに沈殿してしまいます。

水が抜ける速度が早すぎるため繊維が均等になりません。

そこで『ねり』を使います。

『ねり』を使うと水中で繊維をコーティングし、均等に分散して浮遊させます。


『ねり』の助けによって簀(す)の上に繊維を長く留め、漉桁(すきげた)を揺することで繊維をより一層絡ませることができ、世界でも評価される薄く強い紙ができあがるのです。

この重要な役割を担う『ねり(トロロアオイ)』は、全国的に生産者が減少し高齢化しており、生産量が年々減少しています。

国内の供給量の3割以上を生産している小川町においても、全国の紙漉き職人さんからの要望量の半分しか生産できておらず、このままではあと3年もつかという話まで出てきています。


昨年より始動したプロジェクト「わしのねり」。

1年目から北は北海道、南は宮古島まで、74名の方にプロジェクトにご参加いただき、トロロアオイを育てていただきました。

家庭での栽培については、まだまだ手探りなことが多く、

また農業で有名な小川町の農家さんでもしっかり育てるのは大変な植物です。

1年目は24名の方が根を育てるまでに行き着き出荷いただきました。


昨年よりトロロアオイ生産組合の方から、種を分けていただいています。
(家庭菜園用とは種が異なるそうです)

この種を各家庭で育て、その根の部分を送っていただくことで、トロロアオイ農家さんに寄贈し、手漉き和紙制作現場に回していただくような仕組みになっています。

これは一般家庭と農家さんと職人さんがつながるプロジェクトです。
一般家庭で育てることは、私たちにとってもチャレンジになります。

種蒔きは梅雨前。夏に花が咲き、秋頃に収穫できます。

栽培するにあたり、虫の付きにくい家の中で育てるには深い鉢が必要になります。庭では、土を柔らかくした状態にする必要があります。場所は温暖なところであれば大丈夫ですが、家庭で育てる情報が少ないため、栽培中には状況等を情報共有して、みなさんと一緒に育てていきたいと考えています。


収穫・郵送いただいた『ねり』はトロロアオイの農家さんの組合に寄贈し、生産者と消費者がつながれる品評会や実際に小川町に来ていただいての収穫体験も予定しています。

※栽培途中でうまくいかなくなったとしても、参加者の方には、プロジェクトでできたトロロアオイを使って漉いた、一筆箋やしおりに使える和紙をお送りさせていただきます。


2021年は、わしのねりメンバーで24名の方が最後まで根を育てることができ、トータル約42kgを出荷することができました。トロロアオイは連作が難しい植物です。昨年できたとしても今年は病気になりやすいということもあるそうで、最後まで根を育てきれるように安定生育に向けてメンバーで情報共有し、マニュアルをバージョンアップしていきます。


また、トロロアオイの根は和紙の原料に使われていますが、古くから漢方に使用されたり、東日本大震災以前には、かまぼこや蕎麦のつなぎにも使われていた食品です。花は一日花のため、一般にはあまり流通しませんが、高級料亭で出されるようなこともあります。


現在では、トロロアオイは根だけが使われ、根のみの買取価格であることから、生産コストがまったく見合わず農家さんはボランティア状態になってしまっています。根以外の葉や茎を活用することで、農家さんの買取価格をあげてトロロアオイ農業の支援につなげ、健康関連の商品にもなるよう健康食品工場と調整していきます。

 また、農家さんだけではなく、手漉き和紙職人さんとも和紙の新たな活用に向けて、小川町の宿場で和紙に包まれた暮らしができる「わしのいえ」展を開催し、和紙への興味喚起や小川町への流入につなげていきます。


目標金額:840,000円

 ・「わしのねり」プロジェクト運営費 207,200円
  ※家庭菜園用トロロアオイの育て方マニュアル作成・印刷・配布作業
  ※トロロアオイ成長定点撮影記録
  ※収穫体験・情報交流会・品評会開催、SNS管理
  ※新商品開発費・和紙体験学習センター使用料
・CAMPFIREへの手数料(17%) 142,800円
・支援者様へのリターン費 490,000円
  ※トロロアオイの種・育て方マニュアル以外にかかる費用


感性を育てる和紙商品

和紙は、薄く丈夫で軽く保存性が高い紙として世界的にも評価を得ており、知名度もあります。
とくに薄くて丈夫かつ柔軟で保存性の高いという特性を活かし、絵画をはじめとする文化財の修復にも使われています。
和紙の手触りは、現代一般的になっている洋紙とは異なり、温かみがありふわっとした質感をもっています。
わたしは企画を考える際に、和紙にガリガリ書くことで感性が刺激され企画が膨らみます。
日記を書く際も記憶に刺激を与えてくれるのではないでしょうか。
手紙を和紙に書くと自身の気持ちも、相手への伝わり方も変わってきます。

自然の恵みから職人さんの技と感性で極められて作られた道具を使うことで感性が磨かれます。
これは日本人ならではの自然をとりこむ同化感覚から育まれる「道」や「和」「間」に通じるものです。

企画屋かざあなで商品企画した小川町の和紙を使った、使い込むほどに世界に一つの味わい深くなる柿渋和紙のカバーに、リフィルは文豪島崎藤村が原稿用紙に使用していた内山障子紙でできたトラベルノート。
御朱印帳のような蛇腹折りの両面使用になっており、大きく広げてみることができます。


小川町農産物定期便

トロロアオイを育てている埼玉県小川町は1970年代から化学肥料や農薬に依存せず、自然の力を借りる循環型の農業にいち早く取り組んできたことで有名です。
トロロアオイは生産しても苦労ばかりで価格も全然見合わないなか、農家さんは和紙のために生産をしています。小川町の農家さんは、このコロナ禍で飲食店への卸がなくなったり、流通の偏りによる価格が見合わない事態が起きており、経営がとても厳しい状況です。
農家さんとつながるプロジェクトとして、定期的に季節の野菜をいただくことで、農家さんとの良い関係が築けるとともに、元気な野菜をいただくことで健康な食生活を送ることができます。
私も定期的にいただいていますが、元気な野菜は本当にパワーをいただけます。
ぜひ、小川町の農家さんとつながってください!


トロロアオイ食品製造における工場見学・試食

今回、小川町から近くにある健康食品を製造する会社の工場にて、試験的にトロロアオイの茎と葉を粉末にし食品化を実験的に行います。
トロロアオイは漢方にも使われ、健康にも効用があるといわれています。
製造する工場の現場に、トロロアオイを納品し製造される現場を見学し、できたものを試食いたします。



わしのいえ体験

今期のミッションに掲げています「和紙の新たな活用へのチャレンジ」において、小川町の宿泊所(民泊)を使って、和紙に囲まれた暮らしを体感できる展示会を期間限定で開催いたします。
この展示会は2月に開催を予定しており、さまざまな和紙の商品に囲まれたなかで宿泊所に宿泊できるものを考えています。
※宿泊については、民泊運営会社に対して予約をとっていただくカタチになります。






2022年3月〜5月 わしのねり参加者募集・クラウドファンディング
2022年3月〜4月  わしのねり二期開始記念説明会開催
2022年5月下旬    種、マニュアル発送
2022年5月下旬    育て方説明会・農家さん訪問・ライブ配信 
2022年6月頭    種植え
          希望者で農業体験会開催
〜         情報共有・ 月1寄合(リアル&ZOOM)
2022年8月予定    希望者でトロロアオイ畑お手伝い会
2022年10月下旬   収穫体験イベント開催
2022年11月上旬  トロロアオイの品評会
2022年冬〜     紙漉き和紙職人さんにお渡し
          作品制作
2023年2月     小川町宿場での「わしのいえ」展開催


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

本プロジェクトに関し、2021年わしのねり参加メンバー、トロロアオイ生産組合、紙漉き職人さん、小川町役場、水上製本所、企画屋かざあなオンラインサロンメンバーをはじめ、たくさんの方々に支えていただきスタートを切ることができました。

2021年、さまざまなメディアにも取りあげていただきましたが、本プロジェクトは生産するぞ!という使命感もありますが、参加者のみなさまに楽しく育てていただけたら幸いです。
前回、精神的に落ち込んでいた方がトロロアオイを育てることで、成長過程を楽しめ元気を貰えたという嬉しい話をいただきました。それもその方がつくったトロロアオイが立派に育ち、農家さんもビックリする根に育っていました。
やはり、楽しい気持ちでないと良いものは育たないと思っています。

今回の「わしのねり」は2年目となり、農家さん、紙漉き職人さん、消費者がつながる伝統工芸のこれからのモデルとなり、自然をとりこむ同化感覚を持つ日本だからできる持続可能な社会に向けて、新しい循環の仕組みづくりに向けて確実に歩んでいると実感しています。
ぜひ、一緒に楽しんで「ねり(トロロアオイ)」を育ててみませんか。和紙に触れてみませんか。

ご支援・ご参加のほど、どうぞよろしくお願いいたします。



プロジェクトキックオフ講演開催!開催模様映像配信!

生産不足の和紙の原料「ねり(トロロアオイ)」をみんなで育てるプロジェクト「わしのねり」の参加者募集を開始するにあたって、2022年3月20日(日)埼玉県小川町の小川町和紙体験学習センターから、紙漉き職人 内村さん、水上製本所 水上さんをお迎えし、和紙についての講演を配信しました。


世界無形文化遺産に登録されている手漉き和紙技術で登録されているのは、埼玉県の細川紙、島根県の石州半紙、岐阜県の本美濃紙があります。

登録条件や各産地の特徴について、紙漉き職人であり、細川紙技術保持者である内村さんに解説いただきました。

原料となる楮、トロロアオイはどの産地も絶対に使用することなどが条件とされていることや、紙漉きの仕方は地域ごとに異なることなど深堀りすることができました。

会場は、職人さんが実際に作業する部屋で行われているため、作業をしている音が入っている臨場感のある講演となりました。

ぜひ、ご覧ください!


4月に入り、農家さんより貴重な種を分けていただきました。

先日、小川町トロロアオイ生産組合の会長である黒澤さんと、無農薬でトロロアオイを育てている鈴木さんにお会いしに行ってきました。

農業でお忙しい貴重な時間をいただき、今年のわしのねりの活動について作戦会議をしてきました。

本当に感謝感謝です。

鈴木さんから「ここのところ農業でいい話がぜんぜんなくて、わしのねりが唯一の明るい話題だよ」と言われて嬉しい反面、現在の農業の厳しさも感じる時間となりました。

育て方について、色々と試されたことや成果が出ていることなど教えていただきましたので、今年配布するマニュアルに反映させていただきます。

お昼に伺ったのですが、あっという間に夕方になっていました。

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいますね。

農家さんの話は、色んな面で本当にためになる話ばかりです。

参加者の方にもぜひ話を聞いていただきたいので、

プロジェクトがはじまりましたら、農家さんとの対談会を開きたいと考えていますので、楽しみにしていてください。

みなさんのキャラクターが本当にたってて面白いです(笑)。

みなさんに配布する種を預かってきましたので、お渡しまで今しばらくお待ちください。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください