毎年6万人も観光客がいらしているのにお土産がない! 地元住民のおもてなしは、ほぼほぼボランティア! この本をお土産にして観光客にも地元の人にもウィンウィンな状況を作りたい!

プロジェクト本文

「山霧─三成のしずく」全79ページ プラス 後書き

  三成が逃げ延びるために渡ろうとした、でも渡る直前で捕らえられてしまった橋の写真を掲載しています。

 以下 冒頭文

「じいちゃん!」
 喜一郎は、縁側で爪を切りながら、「なんじゃい。」と応えた。孫の幸輝だということは声と騒がしい足音でわかる。今は小学五年生である。男だから仕方がないと思ってはいるが、先日大切にしていた金のなる木の鉢を、それもずいぶん大きな分厚い鉢を、テニスの練習でラケットを振り回して花台から落として割ってくれた。かわいい孫には違いないのだが、最近は口が達者になってきて、小憎らしいことまで言ってくるので、喜一郎にしてみれば少しばかりうっとうしさも感じないではない。そもそも、幸輝が生まれた時、「こうき」と名前を付けるに当たって、代々この家で使われてきた「喜」という字を使わずに「輝」という字を使ったことが、喜一郎にしてみれば前から引っかかっていた。いや、もう孫なので口出しするのも余計なお世話なのだ。息子夫婦がそうしたいと言うのだから、喜一郎は押し切ることを止めた。で、幸輝。
「じいちゃん、教えて!」
 珍しい申し出に、喜一郎は「あー?」と、やっと顔を上げて幸輝の方を見た。幸輝の顔は名前通り輝いている。何かを見つけて心が躍っているようだ。
「何をいや?」
喜一郎は、気のない返事を返したが、それに被る勢いで幸輝が話し始めた。
「父ちゃんが、ほういうことはじいちゃんに聞け言うたはかい、じいちゃん教えて。」
「ほんで、何をいや。」
 喜一郎は、幸輝の方へ身体を向けた。
「今日な、石田三成の話を学校で聞いてきたんや。関ヶ原の合戦で負けて、ここに逃げて来やあったって。じいちゃん、その話知ってるん?」
 喜一郎は目を丸くした。いつもの幸輝のつまらない問いかけとは少し毛色が違う。
「知らんことはないけんど。」
 喜一郎は、少し困った顔をした。
「わしもな、わしのじいさんやら親父やらに教えてもろうたけんど、大昔の話やでな、最近色々と調べられて、じいちゃんの知ってる話と、ちょっと違う話もあって、何がほんまかわからんぞ? ほれでもよいか?」
 そう言うと、幸輝はうんうんと二回頷いて、喜一郎が話し始めるのを前のめりで待つ仕草をした。喜一郎は、何から話そうかと、白髪交じりの頭を撫でつけながら少し考えて、訥々と話し始めた。

 

石田三成と古橋村

今、紅葉の名所として取り上げられるようになってきた滋賀県の北部にある古橋。
たくさんの観光客は紅葉を目指して6万人もお越しになりますが、景色を観るのみ。
歴史に精通する観光客は、ちゃんと案内人と連絡を取り、ここで何があったのか、貴重な話を聞き、文化財になっているたくさんの仏像もしっかりご覧になってお帰りになりますが、とにかく、お土産がない!

観光客の為に案内したり獣道だったところを整備したり、自然の管理をしたりと、ほぼボランティアみたいにして働いていらっしゃる地元住民の方々には、ほとんど収入がありません。
三成が最後に逃げ込んだ村。
村の語り部が観光客に話して聞かせていらっしゃる、そのお話を私なりに物語として纏めました。
古橋区様からは、この本を書きたいと申し出た時、快く、貴重な古文書のようなものまである膨大な資料をお貸し頂きました。感謝に耐えません。
この本が、観光客の思い出のお土産に、そして、地元住民の労働に還元出来る物になり得るように、皆様のご協力を、是非ともお願い致します。

 

因みに著者は、古橋生まれです。
嫁いで村を出てしまいましたけれど。

 

 
 
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    2017/12/13

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