ごあいさつ
Art Cantiere MAIMAIは、福岡市内にて心地よい暮らしの循環をテーマに小さな生活工芸品店を営んでいます。九州は陶芸をはじめ工芸がさかんな場所でもあり、また個性あふれる作家やアーティストが数多く活動しています。地元を中心としたお客様ひとりひとりのライフスタイルに合わせて、作家・職人さんとオリジナル性が高く、遊び心あふれる作品をお届けしています。
季節や自然との共生から育まれた日本人の繊細な感性や美意識を表現する手法として、陶芸や漆器、書道、アート作品があり、彼らの作品を発信することが私の役割です。これまで築いてきたつながりを大切に、素晴らしいアーティストや作家の感性豊かな作品を日々の暮らしのなかでも触れていただけたらと願っています。
このたび、はじめてとなる書と香りの展覧会『刻(とき)を聞く』を開催するためにクラウドファンディングを実施いたします。
この一年のあいだに、「食と暮らし」をテーマにした、料理や器を楽しむリアルイベントを行ってきましたが、今回は書道家と調香師によるアートのコラボレーションという全く新しい挑戦をしようとしています。
二人の作家による小さな展覧会ではありますが、特に、書の作品制作において額・表装に費用がかかることもあり、この新しい試みに応援してくださる方々を募りたいと考え、このたび、クラウドファンディングの実施に至りました。
なぜ企画展をしようと思ったのか。
この企画を開催しようと思ったきっかけは、20年以上書家として活動されている福岡在住の書道家・柴田書徳さんとの対話からです。
書の世界の発展を願い、子どもたちへも教え続けている書徳さん。そして、書は道具なしでは何も書けないため、書の発展によって書道具の職人が抱える後継者問題等の解決につながってほしいと言われています。書家として生きるための厳しい環境を伺い、何よりも素晴らしい作品に触れ、プロデュースする立場としての私も、香りの世界に生きるクリエイターも、みんなで想いをひとつにし、表現する場を一緒につくりたいと考えるようになりました。
「日本の書道文化をユネスコの無形文化遺産に」という動きがある一方、書を学ぶ人たちは減り続けています。
40代である私たちの子ども時代を振り返ると、習い事として学ぶ環境があり、生活や学校教育で触れ合う機会も多かったものの、ビジネスとして社会にはばたく環境が少ないことは課題の一つです。そのうえ、少子高齢化によって書道を習う子どもたちは減り、活字離れで文字を手描きするという文化が失われつつあります。パソコンやスマートフォンなどが普及して、人々が自分で文字を書くという習慣が少なくなり、文字の成り立ちや書道への関心を寄せる人、鑑賞する機会までもが減っている現状です。
一方で海外に目を向けると、日本の書道文化が少しずつ世界に広まり、現在は海外で書道を教える先生も増えてきています。日本の生徒だけでなく、海外の生徒達も墨の香りに触れ、書道を通して日本の文化に触れることを楽しんでいます。カラフルで色鮮やかな文化が多い諸外国に比べ、モノクロで表現する世界は、非常に新鮮なもののようです。また、墨を使った作品をアートやデザインとしてとらえる人々も多く、Tシャツに墨文字がプリントされたものをはじめ、デザイン性の高いアイテムも広がっています。世界に目を向けるとニッチな層から人気があると感じます。
書徳さんは、文字の成り立ちを大切にしながら、日本の季節の移ろいや、日々のなかで感じる想いや心の機微を、墨の濃淡や筆使いで表現します。『刻(とき)』シリーズは、弾む音の旋律や強弱が聴こえ、空間の存在を感じさせてくれ、新しい価値創造の可能性を秘めていると感じます。墨が織りなす芸術は、空間を上質に彩る力があり、和食のお店などで飾られるように、よりたくさんの方々に暮らしの中で楽しんでいただきたい。部屋に飾ったり、置いたりといったイメージの発信が必要だと感じました。
そして、ワインソムリエとしての経歴を持ち、ワインの複雑な香りを学ぶ中で調香師として活動するようになったTetsuさんとの出会いが、この展示会の実現に至りました。彼女の作品から聴こえてくるリズムや空気感を感じ取り、作品と響きあう香りを表現していただきます。上の写真は、彼がつくるデュフューザー(香りを拡散させるもの)と、書徳さんの作品の展示。観ること、聴くこと、嗅ぐこと…五感全体で鑑賞のひとときを楽しめる展示会を目指しています。
彼女に作品をつくっていただくための制作費、額・表装代などにかかる費用を応援していただくことで、次につながっていきます。素晴らしい作品を多くの方に鑑賞いただきたいという想いの一方で、来店に不安もあると感じられる方もたくさんいらっしゃいます。今の時代のかたちにあった発信に試行錯誤しながら、いずれは国内にとどまらず、オンラインなどで海外へも発信していきたいと考えています。
生活文化や歴史からの影響を受けている日本の美術の奥深さのひとつとして書と香りの世界を伝える本イベント。今後につなげるために、ぜひ応援いただけたら幸いです。
展示会の概要
タイトル:『刻(とき)を聞く』 書と香り 二人展
住所:福岡市中央区桜坂3-12-78 パークハイツ桜坂307号室
MAP:https://goo.gl/maps/CLqJXAxcpyup1cyG9
日時:2022.2/26(土)~3/6(日)12:00~18:00 close 3/2(水)
作家在場日:2/26,27, 3/5,6
入場料:無料
※小さなお店ですのでコロナ対策として来場多数の場合は、入場制限を行う可能性がございます。
どんな展示か。
墨と筆で、その時々の心の感情や想いを刻んで作品をつくる柴田書徳さんと、一人ひとりと向き合ってその人自身の心や未来のイメージを香りとして表現するTetsuさんの「書と香り」の二人展です。
香道では香りをかぐと言わず、心を傾けて香りを「聞く」と表現します。タイトルの『刻(とき)を聞く』は、そのような香道の表現から生まれました。Tetsuさんが、書徳さんの「刻(とき)」作品を聞いて新しい香りが生まれ、二人の作品が響き合うことでしょう。
静かなリズム、コミカルなリズムなど、 まるで音楽が聴こえてくるような作品たち。それぞれの作品からインスパイアされて生まれた香りに包まれながら鑑賞するスタイルで、観る、聴く、香るといった五感全体で楽しんでいただける展示です。
またTetsuさんによる個人向けブレンドアロマ制作(パーソナルセッション会)も行います。ご自身の想いや好みのほか、未来のなりたいイメージなどを伺い、よりご本人が輝く香りをお届けします。展示会中のパーソナルセッション会は予約制で、詳細はインスタにてご案内しています。
https://www.instagram.com/art.cantiere.maimai
作家紹介
【柴田書徳(書道家・現代アーティスト)】
福岡生まれ。文字の成り立ちを大切に、筆を通して心や感情の機微、自然の移ろいなどを表現する作品を手掛ける。“とき”を刻むようなリズミカルな筆使いの「刻(とき)」シリーズは、弾む音の旋律や強弱が聞こえ、空間の存在を感じさせてくれる。女流書家町春草に師事。商品パッケージやロゴをはじめ題字・揮毫も多数。
【Tetsu (調香師)】
1979年福岡生まれ。聴覚、味覚、嗅覚など感覚を研ぎ澄ませ、豊かな感性で“その「人」自身・内面を体現する香り”をテーマに、人の本質を映すブレンドアロマの制作(=調香)を行う。活動の場は多岐にわたり、ワイン・農業・コンサルタントなど様々だが、その実、普段は山にこもり新緑と蒼天を仰ぎながら草花を愛で物思いに耽る日々である。
応援メッセージ
資金の使い道
- ・制作費・額・表装代:149,000円(A4サイズ~半切サイズ350×1360mmまで各10種)
- ・グッズ制作費:100,000円(リターングッズ制作費含む)
- ・手数料:51,000円
etc
- 展覧会費用のうち、制作関係やグッズ制作にクラウドファンディングで集めた資金を使わせていただきます。
- 予算達成しなくても、展覧会は実施させていただきます。
リターンについて
オリジナルポストカードや、香りのグッズなどに加え、柴田書徳によるパネル作品や、Tetsuによるオンラインアロマ制作など希少性の高いものを幅広くご用意させていただきました。ぜひ詳細をご覧ください。
実施スケジュール
2月26日(土) 「刻を聞く」展:開始
3月6日(日) 「刻を聞く」展:終了
3月15日(火) クラウドファンディング終了
3月下旬〜5月 リターン発送開始
最後に
昨年11月からはじめたお店で行う、はじめての展覧会です。
素晴らしい作品を、少しでも多くの方々にご覧いただきたいという想いで準備を進めています。
皆さまのあたたかいご支援のもとはじめられたお店ですが、この新しい取り組みにおいてご支援、ご協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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