⚪︎ はじめに

アレッセ高岡は2010年5月に学習支援教室をスタートし、口コミなどで広がりを見せ、現在は、対面とオンラインの学習支援を行い、外国につながりのある青少年26名が勉学に励んでいます。

学習支援教室は設立以来、アレッセ高岡の中心となる活動ではあるものの、高校進学率が低いままであることを始め、変わらない「外国人支援」の現実に更なるアクションを起こせないかと模索していました。
2020年4月、日本民間公益活動連携機構(JANPIA)、公益財団法人日本国際交流センター(JCIE)の助成を受け「CLD青少年のための市民性教育プログラム」 を始めました。フィルムフェスティバルはそのプログラムの一つ、アート・表現活動として位置付けられています。

来る6月11日に開催するフィルムフェスティバル第2弾 映画祭」は、既に実施済みの「映画鑑賞&ディスカッション」、「フィルムフェスティバル第1弾 映画制作ワークショップ 」の集大成となるイベントです。


⚪︎ フィルムフェスティバル
「Filme colorido(フィウミ・コロリド)」

「映画」という表現手段を通して、青少年の力によって地域の多文化共生を実現しようという試みです。外国人散在地区である富山県では外国ルーツの子どもを地域の担い手として捉える意識が薄く、言葉の壁などから子どもも自己表現の機会を奪われがちです。そこで、外国ルーツ・日本人の青少年が共に映像制作を通して郷土愛を深め、互いが地域の形成主体であるという意識や関係性を築き、さらに映像作品を通して思いや考えを地域・国・世界へと発信することで、多様性を尊重する社会への、子ども・大人双方の意識変革につなげたいです。


・映画鑑賞&ディスカッション(2022年3月までに複数回実施)
映画制作ワークショップに先立ち、外国ルーツ青少年対象の映画鑑賞のワークショップを行いました。映画専門家を招きアクション映画の制作について解説してもらい、その工夫についてみんなで考えたり、友人が作ったYouTube動画を観ながら、どうやって作っているのかディスカッションしました。「表現する」ということの面白さや可能性に思いを巡らせ映画制作に対する意欲を高めました。



・フィルムフェスティバル第1弾 映画制作ワークショップ(2022年3月26日~28日実施)
プロの映画監督、音声・編集者などの協力を得て「映画」による表現の手法を学び、外国ルーツ・日本人の青少年が一緒にチームを組み、表現したい内容を考え、映画制作を行いました。


高校生たちの声
"子供の頃に諦めた夢が半分叶った感じでした。グループワークをするのが好きなので最高の環境で最高な人々と最高に楽しいことができてとても嬉しいです"
"いろんな考えをまとめて、一つの作品にするとこんなに面白い作品が出来るとは夢にも思いませんでした"

"自分の意見を言えばみんなちゃんと聞いてくれる、意見を言う勇気を持つことは大切だと思いました"


・フィルムフェスティバル第2弾 映画祭(来る2022年6月11日開催)
概要:プロの編集者などの協力を得て「映画」作品に仕上げたものに加え、メイキングを追った映像、移民や人権・多様性などをテーマとしたプロによる映画作品とともに上映する。
日時:2022年6月11日(土)
場所:高岡市ふれあい福祉センター 多目的ホール
上映スケジュール:
午前1(10:00)「再びおかえり」(105分)
午後1(13:15)「高岡事件」(10分)+映画制作ワークショップメイキング映像(40分)
午後2(15:05)「典座 -TENZO-」(59分)
午後3(16:20)「父を探して」(80分)
料金:※上記の4時間帯(午前1、午後1・2・3)の内、1回券は1つの時間帯のみ利用できます。1日券は全ての作品を鑑賞できます。U20は20歳以下、シニアは60歳以上の方です。
前売1回券(一般1500円、学生・U20・ シニア800円)
前売1日券(一般3000円、学生・U20・シニア1500円)
当日1回券(一般1800円、学生・U20・シニア900円)
当日1日券(一般4000円、学生・U20・シニア2000円)


上映作品:
「再びおかえり」(105分)
家族の絆を築き直そうと奮闘する、日系ブラジル人家庭の悲喜交々の日常を描くセルフドキュメンタリー。
両親と子らの13年ぶりの再会。日本からブラジルヘ「出稼ぎ」をした大勢の移民たちの子孫である日系の家族が、絆をとりもどす過程を描くドキュメンタリー。監督であり登場人物の一人でもあるマルコス・ヨシは、このデビュー作において彼の家族の移民としての足跡をたどる一方で、一家の暮らしを安定させようと願うと家族が共に暮らせなくなってしまうという、家族の葛藤を浮き彫りにする。これは、移住によってはなればなれになった何千もの家族の物語のうちの一つであり、かつ世界最大の日系コミュニティをかかえるブラジルにおける、日本人の存在に光を当てるものである。
監督:マルコス・ ヨシ
出演:ロベルト・シンチ・ヨシサキ、ヨシサキ・ヤヨコ、マルコス・ヨシ
原題:Welcome Back, Farewell


「高岡事件」(10分)、「高岡事件メイキング」(40分)
富山県内の外国ルーツ/日本人の高校生が、 映画制作集団「空族」の協力を得て制作した渾身の短編ドキュメンタリー初上映!

10人の高校生、 10の事件…。

映画制作ワー クショップに参加した高校生たちそれぞれの〈事件〉が脚本のベースとなり製作さ れた。恋愛、ミステリー、ホラー、SF、スペクタクル (!)すべての要素が入りつつも、「誰かといっしょに何かをつくること」の悦びに溢れている。


「典座  -TENZO-」(59分)
『サウダーヂ』『バンコクナイツ』に続く空族作品!

仏教とそれを取り巻く3.11以後の日本のすがた

10年前、本山での修行期間を終えた兄弟子の隆行(リュウギョウ)と弟弟子の智賢(チケン)は、自らの生まれた寺へとそれぞれ戻っていった。

富士山の裾野に広がる山梨県都留市、耕雲院。智賢は、住職である父と、母、妻、そして重度の食物アレルギーを抱える3歳の息子と共に暮らしている。全固曹洞宗青年会副会長としての顔も持ち、いのちの電話相談、精進料理教室やヨガ坐禅など、意欲的な活動を続けている。

一方の兄弟子・ 隆行は福島票沿岸部にあったかつてのお寺も、家族も檀家も、すべてを津波によって流されてしまった。今では瓦礫撤去の作業員として、ひとり仮設住宅に住まいながら本堂再建を諦めきれずにいたー。

仏僧も、それぞれみなひとりの人間。仏教は果たして必要とされているのか?今こそ本当に信仰が求められる時代なのではないか。苦悩しながらも仏道に生きる若き僧侶の姿、そして高僧•青山俊董のことばを通じて、映画は驚くべき境地に観客を誘うことになる。

*カンヌ国際映画祭批評家週間「特別招待部門」
*マルセイユ国際映画祭観客賞
出演:河口智賢、近藤真弘、倉島隆行/青山俊董
監督:富田克也/脚本:相澤虎之助、富田克也
製作:全国曹洞宗青年会
宣伝:岩井秀世/配給:空族
2019年/62分/DCP/ビスタ /5.lch


「父を探して」(80分)
父を探し出す旅は、やがて祖国ブラジルと、生きることの意味を問う旅へ。全編手描き・セリフなしのアニメーション

プラジルのインディペンデントアニメ界の新鋭アレ・アブレウ監督による長編アニメーション作品。全編セリフなしで描かれ、普遍的な寓話でありながら、ブラジルの現実も切り取った作風で、 2014年のアヌシ一国際アニメーション映画祭で晟高賞にあたるクリスタルと観客賞をダプル受賞した。ある日、少年の父親は出稼ぎのためにどこかに旅立ってしまった。父親を見つけて、家に連れて帰ることを決意し、旅に出た少年を待ち受けていたのは、虐げられる農民たちの農村や、孤独が巣食う都会と、少年にとっては未知の広大な世界だった。少年は、行く先々で出会った大人たちや犬、音楽を奏でる楽隊の助けを得て父親を探していく。

*第88回アカデミー賞長編アニメ映画賞ノミネー ト
*ブラジルアカデミー賞最優秀,長編アニメーション賞受賞
監督:アレ・アブレゥ
音楽:ナナ・ヴァスコンセロスほか
原題:O Menino e o Mundo/The Boy and the World
2013年/ブラジル/80分 配給:ニューディアー


⚪︎ 解決したい社会課題

アレッセ高岡は、言語的・文化的に多様な青少年(CLD青少年)が自己実現を果たし、日本とルーツの国の架け橋として、また、地域社会の一員として活躍する人材に育ってくれること、将来的には、日本の経済においても地域の住民の交流においても彼らが重要な役割を果たしてくれることを期待しています。


⚪︎ このプロジェクトで実現したいこと

外国ルーツ・日本人の青少年が共に映像を通して郷土愛を深め、互いが地域の形成主体であるという意識や関係性を築き、さらに映像作品を通して思いや考えを地域・国・世界へと発信することで、多様性を尊重する社会への、子ども・大人双方の意識変革につなげたいです。


⚪︎ 目標金額と資金の使い道

映画祭に必要な予算を試算したところ、以下の計約170万円となり約50万円が不足しています。そこで、目標金額を55万円に設定しました。みなさまにご支援いただいた資金は、映画祭の運営費として使わせていただきます。

外注費: 約58万円
交通宿泊費: 約22万円
イベント運営費: 約40万円
通信費: 約5万円
広告宣伝費: 約19万円
手数料: 約5万円
予備費: 約21万円

・スケジュール
2022年5月下旬 短編映画およびメイキング映像の編集完了
2022年6月1日 クラウドファンディング終了
2022年6月上旬 鑑賞招待券送付
2022年6月11日 映画祭開催
2022年8月 その他のリターン発送


⚪︎当法人について

特定非営利活動法人アレッセ高岡
富山県高岡市守山町35 ニッセンビル402
アレッセ高岡ホームページ

・沿革
2021年10月 第16回高岡市社会福祉大会にて、ボランティア活動功労団体として高岡市社会福祉協議会会長表彰
2021年9月 NPO法人格取得
2020年4月 「CLD青少年のための市民性教育プログラム」(JANPIA/JCIE助成事業)開始
2019年10月 公益財団法人ソロプチミスト日本財団 「社会ボランティア賞」受賞
2017年4月 多言語インターネット動画制作プロジェクト開始 〜現在
2014年11月 「第19回とやま国際草の根交流賞」受賞(TIC)
2014年4月 富山県国際課「外国にルーツをもつ子どものためのキャリアデザイン支援プロジェクト」受託(CRAIR助成事業) 〜2017年2月
2011年11月 富山大学「東アジア「共生」学創成の学際的融合研究(CEAKS)」プロジェクトへの参加 〜2013年3月
2010年5月 学習支援教室開始 〜現在
2010年4月 「高岡外国人の子どものことばと学力を考える会(アレッセ高岡)」設立

・メディア掲載
2022.4.2 北陸中日新聞『映画の力ボーダーレス』
2022.3.27 富山新聞『外国ルーツ高校生、映画に挑戦』
2022.3.27 北日本新聞『短編映画の制作開始』
2022.3.25 北日本新聞『多様性理解へ映画製作』
2022.1.7 KNB ワンエフ『子どもの権利守られていると思う?』
2021.11.7 読売新聞『外国人の子に居場所作る』
2021.10.2 北日本新聞『日と比ルーツ少年描いた映画を上映』
2021.9.12 読売新聞『共生社会実現 道半ば』
2021.6.27 富山新聞『火災時の対応学習』
2021.6.27 北日本新聞『地域防災 外国人も参加』
2021.3.21 北日本新聞『SDGs 動画で呼び掛け』
2021.2.10 北日本新聞『高岡市の多文化共生 草の根の活動広がる』
2021.1.6 北日本新聞『映画とトークで「ふるさと」考える 映像作家・平井さん(富山市出身)が講演』
2020.10.5 富山新聞『外国人生徒蘇生法学ぶ 高岡で防災ワークショップ』
2020.10.5 読売新聞『外国の子どもら 災害時対応学ぶ』
2020.10.5 北日本新聞 『外国ルーツの子ども救命学ぶ 高岡で防災教室 言葉の壁 対応を議論』
2020.7.6 北陸中日新聞『校則おかしい 意見交換 外国ルーツの青少年ら』
2020.7.5 富山新聞『外国人との共生考える、アレッセ高岡 子ども支援の初講座』
2020.7.4 北日本新聞『外国ルーツの中高生支援 アレッセ高岡、5日から日本・富山の文化体験』
2020.6.22 北陸中日新聞『外国人の子向け講座や映像制作 高岡のボランティア団体 計画』
2020.5.26 朝日新聞『外国ルーツの子を支援 学習指導をオンラインで』
2020.5.23 NHK NEWS『外国ルーツの生徒オンライン学習』
2020.5.21 チューリップテレビ『オンライン学習 外国ルーツの子どもを支援』
2020.5.20 北陸中日新聞『在日外国人中高生をオンライン学習支援 高岡の団体』
2020.5.15 富山新聞『外国の子向けに講座 アレッセ高岡、自尊心育てる』
2020.5.13 KNB news every.『休校長引く中で外国ルーツのこどもたちの学習を支援』

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