はじめに・ご挨拶

ヒノキの特性を知り尽くした、岐阜県の奥美濃地方・東白川村の工房で製作した自信作です。

土地柄もあり、新鮮な鮎やジビエ料理を日常的に食している舌の肥えたスタッフが、
それらの美食にマッチしたお酒を日々楽しむ中で、洋酒に和のフレーバーを加味できるヒノキのデキャンタを発案しました。

試作品を作り、ワイン、ウイスキー、ウォッカから、グラッパ、ラク、茅台酒、果てはベトナム焼酎まで、
様々なお酒を入れてテイスティング会を何度も開催。

お酒の量やデキャンタージュの時間を変えることで、その都度々々猫の目のように変化する味に一同驚く中、
特に目を見張る変化を見せたのが安価で売られている箱入りのテーブルワイン(赤)でした。
そのままでは少々難があるような風味が、ヒノキに含まれるポリフェノール、タンニンなどにより、
まるで熟成されたフルボディワインのような味に変化したのです。
もちろん、赤ワイン以外のお酒でも、その味の変化を存分にお楽しみいただけます。
あなたのお好みのお酒を入れて、オリジナルな味を創造して下さい。
味の好みは各人各様。大勢でテイスティングしていただけると、より一層お楽しみいただけると思います。
キャンプやグランピングのお供にお連れ下されば幸いです。

”ワインの熟成に用いられるのはオーク樽であって、ヒノキは使わないのでは? ”と思われる方もいらっしゃるでしょうが、これはそもそもワインの本場ヨーロッパにはヒノキが生育していないことと、仮に生育していたとしてもヒノキには発酵を抑える作用があるためワイン製造過程での長期熟成に向かない、などの理由によるものです。

ワインの香り、特に第3アロマを表現するときに用いられるスパイスやハーブ、ミネラルなどのワードの元になっているのは、熟成に用いられる樽由来の香り。当製品はヒノキによるデキャンタージュで、かつてない和のフレーバーをプラスします。

例えば、ヒノキに含まれる成分のひとつである”δ-カジノール”は、スパイスやハーブの香りとして表現される香気成分です。
同じくヒノキの”α-ピネン”は、呈味成分であるイオダインを含んだワインに反応し、その味わいを増幅させます。
そのほか様々な香気成分を含んだ当地のヒノキが、あなたを未体験の味の世界にいざないます。

実際、本邦では日本酒や焼酎をワイン樽やシェリー樽で熟成させた異種混合ジャンルも生み出されており、或いは将来的に日本のヒノキを用いてオリエンタルな香りをプラスした海外のワイナリーも登場するかもしれないと夢想しています。


こだわり・特徴

木材の宿命である、乾燥によるヒビ割れを防ぐため、木材の芯を避けて”白太”と呼ばれる部分を使っています。つまり、この製品は樹齢の高い丸太からでないと作れません。
芯の部分を避け、30年~40年あたりの年輪部分を使って製作するのですが、この部分はヒノキチオールの含有量が特に多い箇所です。
香りも豊かでリラクゼーション効果も高いヒノキチオールですが、実は日本産のヒノキにはほとんど含まれていません。
しかし、東濃ヒノキ、木曽ヒノキからは例外的にヒノキチオールが多く検出されます。これは標高の高い山で、寒暖差が激しい環境で生育した、当地のヒノキならではの特徴です。

(材木の中心を避け、ヒビ割れしていない部分のみを贅沢に用います)

(こちらは製品の底の部分を俯瞰で撮った写真です。丸太と製品の年輪の位置を見比べていただくと、木材をいかに贅沢に使っているかがおわかりいただけると思います)


プロダクト誕生までのお話

東濃ヒノキ、木曽ヒノキは古来より伊勢神宮の式年遷宮の御用材として名高く、各地の寺社・城などの建築にも用いられる
日本有数の銘木です。
しかし近年は安価な外国産木材の流入や、長期にわたる不景気により新設住宅着工件数は年々減少するなどの影響で、
木材の価格は年々低下しており、森林整備に回す費用も不足するなど当地の林業経営も危機に瀕しています。

原価が安いため、お客様にはリーズナブルな価格で提供できるのは良いのですが、そもそも木製品の需要が減っているので、
ニーズの開拓は当工房にとっての最重要課題。そんな中で着手したのがヒノキのデキャンタです。

使用するのは適正に整備された森林に与えられる国際認証FSC木材です。
FSCとはForest Stewardship Council(森林協議会)の略称で、世界でも最も厳正な認証制度お墨付きの木材を使用することで、環境保護にも貢献していただけます。
森林は適正に整備されることで、CO2削減、林地の荒廃防止、集中豪雨等による土砂災害防止にも繋がります。
お気に召していただけましたら、当プロジェクトをSNS等で周知していただけると幸甚に存じます。

以上、ご説明いたしました通り、独自性のある製品が出来ましたが、
製品として市場に出すには容器の内側がきれいに研磨されていなければいけません。
しかし現状は内側の仕上げを十分にできる設備がないため、時間をかけて手作業で研磨しています。
これでは製造コストも高くなり、また生産できる数も限られてしまいます。
そこで、皆様からの応援をいただき、新たな設備導入を目指します。

今回お届けするのは、採算度外視でひとつひとつ手作りした製品です。
応援していただける皆様に感謝を込めて、設備導入後の予定価格より更にお安く提供させていただきます。

創業70年にならんとする老舗工房の、ヒノキの特性を知り尽くした職人たちが丹精込めて作る製品を、是非お手にとっていただけることを心よりお祈りしております。

ご支援のほど何卒宜しくお願いいたします。


ご使用方法

(準備)
無垢材ですので、赤ワインやウイスキーなどを入れると色が付きます。
ご使用前に、1分ほど水に浸していただきますと、色付きが軽減されます。

(デキャンタージュ)
まずは30秒ほどヒノキデキャンタにお好きなお酒を入れてお試しください。香りの変化を確かめつつ、入れるお酒の量、時間をお好みで調節してください。長時間入れたままにしておくと、木の繊維を通して製品の底まで色が染みだしますのでご注意ください。

製品内部にお酒の色や香りが残りますが、ワイナリーが樽を長年使用するのと同じように、使えば使うほど熟成香が増していく効果をお楽しみください。お酒の種類によって複数個を使い分けるのがオススメです

(保管方法)
ご使用後は洗剤は決して使わず、水洗いして乾かしたのち、必ずジップロックなどに入れて冷蔵庫で保管してください。これは乾燥によるヒビ割れを防ぎ、香りを保つためです。
ヒノキには抗菌効果がありますが、念のため消毒用アルコールをスプレーして、サッと拭き取ってから保管いただければより安心してお使いいただけます。


製品バリエーション

無垢仕上げの他に、容易にメンテンスができるように表面に塗装を施したバージョンも製作しました。

製品自体のヒノキの香りは薄まりますが、内部は塗装しませんので、デキャンタージュ効果は変わりません。内部に鼻を近付けて、東濃ヒノキの芳醇な香りを確かめてみてください。

直接ワインに触れる部分は塗装しませんが、ウレタン塗装、うるし塗装、それぞれ食品衛生法適合の塗料を使用しますのでご安心してお使いいただることと思います。
ルックスの面でも、塗装バージョンは無垢とはまるで違った雰囲気で、特に鏡面加工に近付けた工芸うるし塗装は重厚な仕上がりになっております。


製品情報・仕様

材質・東濃ヒノキ、木曽ヒノキ

(大)6.5㎝×6.5㎝×19㎝・容量250ml (小)5㎝×5㎝×19㎝・容量100ml

発送の際、製品の周りの緩衝材として香り豊かなヒノキのカンナ屑を使います。
カンナ屑はお捨てにならないよう、不織布などに包んでヒノキ風呂気分を楽しめる入浴剤として、またお部屋の芳香剤、靴箱の除湿剤などにも御利用いただければ幸いです。


本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください