◆第一部 私たちの思い◆
■自己紹介(鉄舟会とは)

私たちは東京、新宿のほど近い中野区にある臨済宗天龍寺派「鎮国山 高歩院(こうほいん)」に 所属する禅道場「鉄舟会」です。高歩院は幕末の山岡鉄舟居士の邸宅跡に建立された寺院です。

この道場は出家した雲水が修行する専門道場ではありません。出家をしない在家の社会人である「居士(こじ)」が、自分自身を見つめ、究明するために禅修行を行っています。

古くは山岡鉄舟居士にはじまり、終戦後は昭和の名僧として名高い大森曹玄老師により数多くの居士を輩出してきました。

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鉄舟会では、静中の坐禅はもちろんですが、作務・書道・茶道・剣道といった動中の禅も組み入れて、社会で働くなかで活躍のできる修行を工夫しています。

より深い修行を求める会員は、師について参禅・公案修行を行っています。会員は週毎の例会と月毎の泊り込み接心に参加、参禅しています。

広く初心の方に向けては、月毎に 「坐禅と法話の会」を開催。こちらには毎回新しい方がお見えになります。

しばし坐禅することで騒がしい心をリセットし、新たな活力を得て再び都会の中へ戻っていく。鉄舟会は、そんな貴重な場となっています。  

■新しく始めたいこと

「静かな都会の坐禅道場で坐りませんか」長年の鉄舟会のスローガンです。都会の喧騒を離れて自分を見つめ直す穏やかな時間を持とう、という意味が込められています。これまでも昔ながらのスタイルで、禅修行に努め励んでまいりました。

しかし、情報過多、ストレス過多の世の中。混迷極まる現代において苦悩する人々は増えるばかりです。鉄舟会がその受け皿となるには、新しいスタイルをとる必要があります。

より多くの人が禅の真髄に触れることのできる場所を提供したい。
そのための宿泊設備を整備し、現代に合った禅研修を企画したい。

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禅の真髄は「いま」をつかむこと。そのためには、ある程度の時間が必要です。例えば1泊2日の、世間から離れた場で過ごすことで、ほんの瞬間でも「いま」をつかむことができれば、世界の見え方はガラッと変わります。

しかし一般の方に宿泊いただくには、いまの道場設備はあまりにも脆弱です。この設備を増強し、一人でも多くの人に禅に触れて頂ければと思い、このプロジェクトを立ち上げました。

 

■禅宿泊研修とは

山岡鉄舟・大森曹玄老師の教えを受け継ぐ、坐禅・作務・食・書道・剣・茶道を組み合わせたご指導を企画しております。
一例として鉄舟会ではスマホに使われる人から、スマホを使いこなす人へ、「スマホ自在禅」を提唱したいと考えております。

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「スマホ自在禅」(企画中) とは

現代は都会でなくともスマホ一台で世界中とつながることができ、大変魅力に満ちた世界を造ることが可能です。しかし、その世界をどのように見てどのように生きていくかということは私たち個人の心に委ねられています。ここに、この強力な現代科学ツールを使いこなす「こころ」を調(ととの)える大きな意味があると思っています。

坐禅・作務・食・書道・剣・茶道で一日はあっという間に終わります。寝る時に体はクタクタでしょう。スマホを手に取る時間もなく寝てしまうことでしょう。研修が終わってスマホに電源を入れたとき、新たな想いが起こるのを実感するでしょう。この研修がよりよき人生スタートのキッカケになれば幸いです。


■研修内容

◆坐禅◆

坐って所作をとめます。同時に目の動きも止め、呼吸だけに集中します。すると、自分の心が騒ぎだすのに驚くと思います。気持ちを落ち着けることの難しさに改めて気づくでしょう。テレビやスマホに集中する方がずっと簡単です。そのことに気づくと、自分の心と思っていたものが、本当の「こころ」なのか怪しくなってくるのではないでしょうか。それでも、坐禅が終わると清々しさを感じると思います。

◆作務(さむ)◆

作務とは作業のことです。ひたすら草をとる、ひたすら雑巾がけをする、ひたすら庭を掃きます。「ひたすら」というのが務の意味です。
心がそのときの事にしか向かっていないことを「ひたすら」といいます。「ひたすら」を続けていると作務をしている自分の姿が消えてしまいます。「ひたすら」は道具だけ、作務だけという心につながっていきます。それがやがて人に優しくなる心へつながっていきます。

◆食(じき)◆

朝はお粥とたくあん、梅干しをいただきます。昼はうどんをいただきます。夜はご飯をいただきますが、おかずは野菜二品と味噌汁です。お経を唱えた後に食事をいただき、会話はなし。無言でいただきます。
すると、お米、野菜、たくあん、梅干しの一つひとつの味がしっかりとわかります。作ってくださった方への感謝の気持ちも自然と現れてきます。「ながら」で食べているのと大きな違いを感じると思います。

◆書道◆

大きな紙に字を書きます。自分の心が堂々としているのか、おどおどしているのか、乱暴なのか、優しいのか、正直かそうでないかが、文字に現れます。自分で分かります。
自分の書を自分で眺めていると、うまく書きたいという心とは別に自分はこうなりたいんだという気持ちがわいてくると思います。その気持ちを持ち続けると、人は必ずそういう自分になっていきます。

◆茶道◆

鉄舟会には露庵(ろあん)という四畳半のお茶室があります。狭い空間の中に人が集まり、静かにお茶を点(た)てて、いただくと一体感が湧いてきます。口数は少ないのにお茶を点ててくださる亭主と心が通うようになります。隣の人との距離感も縮まってきます。同じことを皆でする、それは坐禅、作務、食、書と全く同じです。

◆剣道◆

高歩院禅道場の本堂は板張りの剣道場です。ここで大森老師は、直心影流(じきしんかげりゅう)の剣を指導しました。その教えは、大森老師から直接指導を受けた弟子に受け継がれ、今も道場では直心影流の稽古が行われています。
木刀を使う稽古では、二人が仕太刀と打太刀に分かれ、一瞬一瞬に呼吸を合わせ、一挙手一投足に集中することで、禅の神髄である「今」をつかむことを目指しています。


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このような活動を通じて、もっと多くの人に禅の縁を結んでいただき、価値ある人生の一助にしていただければと思っております。


■住職の思い

 世界各地で起こっている紛争、今後起こるだろうと危惧されている紛争、差別、虐待、そして身近に起こる殺人、盗難、事故など、このようなものに私たちは答えてこれたのでしょうか。自分自身、深く反省するところです。

 日本人の遺伝子には禅というものが組み込まれているように感じます。その分、壁は低いのだと思いますが、いざ、行(おこな)ってみるとどこへ向かったら良いのか なかなか掴めず、掴めずじまいで止めていくことも多いのではないでしょうか。

 しかし、この掴めないところを少しでも掴み、人とは何か、自分とは何かということに思いが到れば、安易に紛争、差別、虐待、殺人などは起こせないはずです。思いが次元の低いところに留まっている限り、これらの問題の根本的解決はありません。

 鉄舟会はその創建当初から、禅を坐ったところだけに留めず、その姿の見えるところとして書を用い、そのはたらきとしての力を養う場として法定(剣)、茶道を用いて参りました。そのため、通常の書道、剣道、茶道と趣を異にしているかもしれませんが、坐禅で培った力量を表すことができなければ、社会に貢献することなどあり得ないという考えのもとに、坐禅と同等にして修行します。坐禅から入るもよし、書道、剣道、茶道から入るもよし、いずれも禅の世界につながり少しでも多くの人に縁を繋げてくれればよいと思います。

 世界各地の紛争の解決には国際的な枠組みも必要でしょう。しかし、同時にこの心の枠組みがなければならないと痛感しております。

高歩院住職・鉄舟会師家


 


◆第二部 課題に関する説明◆
(1)私たちが取り組む課題

高歩院には檀家がありません。それでも80年余の長きにわたり維持されてきたのは、多くの先人の貢献・ご寄付によるものです。

しかしながら戦後焼け残りの母屋の老朽化は進行し、維持補修費は会の運営を静かに圧迫し続けて参りました。

(写真)壁の剥落が随所に

これまで母屋や道場は、会員による日々の作務や皆様の貴重なご協力により、地道に保全されてまいりました。今回、専門家の方に家屋補修必要箇所の調査を頂いた際には、「立派な作りの建物が、長らくに渡って丁寧に維持され使い込まれた様子がよく分かる」とのお言葉を頂きました。

しかし素人を中心とした補修にはどうしても限界があります。ひとたび都下に大震災が起これば、母屋倒壊の憂き目に会うことも考えられましょう。本プロジェクトの全体は、ファースト・ゴール(2百万円)、セカンド・ゴール(6百万円)の2つから構成されています。
ファースト・ゴールは傷んだ母屋の補修・補強と比較的小人数の研修ができるための増築です。これにより、早期の研修開始を目指したいと考えております。

セカンド・ゴールは、より多人数の研修ができる環境設備を目指しております。本クラウドファンディングではファースト・ゴールに関する費用200万円を目標とします。なお、ファースト・ゴールで計画している内容は、本クラウドファンディングでご支援いただく金額の多寡に関わらず、実施することを予定しています。

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(2)資金の使い道

A:ファースト・ゴール
 ①一般参加者用の洗面設備、更衣室設置… 20 万円
 ②東司(トイレ)の増改築(和式から洋式への更改、水道配管・間仕切り交換)… 104 万円
 ③高歩院の安全性向上(廊下、床の耐震補強)… 60 万円

  クラウドファンディング手数料(9%)… 約16万円
  小計 200万円

B:セカンド・ゴール
 ④老朽化した浴室の改築、給湯器の設置… 30万円
 ⑤典座(厨房)の整備… 40 万円
 ⑥老朽化した道場のサッシ、窓ガラス交換… 110万円
 ⑦道場屋根塗装 … 50万円
 ⑧高歩院の広間の柱補強 … 50万円
 ⑨足場、壁塗装、雨樋整備など… 110万円
 ⑩建物外回り、雨水排水、樋工事 … 210万円
  小計 600万円 


(写真)トイレは和式で使い勝手が悪い


(3)実施スケジュール

2022年7月下旬――プロジェクト公開
2022年10月中旬――プロジェクト公開終了
2022年10月――改修工事発注
2022年内――宿泊研修受け入れのための基盤整備
2023年~――受け入れ開始予定


(4)高歩院由緒

◆高歩院由緒◆

鎮国山 高歩院は、山岡鉄舟居士を開基、関精拙老大師(元 天龍寺派管長)を開山とし、昭和十八年に山岡鉄舟居士邸宅跡に建てられた禅宗寺院です。高歩院という名称は鉄舟居士の諱(いみな)である「高歩(たかゆき)」から名付けられました。

ここは、かつて山岡鉄舟居士が西郷南洲、勝海舟等と度々会合を重ね、国事を語った史跡です。昭和十七年、この土地の中心部の池をめぐる一角が当時の天龍寺派管長である関精拙老大師に寄進されたことで、ここに「鎮国の道場」を建立する運びとなり、昭和十八年五月八日に鎮国山高歩院は落慶しました。

その後昭和二十二年に第二世住職となった大森曹玄老大師によって剣・禅・書を広く掲げる居士禅道場として鉄舟禅会が開かれました。以来、居士禅の普及に力を入れています。



◆最後に・私たちが目指すところ◆ 

■居士禅という生き方を、令和の世の中に問いかけたい。

我々にゆかりのある山岡鉄舟居士は、市井にありながら禅修行を続け、当代で最も禅に関して深い境地であったと思います。 明治天皇の教育係になられ、多忙な中に禅があったというより、禅につつまれてその職務人生があったという方です。

我ら居士も、そのような境地に至らんことをと思います。ますます複雑化し、確かなものは何一つないように思えるこの現代において、つとめて打坐し、姿勢を正し、呼吸を、想念を正し、日々を営んでいけるようにと。

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このプロジェクトを通して、一人でも多くの方に禅の縁を結ぶことができればと願っています。
一度、例会もしくは坐禅と法話の会にお越しいただき、直に禅に触れられてみてください。
きっと、なにかを発見すると思います。

 より良き明日の為に。

鉄舟会 一同

鉄舟会の行事◆

(月2〜3回) 坐禅例会 9時〜11時 坐禅、参禅、講席、書道、作務
(月3回) 金曜夜坐 18時30分〜20時30分
(月1回) 接心(2泊3日、泊まり込み修行)
坐禅と法話の会(初心者向け) 7時45分〜9時30分
法定(剣道)稽古
書の会(書道)
茶道(裏千家)稽古

◆イベント/他

(年4回)機関紙「鉄舟」の発行
(年1回)書道展(書の会の成果を展示、鉄舟翁・大森曹玄老師等ゆかりの書画を展示)
(随時)企業研修(過去に、ケンブリッジ大学在学生、企業の坐禅研修等の実績あり)
その他、地域町会や子どもに向けた禅体験会などを開催、企画しています。

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行事へのご参加、お寺の見学、研修のご希望など、随時お受け致します。
[メール] teshukai-TEST-@aroma.ocn.ne.jp(「-TEST-」という文字列を削除して送信してください )
またはお問い合わせフォームから御連絡
[鉄舟禅会ホームページ:https://www.teshukai.org/] 


  • 2022/08/22 20:40

     リターン品として皆様にお届ける予定の山岡鉄舟居士の書と肖像をデザインしたクリアファイルが出来上がって参りました。 実物の写真を撮影しましたので掲載いたします。どんな感じか雰囲気をご確認いただければと思います。 まだまだ残暑が厳しいですが、立秋を過ぎて、夜になると秋の虫の音も大きく聞こえるよう...

  • 2022/08/09 20:26

    「鉄舟ゆかりの禅寺 次世代に 中野の高歩院 ネットで改修費募集」と題して8月9日付の東京新聞朝刊 地方版で、高歩院と本クラウドファンディングのことが紹介されました。東京新聞WEB版にも記事が掲載されていますので、ぜひご覧ください。

  • 2022/08/08 23:32

    これまで高歩院には御朱印がありませんでしたが、この度のクラウドファンディングにあたり、新たに三宝印、山号印、寺号印が出来上がりました。新たな御朱印は以下のようなイメージとなります。右上が山号印(鎮国山)、真ん中が三宝印、左下が寺号印(高歩禅院)です。丁寧に作成して皆様にお届けしたいと思います。

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