【まさか一瞬ですべてが無くなるとは..】

当店は名古屋の繁華街の一つ「今池」から少し南に位置する「大久手」界隈で開店時から変わらぬ佇まいで、皆様とともに年月を経てきました。

必死の思いで開店に漕ぎ着けたのはいいのですが、右も左も分からず始めたため最初は連日の閑古鳥..

開店前と閉店後には手作りのチラシをポスティングする毎日。

その状態がどれくらい続いたのでしょうか、思い出すのも一苦労な遠い昔です。
でも、閑古鳥から一人、その翌日はまた一人、あいだが空いて二人ご来店。うれしかった。

でも、長くは続かなくて、またポスティングの日々。

それでも自分のお城が持てたことがうれしく、「なんとしても守る!」と決めて、
営業前後のポスティングはいつしかルーティンに。

それを繰り返していたら、いつの日か少しづつお客様に知ってもらえるようになって徐々に固定のお客様にも恵まれるように。

実感はなかったですが、いま思えば「本当に続けててよかった」「お客様がお店を潰さずに守ってくれた」と感謝の日々で幸せを感じていました。

開店時が昨日のように思えますが、随分と時間が経ったなぁと感じるのは「店内の油染みの数」と、私の「年の数」。

サラリーマンを経て一丸発起してから、お客様に支えられながら必死に日々を送ったら、もう27年。いや早や27年。そうか、27年なんですね。


私も少し前に70才を超えて、目標の歳は過ぎましたが、やっぱり「お客様の笑顔」が見たい、「私も笑顔でいたい」、

本当に「私はこの仕事が好きなんです」。恥ずかしながら私の口癖です。でも本当に好きなんです。続けたいんです。


やっとの思いで手に掴んだこんな日常が、まだまだ体力の続く限りお店を続けられると思っていた中で、

悪夢の日(火)が..


【2022年6月13日の0時13分、アタマから離れません】

6月12日(日)、昔から可愛がっていただいているお客様や、最近来られたお客様や、その日は日曜日でもお客様と楽しい時間を過ごしていました。



当日のメニュー


 



時間はあっという間に過ぎてお客様もまばらになり閉店間際の店内。

料理のオーダーも一段落ついたので厨房を出て、ほっとひと息つきながらお客様といつものように話に華が咲いた頃、
「何かが違う」そう思った時には店内奥から煙とともに火が..

頭に浮かんだのは「お客様がいるから、まず火を消さなくては!」
とっさに水をかけようと鍋に水を張った時には、火は火柱に。

お客様が店外に避難されたのを確認し、水を張った鍋で火元に一気にぶちまけました。が、消えない!!
さらにもう一度、鍋に水をくみ上げてもう一度火元にかけた、までは覚えています。 そこまでしか覚えてません。

私は火にかけて立ち上がった煙を吸ってしまい一酸化炭素中毒で気を失いました。
気がついたときには救急車で病院に運ばれていたそうです。

しばらくしてから意識が戻り、応急処置と一通りの検査を終えた後、いても経ってもいられずに病院を飛び出しました。
でも深夜ということもありタクシーもなく、10キロ弱を必死に歩きお店に向かいました。

どらくらい歩いた頃でしょうか、足に違和感を感じ足下を見ると片方の草履がなく裸足でした。
消防の方に救助される際に脱げたようです。 気がつけば足の裏から血がにじみ出していました。
でもそんなことは気にせずに、とにかく早く私のお店に戻らねば、必死に歩きました。

その間に通りすがりの方が店内の消化器で消火しようとしてくれていたり、消防車など数車両を出動していただき約1時間後に消火を終えたそうです。


消防風景

 



お店に着いたときに、あとから消防の方に聞いた話で、消防通報が入ったのが「6月13日の0時13分」。

「忘れられない」のではなく、記憶が無く分からないので「アタマから離れない」、その時刻を巻き戻せたらどれだけのことが出来ただろうか。

幸いお客様は誰一人として怪我もなく無事でしたが、27年間の思い出は一瞬で瓦礫と灰に変わりました。

お客様に支えていただき愛されたお店は無残な姿に変わり果てました。


消火後の店内

 


「27年間の思い出とは。」

不安で寝れない日が続いた開店当初、「好きな仕事」だから続ければきっとなんとかなると信じて続けた27年。

苦しかった時にふらっと立ち寄っていただいたお客様は、今では25年来の常連様。
お互いに「年食ったなぁ」と話をする中に青年が。
そのお客様が初めて来られたときに小さな子供が、20数年経って立派な社会人になられて親子でご来店が今の定番。

転勤で単身赴任されてた方が、また転勤に。大切なお客様が減ったようで寂しかったです。
でもその後、何年後かにご来店いただき「久しぶり大将!」その声でどなたか分かりましたが、見覚えのない女性が隣に。
「俺、結婚したんだよ大将!」とわざわざ報告に来てくれた方。

これがきっかけで、とにかくキープさせていただいたボトルは大切にお預かりさせていただくようになりました。
もちろん名前と顔は今でもバッチリ一致します。

このお店で出会い、その後にご結婚されたご夫婦もいらっしゃるんですよ。
とても愛が芽生えるような雰囲気のお店ではありませんが、「大将のおかげ」って、本当にうれしかった。


また、開店当初からのお客様で、でも年に数回ご来店されるかどうかのお客様。
でも、そんなお客様も多いので「大将のおでんくれ」「いつもの出し巻き」「鶏の霜降りな!」とメニューのチカラが大きかったり。


名物のおでんと出し巻き玉子

 

 


そんなこともあり、当店は開店時から一度も定番メニューを替えずに、料金も一切変えずに企業努力してきました。
こんなことくらいしか大変な時を救ってくれて今まで支えてくれたお客様に返せるものがないから。


開店当時からずっと同じメニュー表なので、日焼け?油?年期?で通称「飴色のメニュー」と呼ばれたこともありました。
残念ながら、飴色のメニューも燃えてしまいました。 でも再建して必ず同じメニューで同じ価格で「お客様に恩返し」したいです。


開店時からの「飴色のメニュー」

 


ここ2、3年のコロナの影響の際も、このまま続けられるか幾度か考えたこともありましたが、「火曜日だからあの方が」「あの方は毎日開店と同時に来るから」とお客様のことばかり気になってしまい、閑古鳥でも出来る限りの営業と時短要請に従って耐え続けました。 これも辛かった。本当に。

でも経営が辛いのを察して一番感染予防して欲しいご高齢の諸先輩方が連日支えてくれました。 また支えられました、ここでも。


コロナ禍での営業風景

 

数えだしたら切りが無い思い出と、お客様の面々。
そんなお客様達から「大丈夫か!」「怪我無いか?」「身体は大丈夫なんだな?」。 本当に有り難かったです。

でも、一番つらく感じたのが「またやれるのか?」「お前の店以外にいくとこねぇよ」「無理させられねぇけど、お前じゃねぇと」

一番大切で、一番大変なときに支えてくださったお客様を「困らせているのでは?」とても悩みました。 始めるときよりも悩みました。

でも、だからこそ一番大切なことを思い出しました。

「私はこの仕事が好きだから」「お客様に美味しいもの食べてもらいたい」「お客様の楽しんでる顔が好きだから」「楽しくしっかりと呑んでもらいたい」「お客様の疲れをとる癒やしの店でありたい」「お客様と一緒に最後まで歳をとりたい」


単純で安易な考えかもしれませんが、何よりも大切で、誰よりも本気です。
時間がかかっても何としても再建します! 再建しなくてはいけないんです! いや、再建させてください!!


【クラウドファディングで実現させたいこと】

ここまで読んでいただきありがとうございます。

もう、何度も書かせていただきましたが、とにかくお店を再建したいです。
絶対にもう一度「知好楽」を復活させたいです。 復活させます!

そしてもう一度、またお客様の憩いの場となり、笑い声の耐えないお店を実現(再現)させたいです。
私と、そして大切な「お客様」のために残りの人生をかけて立ち上がらないといけないと強く思いました。


【協力いただいた資金の使い道】

今回の被害は当店だけで済んだとはいえ被害は大変甚大です。
営業がいつ再開できるかはまだ分からず数ヶ月かかると思います。

火災保険も下りる予定ですが、到底すべてをまかなえる状況ではありません。
そのため、このクラウドファディングでは下記の内容で資金の使い道を考えています。

火事の影響によるお店の再建 500万

・焼失した店の解体工事費
・電気工事費
・ガス、水道工事費
・内装工事費
・店内什器、家具購入費
・調理機器設備の購入費
・火災で燃えた商品の再仕入れ費
・その他諸経費
・CAMPFIRE様、手数料


【今後のスケジュール】

・2022年7月上旬 被災した店内の解体作業
・2022年8月中旬 店内の内装工事を完了予定
・2022年8月下旬 クラウドファディング終了
・2022年9月上旬 店内設備の設置工事を完了予定
・2022年9月中旬 リニューアルオープン
・2022年10月上旬 リターン発送予定


【リターンについて】

ご支援いただいた方にはいろいろなリターンをご用意させていただいております。

内容によって金額差はありますが、金額によって感謝の気持ちが変わるわけではございませんので、
お気持ちの範囲でご支援いただけると大変うれしいです!


【応援メッセージの紹介】



【最後に】

今回の火災ではすでにいろんな方に温かいご協力やメッセージをいただいております。

火災の翌日、現場の店舗を前に「何てことに..」「この先どうしたらいいのか」と茫然自失していた時にすぐに駆けつけれてくれたお客様たち。

そして何か出来ることはないかと、各種消防の手続きのサポートをしていただいたり、私の「何とかまだあと10年はやりたいんです」の声にお客様が必死にいろんな業者様を探してくださり、焼失した店内の瓦礫を撤去を助けていただいたり。

気がつけば、電気工事屋さん、解体屋さん、内装屋さん、配管等施工屋さんなど、お店の再建に必要な技術屋の方々が集まってくださいました。

皆さん全員がお店に一度もご来店いただいたこともなく初対面の方ばかりです。


お客様が私に「何とか頑張ろう」と仰ってくださり、必死に探してくださり業者さんから業者さんへ、また業者さんへと話を繋げていただき、

私もとにかくお会いするたびに「何とか宜しくお願いいたします」「あと10年やらせてください」オウム返しで必死のお願いばかり。

でも皆さん嫌な顔一つせずに、お店を再開させるためにどうやって直していくかを真剣に考えてくださり、連日顔を出してくださっています。

この方達にも支えていただいている、面と向かっては「よろしくお願いします、ありがとうございます」しか言えませんが、涙が止まりません。

この方達にも何とか恩返しをしたい、いろいろ考えても私にはお店でしか返せるものがありません。

お店を再建して、この方達にも美味しいお料理とお酒を召し上がっていただき、たくさんの恩返しをしたい。 しなくてはいけないのです。


「知好楽」をはじめて27年。

一人だけでずっと孤独に耐えながら苦しいときも何とか乗り越えてきた27年。

そうじゃないんです。


27年間ずっといろんな方と出会い、人と人がつながり、また新しい人とつながり。

繰り返しながら人とのつながりに厚みが増して、その方々にいろんなことを教わり、いろんなことをお話しして、いろいろ助けられました。

人とのつながりの大切さ、有り難さは本当に痛感します。

そしてまた、人とのつながりで再建に向けて技術屋の方々とつながり、そしてこのクラウドファディングで新たなつながりも生まれます。


甘えてばかりではいられませんが、このつながりも一つの出会いとして私にチカラをください。
どうか頼らせてください! 大きなことは出来ないかもしれませんが頑張らせてください!
拡散していただくだけでも結構です。声援していただくことだけでも結構です。皆様とのつながりが私のチカラになります。


まだ頑張ります! 頑張らせてください!

 


皆様からのご支援、復活へのお力添えを何卒よろしくお願いいたします!
再建の後には、必ず前よりパワーと癒やしをアップした「知好楽」でお待ちしております。



居酒屋 知好楽

〒464−0855 名古屋市千種区千種通5−20−2 第2WING大久手1F
        TEL . 052−735−3060(再建後に再開通します)
営業時間 17:30〜23:00

【 お店の場所はこちらから 】

#知好楽大好き
#知好楽再建


<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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