はじめに

本プロジェクトは、夫婦でもある作家はるのぱせり、イラストレーターkaedeの2人が『ドーナツのなやみごと』という絵本の制作に挑戦するものです。

はるのぱせりさんが過去に執筆していた小説を原作として、絵本で精神疾患当事者のリカバリーストーリーを表現することを目指します。

絵本『ドーナツのなやみごと』について

・絵本のタイトル:
ドーナツのなやみごと

・物語の内容:
自分の穴にコンプレックスを抱くドーナツが、旅に出る過程で自分の穴に対する捉え方を変化させていく物語です。はるのぱせりさん個人のリカバリーストーリーを題材とした絵本になっております。

・ページ数:
24ページ

・出版方法:
自費出版

・配信方法:
デジタル版のオンライン配信と印刷版のクラウドファンディング等での配布等

※クラウドファンディングで支援いただいた方には、10月に絵本のデジタル版を先行配信予定です。
※絵本はあくまで個人の体験を伝えることを目的としており、医療行為等を目的としたものではありません。


解決したい社会課題

本プロジェクトでは、精神疾患について当事者の体験を通じて様々な人にメンタルヘルスに触れ、考えるきっかけを提供したいと考えています。そして精神疾患に対するスティグマ(偏見)の解消を目指します。

【精神疾患に対するスティグマ(偏見)の解消】

日本の精神疾患を有する総患者数は急激な増加が続いており、平成29年時点で約419.3 万人(入院患者約30.2万人、外来患者約389.1万人)となっています(出所:厚生労働省|平成 29 年患者調査)。

また、自殺者数についてもコロナ禍の2020年に11年ぶりに増加に転じて、前年より912人(約4.5%)多い21,081人でした。2021年の自殺者数は21,007人となり、前年より74人(約0.4%)減少したものの、女性については2年連続で自殺者数が増加しております。(出所:警視庁|自殺統計)『精神疾患の有病率等に関する大規模疫学調査研究:世界精神保健日本調査セカンド(川上憲人,2016)』によると、いずれかの精神疾患の生涯有病率はICD-10診断で「22.9%」、DSM-IV診断で「22.7%」であることがわかっており、精神疾患は5人に1人がかかる身近なものと言えます。

一方で、精神疾患や精神科医療へのスティグマ・偏見が、周囲の人に相談したり、カウンセリングを受けたり、医療機関を受診する大きな障壁となっています。その結果、早期に適切なメンタルヘルスケアができておらず重症化することや、精神疾患を経験した方が社会生活に困ることが少なくないのが現状です。

スティグマの解消には、「正しい知識の教育」と「当事者との接触体験」が有効だとCorrigan PW氏らの『Challenging the public stigma of mental illness: a meta-analysis of outcome studies.』にて報告されています。

私たちは精神疾患当事者のリカバリーストーリーをアートで表現することで、「当事者との接触体験」を増やし社会全体のスティグマを解消し、メンタルヘルスケアを誰もが身近に感じられる社会を目指していきます。

このプロジェクトで実現したいこと

【具体的な活動の内容】
・24ページの絵本『ドーナツのなやみごと』の制作と印刷
・作者へのインタビュー動画の制作とYouTubeでの公開
・絵本『ドーナツのなやみごと』の福祉施設や教育機関、医療機関、自助グループへの配布
・絵本『ドーナツのなやみごと』の朗読動画の制作
・絵本『ドーナツのなやみごと』に関するイベントの企画・運営
・絵本『ドーナツのなやみごと』のグッズの制作と販売
・絵本『ドーナツのなやみごと』のNFTの販売

【プロジェクトを通して実現したい変化】
・精神疾患当事者の方や似たような境遇の方を勇気づけるきっかけを提供する
・精神疾患についてあまり触れてこなかった方に精神疾患についての知識を学び考えるきっかけを提供する
・その結果、精神疾患に対する適切な理解やイメージを持った方を増やしスティグマ解消に貢献する

応援メッセージ

長崎県大村市 市長 園田裕史さん

私は、今回も「絵本プロジェクト」第2弾に大きく賛同し、最大級に応援しています。
精神科看護師として働いていた頃、私が看護の中で特に感じていた事は、患者さんが自らの言葉で想いを語るということ。言語化するということの大切さです。日常生活や療養生活の中で、本プロジェクトの話題が広がり、一人ひとりにとって何かのキッカケになることを大いに期待しています。
ダイバーシティ&インクルージョンなまちづくりを目指して、みんなで応援していきましょう。!(^^)!


ピアサポートみなと / ピアサポートからつ ぴろりん(吉岡 洋) さん

はるのぱせりさん、片岡洋子さん、「ドーナツのなやみごと」出版おめでとうございます!
私自身も障害を抱え、失ったものを取り戻そうともがいて生きてきました。
結局、失ったものは取り戻せませんでしたが、代わりに他のものを手に入れることができた気がします。
はるのぱせりさんと片岡洋子さんのお二人も、障害のおかげで手に入れることができた大切な友人です。
皆さんもぜひ「ドーナツのなやみごと」をご覧になってください。

作家 高見龍也さん

「ドーナツのなやみごと」というタイトルは、読者にとって「どうして『ドーナツ』なんだろう?」と想像力を掻き立てられて魅力的ですね。
どんなストーリーか興味津々です。
「どんな苦悩の底に落ちたとしても、リカバリーして立ち上がることができる!」
そんな勇気をもらえるストーリーだったらいいなと思っています。
また、私の著作にも挿絵を描いてくださった片岡洋子さんのイラストも楽しみにしています!
洋子さんが描く作品は、いつも私に感動を与えてくれます!

一般社団法人 L village(エルビレッジ) 代表理事 石丸徹郎さん

心へまっすぐ届くメッセージがたくさん込められた作品生まれることを心より嬉しく思います。
一人でも多くの皆さまへこの温かい物語が届くよう応援しております。

リカバリーカレッジSAGA・ふくおか かけるんさん

はるのぱせりさん、片岡洋子さんとは、長崎大学にお話を聞きに行って以来のお付き合いになります。
洋子さんには、私の著書の絵や共作の絵本の絵を描いていただきました。素晴らしい絵で、部屋に飾ってあります。
はるのぱせりさんには、飛べない鳥のかけるん、のミーティングからお世話になりつつ、ドーナツの悩みごと、という絵本の構想があると言われて、それが形になっていくのを間近で見せてもらい、エネルギッシュだなーと感心させられました。
このお二人の活動のエネルギーはどこから湧いてくるのだろう?と時々思うのですが、たぶん、立場は違うけど当事者の私たちのことを想って出てくるのかなと思っています。
とにかく、礼儀正しくて、律儀なお二人です。ぜひ応援を一緒にしていってほしいです。

長崎大学 田中悟郎さん

「はるのぱせり」さんと「kaede」さんのご夫婦による初めての絵本「ドーナツのなやみごと」の完成、誠におめでとうございます。読者に大きな生きる勇気と感動を与えてくれる素晴らしい内容の絵本を制作していただき、誠にありがとうございます。
「なやみ」を「めぐみ」ととらえ、「希望」にまで昇華させる過程、まさに「ご夫婦の生きた証」を表現されておられることに心から敬意を表します。

NPO法人長崎のぞみ会 河野 知房さん

お二人と初めてお会いしたのは私がまだ大学生の頃で、ピアサポートみなとがきっかけでした。当時の未熟な私に対して優しく手を差し伸べてくださいました。今でもピアサポートを通してお世話になっています。
ぱせりさんは自分をしっかり持たれたとても責任感のあるお人柄で、さらにユーモアあふれる遊び心も兼ね備えている方です。
奥様のkaedeさんは控えめながらも内に秘めた情熱を持たれており、とても温かみのある絵を描かれる方です。
そんなお二人が一緒になって作成する絵本は素敵なものになるに違いありません!出版できることをとても楽しみにしています。皆さんどうぞよろしくお願いいたします。


資金の使い道

・印刷費:約11万円
・人件費:約5万円
・郵送費:約2万円
・手数料、その他:約2万円
【合計】20万円

※上記は本プロジェクトを実行するための最低予算となります。目標達成し余剰した資金については、絵本の追加印刷や、朗読動画の制作など絵本の広報活動に使わせていただきます。

実施スケジュール

2022年6月:企画案の検討開始
2022年7月:絵本のストーリーと絵の制作
2022年8月:クラウドファンディング開始
2022月9月:クラウドファンディング終了
2022年10月:絵本の印刷、リターン発送
2022年11月以降:絵本のグッズや絵本などの販売開始

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


リターン

・500円:絵本データのメールでの先行配信【100名】
・3000円:印刷した絵本(実物)の郵送【60名】
・1万円:直筆手紙+サイン入り絵本(実物)の郵送【5名】
・1万円:パパゲーノのPodcastへの出演【1名】
・3万円:支援者さんを主人公にしたオリジナル小説をはるのぱせりさんが作成【1名】
・3万円:支援者さんのイラストをkaedeさんが作成【1名】
・5万円:スポンサーロゴを絵本に掲載【2名】
・10万円:スポンサーロゴを絵本に掲載+オリジナルクリアファイル200部【1名】

最後に

【はるのぱせり】

この物語は僕のリカバリーストーリーです。
僕は過去15年、精神障害の当事者会活動に関わってきました。

最初は、自分のことは自分でやりたいと立ち上がり、活動を継承しグループの代表になって、出会いあり別れあり、多くの仲間たちの背中を支えていくうち、かけるんさんの物語に出会い、勇気を出して、この物語の原案をパパゲーノさんに送ることに決めました。
そして、結果、快く受けていただいて、この場に参加することができています。

この物語は、僕の体験談をたとえ話に置き換えて書かれています。冒頭に話した通り、書きたかったのはリカバリーストーリー。主人公は僕、穴は社会的ハンデ、竜は当事者会活動、妖精は妻の投影です。

絵本の編集では、何度も挫けかけました。
絶えず妻に支えられながら、時に慰められ、時に叱咤され、ドーナツのように悩みや苦しみを吐き出し、なかなか形にできなかった思いを明かすことにより、この物語は完成しました。
だから、最後にドーナツが語るセリフは原稿が仮完成した瞬間の僕の思いでした。

振り返ってみると、この冒険譚そのものが僕にとっての執筆活動だったのかもしれません。
ハンデは苦しむためだけにあるのではありません。語るためにあると僕は思います。
この文化が共有され、多くの人が救われる事を願います。
悩みが希望へ変わっていく過程。多くの人に届きますように。

【片岡洋子】

作品を読んでくださる方に楽しんで頂けることが目標であり、希望です。
ですが、実は「ドーナツのなやみごと」というタイトルを聞いてから、程なくして、ドーナツをいかに親しみやすい形にするかと言う製作者としての悩み事の始まりました。

ずっと前から夫婦で一緒に仕事をしたいと思っていたので、願いが叶い楽しく前向きに取り組んでいくはずでしたが、ドーナツの擬人化に苦しみ…初めは全く形になりませんでした。

それでもあきらめるつもりはありません。同時に、生きるに値する自分づくりをやっている感覚だったからです。
ドーナツの起源がオランダであることを知り、それを念頭において、この世界感を楽しんで行くことに注力して何度も何度も描き直しながら製作いたしました。

ストーリーを絵によっていかに共感できるものにするかという課題は、描きたい絵を描く事だけではありませんが、本当にやりがいを感じます。
この絵本は私達夫婦の生きた証です。
どうか夫のリカバリーストーリーが皆さんの生きやすさの一つのヒントになりますように。


制作チーム

【はるのぱせり】

障害者相談員を続ける傍ら、物語を執筆しています。長崎県で「ピアサポートみなと」「おおむら麦の会」と2つの当事者会を運営中。「人生は楽しむためにある」をモットーに、日々パソコンに向かう毎日です。

【片岡洋子】

「kaede」というペンネームで、個人で挿絵、肖像画などの仕事をしているイラストレーター。
被爆2世という立場から反戦の祈りを込め絵と詩を描く。
就労継続支援B型事業所を利用しながら長崎大学などで、(夫と共に)ピアサポート関連の精力的に活動。

【株式会社パパゲーノ】

株式会社パパゲーノは、「生きててよかった」と誰もが実感できる社会を目指してメンタルヘルス産業の未来を共創する組織です。100人の精神疾患当事者のリカバリーストーリーをアートで表現するアートNFTプロジェクト『100 Papageno Story(ワンハンドレッド・パパゲーノ・ストーリー)』運営しています。

・パパゲーノ公式Twitter
https://twitter.com/Papageno_jp

・パパゲーノ公式サイト
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