皆様はじめまして。GAUNTOUCHの瀬戸脇です。
私たちGAUNTOUCHは、独自のニットウエアを生み出すブランドです。製品の大きな特徴は、明治初期発祥の紡績機、ガラ紡の糸を使用していることにあります。
太さが不均衡なガラ紡の糸から作られるニットにはそれぞれ個体差があり、大量生産には出せないやさしい温かみが持ち味です。
ガラ紡は非常に手間と時間を要する技術のために、現在稼働しているのは全国で2、3軒とごくわずか。大変貴重な技術です。
機械でありながら、糸を紡ぐ際には職人による微妙な調整が必要で、手仕事の要素が大きいのが特徴。ガラ紡が紡ぎ出す糸は太さが均衡ではなく、手紡ぎに近い仕上がりになります。
GAUNTOUCHというブランド名は、ガラ紡を考案した発明家、臥雲辰致(ガウンタッチ)氏の名前が由来。経済性や生産性とは無縁なガラ紡の、伝統的な技術を現代に繋げたい、大量生産には出せない味わいを伝えたいという想いが、ストレートに込められています。
糸になる素材には、2~3年農薬や化学肥料を使わずに育てられた、JOCA認定のオーガニックコットンを使用。その一部には、繊維が短いために、一般的な高速紡績機では糸にすることができなかった落ち綿も含まれます。
低速で稼働するガラ紡は落ち綿を紡ぎ直すのに都合が良く、有効利用が叶うのです。本来捨てられるはずの素材に、新たに生命を吹き込めることから、環境に配慮されていると言っても良いのでしょう。
GAUNTOUCHのニットが、現代のファッション産業における大量消費や深刻な材料の廃棄の問題についても、目を向けていただくきっかけとなるかも知れません。
今回のクラウドファンディングを実施するにあたり、皆様にGAUNTOUCHのニットの魅力を知っていただき、一人でも多くの方に手に取っていただけることを願っています。
どうぞご支援のほど、よろしくお願いいたします。
◎時を経るごとに変化する表情の美しさを、表現する存在でありたい
▼ガラ紡との出会いと物作りがしたいという想い
ガラ紡の糸に初めて触れた時、現代社会に枯渇している大切な何かを見つけたような気がしました。
ファストファッションやリユースの考え方が大衆的になり、物の意義や在り方について考えていた当時、とても衝撃的な体験だったのを覚えています。
安くて良い物が簡単に手に入る時代に、これ以上アイデアを捻り出し、新しく何かを作る必要があるのかと疑問に思うこともありました。しかし、威厳とやさしさを兼ね備えたガラ紡の糸に触れた時、この糸を用いて物作りがしたいという想いが自然と湧き出てきたのです。
物の意義や在り方という表現しましたが、物に対する価値観として深く根付いているエピソードがあります。
とある思い入れのある方に、その方が長年愛用されていたという時計をいただきました。その時計は錆や至る所に擦れがある、とてもきれいな状態とは言えない物でしたが、それ以上に、持ち主の生涯を物語るかのような佇まいがありました。
その時に、物の価値は表面的なことだけではなく、体験や思い入れ、それまでの過程によって形成されるということ、また、その物に対しての認識の仕方や向き合い方は人それぞれであるということを理解しました。
この価値観が今のブランドにも深く投影されています。
▼ニットを通じて届ける、ひとつの物と付き合い続ける体験
時間の経過や物との関わり方による変化が現れやすく、身の周りで完結できるような物。さらに、それをふと振り返って見た時に、感慨深い何かを見つけられる物。それがGAUNTOUCHのニットなのではないかと思います。そのような存在であって欲しいという願いかも知れません。
「移ろいゆく生活や暮らしの中で、変化していく物事の美しさを捉えたい」
「現代の大衆的な消費の在り方を見つめ直したい」
時間の経過や愛着を持って使用することにより移り変わる表情、そのようなものを表現したいという想いが、このGAUNTOUCHを立ち上げた理由です。その想いは今も変わらずに持ち続けています。
現代の社会で最早当たり前になったきれいに整った物、同じクオリティで効率よく生み出される多くの商品とGAUNTOUCHの製品は逆行するのかも知れません。しかし、この個性あふれるニットを通し、大量生産には出すことのできない趣きや、均一ではない荒々しさの中にあるやさしさをお伝えすることは可能です。
そんなニットの味わいともに、愛着を持ってひとつのものと付き合い続ける体験をお届けすることが、GAUNTOUCHのニットの使命のようなものだと考えます。
●困難とされるニットウェアの製品化の実現から、多くの人に愛されるまでに
▼扱いにくい糸から、試行錯誤の末に製品化
ガラ紡の糸に出会ってから、製品化するまでに本当に苦労の連続でした。
靴下やマフラーなどの小物はよく見かけますが、ウェアというカテゴリーに属する製品はとても珍しいとされます。これはガラ紡の特性である、不均一で扱いにくい糸と生産効率の悪さが理由。
私たちはどうしてもウェアを作りたかったので、様々な工場様にお声掛けしたのですが、現代の編み機では、スワッチと呼ばれる試し編みを出す段階で不可能と判断されることばかり。
途方に暮れた末、どうしても諦めきれずに始めたのは、家庭用編み機を買って、一から自分で作ることでした。
専門知識もないまま古書を探しては実践しを繰り返し、半年くらいかけて何とか着用できる程度の製品を作れるように。そこから実売がスタートしています。
その後、自分で作るのに技術と時間に限界を感じ初め、運良く探し当てることができたのが、今のニットを作っていただいている工場様です。
このような経緯を経て、現在の機械編みによる生産に至りますが、本当に多くの人の手や労力が加わって、やっとここまで来ることができたと思っています。
これまでに、たくさんの受注会など、こだわりのある品物を扱うお店の方々にお声掛けいただく機会が増え、多くの方にGAUNTOUCHの製品を手に取っていただけるまでになりました。
▼肌に悩みのある方にこそ着てもらいたい肌ざわり
困難を伴うほどに扱いづらい糸によるニット、実現したかったのには理由がありました。
GAUNTOUCH代表である瀬戸脇の母がもともと肌が弱く「肌にやさしい天然素材のものを身に着けたい」と常日頃から言っていたからです。その気持ちがわかっていたからこそ、様々な試行錯誤を重ねられたのです。
完成したニットを贈った時の反応はとても良く、やさしい肌ざわりに大変感謝されたのだとか。
同じように肌に悩みのある方、肌にやさしい物を身に着けたいと願う方にこそ届いて欲しいという想いが、大きな原動力となりました。
素材はオーガニックコットンで、肌に触れた時もチクチクせず、冬には静電気も起きにくいのが特徴。ふんわりと肌にやさしいから、着心地もノンストレスです。
どなたにもきっと気に入っていただけると思うので、必要な方に届くことを願うばかりです。
●季節ごとの着回しを楽しみながら、育てていくことができるニット
▼GAUNTOUCHならではの特徴とおすすめの着方
起伏のある糸が空気を含むことで、ふわっと柔らかな肌当たりになります。ポコポコとした凹凸のある表情が印象的で、着ていて温かいのはもちろん、ホッとする心地良さと安心感を味わっていただけます。
無駄を省いたシンプルなデザインだからこそ引き立つ、素材ならではの素朴な味わい。自然体で気負わない佇まいが、GAUNTOUCHのニットの何よりも魅力です。
綿というとあまり暖かくなさそうな印象もありますが、素材が温もりをしっかりと溜めて、冬も暖かく過ごせます。ローゲージニットの粗い編み目が上手く空気を通すので、とても快適な着心地です。
柔らかでやさしい肌当たりに加えて、500~700gととても軽量。だからインナーにするのもおすすめの着方です。
冬はインナーとして着た上に重ね着を、さらに、少し暖かい季節には素肌に近い状態でふんわりと一枚着ていただくと、心地良さは極上に。
秋冬だけ着る物と思われがちなニットですが、GAUNTOUCHの場合、夏以外ならばどの季節にも着用可能。その時期に合わせた着回しをしながら、気持ち良さを楽しんでいただけます。
▼経年変化も楽しみのひとつとして
GAUNTOUCHのニットで特徴的なのは、経年する中で質感に大きく変化が現れること。
時を経る中で変化する様々な表情も、成長途中の味わいとして楽しんでいただくのが理想的です。
初めは少し固めの印象がありますが、着ているうちに徐々に体に沿うようになり、良い意味でくったりとした表情が出てきます。それはまるで、体の動きや体温によって解れてくるかのようで、ニットがしっくりと馴染んだ証拠。
また、どうしても着ていくうちに不具合が出てきたり、元々の個性でもある不完全さが目に付くことも。
例えば、毛玉が出たり部分的に弱くなってくる、糸の細い部分もあれば太い部分もあることなど……。
GAUNTOUCHでは、それらの不完全さともいえる持ち味を理解した上で付き合い、ニットと長く過ごしていただきたいと考えます。
共に時間を重ねるごとに変化し、自分だけのニットを育てていくイメージです。
▼長く付き合うためのリペアについて
ガラ紡の糸は太さに差があるため部分的に強度が弱く、強い力をかけたり、引っ張ることなどは避けていただくようお願いしております。
これまでニットを販売してきた中で、リペアが必要になったというお声は頂戴していませんが、ある程度着用しているうちに、糸のほつれや破れなどが生じる可能性も想定できます。
GAUNTOUCHでは末永くニットを愛用して欲しいという想いから、有料にてリペアのご相談も承っています。
(※商品の状態によっては修理できない場合がございますので予めご了承下さい。)
例えるならば、靴下のかかとに穴が空いた時にそれを繕って、また大切に履くのに近いと思います。昔の人がひとつの物をずっと大事に使っていた感覚、丁寧に何度も繕いながら物と向き合っていく体験。
GAUNTOUCHでお伝えしたいのは、そんな体験と共にニットと付き合っていって欲しいという願いです。
●7色のお色味を展開
GAUNTOUCHのニットの象徴とも言えるナチュラルな生成に加え、このほど新たに展開することになりました、カラフルな7色をご紹介します。
心が躍るような鮮やかなカラーや、やさしくシックなカラー。ご自分のイメージに合った、お好みのものをお選びください。
▼ニット・カーディガン(ナチュラル)
素材そのものの自然な色を活かした生成色。何にも染まらないプレーンなイメージで、ガラ紡の糸のナチュラルな質感を最も感じていただけます。様々なファッションや色味に合わせられて、イメージも作れる。まさに万能のカラーと言えるでしょう。
▼ニット・カーディガン(グレー)
暗くなり過ぎない、温かみを感じるやさしいグレー。鮮やかな色味にもナチュラル感のある色味にも合わせることができるので、一着あるととても重宝するカラーです。コーディネート次第で、柔らかい印象にも、クールな感じにもなるのもこちらのカラーならではです。
▼ニット・カーディガン(ブラック)
シックな定番のカラー、ブラック。表面の立体的な風合いとふんわり柔らかな質感のため、軽やかな印象になっています。暗めの色味でも重くなり過ぎず、どなたもお召しになりやすいカラーです。
▼ニット・カーディガン(ブラウン)
素材の自然な風合いをより一層感じられる、落ち着いた印象のブラウン。アースカラーと合わせるとナチュラルな雰囲気をより引き立て、モノトーンのシンプルなファッションに合わせてもセンス良くしっくり馴染むカラーです。
▼ニット・カーディガン(ピンク)
身に着けると心が穏やかになりそうな、桜の花びらのようなやさしい雰囲気のピンクです。甘くなり過ぎない色味で、ピンクがあまり得意でない方にも取り入れやすく、年齢性別問わずお召しになりやすいカラーだと思います。
▼ニット・カーディガン(イエロー)
やさしい雰囲気が素材の柔らかさを引き立てるイエロー。一見派手に思われるかもしれませんが、意外と何にでも合わせやすいと驚かれるかも知れません。コーディネートに取り入れると、とてもきれいなアクセントになります。
▼ニット・カーディガン(スカイブルー)
淡い色合いが涼し気で、明るい青空を連想させるイメージのカラー。着る人も周りの人もみんなさわやかに、元気にしてくれそうです。やさしい色合いなのでコーディネートに良く馴染み、清潔感を引き出します。
▼マフラー(ナチュラル)
素材はオーガニックコットン。マフラーを巻く首元はどうしても肌が揺れやすいところ。
チクチクが苦手な方に特におすすめです。ふわっとした感触が優しく首元を包み込んでくれます。
▼ガラ紡ハンカチ(ナチュラル)
使い心地は柔らかで軽く、吸水性/給油性/乾きやすさ、
3拍子そろった使い勝手の良さがある為 ”ふきん”としてもお使い頂けるのが特徴です。
●納品に関して
今回のクラウドファンディングにご支援いただいた皆様には、下記のスケジュールでリターン品をお届けいたします。尚、こちらの製品は11月上旬以降順次、各取引先販売店・オンラインショップ等への納品を予定しております。一般販売開始後のお届けになる場合もございますので、何卒ご了承ください。
・11月上旬~中旬 リターン「クルーネックニット」発送予定
・11月上旬~中旬 リターン「カーディガン」発送予定
・12月上旬~下旬 リターン「ハンカチ」発送予定
・12月上旬~中旬 リターン「マフラー」発送予定
●商品取り扱いの注意に関して
・ガラ紡糸の特性上、同じ規格であっても商品のサイズや風合いに個体差が生じます。
・画像の色と実際の色に差がある場合がございます。
・ガラ紡の糸は、太さや強度に差があるため、切れやすい箇所がございます。強い力をかけずに着用ください。また、紡績時に切れた糸を繋ぎ合わせた箇所がございます。
・綿の落ちや毛羽立ちが発生しますので、目立つ場合はカットをするなどメンテナンスを行ってください。
・ガラ紡の風合いを活かすため、事前に洗い加工を施しています。
・糸本来の汚れが残っていることにより、色ムラが見受けられる場合がございます。数回洗って頂くとで色ムラはなくなります。
・茶色い粒のようなものが付着している可能性がございます。これは綿花の一部で、害はございません。
・水またはぬるま湯での手洗いで洗濯してください。ガラ紡糸は吸水性が高く非常に重たくなります。平面での平干しで乾燥してください。
・色ものは色落ちする可能性がございます。他のものと分けて洗濯してください。水に濡れた状態で着用しないでください。
・多少仕様が変更される可能性がございます。
上記項目をお読みの上でご支援よろしくお願い致します。
GAUNTOUCHのニットができあがるまでには、非常に多くの工程、そして手間や時間が掛けられています。まさに人の手と労力による結晶と言っても良いのかも知れません。
携わって下さったすべての皆様に、心より感謝申し上げます。
デザイン性よりも、人と物との関係性を大切にしたものづくりの心を持ち、さらに自然体であることや主張しないこと、家でも外でも気兼ねなく着れて、肌や体を優しく包むことなどを意識して作られる、GAUNTOUCHのニット。
着飾るためのものではなく、日々の生活にいつも寄り添ってくれるあたたかい存在であり、触れることで、物との付き合い方についてあらためて考えさせられるプロダクトです。
ぜひ、お手に取って、これまでになかった柔らかな風合いや心地良さを楽しみつつ、末永くお付き合いいただければと思います。
応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
GAUNTOUCH 瀬戸脇・宮田
※本プロジェクトは「All in 方式」での募集となります。
※本掲載に使用されている画像・動画の掲載権利はGAUNTOUCHに帰属します。
撮影協力:木玉毛織株式会社
最新の活動報告
もっと見る【残り30%!残り2週間!】プロジェクト達成率70%達成
2022/10/05 23:49こんばんわ。GAUNTOUCH の宮田です。プロジェクト達成率70%を達成しました。ご支援頂いた方、本当に有難うございます。プロジェクトは残すところ2週間を切りました。プロジェクト達成に向けて、よりブランドの魅力を発信し続けていきたいと思います。が、ここで一つブランドに対して綴らせて下さい。GAUNTOUCH のニットは、いくつもの苦難を乗り越えて出来上がったブランドです。それもそのはず、ガラ紡の魅力である糸の凹凸が現代の編機ではとても編みにくいのです。生産プロセスの問題からまだまだ課題はありますが、ガラ紡にしか生み出せない柔らかな風合いがあります。気持ちを落ち着かせてくるような、安心した気持ちになるような、なんだか不思議なニットです。是非この機会にガラ紡に触れて下さい。プロジェクトはまだまだ続きますので、是非ご覧頂けますと幸いです。GAUNTOUCH 宮田 もっと見る
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