はじめまして。koginbankです。

こぎん刺しウェブマガジン koginbank(こぎんバンク)を運営する石井勝恵と申します。2017年より、青森の伝統工芸である「こぎん刺し」や「菱刺し」の魅力をウェブサイトを通じて様々な角度から発信しています。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

2022.10.9 おかげさまで、目標金額の50万円を達成することができました。
これでなんとか、布づくりの資金を賄うことができました。
ご支援くださった皆様、本当にありがとうございました!
でも、もう少し頑張らせてください。
こぎん布のカラーバリエーションを増やすために。
これらの素材を使って楽しめるキットも作りたいです。
そしてもっと沢山の人たちにこぎん刺しや菱刺しの面白さを知って欲しいです。
2022.12.5のプロジェクト終了までどうぞご支援・ご協力をお願いします!

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++




みなさん、「こぎん刺し」「菱刺し」を皆様ご存じでしょうか?

日本三大刺し子(左 津軽こぎん刺し・中 南部菱刺し・右 庄内刺し子)

刺し子は日本を代表する手仕事文化ですが、日本三大刺し子と言われるうちの二つが青森に伝わる「こぎん刺し」と「菱刺し」です。今は手芸として楽しまれており、国内はもとより海外にも愛好者がいます。

私は現在、東京を拠点に活動していますが、こぎん刺しの故郷、青森県弘前市に生まれました。学校の家庭科ではじめてこぎん刺しを知ってから、母の針箱から古い材料を見つけてこぎん刺しにハマったのは20代の頃です。その頃は、この刺し子の歴史とか、地域の文化であることなど関心なく、布目を数えるだけで綺麗な模様を布に描くことができて、簡単で・キレイで・面白い!ことが私のこぎん刺しの魅力でした。それが、いつからか作った物たちが、周囲の人から好評をいただき、次第に故郷の地域文化であることを意識するようになりました。



こぎん刺しは農民の自給する衣類から始まった歴史があり、こぎん刺しで作る模様のパターンは200種類もあると言われています。また、全国のカルチャースクールにはこぎん刺しの講座があり、東京近郊での講座は東北を上回る数があります。

学生時代から過ごした京都を離れ、15年前に東京に移住してきた私が驚いたのは、こぎん刺しの作品展や教室、こぎん刺しの先生と呼ばれる存在です。私にとって、こぎん刺しは日常の中で楽しい暇つぶしくらいの存在と思っていたので、茶道や華道のような文化教養の一つになっていることに驚きました。そして関東では熱心に制作を楽しむ人たちがいて、こぎん刺しをきっかけに青森を知り好きになってくれる人や、地域の伝統文化として青森から遠く離れたところでその魅力を広め続ける人たちがいることを知って、青森出身者としては嬉しいと同時に、この人たちの熱意の根底にあるこぎん刺しや菱刺しの魅力を、私自身がもっと深く知りたいと思い、はじめたのがkoginbankというwebマガジンです。



koginbankを意気揚々と始動したら初っ端から壁にぶつかりました。「菱刺し」の壁です。
青森は西の津軽・東の南部に昔から地域が分かれ、こぎん刺しは津軽、菱刺しは南部に伝わる刺し子です。私はここで初めて知りました。南部地方にあるこぎん刺しは、こぎん刺しじゃなかったのです。しかも、布目の数え方が奇数目を拾うか偶数目を拾うかという技法の違いがあります。koginを世界に認知していくという私の密かな野望にブレーキがかかりました。菱刺しは「菱刺し」として伝えなくてはいけない。。。今でも青森県人が集まると何かと津軽VS南部の対抗が勃発することがあるので、菱刺しをこぎん刺しに含めるわけにはいきません。。。

当初は気が重かった菱刺しの存在でしたが、今は菱刺しの面白さを教えてくださる人たちに恵まれ、おかげさまで菱刺しの壁は私の楽しいハードルになっています。知れば知れるほどに、こぎん刺しと菱刺しの違いが出てくるのが面白い!どちらの刺し子も農民の文化だったので残された記録はとても少なく、謎が多いです。だからこそこぎん刺しと菱刺しの違いと交点を見出すロマンがあります。


こぎん刺しとは? 菱刺しとは?


2017年から、これまでこぎん刺しや菱刺しの様々な話題を発信してきた中で見えてきたのは、この二つの刺し子は農民の衣類の歴史であり、日用の美を見出された民藝であり、美しさを楽しむ手芸でもあり、多くの可能性を秘め、いろんな視点で魅力を捉え発信することができます。まだまだ尽きることなく、掘るほどにあたらしい世界が見えてくる実感が私にはあります。


シンプルな技法だからこそ、昔は不可能だった多様な表現が今の時代に実現できます。

可愛くて、思わず自分も手を動かしたくなるような図案を作って新しいこぎん刺しを見出す人たちがいます。一方で、こぎんの美は伝統模様にあり!とこぎん刺しの伝統を継承し、伝える人たちもいます。


布から離れ、伝統模様の美しさを光の世界で表現する人もいます。一昨年の銀座のクリスマスイルミネーションはこぎん刺しの伝統模様が彩りました。


こぎん刺しに出会って、生きる力を得た難病の人もいます。


記録に残してこれなかった農民の文化だったので、300年近く経った今も不明瞭なことが多いですが、そこに現代人の想像の余地があって、伝統を守りながらも新しい世界を開いていけそうな面白さがあります。こぎん刺しや菱刺しに携わる人たちのお話を伺うと、こういう魅力に吸い寄せられた人たちばかりで、様々に熱く興味深いストーリーがありました。微力ではありますが、現代にこれらの刺し子文化を息づかせる彼らの存在を記録に残すことで、こぎん刺しや菱刺しを次世代につなげ、より楽しく豊かな生活のエッセンスなることを願い、koginbankとして活動を続けています。



こぎん刺しや菱刺しを守るべき伝統文化ではなく、人の生活の中に活きる伝統文化にしたい

全国各地に、多種多様の伝統工芸・地域文化がありますが、技術進化の中で、古い非効率な存在となり、悲しいことに消えてしまうものもあります。こぎん刺しや菱刺しも100年前に一度は衰退しました。しかし、復興を遂げ今なお存在し続けるのは、手放せない面白さがあるからだと思うのです。こぎん刺しは針1本で布を作る技術です。作り手の根気に左右されます。機械で模様を織った方が圧倒的に早い。布づくりの中ではとても非効率な技術です。しかし、ここには完成させることだけが目的ではなく、その過程の中で感じる喜びや実感があります。このことには、刺し子を離れた生活の中にも活きるヒントが潜んでいると感じています。こぎん刺しと菱刺しには、これからも人の生活の中で活きていく文化として、私たちはその面白さを見つけて世に伝え続けたいと思っています。



つくり続けたい、こだわりの布

昨年私たちは、初心者もこぎん刺しや菱刺しをストレスなく楽しめる、使い勝手にこだわった専用綿布を開発しました。情報発信だけにとどまらず、素材開発にも踏み込んだ理由は、素材の生産者が途絶えることを逃れたいという思いがありました。

数年前のハンドメイドブームにより、こぎん刺しや菱刺しの製品を販売する個人作家さんが随分増えました。こぎんブームだ!とも言われました。しかし、その裏では彼らが使う素材の選択肢が少しずつ狭まってきていました。昭和の頃は、カルチャースクールに集まって芸術的な大作制作に打ち込む主婦たちがいて、その存在が素材生産を支えていました。しかし共働きが一般的になった現在は、余暇の趣味である上に、普段使いの日用品が好まれ、愛好者が増えても一人当たりの素材の消費は減少しています。私がこの活動する5年の間にも、豊富なカラー展開が縮小されたり、生産が止まってしまう話もありました。


こぎん刺しや菱刺しに使用する布は、布目が見てわかるほどに粗い布でなければなりません。このような布は、繊維業界の中では圧倒的に需要の小さい特殊な布です。日本の繊維業界そのものが、衰退している最中、高齢で廃業してしまうメーカーも多く、新しいメーカーを探そうにも、慣れない特殊な仕様の布の生産を、すんなり引き受けてくれるところは、なかなか見つかりません。この状況を見過ごしていると完全にこぎん刺しや菱刺しを楽しむ布が無くなってしまうかもしれない。無くなってからでは遅いのです。ウチで作れるよ!と言ってくれるメーカーが存在するうちに作っていれば、絶やさずに済みます。ご縁あって、作るよ!と言ってくだったメーカーさんに出会えました。このチャンスを逃すわけには行かない。私たちでトライしてみよう!とこぎん布の開発に踏み切りました。



こぎん刺しや菱刺しは、もともと麻布に木綿糸で模様を刺していたはじまりがあり、布は麻布にこだわる愛好者が多いです。しかし、天然素材ゆえに組織繊維が不均一なので、布目の数え方に戸惑って初心者にとっては使いづらいところがあります。麻布に比べると比較的安価に均一な組織で耐久性のある布を作れるのが木綿です。私たちは布目の数えやすさと、手になじむ感触の良さにこだわり、製作時間を楽しめる布を目指して開発しました。

おかげさまで、初心者はもちろん、長年刺し続けてきた方にも好評をいただいております。私たちはこの布を愛用してくださるみなさんと、生産してくださるメーカーさんとともに、より使い勝手の良い布を作り続け、世代を超えて楽しめる刺し子の文化をもっと広げていきたいです。この布作りは文化を伝えるベースなのです。


愛用してくださる人のために、これからトライしたい人のために


4月には初めて手芸の祭典ホビーショーに出展し、こぎん刺しと菱刺しを体験いただきました


昨年、このオリジナルこぎん綿布を使って、はじめてのこぎん帯づくりに友人がトライしてくれました。また、長年こぎん刺しをされている90歳代の方が、こぎん刺しの制作のためになるべく布目が見やすい布をと選んでくださったのは、私たちの布でした。こぎん刺しをはじめる人たちを楽しい世界へ誘う布であり、体力が衰えても、こぎん刺しや菱刺しの楽しさを味わえる布。私たちの布は、長く楽しめる伝統文化を支えるための布でありたいと思っています。


こぎん刺しの帯づくりをオリジナル綿こぎん布でトライしてくれました


しかし現状は、小ロット生産のため、万人が気軽に買える価格での提供に苦難しています。コストを下げるだけの大量生産をする体力はありません。なんとか、私たちがこだわって作った布の付加価値を認めてもらい、皆さんにご利用いただいています。おかげさまで、再生産にこぎつけることができた今、コロナや戦争、円安の影響もあり物価上昇が進んでいます。ご多分に漏れず、私たちの布の再生産も影響を受け、原材料が昨年比1.3倍の上昇となりました。楽しむことを追求した布づくりを支持してくださるお客様も徐々に増えてきている今、この厳しい状況を理由に生産を止めたくはありません。こぎん刺しや菱刺しのための布は他にも沢山あります。でも、この5年間、こぎん刺しや菱刺しを取材や調査を重ね、一つずつ理解し発信してきた私たちにはこれらの潜在的な面白さとともに、より楽しめる布づくりを実現できます。

皆様のお力添えをいただき、どうか、この布づくりを続けさせてください!


資金の使い道

集まった支援金は今回のプロジェクトで発生する以下の経費に充当します。

・こぎん綿布の生産経費 30万円

・返礼品準備(制作、発送等) 10万円

・CAMPFIRE経費 10万円


リターンについて

私たちのオリジナル商品のほか、これまでkoginbank.comの取材にご協力いただいた、こぎん刺しや菱刺しに携わるみなさんにこのプロジェクトのためにお力添えをいただくことができました。

cogin-Tさんのこぎん模様Tシャツ

青森県弘前市を拠点に活動するcogin-Tさんの、こぎん刺し模様のTシャツは、一針一針のステッチの柔らかな風合いすらプリントで再現する、手の込んだプリントTシャツです。このプロジェクト限定のデザインを作っていただきました。


ハリノヲトさんのこぎん刺しポーチと、図案集を用いたリモートでのワークショップ

こぎん刺しのカワイイから伝統的な美しさまでも網羅し、図案集も出版しているハリノヲトさんにはこぎん刺しのポーチと、リモートでのワークショップでご協力くださいます。


TEKONOKOさんのサコッシュポーチ

大阪を拠点に活動するTEKONOKOさんのこぎん刺しは、彼女独自のオリエンタルな文様の数々です。オリジナルサコッシュポーチでご協力くださいます。


2468/3sunの巾着バッグ

菱刺しの作家さんの中でも独自の色使いやモチーフアレンジがとても新鮮な2468/3sunからは、特別に巾着バックを作ってご協力くださいます。

 

こぎん刺しと菱刺し作家による比較体験ワークショップ

こぎん刺しと菱刺しの模様の違いを刺し比べてみるワークショップは、こぎん刺しの作家さんと菱刺しの作家さんが講師になって丁寧に教えていただけますので、針を持ったことない初心者も安心してお申し込みいただけます。


大川コレクションを間近で観る会へご招待!

大川コレクションとは、こぎん刺しが全国的に知られるようになる足掛かりを作った大川亮氏が明治の末期に集めた、こぎん刺しと菱刺しです。氏は当時既に農家で使われなくなったこぎん刺しや菱刺しを集めていました。こぎん刺しを知る人は、古いものを”古作(こさく)”と呼んでいますが、その古作のこぎん刺しと菱刺しを東京で鑑賞する会を開催いたします。南部菱刺しの会の長岡さんにお話いただきながら、現代のものとの違いや、古作だからこその鑑賞の面白さを、直に触れながらご覧いただきます。


上は、大川亮氏と彼が着ているこぎん刺しのベスト


------リターンに関する追記-----

2022.10.10
オリジナルこぎん布で作成するブックカバーの内容が確定したのでご紹介します。


サイズ:縦16cm×横29cm
品 質:(表面)綿100%、(裏面)綿85%+麻15%、アクリルテープ

模様の色はお任せください。すべての面で異なる表情を見せてくれる、楽しいブックカバーになりました。手に触れる、柔らかく心地よい感触にも拘ったデザインです。こぎん刺し作家さとの坊さん独自の色使いは、伝統模様を使いながらも新鮮で、男女問わずご利用いただけます。読書の時間を大切にする方にぜひオススメです!


2022.11.5
こぎん刺しと菱刺しの比較体験ワークショップと大川コレクションの鑑賞会の日時と会場がきまりました。

こぎん刺しと菱刺しの比較体験ワークショップ
日時:2023.1.21(土)11:00〜13:00 

大川コレクションの鑑賞会
日時:2023.1.21(土)15:00〜17:00

会場はお申し込みいただいた方に詳しい住所をお知らせしますが、渋谷区代々木の撮影スタジオになります。
新宿駅または代々木駅から徒歩14分、小田急線参宮橋駅から徒歩10分、京王線初台駅から徒歩7分ほどのところです。

ワークショップをお申し込みいただいた方には、大川コレクションの一部をご覧いただきながら現代のこぎん刺しや菱刺しを体験できる機会となりますので、是非この機会にご参加ください!



実施スケジュール

2022年9月 こぎん綿布の生産開始・クラウドファンディングスタート

2022年11月 こぎん綿布完成予定

2022年12月〜クラウドファンディング終了・返礼品の発送・イベントの案内

2023年1月〜2月 ワークショップ・トークイベントの開催


最後に

最後までお読みいただきありがとうございました。こぎん刺しや菱刺しを初めて知ってくださった方がいたら、とても嬉しいです。koginbank.comを通じてこれらの刺し子の情報発信を続けて5年が過ぎました。人に会うほどに、これらを知るほどに、面白いことがどんどん出てきて、これからもまだまだ話題は尽きません。はじめた当初は、こんなにも長く続けることができる自信がありませんでしたが、ここまできてもまだまだ私たちが発信できることがあるのなら、これらの刺し子という伝統文化はこれからも生活に活きる存在なのだと思います。その活きる形を私たちはこれからも追求し続けて行く所存です。今回のプロジェクトに限らず、私どもの活動を見守っていただけると幸いです。


<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2022/12/01 20:00

    こんばんわ。お晩です。とうとう2022年も最後の師走の月に入りました。このクラウドファンディングもいろいろ大詰めを迎えております。先日、リターン商品のリモートワークショップの講師を引き受けていただく、作家さんのハリノヲトこと植木さんと実際にどんな内容で進めていこうかと相談しておりました。このワ...

  • 2022/11/29 12:16

    こんにちわ。このプロジェクトも残り6日となりました。当初は、こぎん布の生産のために自己資金と賄い切れない分をクラウドファンディングでと挑戦したこのプロジェクトですが、おかげさまで目標金額を超え、現在168%の達成となり自己資金を他の活動に回せる余裕ができてホッとしています。しかし、こぎん布生産...

  • 2022/11/24 14:58

    こんにちわ。この度のご支援のおかげで、漸く新しい布が届きました!まずは、青と生成りの2色です。これまで生成りは巾30cmで販売しておりましたが、来年以降はこちらの巾36cmになります。まだ刺し心地は確認できていないのですが、生成りが前回生産分と随分色が違ってしまったのが想定外でした。生成りは染...

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください