《目標達成の御礼とネクストゴール》

 2022年11月6日にスタートした本クラウドファンディングは、25日目をもちまして、目標金額200万円を達成することができました。これもひとえに、ご支援くださったみなさま、ご宣伝くださったみなさま、のおかげによるものです。あらためまして心より御礼を申し上げます。
 また、復刊にむけた温かいコメントをたくさん頂戴し、これだけ愛されてきた本を復刊できるのだと、そのよろこびを噛み締めております。発起人一同を代表して感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
 つきましては、誠に勝手ながら「ネクストゴール」を設定することといたしました。次は300万円に挑戦させていただきます。このネクストゴールを達成したあかつきには、単行本『野生の介護』の復刊も検討しております。
 みなさまから頂戴したご支援とエールに、盛大な恩返しができるよう、気持ちを引き締めてまいります。ひきつづきご支援をよろしくお願い申し上げます。

2022年11月30日記 中村信洋

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自己紹介
 中村信洋と申します。鹿児島県出水市で「コミュニティケア株式会社」という高齢者介護事業を運営する会社の代表をしております。22歳から高齢者介護にたずさわり、現在も現場に立ち続けています。

〈このプロジェクトの目的〉

 このプロジェクトでは、三好春樹さんの本『認知症介護』『関係障害論』『ウンコ・シッコの介護学』を復刊するため、みなさんに呼びかけをおこないます。
 三好春樹さんは、1950年、広島県生まれ。高齢者介護の世界では「生活リハビリ」という言葉を広めた立役者でもあります。1980年代後半から「生活リハビリ講座」という研修会や「オムツ外し学会」というイベントを主宰し、三大介護とよばれる「食事・排泄・入浴」を大事にしようと呼びかけてきました。
 また、テレビ番組やラジオ番組への出演によって一般の方々にも名前を知られ、なんとその講演会や研修会は年間200回を超えたこともありました。
 しかし、研修会のメインテキストとなっている本は、現在、リアル書店には流通しておらず、インターネットでも手に入りにくくなっています。それらの本を出版していた雲母書房(きららしょぼう)が2019年末につぶれてしまったからです。なんとかして書店にふたたび本を並べてもらう方法はないかと考えてきました。

〈今回の復刊のきっかけ〉

 2022年7月、鹿児島県内にある介護事業所の見学会がおこなわれ、わたしも参加しました。そこには、松本健史さん(松本リハビリ研究所・代表)、村瀨孝生さん(宅老所よりあい・代表)、ほかにも全国から大勢の参加者が集まっていました。
 その交流会の席で、何人かに復刊の話を提案してみたところ、いっきに盛り上がりました。そこで、この見学ツアーを企画した茂木敏博さんに、相談をもちかけてみました。茂木敏博さんは、あの出版社・雲母書房の創業者であり、現在も円窓社という出版社を運営しているため、協力していただけると思ったのです。
 ところが、いまは出版費用の捻出が難しいということで、快諾は得られませんでした。この数年、世界的な感染症の拡大によって企画していた対面での研修会がキャンセルとなり、収入が大幅に減ってしまったというのです。
 その話をうけて、クラウドファンディングで「三好春樹・生前葬」というイベントを成功させた経験をもっている松本健史さんから、「それならクラウドファンディングに挑戦してみない?」と提案がありました。
 そして、話し合いの結果、研修会「生活リハビリ講座」のメインテキストとなっている『認知症介護』『関係障害論』『ウンコ・シッコの介護学』の3点を円窓社から復刊させるために、このプロジェクトが立ち上がりました。

〈復刊費用の内訳〉

今回の復刊にかかる費用は次のとおりです(価格税込)

①印刷製本代……1,265,000円
 ・『認知症介護』(A5判/ソフトカバー)495,000円
 ・『関係障害論』(四六判/ソフトカバー)385,000円
 ・『ウンコ・シッコの介護学』(四六判/ソフトカバー)385,000円
②書店流通と宣伝にかかる費用……300,000円
③リターンの梱包と発送にかかる費用……61,000円
④クラウドファンディングの手数料……374,000円
 ・目標金額2,000,000円×17%+税
①〜④の合計……2,000,000円

※目標金額を上回った場合は「著者への印税」および「生活リハビリ」の普及活動に使わせていただきます。

〈スケジュール〉

2022年11月クラウドファンディング開始
2022年12月クラウドファンディング終了
2022年2~3月に書籍復刊
2022年3月末までにリターン発送

〈みなさまへのリターン〉

すべての方々に御礼のメッセージカードをお届けします。また、支援金額に応じて復刊本(円窓社より刊行)を提供いたします。高額支援をいただいた方々には三好春樹さんの研修会を収録した「DVD BOX」を提供いたします。さらに、限定3名の方々には「三好春樹さんの講演会を開催する権利(講師料をふくむ)」を提供いたします。

 「介護のプロ養成シリーズDVD BOX(全8巻)」/講師:三好春樹さん
 DVD8枚組・全19時間におよぶライブを収録したお得なセット!
 2008年6月4日発行/定価:32,780円(税込)

〈ご協力のお願い〉

 また、今回のクラウドファンディンの実行にあたって、著者である三好春樹さんにも全面的に賛同いただけることになりました。ふたたび自分の本が書店にならぶチャンスを喜んでくださり、「特別賛同人」というかたちで「応援団長」を引き受けてくださいました。ぜひ「賛同メッセージ」もごらんください。
 最後になりますが、三好春樹さんの「生活リハビリ」や「認知症介護」の考え方を、これからも介護の仕事にたずさわる方々に伝えていきたい、そんな思いでクラウドファンディングを実行する運びとなりました。これまでファンとして応援してきてくださっている皆様、ぜひご協力のほどよろしくお願い申し上げます。


【特別賛同人からメッセージ】

☆三好春樹さん(生活とリハビリ研究所・代表)
 かつて介護施設は病院に倣ってつくられていました。介護法は安静看護が基本だと教えられてきました。医師、正看護師、准看護師、介護士というヒエラルキーに組み込まれていたのです。
 それに対して、医療とは異なる価値観と方法論を創り出そうとしてきたのが、「生活リハビリ講座」であり、これら3冊のテキストです。そこには、患者から生活の主体へ、人体から人生へ、明日から今ここへ、という転換がありました。わたしのこれまでの講演活動や執筆活動で、老人介護の世界にすこしでも風穴をあけられたのではないか、と自負しています。
 今回のクラウドファンディングは、コロナ禍で研修会がひらけず、出版不況でテキストが手に入らない、という事態を打開しようとするものです。著者としても復刊は嬉しいかぎりです。声をあげてくれた発起人のみなさん、賛同のメッセージをいただいたみなさんには、感謝とエールを送りたいと思います。
 これから賛同してくださるみなさん、ぜひ応援をよろしくお願いします。
(介護界のシーラカンスより)

【賛同者からメッセージ】


☆村瀨孝生さん(宅老所よりあい・代表)
 僕が三好春樹さんの本に出合ったのは24歳のころ。とある本屋の書棚に目がとまりました。その本に描かれた老人のイラストに心を鷲掴みにされたのです。いわゆるジャケ買いです。読み始めると止まりません。ページをめくるたびに、僕の眼から曇りが晴れ、脳味噌がひと皮もふた皮も剥けた感じがしました。
 三好春樹さんの本を読んでしまった僕は実践せずにはいられなかったのです。ベッドの足を切り、お年寄りの足の高さに合わせる。座って食事をし、座って排泄をする。お風呂に座って入る。そして、「生理にある快」を大切にする。さらに「嫌なこと」はしない。すると、ひとり、ひとりの眼が力を取り戻していきました。本に書かれていたことは本当でした。
 僕たちの社会は三好さんの本を必要としています。もっと多くの人に読んでもらいたい。そして、みなさんと実践したい。介護の方法論が変わるだけではありません。ひとりのお年寄りと介護する私たちの人生をも変えうることを、共に実感したいのです。
 どうか、みなさんのお力をお貸しください。よろしくお願いいたします。


☆松本健史さん(松本リハビリ研究所・代表)
 介護現場は、この3年ほどのあいだで、大変な事態となりました。新型コロナウイルスの流行により、大きなマスクやフェイスシールドで顔を覆って介護を続ける、そんな「異常」を日常にしてしまいました。介護に必要な武器が奪われて、手足を縛られたコロナ禍の毎日。おしゃべりと笑いとスキンシップで深い認知症の方と対話したり、ウンコ・シッコに向き合うことで関係を育んだり……。そう、介護の武器とは「関係づくり」なのです。
 このコロナ禍を経て、医療という近代が作りだした管理システムから、介護はどこまで自由になれるでしょうか。このたび、復刊する3冊の著書のなかでも、特に『関係障害論』は、新人さんや介護関係者以外の人でも、その手法がわかるように丁寧な文章で書かれています。コロナ禍で不自由感を増した世界、それを打開するエネルギーは、これらの本のなかに詰まっています。今こそ三好春樹さんの名著を復刊させるときです。
 2022年7月、中村信洋さんから復刊への熱い思いを聞いたとき、是が非でも実現させたいと胸が高鳴りました。どうぞ応援をよろしくお願いいたします。


石井英寿さん(宅老所いしいさん家・代表)
介護界にICT化の波がやってきても、数値化したり評価したりできないもの、それこそが「関係性」「尿意・便意の感覚」「認知症者の内的世界」です。こんなことAI(人工知能)にできるわけがない。便利になればなるほど関係性は壊れていきます。クラファンでの挑戦を心から応援しています!


☆小林敏志さん(宅老所はいこんちょ・所長)
三好さんの『関係障害論』では「日本人ならでは」の関係障害が説明されています。私自身、その本に書いてあったデイサービスの原則を実践し、元気のないお年寄りがどんどん元気になっていくのを実感しました。ぜひ、医療福祉関係者に読んでほしい。いや、介護なんて知らない一般の方にも!


☆植賀寿夫さん(デイサービスそうら・管理者)
私が三好さんの本を初めて読んだのは13年前。初めて管理者になって私の介護観や考えを職員とどう共有すればよいか分からなかった頃です。人材不足、効率化、マニュアル化が進む今、「なぜ介護の道を選んだのか」という原点に立ち返ることができる本。私も復刊を応援しています!


☆柳本文貴さん(NPOグレースケア・代表)
いまや医療者や役人だけでなく介護職までが余裕をなくし、リスクだとか、効率とか、PDCAとか、コンプラとかを先に語り出す嫌な時代です。ヘンな専門職ではない自分を取り戻す!タダの利用者じゃない、人として愉しい暮らしが始まるのはそこから。三好さんの古典、必読です。

  • 2022/12/14 21:30

    12月13日にネクストゴールを達成しました。ご支援くださったみなさま、ご宣伝くださったみなさま、三好春樹さんの単行本の復刊を応援してくださったみなさま、ありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです。「生活リハビリ」「認知症ケア」「関係づくり」をこれから介護の仕事に携わろうとする方々に伝え...

  • 2022/12/01 07:01

    《目標達成の御礼とネクストゴール》 2022年11月6日にスタートした本クラウドファンディングは、25日目をもちまして、目標金額200万円を達成することができました。これもひとえに、ご支援くださったみなさま、ご宣伝くださったみなさま、のおかげによるものです。あらためまして心より御礼を申し上げま...

  • 2022/11/21 20:20

    あらたな応援メッセージをいただきました。ご紹介させてください。* * * * *お年寄りの生活を取り戻す生活リハビリは、現場で、四苦八苦している私たちの悩みを救い上げ、励ましてくれました。 三好さんの話も本も、わかりやすく面白かったぁー! 介護の豊かさ、面白さを、若者たちに届けてください。 ...

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