皆様初めまして。山梨県でトリミングサロンを運営しております株式会社Avecleの金本草汰と申します。

日頃より沢山のお客様に当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。



プロジェクトのきっかけ

私達は、自然に敬意を持って接していきたいという想いで、山や里山、森や雑木林の健全化へと繋がっていく事業“THREEAWE”(スリーアー)というブランドを立ち上げました。

10年ほど前に狩猟免許を取得した際に昨今の野生鳥獣による問題を知り、それをきっかけに自然から頂いた恵み(皮)を自然の中で使えるような革製品にしたいとの思いに至り、原皮の仕入れから製品の企画・デザインまで手掛けて販売を行おうと思っております。

なによりずっと触っていたくなるくらいに肌触りが良くて柔らかくて軽い、そんな鹿革(ディアスキン)の魅力を伝えたいとの想いがあります。



金本草汰のプロフィール

東京都生まれ山梨県甲斐市育ち。

1983年生まれの39歳。

趣味で登山、トレイルランニング、キャンプ、フリースタイルスキーを行っています。

20代前半は飲食店を経営したいと考えており、調理師免許を取得後に都内で3年間バーテンダーとして働いていました。

その後、趣味が高じて長野でスキーのインストラクターも行いつつパソコンスキルを磨きたいと考え、都内のIT関連企業でプログラマーとして官公庁向けのシステム開発に従事。

2011年に山梨へ戻り、経営を学びたく地元企業で総務、経理、広報、人事など勤務経験をさせていただきまして、2017年にトリミングサロンをオープン。2020年に法人化し株式会社Avecleとなり新たな分野となる当事業を広げようと思っております。


害獣による農作物の被害、環境破壊

国内の野生鳥獣による農作物の被害は未報告分を入れると年間200億円以上と言われています。

全体の7割が鹿、猪、猿によるもので、特に鹿による被害が多いです。


野生鳥獣による被害として

・田畑の荒らしによる農作物被害

・杉や檜の樹皮を食べられ木材としての商品価値を失う林業被害

・鹿の飛び出しによる車との接触事故

・生息地域の高所移動によって高山植物が食べられてしまうことによる植生の激減

など多岐にわたっています。



害獣と呼ばれてしまう鹿と現状

かつては畏敬の念から神聖な動物として扱われていた鹿は、個体数の増加とともにいつしか害獣と呼ばれ駆除の対象となってしまいました。


鹿が増えている理由としては…

・オオカミの絶滅

・無計画な乱獲と保護

・少子高齢化や木材輸入自由化による林業の衰退

・過疎化による里山の消失

・地球温暖化による雪の減少によって鹿の死亡率が低下

・繁殖力が強い

などなど、様々な要因が複雑に絡み合い捕獲される数をはるかに超えて増加していると考えられます。



国内での鹿の年間捕獲数は60万頭あまりで、山梨県では年間1万7千頭の管理捕獲が行われています。

捕獲される鹿の90%以上はそのまま野山に埋設処理され、山梨県では食肉加工などで持ち込まれる鹿は1,000頭程度、さらに皮の利用となると持ち込まれる頭数の1割もなく産業廃棄物となっています。


ブランドの内容と詳細

「自然、人々の感性、全ての生き物の天命を畏れ敬う」

そんな想いからブランド名を『THREEAWE(スリーアー)』としました。

自然や生き物に優しく、気持ちを豊かに暮らしていけるようにとの想いが込められています。

また、野生の鹿革を使用したアイテムを通して、自然や命を考えるきっかけを作りたいと考えています。



しかし、野生の鹿は体の大きさや健康状態、季節による皮の状態、雌雄の違いによって個体差が大きく、さらに傷や擦れもあり皮革の製品化は難しいと言われております。

捕獲された鹿から1枚に皮を剝いでくれるハンターさん、野生の鹿の皮をなめしてくれるタンナーさん、流通の少ない鹿革で製品を作ってくださる作家さん、そして野生の鹿から生まれた革のために生活キズやスレのある製品を手に取ってくださるお客様。

狩猟されてから商品としてお客様の手元に届くまでに関わる全ての人々や企業の方々の理解と協力が不可欠となります。


〈試作品の数々〉


なめしとは…

動物の皮は、柔軟性に富み非常に丈夫ですが、そのまま使用するとすぐに腐敗したり、乾燥すると板のように硬くなり柔軟性がなくなります。そこで樹液や薬品などを使ってこの欠点を取り除く方法が「鞣し(なめし)」となります。

なめしていない状態を「皮」と呼び、なめしたものを「革」と呼び区別しています。


なめし方法

今回の事業は、山梨県内で捕獲された鹿の原皮を集めて、兵庫県の野生生物の皮を専門で取り扱いをしてくれるなめし工場(タンナー)さんに依頼し革にしてもらっています。



最も一般的ななめし方法であるなめし剤に、クロム塩を使用する「クロムなめし」があります。クロムは短期間でなめすことができるので安価で風合いも統一されるのですが、環境汚染の原因となる廃棄物が発生する可能性があります。

その様なクロム塩や他重金属、化学物質などを使用しない環境負荷を極限まで軽減した製法でなめしていただいております。

赤ちゃんやペットにも安心して使っていただける無垢のホワイトレザーにしています。

人にも自然にも優しいエコレザーと言えます。



そもそも鹿革ってどんな革

“革”といえば牛革が一般的ですが、日本では古くは縄文時代から生活の中に鹿革があり親しまれてきました。


他の動物の革に比べて皮繊維がとても密に絡み合っているため

・耐水性、通気性、保温性に優れている

・水に強く濡れても変形しにくい

・蒸れにくく匂いも防ぐ性質がある

そんな特徴から、湿気の多い日本では最適な革とされています。


そして、鹿革は軽くて丈夫で柔らかいので、肌触りが良くしっとりとした感触があります。適度な伸縮性を持っているので、革そのものが老化しにくいという点もあります。

鹿革は戦で使う武具などから、生活用品まで幅広く使用され、山梨県の名産品である甲州印伝の素材としても使用されています。


〈甲州印伝の名刺入れ〉


THREEAWEを立ち上げた背景と社会問題

日本人は古来より木や水や石など色々なものに畏敬の念を持ちながら、自然を壊さないように里山や奥山まで丁寧に手を入れて生活を営んできました。



そもそも里山とは…

田畑と小川と雑木林と集落の4点セットとなる台地や丘陵地、雨水を吸収して水源を保ち林業にとっても重要なフィールドである山地など、人の手入れによって守られる昔ながらの美しい風景と、多種多様な生き物の共生が広がる環境を“里山”と呼んでいます。


各地域で代々育んできたその里山が近年、人間活動の縮小や生活スタイルの変化に伴い荒廃してきています。



里山の現状

1960年代以降、ガス・石油・化学肥料が普及し便利な世の中となってきましたが、燃料としての薪炭や草、カヤの利用の衰退や、人口流出による過疎化・高齢化によって、里山は利用されなくなり経済的価値が減少していきました。その結果、二次林や二次草原が放置され、耕作放棄地が拡大し、里山の生態系の質が劣化。特有の動植物が消失、または過剰に繁殖しつつあります。

また、森林資源の利用の縮小や、開発による自然の改変による地域固有の文化の喪失や景観の悪化、そして国土保全機能の低下によるがけ崩れや洪水被害などの災害の拡大も問題となっています。



豊かな生物多様性を支える里山

里山は、山と里の境界にあり、人々の生活圏と動物の生活圏を分ける緩衝地帯の役割があります。

古来より農地や池、草原や森林など人が手入れをして維持してきた環境があることで多くの種類の動植物が生存し、豊かな生物多様性を支える場所となっていました。

日本は昔から自然と調和・共生する意識が強く『自然の一部に人間がある』という思考があります。その象徴が里山文化であり、自然の上に立つのではなく、畏敬の念を持って共生する、そこに日本的な自然観を感じます。



当事業にかける想い

近年は、都市部への人口流出や少子高齢化に伴い、人が住まなくなった地域が増え豊かな生物多様性が失われてしまうのではないかとの危機感があります。

管理捕獲された野生生物のジビエ肉や皮を利用することにより地域に小さいながらも経済・雇用が生まれ、自然が循環再生を重ねてきた空間が帰ってくるのではと考えます。

自然との共生と循環再生をキーワードに、事業と社会が継続していければとの思いがあります。

深刻な野生鳥獣被害に向き合っていくために着目したのが鹿革の活用であり、駆除した個体の価値を高めていくことは問題解決に繋げるための大切な視点であると考えています。



今後の展開

私自身、ウインタースポーツや登山、キャンプなど趣味で行っております。

そんな自然の中で使用できる様々な鹿革製品を今後も企画し、生み出していこうと思っています。

現在開発中なのは、スキーやスノーボード用のグローブ。そして鹿肉の利用も考えており、犬もキャンプで飼い主さんと一緒に美味しいご飯が食べられるように『ワンちゃん用鹿肉ソースのピザ』などを企画中です。



THREEAWEでは…

山梨県産の柔らかな鹿革素材の魅力を最大限に生かし、野生で生きてきた証としての生活キズやスレ、なめし時に生じるムラ感などはデメリットと捉えず敢えて残して訴求し、デザインの一部として製品とすることで自然を感じ興味や関心が生まれればと願っています。



今回、リターン品となる商品





実際に製品を手に取ってもらった方からは

・触り心地がとっても滑らか

・人肌のような柔らかさ

・しっとり手に吸い付いてくるような感触

と、言われるほど鹿革の触り心地は抜群に気持ち良いのが特徴です。



そんな鹿革を使いひとつひとつ職人が手作業で作り上げた、人と自然に優しい革製品をお届けします。



また、鹿革は使用していくと徐々にクリーム色に変化していきます。

革製品を使う魅力であり喜びでもあるエイジング(経年変化)。使い方や環境でだんだんと別の表情になっていく鹿革もお楽しみください。


〈左が1年半使用した鹿革、右が未使用の鹿革〉


資金の使い道

集まった支援金は、今回のクラウドファンディングの諸経費や手数料、今回製作したアイテムの増産、次期アイテムの開発で大切に使わせていただきます。

・鹿の原皮の調達費用

・皮から革に加工するなめし費用

・製品の開発費用

・通信販売ページの構築

・リターンにかかる全諸経費(CAMPFIRE手数料等)


プロジェクトのスケジュール

・2022年2月 プロジェクトスタート

・2022年6月 公開準備(サンプル製作、写真撮影、クラウドファンディングページ作り)

・2023年3月 クラウドファンディング開始

・2023年4月 通信販売ページの制作開始

・2023年5月 クラウドファンディング終了

・2023年5月以降 先着購入順に順次発送

・2023年6月 通信販売・店頭販売開始

・2023年6月以降 次期アイテムの企画開発・製作、原皮の仕入れ



<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。



最後に

廃棄されていた野生の鹿の皮を活用した製品を開発することで、自然から誕生した資源で作った製品を自然で使う”命のサイクル”が可能になり、新しい産業や経済が生まれ地域活性化の一翼を担えるのではと思っています。

そしてこの事業を通して目指したいのは、鹿を害獣として扱うのではなく、肉や皮もしっかりと使い切ることで、里山や森から得た大切な資源を“かたち”を変えながら自然に返す、循環型社会の創出です。


〈アウトドアでワンちゃんもご飯を楽しめるようにワンちゃん用鹿肉ピザも開発中です〉


日本では牛肉を食べる文化が広がることで、牛革も比例して広まってきましたが、自然からの贈り物である貴重な資源を無駄にせず、しっかりと循環させる取り組みにチャレンジしていくことで、この事業の成長と併せて自然環境の健全化に繋がっていくと考えています。


「美しく魅力的な田舎づくり」に貢献することで、都会から田舎暮らしやセカンドライフを選択する人、リモートワークの風潮により田舎へ引っ越す人などが増え里山が活性化する。そんな希望があります。



この製品が、里山の生物多様性を考えるきっかけとなり、これからの里山再生の一端となればと思います。

そしてこの活動が山梨から全国へと広がっていければと願っています。


協力

【撮影・写真】 

・狩猟:山祇Gibier

・鞣し工程:Portierra

・製作風景:hiyori

・犬用ピザ:いぬとひと

・里山風景、商品写真など:金本草汰

【PR動画制作】 

山to音(動画内モデル 金本あかね

昭和町商工会

【リターン品】

・アウトドアサウナ:やまなしサウナ倶楽部

・珈琲焙煎:BASTIAN COFFEE ROASTERY

  • 2023/06/11 17:15

    クラウドファンディングが無事に終了して1ヵ月が経ちました。リターン品もあとお一人様、直接お渡ししたら全ての支援者様へお渡しとなります。ご支援いただきまして、重ね重ね感謝申し上げます。かねてより準備を進めておりました、オンラインストアがスタートしました。THREEAWEオンラインストアまだまだ販...

  • 2023/06/02 13:15

    昨日、6月1日(木)の20時半頃に、J-WAVEのラジオ番組『JAM THE PLANET』に電話で出演させていただきました。JAM THE PLANETは、グローバルな知識と経験を持つNews Expert達が登場し、世界の今と新しい視点を届ける“地球感度があがる”ニュース情報番組です。東京...

  • 2023/05/19 12:29

    最高気温が35℃近い日があったと思いきや、今日の様に20℃前後になったりと、寒暖の差が大きくて体調管理も難しい季節ですね。先日、リターンでありました〈立ち上げスポンサー様 SPECIAL THANKS BOARD 〉が仕上がりました。企業様から個人の方まで、改めましてご支援ありがとうございます...

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