皆様のご支援により、ネクストゴールの100万円を達成することができました。本当にありがとうございます。Cafco.dallaのクラウドファンディングの挑戦も残すところ10日をきりました。多くの方々がご支援してくださったこと、それはそれだけの思いを預けてくださったのだと、強く心に留めています。

「大切なものがちゃんとあふれている未来」、それが、Cafco.dallaのファイナルゴールです。そのために、今、私たちができることに取り組んでまいります。引き続き、ご支援いただけますと幸いです。


こんにちは。"生きた物語のあるもの"をコンセプトに、養蚕家さんと連携し、糸作りからのシルクアイテム制作を手掛けるアパレルブランド「Cafco.dalla(カフコ・ダラ)」の立ち上げを進めている蓮尾です。

このプロジェクトを立ち上げようと決めたのは、2021年1月。今も伝統的に養蚕を行っている愛知県稲武地区を訪問した際、お蚕さんは蛹(さなぎ)になるとき自分を守るために糸を吐き繭を作るということ、お蚕さんはその後羽化しても成虫として生きていく能力がなく一生を終えること、そして、着物一反に約3,000頭の命が込められていることを知りました。シルクは生きた糸、命そのものであり、尊く、儚いものであると知りました。

首を八の字に振りながら糸を吐くお蚕さんは、シンボルロゴのモチーフに

モヤモヤを抱え、「自分には何が出来るのか?」と自信をなくしていた当時の私は、お蚕さんから「頑張れ!」と背中をおされたように感じました。

私がお蚕さんの命にあとおしされたように、お蚕さんの力を借りて私も誰かを応援できるようなシルクアイテムを作ろうと心に決めました。「頑張れ!」の気持ちをたくさん込めて。

養蚕からのものづくりを通して、私たちはたくさんの「生きた物語」を知ることができました。

例えば、お蚕さんを育てる約30日間、養蚕家さんはお蚕さんが病気をしないよう、室温や湿度、風通し、桑のあげ方などに気を配りながら、心を通わせるように大切に育てます。その育て方や環境は、繭質・糸質を左右し、そのあとのものづくりに大きく関わってくることを知りました。

そして、命のバトンを受け取った後の、製糸・製織・縫製などのものづくりは、職人さんの技術や知見、情熱がたくさん込められていることも肌で感じました。

お蚕さんの命、養蚕の奥深さ、養蚕家さんの愛情、シルクの特性、職人さんの情熱、技術、産業の軌跡。私達が見てきたものづくり、そして、シルクには、そんな「生きた物語」で溢れています。今、みなさんが纏っているものには、どんな物語がありますか?お蚕さんが気持ちよく育つよう環境を保ちながら、お蚕さんを育てる養蚕家さん。(愛知県豊田市)


製糸技術がつまった繰糸機で繰糸(長野県岡谷市宮坂製糸所さん)


染色工程では、季節・気温・湿度・場所によって乾燥状態が変わるため、職人の経験が光る(京都市にしき染色さん)


深刻な環境汚染が叫ばれるアパレル産業。作る責任と合わせ、使う責任が問われる中、具体的な行動に至っている人はどれほどいるでしょうか。環境省によると、サステナブルファッションへの関心割合は60%、そして具体的な行動ができているのは4%と言われています。

(掲載元:環境省webサイト)

サステナブルファッションに関心を持つこと、生産プロセスを知ること、その中で起こっている環境汚染などの様々な課題に目を向けることは、私たちが購買行動の中でできるとても大切なことだと思います。

Cafco.dalllaは、命あるものの尊さ、養蚕からのものづくりなど「生きた物語のあるもの」を作り伝えることで、消費者のみなさんとともに社会課題と向き合っていけるブランドでありたいと思います。

何かを大切にするということは心だけでなく、環境にも優しい。大切なものがあふれる社会は、きっと今よりももっとあたたかく、明るく、幸せなはず。

私たちはそう信じています。


ブランド名にある"Cafco"は、万葉集の中で詠まれている"養ふ蚕"に由来しています。養蚕は人々の暮らしのすぐそばにあったとわかります。

養蚕業は日本の近代化を支えた産業でもありますが、昭和初期以降は衰退し、過去の産業となりつつあることを知りました。Cafco.dallaの拠点である愛知県豊田市でも、明治後期から昭和初期まで養蚕・製糸業が盛んで、「昔はおばあちゃんが屋根裏でお蚕さんを育てていたんだよ」「ここにはかつて大きな製糸工場があったんだよ」と教えていただきました。

しかし、洋装文化への変化や、安価な海外繭の流入による生糸の価格低迷で、養蚕業として経営が困難となってしまったことが要因のひとつとなり、養蚕業は衰退。養蚕で利益を出すことは容易ではないという厳しい現実を知りました。

豊田市で活動するとよた衣の里プロジェクトでの養蚕風景

また、養蚕業・製糸業・織物業・小売業など、各産業は分断され、そこには利益の偏りがあることも知りました。商品づくりに携わる機会のない養蚕業(川上)から、商品を販売する川下までが一体となってものづくりをすることが、衰退化した産業を呼び戻す方法の一つだと感じました。分断された各産業を連携させてものづくりから販売までを行う、そして利益を循環させていくことが、Cafco.dallaが見つけた解決策のひとつです。愛知県豊田市をその課題解決に取り組む拠点とし、三河の方なら聞いたことのある方言「〜だら」を、ブランド名の中に込めました。


2021年に愛知県豊田市で育てられた春繭・秋繭を、緯糸(黒)に使用した、シックなモノトーン生地のコレクション。スカーフのような柔らかさ、ネクタイのような厚みとはりのある生地を目指し何度も試し織りをし、プリントではなく一本一本の糸が柄をなす織柄にもこだわりました。製織は長繊維のまち八王子市にて。


まとった瞬間にやる気が満ちてくるようなシーンをイメージして、「結んだらほどけにくい」というとシルクの良さを生かしたリボンタイ、またシルクの保温性か感じられるストールを仕立てました。


また、外側には手触りの良いシルクを、内側には丈夫で質の良い牛革を使用した名刺入れは、ビジネスシーンで目を引くアイテムのひとつに。


「繭」「糸」「織り」と、お蚕さんの命が形を変えたイヤーアクセサリーも制作しました。イヤーアクセサリー繭-mayu-は繭の羽がふわふわとエアリーに演出してくれます。イヤーアクセサリー糸-ito-は、市販では目にすることがないほどのとても細い糸でタッセルを制作。その糸を使用して製織した生地のくるみボタンのイヤーアクセサリー織り-ori-は、シルバーのボールチェーンが外せる2wayタイプです。


養蚕からのはじめてのものづくり。右も左もわからない中、根気よく向き合ってくださった職人さんたちの技術・知見・思いによってものづくりを進めることができました。本当にありがとうございました。また、職人さんたちの粋な計らいによってたくさんの勇気をいただきました。携わってくださった方々に恩返しができるよう精進してまいります。

養蚕…とよた衣の里プロジェクト(愛知県豊田市)
繰糸…株式会社 宮坂製糸所(長野県岡谷市)
撚糸…森田商店(撚糸業)(東京都八王子市)
精練・染色…にしき染色 株式会社(京都市上京区)
製織…有限会社 大原織物(東京都八王子市)
整理加工…高山織物整理 株式会社(山梨県富士吉田市)
縫製…神奈川県横浜市
名刺入れ企画・制作コーディネート…太平織物 株式会社(京都市上京区)


2022年1月に開催された豊田市主催のビジネスコンテストにて当プロジェクトのビジネスプランを発表し、オーディエンス賞、そしてCAMPFIRE様より「Goodmorning賞」を受賞いたしました。その後も、豊田市で開催された、豊田のものづくりの原点をテーマにしたファッションショーに出演させていただいたり、地域の新聞記事に取り上げていただいたりするなど、地元の方々にたくさんのご協力をいただきながら本日を迎えています。

プロジェクト始動時から、ともに歩んでくれた仲間たちです。それぞれの専門的な目線で、養蚕・ものづくり・商品企画・デザインなどを考えてまいりました。
◆養蚕家 都築浩一さん(とよた衣の里プロジェクト主催)
◆シルクコーディネーター 大林優子さん(とよた衣の里プロジェクト主催)
◆スタイリスト 𠮷田優子さん(パーソナルスタイリング Lili closet主催)
◆アクセサリーデザイナー 川畑優希さん(アクセサリーショップ 0963主催)
◆シルクキュレーター 林久美子さん(岡谷蚕糸博物館元学芸員)


支援金の使いみち

試作・開発、商品制作費、人件費・養蚕サポート、広報費、商標登録費、手数料などブランドの事業運営費に充てさせていただきます。

実施スケジュール

12月8日 豊田市にてスタイリング試着・展示会(空飛ぶ羊「KURA」にて)
12月10日 豊田市にて展示会(t-FACE Yスタジオ)
12月中旬  クラウドファンディングスタート
12月17日 豊田市にて展示会(ゲストハウス kabo.
1月中旬   クラウドファンディング終了
1月下旬〜2月 リターン準備・発送

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


展示会や、支援時のメッセージで、「こんなシルクアイテムがほしい!」というお声をお聞かせいただくことも多くなり、大変うれしく思います。Cafco.dallaのコンセプトは、「生きたストーリーのあるもの」。それにより纏ってくださる方のエンパワーとなるアイテムであれば、お洋服、アパレル小物、美容やファブリックアイテム…どんなものでも企画可能です。ぜひ、皆様のご意見やご要望をお聞かせください。今後、公式LINEやInstagram等で、アンケートを実施します。ぜひ、ご登録ください。皆様にもブランドづくりに参画していただけましたら幸せです!



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