大分県国東市国見町は九州の国東半島に位置し、人口約3600人の小さな町だけれど面積は広い、鉄道も高速も通っていない「陸の孤島」と呼ばれる過疎地域です。

自然が色濃く残り、いたるところに寺社仏閣、石仏などがあり歴史が大変古く、「仏の里」と呼ばれています。各集落で守られてきたお祭り、風習もたくさんあります。自然災害も少なく、気候は瀬戸内気候のため温暖で採れる作物も豊富。「豊の国」とも呼ばれる所以です。そしてなにより人が暖かく、都会的なものは「何もない」と言われる地域ですが、「豊かな暮らし」のために必要なものはなんでも揃っている地域です。
子育てにもその環境のよさから、都会から移住される方も多くなっています。海も山も川も温泉もある国東市国見町

ですが町には公園がありません。国東市内にも遊具のある公園は一つあるのですが、国見町からは33km、車で43分かかります。最寄りの公園はお隣の市の公園ですが、それも31km車で38分。気軽に行ける距離ではありません。
過疎化・少子高齢化はとどまることを知らず、学校も閉鎖、統合が相次いでいるため、行政も公園の予算はとれません。
移住者も当初は「公園がなくても自然がいっぱいある」と思うのですが、やはり子供は「公園で遊びたい」とほしがります。
自然は日常であり、公園は非日常の特別な場所なのです。

地域のお祭りでも重要な役割を持つ子供たちは大切な存在。
ですが子供が減って、お祭りも存続の危機です。

そこで、「公園がほしい!ないなら自分たちで作ろう!」と地元の子供たちを中心とした「もやし会」という子供たちの組織が立ち上がりました。自分たちでできることはやろう!と張り切っています。

普段はお弁当を食べたり、ある時はお父さんとDIYしたり、皆で工作できたりする東屋、「もやし」がシンボルのジャングル滑り台、お年寄りと渡って交流する足つぼ歩行道や平均台など。
小さな子供からお年寄りまで、交流が生まれる公園を手作りしたい。皆で作ってどんどん楽しく成長する公園にしたい。

「もやし会」というネーミングは「大豆(大人)から栄養(知恵)をもらい、土(地域)に根差し、太陽の光(愛情)をあびながらすくすく成長していく。1本では料理にならなくても、たくさん集まってご馳走になる!」ことから自分たちで考えつけました。
地域では既に「もやし」ではなく立派な「木」として活躍してくれている頼りになる人材です。

中心メンバーは中学生ですが、「公園が自分たちもほしかったけどなかった。なら後輩たちのために作ろう、おじいちゃん、おばあちゃんたちも立ち寄って交流が生まれる公園にしよう!」と計画しました。

それぞれの個性が育つ「もやし会」のロゴマーク

地域の空き家全戸調査

もやし会の前身となる中心メンバーは2020年中学一年生の時にに地域の空き家全戸調査を行い、その結果をもとに様々な提案を地域、市長にプレゼンしました。空き家の調査計画。1年かけて一軒一軒回って調査。
区長さんや近隣の方に聞き込み調査も。普段気づかなかった色々なことに発見がありました。
調査結果と提案を区長さん方と市長さんにプレゼンしました。

その提案の一つが「公園作り」です。
地域振興のためにできたNPO法人岐部ふるさと興す会が土地を調達。とはいえ、NPO法人岐部ふるさと興す会自身も資金難のため、できるのはそこまで。
そこで大工さんなど地元有志の協力も得て、子供たち「もやし会」が手作りで公園を作る!と立ち上がりました

海岸清掃・イベント運営各集落の海岸清掃

「もやし会」はその他にも、海岸清掃やNPO法人岐部ふるさと興す会が催すイベントで駄菓子屋の出店やお化け屋敷を主催したり、畑に立てる案山子を作ってくれたり、地域の人で高齢者を支え合う高齢者支援組織から注文いただきイベントの横断幕デザイン、制作を行うなど、地域の大人からの仕事の依頼も受けています。駄菓子屋開店。レトロ看板も手作り。お金をかけずある物で工夫してお店作り。
お化け屋敷は入場制限するほどの大盛況に。
イベントを手作りで子供たちが盛り上げてくれました。

皆で案山子作り。お蔭で畑に鹿が入らなくなりました。
依頼を受けた横断幕作り。高齢者支え合いの会のイベントの目印に。

「もやし会」は企画などを行う「もやし会議」メンバーと、イベントなどの際に参加する「もやしの種」メンバーがいます。
現在総勢15名。それぞれ得意分野を生かして「もやし会」を運営しています。

「もやし会」の正式なスタートはイベントでの駄菓子屋の出店からでした。
「もやし会議」は1000円、「もやしの種」は500円をお小遣いから会加入費として出し合い、それを資金に駄菓子を仕入れ、原価計算、店舗デザイン、設営、看板の製作、チラシ作り、宣伝・・・最後の収支計算まで、全て子供たちだけで行いました。
お蔭様で商品は完売。その利益を資金として、次のイベントでは「お化け屋敷」を企画、主催。これも行列のできる大盛況となり、増えた利益は拠点作りのために貯めています。
「もやし会議」でイベントの企画や公園の計画など話し合います

国見町岐部という地区で地域の維持のため、草刈りなど請け負っていた地域の任意団体「岐部ふるさと興す会」は、地区にある市の施設「国見ふるさと展示館」の指定管理を受け、今年4月から運営を始めるにあたりNPO法人化しました。
過疎化が進む一方の地域をなんとかしたい、子供から高齢者まで安心して楽しく暮らし続けられる地域にしたい、そのためには包括的な活動を展開するための拠点がほしい、ということで「国見ふるさと展示館」の指定管理に名乗りを上げました。

包括的な活動の一つが「もやし会」のバックアップです。
学校では、個性を見つけ伸ばす教育とは違い、画一的な教育になってしまう傾向があるのが残念ですが現実です。
そこで、学校外で子供たちが集まれる場所を作り、様々な活動、経験を通してそれぞれの得意とすること、好きなことを見つけ、伸ばせるように支え、応援したい

公園を作る場所は用意しました

「国見ふるさと展示館」には歴史的資料や民具などの展示、ギャラリーなどがある展示館と、食事処「城山亭」があります。
それに隣接してあった広い空き地を、公園ができるように調達しました。

広い駐車場を挟んで「城山」という小さな山もあり、そこにはアーティスト川俣正さんの「説教壇」というアート作品があり、「城山」の管理もNPO法人岐部ふるさと興す会でしているため、城山も含めた広い活動場所があります。「もやし公園」予定地。
右奥が城山。手前に国見ふるさと展示館があります。
公園の向こうは国道。国道から見える位置に「もやし公園」ができます。

展示館は明治初期に建てられた庄屋屋敷で、国指定登録有形文化財になっています。
この中に、子供たちがいつでも集まって・自分たちが地域でできることはないか・地域からの仕事の依頼受付・イベントの企画などを話し合う「もやし会議」をしたり、教え合って宿題をしたりできる拠点となる部屋「もやしルーム」も作っていく予定です。

「もやし会」は未就学児から高校生まで誰でも入れますが、現在中学生が中心となっています。恐らくその多くがいずれ地域から一度は都会に出てしまうかもしれません。
それでも、自分たちがほしかった公園を残る子供たちに、自分たちが地域でできることを、と頑張っています。
その経験は都会に出たとしても、とても大きなバックグラウンドになることと思います。
是非子供たちの思いにご支援を宜しくお願いいたします。

公園は子供たちの遊び場としてだけではなく、お母さん方が集まれる場にもなります。
また、「陸の孤島」過疎地のため車社会なので、健康のためにウォーキングされている高齢者が立ち寄り、軽く体を動かしながら子供たちと交流したり、休憩する憩いの場にもなります。
そんな場所が今町にはありません。自然が多いとはいえ、人が集まる場所はやはり作らないとできないのです。
子供も高齢者も楽しく暮らせる地域にしたい。それが「もやし会」をバックアップする私たちの願いです。

公園では日常の交流から始まり、地域の高齢者を講師とした昔の遊びや遊びの道具作りなどのワークショップやイベントなどを開催する予定です。昔はおやつに採って食べていたという地域の食べられる実のなる木も増やしていきたい。高齢者が持っている、このままではなくなってしまう地域の知恵を残し、つなげる場に
そしてそんなワークショップやイベントも子供たち「もやし会」自ら企画、運営することを通じて、それぞれが得意な分野で力を発揮できる場に。
学校では教えてくれない「生きる力を育てる」舞台に。そんな公園になったらいいな、と思っています。

既に「もやし会」では学校に行けない子、行きたくない子が生き生きと活躍してくれています。
子供たちの一通りではない、自分らしい人生を生きる力を活かす場にしたい。
「もやし」が大樹に育つ場に海で手づかみでイカをとってきた!

「もやし会」の子供たちが、「もやし公園」や「もやしルーム」を作るための費用を是非ご支援ください。

<資金用途>

東屋(普段はお弁当など食べられる日よけとして。また大工道具を置いておき、自由に工作や小屋作りなどするための作業場ともなります。)
ジャングル滑り台(「もやし」をシンボルとしてあしらいます。)
砂場、ブランコ、丸太飛び石、丸太平均台、足つぼ歩行道
小屋(子供たちの遊び場として。イベント時には受付、売店などに使用。)
フェンス、地場産物無人販売所、シンボルツリー : 計340万
もやし会拠点「もやしルーム」製作費、HP製作費: 計40万
リターン費用:25万
CAMPFIRE手数料:45万

<スケジュール>

3月より基礎工事 → 遊具製作 → 5月連休前に完成
大工さん指導の元、もやし会の他、ボランティアを募り随時製作します。
5月連休中にお披露目イベント開催
(8月 残った空き地にヒマワリ迷路製作予定)

ご支援いただいた皆様には様々なリターンをご用意しました。
できる範囲のことしかご用意できませんが、可能なら是非ご一緒に公園を作ったり、小屋を作ったり、外でご飯を炊いたり、焚火で焼き芋したり、稲穂で縄ないしたり・・・ここならではの体験をご一緒できたらと考えております。

NPO法人岐部ふるさと興す会は法人化して間もないため、本プロジェクトのご支援は残念ながら寄付金控除対象となりません。申し訳ございませんが、ご承知おきください。
ご支援いただく企業様が福利厚生としてリターンをご利用いただくなど、領収書がご入用の場合は送らせていただきますので、お問い合わせください。

本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人岐部ふるさと興す会 理事 武井
TEL:0978-83-0321 (9:00~17:00 水曜を除く) 
E-mail:mail@norbulingka.info

海では漂流物を拾って筏作りが定番の遊び。流しそうめんは竹を切り出すところから。そうめんを茹でる竈も子供たちの手作り。

公園作りは大工さんの協力も得ながら、子供たちとボランティアスタッフを募集してみんなで作っていきます。

また、公園作りは今回で完成、終わりではなく、継続していく予定です。
ご支援いただける皆様も是非ご一緒に公園作りや田舎暮らしを体験しにいらしてください。
お越しをお待ちしております!!

NPO法人岐部ふるさと興す会は非営利法人ですが、このクラウドファンディングを支援することで、支援者が税制優遇を受けることはありません。

<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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