赤く燃える店を前に

8月10日、日中は35℃を超える猛暑日でした。
その日の夜、商店街のアーケードの大部分が炎に包まれました。
福岡県北九州市小倉にある北九州市民の台所「旦過市場」の大火災です。
その中に私の店舗もありました。


はじめに・ご挨拶

(株)吉勝の代表取締役、中村真也です。

福岡県北九州市の中心「北九州の台所」と言われる旦過市場にて、明治38年(1905年)から「鮮魚・活魚の吉勝」として、創業して117年となります。

代表の私が4代目としてお店を切り盛りしてきましたが・・・

(株)吉勝 代表 中村真也

コロナ禍でも一緒に頑張ってきたスタッフと

2020年から続くコロナ禍の影響を大きく受けながら、100年以上前からの伝統と信頼を途絶えさせないよう懸命にがんばっておりました。
しかし今年4月、1度目の旦過市場大規模火災で当店はギリギリ免れたものの、続いて起きた8月の火災では店・事務所ともに全焼してしまいました。

火事で店の中のものは黒焦げに


火災の後に残っていた職人の命

4月に起きた1度目の火災では、かろうじて当店には延焼は免れました。しかし今回の火災では規制線を張られた前線で、燃えていく店舗を見るしかありませんでした。

全焼です。

数日後、現場検証が行われた後、店舗のあった場所に入って必死に探しました。職人の命である「包丁」を。

8月の炎天下、従業員と共に焼け焦げた香りの立ち込める瓦礫の中を探しました。3時間が経過した頃、瓦礫の中から全体が焼け焦げ、真っ黒になった包丁は見つかりました。

これまで我慢していた涙が溢れでてくる瞬間でした。

悲しさではなく、一筋の希望が見えたからです。

職人にとっての命がまだ燃え尽きていなかったのです!

研いだら使える職人の命の包丁

明治38年(1905年)以来の百年ぬか床

江戸時代に北九州を治めていた小笠原藩の伝承の味、北九州名物「ぬかだき」。

当店は創業時明治38年(1905年)以来、百年ぬか床でサバなどを漬け込んで多くの食卓へお届けしていました。今回の火事で百年床も失ってしまったかと途方に暮れていました。

しかし、前回4月の火事で無くなったらいけないと思い、スタッフが分けて保管していました。

保管していた「百年ぬか床」で、伝統の味が続けられることが再起をさらに後押ししてくれる原動力となりました。

スタッフが守ってくれたぬか床


旦過市場にて創業明治38年から継いだ吉勝の歴史

株式会社吉勝は創業明治38年(1905年)より旦過市場にて、北九州市・下関市の関門地区を拠点に幅広く鮮魚卸、鮮魚加工販売として営業展開してきました。主に高級レストランやホテル、高級料亭などからの信頼は厚く、鮮魚、魚介類はもちろん珍しい食材、部位なども多数取り揃えて卸しております。小笠原藩伝承の味として北九州の名物「ぬかだき」も販売しており、吉勝伝承の百年床で作った「ぬかだき」は創業以来、多くのお客様の信頼を得ていました。また新鮮な活魚を使った惣菜なども、支持いただいておりました。
明治38年(1905年)から4代に渡り続いてきた吉勝の歴史


小笠原藩伝承の「ぬかだき」から再起へ

北九州名物である「ぬかだき 」は、創業以来100年以上も吉勝の名物です。

多くのお客様に長年支持されてきた吉勝の「ぬかだき」を絶えることなく、今後も続けていきたいという思いから、再起の象徴として全国の皆様にお届けしたいと思います。

北九州名物「ぬかだき」ご飯のお供に

現在の状況

現在、魚をさばくための作業場所を一時的に別の場所に借りています。そこではスペースが限られており、ぬかだきやその他の惣菜を作ることが出来ません。

今回クラウドファンディングで皆様よりご支援をいただき、場所の確保を実現し、支援をいただいた方へ振る舞いたいと思っております。また、現在も北九州市・下関市の関門地区の味にこだわりのあるレストランやホテル、料亭などに鮮魚を提供していることから、関門地区の鮮魚を使った商品も返礼品としてご提供したいと考えております。

狭い中でも仕事は行っています


リターンについて

創業以来の吉勝の象徴を守るという意味で、吉勝のぬかだきをベースにリターンをご用意しました。現在も北九州市・下関市の関門地区の味にこだわりのあるレストランやホテル、料亭などに鮮魚を提供していることから、関門地区の鮮魚を使った商品も、支援をしていただいた方々が喜んでいただけるように、感謝の気持ちを込めて準備いたしました。金額によって感謝の気持ちが変わるわけではございませんので、お気持ちの範囲でご支援いただけると嬉しいです!


プロジェクトで実現したいこと

現在の仮の作業場から充分な広さを持った「ぬかだき」の製造を行う作業場の確保し、そして小倉また北九州市や福岡はもちろん、全国へぬかだきや鮮魚を届ける体制の構築することに活かしていきたいと考えています。

旦過市場再開発事業の兼ね合いもあり、何年後になるか分かりませんが、これまで店舗のあった旦過市場での営業再開への資金の一部にも当てたいと考えています。



資金の使い道・スケジュール

資金の使い道
・作業場確保/施工工事費用の一部
・旦過市場での店舗オープンに向けて費用の一部
・CAMPFIRE手数料

実施スケジュール
・2023年1月 作業場確保/施工開始
・2023年3月 本格始動
・数年後 旦過市場再開発事業を経て、旦過市場にて「吉勝」オープン


応援メッセージ
観山荘別館 久野木料理長

日頃お世話になっている吉勝さんが火災に見舞われたと知って大変驚きました。皆様復活に向けて頑張っておられていますね。地域に根付いた、無くてはならない鮮魚店です。話しに聞くと火事の中でも「ぬか床」が助かったということで良かったですね。早くぬか炊きも再開して、美味しいぬか炊きを提供してください。本当に吉勝の再建を楽しみにしています。体調に気を付けてチーム吉勝で頑張ってください!

観山荘別館|日本庭園のある北九州市小倉の老舗料亭<関門蛸・ふぐ他>

アートホテル小倉 鶴料理長

度重なる火災のニュースを聞いて大変驚きました。旦過の鮮魚店と言えば、「吉勝」。なくてはならない存在です。コロナの大変な時期での大災で本当にご不安なことと思います。クラウドファンディングを行っていることを知り、早速参加させていただきました。少しでも何かのお役に立てば幸いです。吉勝の復活を心から楽しみにしています。

【公式】アートホテル小倉 ニュータガワ - 和洋・古今が融合する北九州の迎賓館



更地になった店の場所からいつか再び

吉勝の4代目として店のため、吉勝で働くみんなのため、

注文いただけるお客さんのために走ってきた自分でしたが、

今回の火災を目の当たりにして、

どうする事もできない無力感と喪失感でいっぱいでした。

 

たくさん泣きました。でも、失ったのは自分の店だけじゃないと。

自分も含め、二度の火災で失った人達は他にもたくさんいる。

みんな傷ついて、まだ心のどこかで引っかかりながらも

日々の日常を送っているのではと思っています。

 

しかし、すぐにいつまでも凹んでいられないと心に誓い、

翌日より仮の作業できる場所、そしてお店からの注文を受けれるように

動いたのでした。

 

全焼と聞いて、翌日より様々な方からの励ましやお見舞いを受け、

地域の方々に本当に支えられていたんだなと実感した次第です。

 

伝統を守り続けた御先祖様、多くのお客様そして地域の皆様に、

もう一度あの旦過市場でぬかだきや鮮魚を提供したいという想いが沸き立ち、

自分を店の再起に向かって突き動かしてくれています。

 

商品を旦過市場で提供できる日がくるように、

自分は死に物狂いで一生懸命がんばります。

 

自分たちだけではどうしようもならないところを
どうか皆様のお力を貸していただけないでしょうか。
どうか「鮮魚・活魚の吉勝」に応援をよろしくお願いします。


更地になってしまった店舗後から

吉勝の現在の拠点住所は、
〒803-0801 福岡県北九州市小倉北区西港町94-9
電話番号:093-571-0611
FAX:093-561-0140
です。

あの頃の吉勝を再び復活させたい!
全く元通りには行かないと思いますが、皆さんが親しんでくれた「吉勝」の復活に一生懸命頑張ります

<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2023/03/09 04:54

    吉勝のクラウドファンディングにご支援いただいた皆様へ。ご挨拶が遅れてすみません。この度は、吉勝のクラウドファンディングに多大なるご支援をいただき、誠にありがとうございました。目標金額には届きませんでしたが、皆様のご支援に心より感謝申し上げます。いただいた支援の一部を活用し、現在は間借りしている...

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