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目次
1.きっかけは保育園に落ちたこと
2.チャンスがあるならやるしかない!
3.自分の子育て経験を通じて気づいたこと
4.子育て家庭がつながれる「にじいろおうちえん」の特徴
5.「にじいろおうちえん」の場所と保育理念について
6.運営者とご支援の使いみちについて
7.最後に
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■ 1.きっかけは保育園に落ちたこと
はじめまして、千葉県市川市でNPOの代表をしている不破牧子(ふわまきこ)です。4歳の娘と1歳の息子の母親です。
私はちょうど1年前の2017年2月に、息子が保育園に落ちてしまったことをきっかけに、自分で保育園をつくることにしました。
千葉県の市川市は東京駅から20分ほどのまち。
ニュースなどでご存知の方も多いかもしれませんが、待機児童数が全国でワースト4、千葉県内ではワースト1で1000人ほどの待機児童がいると言われています。
そんなまちで私は8年ほど前から発達障害や不登校、ひとり親家庭の子ども達を対象とした学習支援事業を行ってきました。
職場も近く実親と同居しての2人目の出産だったので、子育てもなんとかなると思っていました。
でもそれがちょうど1年前、市役所からの「保育園に入れない」という通知を見た瞬間、絶望的な気持ちになりました。
両親は同居といっても2人とも働いているし、夫は朝から晩まで仕事で不在。子どもを家で育てながら、これまでと同じように仕事を続けられるのだろうか……。
どうしよう、どうしたらいいんだろう……。
1人目の子育ては自分の親と同居という恵まれた環境にいながらも両親とも働いていたし、夫も朝から夜遅くまで、そして週末まで仕事。
産後すぐから保育園に入れるまで、孤独を感じる日々を送っていました。
それから3年、やっと子育てにも慣れて2人目の出産。
不安は1人目の時よりは減ったけれど、今までのようには働けないかもしれない。やりたいこと、やらなきゃいけないこともたくさんあるーーー自分だけが取り残されているような気がして仕方ありませんでした。
子どもが生まれて幸せなはずなのに、どうしてこんなに絶望的な気分にならなくてはいけないんだろう……。
そんな気持ちで過ごす日々を送っていました。
■ 2.チャンスがあるならやるしかない!
保育園に落ちて絶望していた数日後に「企業主導型保育」という事業を知りました。
これは企業が設置主体となって、自社や提携した企業の子ども、さらに地域の子どもを預かることができ、かつ、認可保育園並の助成があるという制度です。
調べていくうちに、「これはやるしかない!」と思いました。
保育園の運営は未知の領域でしたが、この8年間未経験ながら色んな人に助けてもらい、児童福祉施設を5つほど立ち上げた経験がありました。
保育園も同様に「信頼して相談できる保育園の運営者に出会えれば、きっとうまくいく」そんな実感があり、不安もありながら立ち上げることを決めました。
▼2017年8月には誰でも立ち寄れる、そして必要であれば泊まれるコミュニティスペース開設のために250人、約250万円のご支援をいただきました。
■ 3.自分の子育て経験を通じて気づいたこと
私の子どもは今、4歳と1歳になりました。
保育園を立ち上げようと決める前、上の子を預けていた園に迎えに行くと
「お帰りなさ〜い、お疲れ様」
「夜もよく眠れないと仕事も大変だよね」
「ママも無理しないでね」
こんな風に言ってくれる保育園のあたたかさに触れ、それまで感じていた孤独感や 「自分だけが頑張っている」という気持ちが少しずつ薄れていくことに気づきました。
私が代表をつとめるNPO法人では、低学力や発達障害・家庭の事情で満足に勉強ができないなど「生きづらさを感じている子どもたち」を対象とした学習教室やコミュニティスペースを運営しています。2018年現在、5教室になりました。
この8年間で100名以上の保護者から話を聞く中で「誰に相談すればいいのかわからない」「身近に話を聞いてくれる人がいない」―――そういった声をたくさん聞いてきました。
子どもたちが生きづらさを感じているということは、保護者の方もまた困っていることが多いです。
これまでの事業を通して、保育園や幼稚園など子育ての初期の段階から安心して相談できる人が見つかると、その後の子育てで不安なことや困ったことがあっても、不安感が軽減されやすいことがわかっています。
保育園は子育て家庭が最初に出会う社会です。そして小学校にあがるまでに6年近く関わる場所。
だから自分が創る保育園は子どもや保護者がずっと繋がれる園にして、地域のプラットフォームになるような場所にしたいと思っています。
▼定期的に開催している職員やその家族も集まるごはん会のようすです。保育園でも時には1人でゆっくり、時にはこんな風に通っている家庭同士が楽しく過ごせる場所にします。
■ 4.子育て家庭がつながれる「にじいろおうちえん」の特徴
2人の子どもを保育園に預けながら気づいたことは、同じ地域で同じ年代の子どもを持っている家族でもキッカケがないと簡単にはつながれない、ということです。
朝晩の送迎の時間は毎日慌ただしく、保育園主催の懇談会も日程や時間が合わずなかなか参加できない。
にじいろおうちえんでは、これまでの経験をもとに保育園で出会った家族がつながれるよう、そして必要な人に保育が提供できるように3つのことを大事にした園をつくります。
①保育や家族支援を必要としている人が優先的に利用できるようにします。
にじいろおうちえんは、「企業主導型保育事業」という内閣府の事業を利用しつくります。認可保育園と異なり、保護者は直接保育園と契約します。
そのため認可保育園には入りづらく孤立しやすい、パートやフリーランス、就活中の方のご家庭も優先的に利用することができます。
②コミュニティスペースでちょっとした会話をしやすくします。
園には小上がりのコミュニティスペースが併設されています。
お迎えに来て、ちょっと時間がある時はそこでお茶をしたり、金曜の夜にはお酒やご飯を持ち寄ってプチ宴会をしたり。
保育園に通う人だけでなく、卒園した保護者や子ども、保育園に共感してくれた地域の人などが自由に過ごせる空間を用意しています。
③保護者と保育園は子育てのパートナーです。
ご家庭と保育園の関係は「子育てを共に行うパートナー」だと考えています。
だから子どもを預けるご家庭も保育園の運営について意見を出してほしい、ご協力も頂きたい。共に良い子育て環境を作っていく仲間でありたいと思っています。
■ 5.「にじいろおうちえん」の場所と保育理念について
場所は千葉県市川市、JR市川駅徒歩3分の立地です。
子どもを主体に家庭的な環境で保育を行います。一人ひとりの発達に合わせ、睡眠・食事などの生活リズムを大切に、同じ保育者がお子さんのお世話をする「育児担当制」を設けています。
【園概要・保育理念】
名称:にじいろおうちえん
定員:28名(0歳児:6名、1・2歳児:22名)
所在地:〒272-0034 千葉県市川市市川1-12-23 メゾンドロアール2階
■ 6.運営者とご支援の使いみちについて
2017年10月より内装工事が始まり、2018年4月に正式にオープンします。運営は私が代表をつとめる特定非営利活動法人ダイバーシティ工房、そして私自身が園長をつとめます。
保育に直接関係する設備工事には補助金が使えるため、それを利用します。今回のクラウドファンディングでは、補助金で対応できないコミュニティスペースの工事費と備品代に活用させて頂きます。
【運営法人概要】
名称:特定非営利活動法人ダイバーシティ工房
設立:1976年(2012年法人化)
職員数:74名
予算規模:94,262,156円(2016年度)
事業内容:放課後等デイサービス事業・学習支援・コミュニティスペース運営・企業主導型保育事業
職員は看護師を含め常勤が6名、非常勤が14名です。何よりうれしいのは、スタッフの中に運営してきた学習教室に子どもを預ける保護者が複数名いることです。
子育て家庭が地域にふれる最初の場所として、社会に大切にされ育っていると感じられる場所になるよう研修やミーティングを重ねています。
■ 7.最後に
地域密着で子どもに関わる事業を行ってきて、家族以外とのつながりの少なさが、生きづらさや、地域からの孤立を生む原因になっていることを実感しています。
だからこそ、子育てが始まるのと同時に、子どもも保護者も、安心できるコミュニティとつながりながら、暮らしていける環境が必要だと感じています。
そして私は、同じ思いをもつ人たちと、全国にこんな保育園や場所を増やしたいと思っています。
例えば、保育園を運営している行政や法人を対象に下記の様なことを提供していけたらと思っています。
・保護者との関係性を築くためのワークショップや環境作りのサポート
・地域のつながりをつくるためのコミュニティスペースの運営の勉強会
・参加者を巻き込んだDIYイベントの企画・運営サポート
これまで学習支援や子ども食堂、コミュニティスペースなど……形を変えながら「気軽に行けて安心して相談できる、その人が自分らしく暮らしていける場所」を作ってきました。
保育園もその新しい形の一つです。 あなたのまちにもこんな場所を一緒に創りませんか? 応援してもらえると嬉しいです。
▶500円からご支援が可能です!詳しくは活動報告をご覧ください。
https://camp-fire.jp/updates/view/48774
※NPO法人ダイバーシティ工房は「NPO法人」として認定されていますが、このクラウドファンディングを支援することで、支援者が税制優遇を受けることはありません。
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