はじめまして。
はじめまして。Classic Labの諸岡江美子です。
数あるプロジェクトの中から、当ページを見ていただきありがとうございます。
私は現在、世界有数の豪雪地と称される、新潟県津南町の地域おこし協力隊として活動しています。
今年3月に3年間の任期を終え、4月からはClassic Labとして、雪国の暮らしの研究所を主宰する予定です。
Classic Labとは
雪国の暮らしから、私たちの暮らしに生かせるエッセンスを見出し生かす、学びの場です。
Classic 伝統的で流行り廃りのないもの、古き良きもの、もとから「あるもの」
Classic Lab 「くらし」を自分「らしく」研究する
「古き良き雪国のエッセンスを、現代の暮らしに自分らしく編みこんでいく」
「技術を教えること、完璧にできることが目的ではなく、一人ひとりのclassic(あるもの)を見出すお手伝いをする」
という意味を込めて名付けました。
【Classic Labが提供するもの】
・研究室 「あるもの、いかす」をテーマにワークショップの開催
暮らしまわりの繕い研究室
お茶うけおかず研究室
その他、手仕事研究室、古民家DIY研究室など予定。
・編集室 「あるもの、みいだす」をコンセプトにエッセイ執筆
ブログ運営 Classic Lab~雪国の暮らしを紡ぐ、研究の日々
企業の委託事業(編集、執筆など)*雪の日舎 https://snowdays.jp/
・ゲストハウス 準備中!
研究員のための、会員制ゲストハウス
なぜClassic Labなのか?
私が3年間、津南町の地域おこし協力隊として過ごしてきた中で、気づいたことがあります。
それは「雪国の暮らしのエッセンスは変化に戸惑う私たちが、自分の軸を持って生きていくヒントになる。そうすれば、社会全体も変化に対応しやすく変わっていくのではないか。」ということ。
「雪国」というと、マイナスイメージばかりが取り沙汰されてしまいますが、私は「雪国」は他の地域や都市部で生きる人にとっても価値のある学びの要素があると思っています。
雪国は毎日が変化の連続です。そのような自然環境のなかで暮らす人々は、変化のなかでも「あるものを生かし」ながら、しなやかに生きてきました。
では、現代の私たちの暮らしはどうでしょう?
就職、結婚、出産、移住……同じように変化の連続です。ですが、私たちはこのライフステージの変化に対応する力が極端に弱くなってしまったように思います。
私自身、移住と結婚のあいだで葛藤した時期がありました。
パートナーが暮らしているのは、車で1時間半の他の地域。
好きな人といたいから、好きな地域を離れる。好きな地域を離れたくないから、好きな人と離れる。どちらかを取って、どちらかを諦めるという選択はしたくない。
けれど、どちらも取るという欲張りなことができるのだろうか。
そんなとき、地域のおじいちゃんおばあちゃんとの会話にハッとしたのです。
「おらたちが若い頃は冬は仕事がないから出稼ぎに行っていた。あの頃は、一年中行ったり来たり、嫁さんが家を支えていたし、血縁を超えた地域で助け合って子どもも育っていったよ」
結局私たちは車で1時間半の距離を行ったり来たりする結婚生活を選択しました。
「新しい家族の形だね」と言われるけれど、実はこの雪国には昔から存在していたあり方だったのです。
雪国では冬になると農業をはじめできなくなることがたくさんあります。
ですが、藁仕事などの伝統的でいまの時代にも生かせる技術や知恵は、ほとんどが「できることが限られる」環境の中で育まれてきたことばかりです。
できないことを嘆くのではなく、できることを見出すまなざしを育むこと。
そうすれば、どんな変化にあっても、自分の軸を持ち、あるものを生かすことができる。
その先に、自分らしく楽しめる暮らしを紡いでいく。
そのような生き方を、雪国の人々は私に教えてくれました。
この目に見えない価値を、私のようにライフステージの変化に戸惑う人と共有したい。
雪国が与えてくれるものは単なる美味しいお米や野菜、伝統工芸だけではない。
その背景にある、本質を伝えたい。
それこそがこの雪国の価値を再編集することにつながり、雪国との新しいかかわり方を持った人にとっても、自分の暮らしにそのエッセンスを生かしていく学びとなる。
そう思い、Classic Labを始めるに至りました。
クラウドファンディングで実現したいこと
研究所となる私の自宅は、築140年の古民家。
茅葺の屋根、自然の形を生かした梁や柱がそのまま残っています。
明治のはじめに作られたこの家は、毎年3~4メートルの雪が積もっても、大きな地震にあっても、大きな破損もなくこの地にしっかりと立ってきました。
雪国では、厳しい環境であるがゆえ、それに耐えうる強さや知恵、技術が育まれてきたのです。
しかし、このような雪国の価値を体現するような古民家は、現在では希少になってしまいました。
雪国であるがゆえに、管理ができなくなると、家ごと潰してしまうからです。
また他の地域に移築されている例も多いと聞きました。
私は縁あってこの家と出会い、この家が体現している雪国の価値を、少しずつ手を加えながら住み着いでいきたいと思っています。
さらに研究所に来た研究員のために、滞在できる場所の提供も必要です。
そこでクラウドファンディングでは、この古民家の改修費を集めたいと思っています。
また、Classic Labは幅広い参加者を募集するというよりは、雪国の目に見えない価値をわかってくれる方とコアな研究をしていきたいと思っています。そこで研究員制度として年会費(古民家維持費、研究コーディネート費)を設定し、研究員とその家族・友人のみ泊まれるゲストハウスとしての展開を考えております。
今回私の思いに共感し、支援してくださる方は1年間研究員としてClassic Labに参画できます。
Classic Labと一緒に、「どんな変化にあっても、自分の軸を持ち、あるものを生かしていきたい」
そんな仲間も集めたいと思っています。
これまでの活動
わたしが地域おこし協力隊として津南町に来た一番の理由は、「地域に暮らす人たちの暮らしを知りたい」ということでした。ですから、なによりも地域のみなさんと同じように暮らすことに重きを置いて過ごしてきました。
そのなかで、地域のおじいちゃんおばあちゃんから学んだことは数えきれないほどたくさんあります。
雪解け、春に採った山菜は冬まで保存しておく。
雪国の冬仕事の代表、わら細工。
天然の雪室。大根つぐら。
野沢菜漬けは、浅漬け、本漬け、煮菜、佃煮など冬~春の食卓を彩る保存食。
同時に、津南町に来てからずっと、「津南ならでは」の魅力ってなんなのだろう?と思っていました。
全国の地方移住者と話していると、多くの人が移住の動機を「人がいい、温かいから」と言います。でも、考えてみてください。日本全国、温かい人はどこの田舎にもいます。田舎でなくても都会にだって。
津南ならでは、この周辺地域特有の魅力はないのだろうか。
そんなことを3年間悶々と考えて来ました。
そのなかで導き出したことは
「できないことを嘆くのではなく、できることを見出すまなざしを育むこと。
そうすれば、どんな変化にあっても、自分の軸を持ち、あるものを生かすことができる。
その先に、自分らしく楽しめる暮らしを紡いでいく。」
ということ。
これらを今度は「私」というフィルターを通して、単なる体験に留まらない、参加者個々の学びにつなげていきたいと思っています。
また、雪国にある価値や生き方を再編集し伝えるため、雪の日舎の一員としても、ウェブメディアの編集と執筆をしています。
雪の日舎 https://snowdays.jp/
資金の使い道
古民家の改修はできるだけ自分たちで行いたいと思っています。ただ、水まわりや電気工事など専門の業者さんに依頼しなければできないこともあります。
今回支援していただいた資金は、それらの工事費として使用させていただきます。
リターンについて
支援してくださる皆さんにも、ぜひClassic Labの仲間になってほしい。
そこで、リターンには現地に足を運び、実際にかかわってもらえるものをご用意しました。
とはいえ、現地に足を運ぶってなかなかできないですよね。
なので、現地に来れない方用に、私が選ぶ雪国のおすすめをご用意させていただきました。
どうぞ、よろしくお願いいたします!
最後に
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
最後に、もうひとつお話させてください。
わたしは地域おこし協力隊として、丸3年津南町で過ごして来ました。
その過程で、結婚し、今は夫は別の地域に暮らしています。
前述のように、結婚し暮らす場所については散々悩みました。
結果的にいまは、行ったり来たりするというライフスタイルに落ち着きましたが、移住と結婚という難しい選択の間で本当に悩みましたし、これからも悩み、変化していくだろうと思っています。
「行ったり来たり婚」の一番の理由は、わたしたち夫婦ふたりにとって互いを尊重しながら暮らせる最もフィットしたスタイルだから、という自分たちの目線です。
もうひとつは、昨今の「移住定住」と「地域の存続」という目線。
広く日本を見渡してみると、人口も経済成長も右肩上がりの時代は終わって、これから人口は減る一方です。そんななかで近隣市町村で移住者の奪い合いをしても、限界があります。
それならば、もっと多様な人が集落にかかわって、ライバル関係ではなく、手を取り合い、互いの価値を磨き合える関係をつくる未来のほうが、わたしはしあわせだなぁと思うのです。
その実現のためには、昔のよいものややり方をそのまま持ってきても、うまくいくはずありません。
だからといって、すべて新しくしてしまうのも、地域の大事なよさを失いかねません。
「なにを引き継ぐのか」を明確にし、やり方やかたちはいまの時代に合わせて変化させながら、その地域の価値を未来へつなぎ、地域と地域をつなぐ。
わたしたちは
「できないことを嘆くのではなく、できることを見出すまなざしを育むこと。
そうすれば、どんな変化にあっても、自分の軸を持ち、あるものを生かすことができる。
その先に、自分らしく楽しめる暮らしを紡いでいく。」
という生き方を引き継ぎ、
「行ったり来たりする」というライフスタイルで体現性を持ちながら、
「雪国の持つ学びの可能性」を全国に発信していけたらと思います。
長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
応援よろしくお願いいたします!
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