はじめに・ご挨拶

インドネシアに輸出される戦闘機を破壊して無罪、原子力潜水艦の実験施設を破壊して無罪(タイトル画像)、
非暴力に徹する活動家アンジー・ゼルター、ライト・ライブリフッド賞ほか、数々の賞に輝く女性が、自らの半生を描いた記録。」アンジー・ゼルター著「非暴力で世界を変えるー活動家という生き方」(仮題)和訳本出版を目指すクラウドファンディングに興味を持っていただき、ありがとうございます。

英国在住の平和運動家である著者アンジーは、平和で平等で搾取のない理想世界の実現のために活動してきました。地球の破滅を招く核兵器に対して、また、生産性偏重と経済成長を至上命題とし、人々や地球資源を搾取しながら肥大し続ける資本主義に対して、彼女は徹底した非暴力で抵抗してきました。

本書は彼女がその生き方、信条、哲学を自分自身の言葉で著した半生記です。成功、失敗、喜び、失望がありのままに綴られています。

序文は著者とも関わりのあるピースボート共同代表でノーベル賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン (ICAN) 国際運営委員の川崎哲氏さんに書いて頂いています。
その他賛同者を募集しています。

このプロジェクトで実現したいこと

アンジー・ゼルターさんのActivism for Life「活動家という生き方―非暴力が世界を変える」和訳出版


プロジェクトをやろうと思った理由

私たちは「ファスレーン365」(英国の唯一の核基地を阻止し続け英国の核基地をなくそうというプロジェクト)等、アンジー・ゼルターさんの反核平和と人権擁護活動に注目して来ました。

Activism for Life「非暴力で世界を変えるー活動家という生き方」はその集大成とも言える本でありこれを日本で広く普及したいと思いました。

公正で平和な世界を追求するアンジー・ゼルターの思想と行動力と独創性、そして思いやりの深さに共鳴し、以前から注目していました。その彼女が半生記を出版、一読して波瀾万丈とも言える非暴力直接行動の冒険談的な面白さはもちろん、日本の市民運動にも大いに役立つ多くの知恵が詰まっていると考え、本書をぜひ翻訳して日本で出版すべきだと思い立ちました.

▼プロジェクトの内容 

Activism for Life、仮題「活動家という生き方―非暴力が世界を変える」の和訳出版

本の中から際立った2つのエピソードを紹介します。

1996年、イギリスからインドネシアに輸出されようとしている一機の戦闘機がありました。これがインドネシア政府に渡れば、当時支配下にあった東チモールの住民の虐殺に使われることは明白でした。輸出を阻止するためアンジーとその仲間は、関係者に手紙を書き、製造元のブリティッシュ・エアロスペース社の株主に訴える、会社幹部にも申し入れをするなど様々な行動を起こしましたが、インドネシア政府が訓練用に使うと言っている、英国政府から輸出許可が出ていると強弁するエアロスペース社を止めることがは出来ませんでした。

そこで最後の手段として「直接行動」に出ます。4人の仲間のうち3人が1996年2月のある早朝にエアロスペース社の格納庫に侵入して、家庭用のハンマーで機体のコックピットを破壊しました。彼女らはこれを「非武器化」(つまり武器を武器でないものに変える)と呼びます。

激しい行動ですが、彼女は、「火事の建物から人を助けるために入口の鍵を壊すのは暴力ではない」という喩えを使います。

日本の官僚的な裁判に慣れている私たちは驚いてしまいますが、裁判でアンジーを含む4人全員が無罪となりました。陪審員たちは彼女らの行動を「正当行為」と見做しました。イギリスでは無罪判決に対して検察側は上訴できないため、これが確定しました。

この3年後の1999年6月、アンジーを含む3人の女性は、イギリスの核兵器システムの非武器化に挑戦します。原子力潜水艦の基地である、スコットランドのファスレーン基地に付属する、ゴイル湖に浮かぶ原潜試験施設「メイタイム」に侵入し、コンピュータなど研究所にあった機器を湖に投げ込み、実験用潜水艦モデルを破壊しました。これまた、グリーノックの裁判所は彼女らの行動が国際法を遵守するためにはやむをえなかったと判断し、無罪を言い渡しました。ちなみに、ファスレーン基地は2021年、人気漫画「ゴルゴ13」の舞台になりました。


メイタイム非武器化を成し遂げた後、夕日を眺める3人


(参考) https://pegasus1.blog.ss-blog.jp/2021-05-31

彼女らのグループは、これらの功績が認められて、2001年に、「第二のノーベル賞」と言われるライト・ライブリフッド賞を受賞しました。なお、日本のこの賞の受賞者(団体)は、高木仁三郎氏(故人)と生活クラブ連合会です。

[受賞時の写真]

左からアンジー・ゼルタ―、ウラ・ローダー、エレン・モクスレイ

上記の例はどちらも大きく注目を集める事例ですが、日常的な活動は地道です。日本では難しいと思えるような非暴力直接行動でも、豊かな発想からはきっと使えるヒントが見つかります。

多くの人に事前にこの本の価値を知ってもらい、みんなの力で出版を実現したいとの思いから、クラウドファンディングを実施することにしました。

日本の市民運動では、ストライキの極端な少なさ一つとってみても、「市民的抵抗」とも呼ばれる、非暴力の直接行動がはあまり活用されていないのではないでしょうか。今年1月のNHK-Eテレの番組「100分de名著」は、ジーン・シャープの「独裁体制から民主主義へ」を取り上げ、中見真理氏による番組テキストでも市民的抵抗の意義が強調されています。この本はその分野の理解を一層広め、日本の市民運動に良い刺激を与え、ひいてはこの国の独裁化の予防、そして民主主義の発展・実質化に貢献するものと信じています。

民主主義といえば選挙です。確かに選挙は民主主義の根幹ですが、社会を変える手段は選挙だけとは限りません。本から得られるアンジーの思想とその実践は、必ず日本の市民運動の視野を広げ、そのルネッサンスの一助となるでしょう。

▼プ ロジェクトの展望・ビジョン 

Acvism for Life「活動家という生き方―非暴力が世界を変える」和訳本を日本で広め、日本の市民運動圏で特に欠けている「非暴力直接行動分野に良い刺激を与えたい。


翻訳者3人の紹介とこれまでの活動

我々三人はActivism for Life「非暴力で世界を変えるー活動家という生き方」(仮題)を2021年から翻訳してきました。

以下三人の紹介です。

大津留公彦 

イラク・イラン戦争時にイラクに仕事で3年駐在。その後世界10か国を訪問。

この本の著者のアンジーさんが提唱した基地封鎖行動「ファスレーン365」日本実行委員会メンバー、ブロガー、歌人、俳人、新日本歌人協会常任幹事、文化団体連絡会議事務局長、「私が東京を変える」事務局長、三郷吉川ぶんかむら事務局長、会社員、1952年生まれ


川島めぐみ

 翻訳家。書籍「山谷ブルース」「くたばれ、ジャップ野郎!」「電話カウンセリング」、 映画字幕 「でくの空」「馬毛島クロス」など、社会問題や人権問題に関する書籍などの翻訳を多数手がけてきた。


豊島耕一 

1999年に、アンジーが戦闘機破壊で無罪判決を受けたというニュースを聞き、事実を確かめるため彼女と直接メールのやりとりをしたのが、彼女との交流の始まり。次の核原潜施設破壊のアクションでも無罪になった後、アンジーを2000年に日本に招待して全国講演ツアーを企画した。2007年には彼女が呼びかけた「ファスレーン365」に、日本チームを結成して参加した。 2020年にS.W.レスリーの「米国の科学と軍産学複合体」を共訳し出版。元佐賀大学理工学部の教員。専門は原子核物理学。


資金の使い道

Activism for Life「非暴力で世界を変えるー活動家という生き方」和訳本を出版社のリスクを抑えて確実に出版できるようにするために一定部数の売上を確実にする、つまり「先払いの注文」をしてもらう手段としてクラウドファンディングを実施する。

出版費用(100万円)(南方新社より2024年1月に出版予定)

契約済の原書出版社との契約費用及び雑費 30万円 広告宣伝費用 19.4万円 CAMPFIRE手数料 30.6万円

スケジュール

2023年12月8日 クラウドファンディング終了
2024年1月 南方新社より出版予定
2024年1月考後半
リターン発送予定(リターンはリターンの項参照)
最後に

この本は日本の市民運動圏で未だに十分に活用されているとは言えない「非暴力直接行動」の分野に良い刺激を与えるものと確信しています。最近のベストセラー、斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』の「政治主義の代償--選挙に行けば社会は変わる?」の節に書かれていることとまさに共通する問題だと思います。

Activism for Life「非暴力で世界を変えるー活動家という生き方」和訳本を日本で広め、日本の市民運動圏での「非暴力直接行動」の分野の参考に是非していただきたいと思います。

このクラウドファンディングは「実行型」です。目標金額の達成/未達成に関わらず実施されます。(必ず本は出版されます。) 参考 ブログ

「活動家という生き方―非暴力が世界を変える」和訳本出版 https://ootsuru.cocolog-nifty.com/ActivismforLife/

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アンジー・ゼルターさんの"Activism for Life"(仮題「非暴力で世界を変える―活動家という生き方」)という本の翻訳出版のためのクラウドファンディングを実施中ですが、これをプロモートするための「ZOOMセミナー」第2回を10月30日20時から、イギリス、ポルトガルと結んで開きます。川崎哲さん(核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員、ピースボート共同代表)、そしてアンジーさん本人が参加されます。

プログラムは次のとおりです。時間の伸縮はあらかじめご承知おき下さい。
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開始 20時
1 本日のスケジュール紹介 (1分)
2 参加者自己紹介(名前と地域/団体のみ) (9分)
3 本の内容の簡単な紹介(豊島) (10分)
4 アンジーさんの挨拶(通訳:川島) (10分)
5 川崎哲さんのスピーチ (25分)
6 質疑応答 (10分)
7 主催者からの要請 (5分)
8 自由討論,参加者の活動紹介など (20分)
閉会 21時30分
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参加ご希望の方は豊島または大津留までメールでお知らせください。
kimihiko_ootsuru3@yahoo.co.jp
toyosima@ta2.so-net.ne.jp

本書の9章の写真を紹介します。
2013年、オルダーマストンの核兵器製造工場に抗議するため、ウェールズ・ナイトンで、「ウール・アゲインスト・ウェポン」(武器に対抗する毛糸)と称する、長い編み物を作るアクションが行われました。その時の写真です。(本書139ページ。書籍では白黒)

ウェールズのナイトンでピンクの平和スカーフを編む。2013年。
23a-Knitting-Pink-Peace-Scarf.jpgウェールズ、ナイトンのブロードストリートでのナイトンスカーフお披露目。2014年7月5日。23b-Knighton-scarf-roll-out .JPGこのアクションの後、この長い編み物は数ヶ月かけて赤ちゃんと大人用の毛布に作り替えられ、難民や路上生活者に届けられました。

Zoomミーティングに参加する 
https://us02web.zoom.us/j/9246513214?pwd=VmRKTnFGSXZ0b056WmNJOXBZci90QT09 
ミーティングID: 924 651 3214 
パスコード: 803142 

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