◆はじめに・ご挨拶 ~Greetings~

 はじめまして。“カフェおきもと”店長の久保愛美(くぼなるみ)と申します。最初に、このページを開いてくださった皆様にお礼申し上げます。

 東京・国分寺の住宅街の中、緑に包まれ、昭和初期の別荘建築の姿を残す沖本家住宅を、ただ形として残すのではなく、建物として活かしていくことができるよう始めたのがカフェおきもとです。

「沖本家住宅」に関して国分寺市のHPにて紹介がされております。コチラからご覧になれます。


 この度、損傷が激しく、現在はビニールシートを被った状態となってしまっている、洋館と和館をつなぐ渡り廊下部分の修復費用を集めるため、クラウドファンディングに挑戦させていただきます。

 ここで改めて、私の言葉で、沖本家住宅の歴史、沖本家と私の関係、資金の使い道についてを順に説明して参ります。



◆沖本家住宅について

写真の左が最初に建てられた洋館、右が後に増築された和館

 まずは国登録有形文化財に登録されている「沖本家住宅」に関してご紹介させていただきます。
沖本家住宅は洋館、和館の2棟が国登録有形文化財になっています。

洋館は、昭和8(1933)年に広島県出身で関西を拠点とする貿易商の土井内蔵の別荘として建てられました。設計は土井内蔵の甥にあたる川崎忍です。その後1年ほど東京の学校へ学びにきた娘が暮らしていましたが、昭和12(1937)年に同郷である沖本至に譲渡され、住居として使用されました。昭和15(1940)年に沖本至によって主たる来客用として和館の増築が行われました。洋館と和館は渡り廊下によってつながれています。
洋館・和館ともに大きな改修なく現在に至っており、ほぼ建築当初のままの様子を見ることができます。

(参考資料:沖本家住宅(2021年10月発行)国分寺市教育委員会ふるさと文化財課制作
国分寺市HPより引用

◆沖本家住宅の歴史 
-国分寺崖線と別荘建築-

 現在は子育て世代に人気の住宅地となっている国分寺ですが、大正時代から昭和初期にかけて、国分寺崖線に沿ったエリアには富裕層の別荘地が建ち並んでいました。沖本家住宅もこの流れをくむもので、貿易商の土井内蔵(どいくら)氏により昭和8年に建てられました。土井氏は昭和12年に兵庫県 宝塚市に本邸を構え、国分寺のこの別荘を同郷の友人であった海軍少将の沖本至(おきもといたる)氏に譲りました。沖本至氏が亡くなった後も、御子女の姉妹が暮らし、家を守ってきました。

-沖本姉妹と私の出会い-

 平成17年、私は家族とともに沖本家の隣に引っ越してきました。その当時、沖本家はほとんど鬱蒼とした雑木林に包まれて、お隣にそのような歴史のある邸宅があるとは、全く知りませんでした。引っ越しの挨拶に伺った際、御姉妹はすでに80代でしたが、長女の京子さんは医師として働き続け生計を立てていらっしゃいました。私の夫も医師であったことを縁に、夫が仕事先を紹介するなど交流が深まっていきました。

 御姉妹の家への想いはとても強く、仕事はおろか、身の回りのことも難しくなってきても、老人施設などへの入居は希望されず、また、近くに身寄りもないことから、いつしか私が御姉妹の食事の用意などをするようになりました。そんな折、この家を継いでほしいと、京子さんから相談を受けました。

 「私と妹が亡くなったあとは、土地を好きにしていい、ただ、何も思い入れのない人に渡ってしまうのは嫌なの」。それが京子さんの遺言でした。

 もし、この土地が知らない人の手に渡ってしまうと、すぐさま木々は倒されて、開拓されてしまう...。沖本の庭には古く立派なアカマツやタイサンボクの木々が生えていました。また、この緑のおかげで、普通、街中ではみることのないかっこうや、きつつきも庭に集まってきていました。「この自然を守りたい」、私の娘もこの想いに賛同して、私たちがこの土地を引き継ぐことになりました。

庭というより、雑木林だった頃の写真。右の奥の方にうっすら建物が見えます。
庭の整備では、大きな木々は残し、生え放題の孟宗竹をすっきりさせました。

見上げても花が見えないほど大きなタイサンボク



-国登録文化財に登録-

 沖本家住宅は洋館と和館の2つの棟で構成されています。洋館は土井氏の甥にあたる建築家・川崎忍氏が設計し、和館は沖本至氏が譲り受けたのちに増築しました。川崎氏はカルフォルニア大学で建築を学び、旧松本邸(兵庫県宝塚市)、日本基督教団本郷中央教会(東京都文京区)などを設計し、いずれも文化財に登録されています。この沖本家住宅については、東京都で別荘建築を行ったという記録はあるものの、所在が不明となっていました。

 私たちが沖本家を継ぎ、数年後に95歳で京子さんが亡くなった際に、家の中を片付けていたところ、昭和初期の雑誌などがそのまま残っている様子があり、歴史的に大事な資料などもあるのではないかと、知識のある方を知り合いづてに呼んでいくうちに、運命的に川崎氏の家系の方と巡り合いました。それから国分寺市役所の調査によって、川崎忍氏の建築に間違いないということや前述のような建物の歴史が分かりました。

 ちょうどその頃、私の実父が亡くなり、自分の生まれ育った実家が壊されることになりました。思い出の家を失う悲しみを知った私は、京子さんの想いを継いで、家を守っていくことを強く決心しました。

 建築学的にも歴史的にも価値があるとして、国分寺市の"ふるさと文化財課"の方々も建物の保存にとても前向きに接してくださり、市によるより詳細な調査が行われ、令和3年10月に国の登録文化財に認められました。現在は市の有形文化財を目指しております。

洋館と和館の登録有形文化財登録証

◆カフェ おきもと

  血縁のないただの隣人の主婦が、建物の存続に奮闘しているという、少し特殊な背景からか、ありがたいことにたくさんの取材を受け、新聞、雑誌やテレビ番組(「ふるカフェ系 ハルさんの休日」「コツコツ人生館」「暮らしの手帳」「人生の楽園」等)でご紹介いただき、令和2年10月にオープンしてから予想以上のお客様にお越しいただきました。

継いだものをどう残していけばよいか右も左もわからない中、ぼんやりと考えていたのは、「ただの見学施設にしてしまうと、風化していってしまう。どうにか建物としての機能を保ちながら残していきたい」ということ。そしてたくさんの方々に相談させていただくうちに、地域の人たちが交流できるようなカフェとして活用することを理想に考えるようになりました。

 その想いを形にしたのが、「カフェ おきもと」です。洋館を利用して、令和2年10月にオープンしました。建てられた当時のままの姿が残っていることがこの沖本家住宅の魅力であったため、あえて内装の壁の塗り替え等はほとんど行わず、必要最低限の修繕と清掃のみをしました。一部の椅子は沖本家で使われていた物を利用し、蓄音機や黒電話など、当時の生活に想いを馳せられるような家具・家電をところどころに飾っています。



暖炉


扇風機黒電話










特徴的な排気筒、暖房の機能も兼ねていたという
お庭の様子(11月初旬)
◆沖本俱楽部について

沖本家住宅の保全、修復のためカフェ以外にも様々な取り組みが立ち上がっています。

そのうちの一つが「沖本倶楽部」です。この名前から倶楽部ってお遊びなのかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんがそれは全くの誤りです。
沖本倶楽部は沖本家住宅を保全、修復する事を目的に、沖本家住宅に関わる様々な方々がメンバーとなって活動しています。時にカフェ沖本のお庭を手入れしてくださっている方や、地元で国分寺由来の古代米「赤米」を育てていらっしゃる方、地元の学生や、お庭に飾られている銅像の作家さん、地域のデザイナーさんなど幅広い方々が関わってくださっています。

 沖本家住宅をより多くの人々に知ってもらうためイベントを企画・運営したり、オリジナルHPなどの媒体で沖本家住宅の魅力を発信したりしています。

沖本倶楽部の会議の様子



◆和館・渡り廊下の修復へ向けて


2021年ごろの様子
天井は崩れ落ち土壁が崩壊寸前


2023年5月の長雨にて完全に土壁が崩壊してしまいました。


左手に洋館、右手に和館、その間の部分が渡り廊下
渡り廊下の土壁は崩れ現在ビニールシートや木の板で応急処置がされています。

上の画像の反対側 こちらもかなりボロボロ・・・

◆支援金の使い道、スケジュールについて~和館・渡り廊下の修復へ向けて~

 写真でご覧いただいているように、洋館と和館をつなぐ渡り廊下の瓦屋根は数年前の台風で剥がれ落ち、もともとの劣化に雨漏りも加わり、内部の土壁は崩壊してしまっています。洋館も和館もほとんど無修復ですみましたが、渡り廊下はこのままでは自然崩壊しています。この渡り廊下の屋根、壁を修復するために皆様のお力添えをいただけましたら幸いです。

支援していただいたお金は、全額渡り廊下の修繕に充てさせていただきます。

今回の工事の総工費の見積書です。この度実施するクラウドファンディングでは総工費のおよそ半分となる着工金を賄う事を目的にしております。詳細に関しては以下の通りです。


目標金額・・350万円

~内訳~
着工金・・250万円ほど
CAMPFIRE掲載手数料・決済手数料・・55万円
返礼品作成・広報費などの諸経費・・45万円ほど


スケジュール

・2024年1月初旬 工事計画
・2024年1月中旬 着工
・2024年2月下旬 返礼品発送
・2024年3月中旬 完成予定



 余裕があれば、1枚目の写真に写っている和館の軒下部分の修復もできればと考えております。

◆リターンのご紹介

 カフェおきもとで提供しているメニューやお土産品、実際に沖本家住宅にお越しいただけるイベントなどをリターンとしてご用意させていただきました。またカフェへの来店が難しい方、ご支援のお気持ちが強い方に向けて、「感謝のメール/メッセージ支援」をご用意いたしました。

●一覧


◆最後に

 写真は沖本姉妹の妹の智子さん。2021年に100歳を迎えられました。今は特老で過ごされていて、コロナ禍のせいで外出することができませんが、早く、カフェの”看板娘”として店先でお客様とお話できる日を楽しみにされています。

看板娘の智子さん!とってもいい笑顔^^

 みなさまの温かいご支援お待ちしております。


カフェおきもと

営業時間:

Lunch time  11:00-14:00 金, 土, 日, 月 

Caffe time   14:00-17:00 金, 土, 日, 月

Dinner time 18:00-21:00 金, 土(完全予約制)

●全席80分制●テラス席はペット同伴可●室内席のみ電話にて予約可

ホームページ:https://www.cafeokimoto.com/

他にもInstagramにてイベント・新メニューの情報を随時公開しております。
ぜひフォローのほどよろしくお願いいたします♪


Instagram:https://www.instagram.com/cafe_okimoto








<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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