地域おこし協力隊のためのクラファン
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はじめに

はじめまして、岐阜県土岐市で伝統的な「美濃焼」を制作している「五蓮窯」です。

先代から窖窯を受け継ぎ、美濃焼「志野」「鼡志野」をメインに茶道具から普段使いの器まで、さまざまな作品を作っております。その窖窯が2011年、記録的な大雨による土砂崩れによって大きく歪み、部分的に補修をしながら使い続けていましたが、年々歪みやヒビが顕著に現れ、修繕を余儀なくする状況です。

そのため、現在使ってる窖窯での窯焚きは今年で最後とし、大きく修繕することにしました。窯の大規模な修繕は初めての取り組みです。みなさんのお力をいただき、美濃焼の伝統と技術を継承していく窯を作りたい!という思いで今回クラウドファンディングに挑戦することを決意しました。

そして、今回のクラウドファンディングをきっかけに美濃焼を感じてほしい!

そんな思いのもと、ご支援いただいた皆さまに少しでも美濃焼に触れていただけるよう、窯焚き体験や年一回の窖窯で作られた美濃焼のうつわ、美濃焼の名入れプレートなど、さまざまなリターン(返礼品)をご用意しました。

私たちは今後、美濃焼の素晴らしさを日本全国、そしてその先は世界に届けたいと思っています。次世代に美濃焼の魅力を受け継いでいきたい。そんな思いで今回クラウドファンディングに挑戦します。

どうぞ応援していただけると嬉しいです!


窖窯(あながま)が生み出す志野の魅力

現代では、電気窯やガス窯などさまざまな窯がありますが、五蓮窯では昔からの伝統である「窖窯」での焼成にこだわっています。窖窯は焼成室(作品を入れる場所)が広く、特に「志野」は焼く場所によってさまざまな変化が出ます。

同じ志野でも温度が低いと紅(左)高いと白く(右)なる。

「志野」は温度が低いと紅、高いと白くなります。同じ窯内部でも場所によって温度が変わるため、色合いも微妙に変化するのです。さらに、その年の窯の状態、天候、焚き方によっても色合いや表情が変わります。

焼成前の作品。場所によって表情が変わります

窖窯で焼かれた「志野」はプクッとした表情で柔らかみがあります。ガス窯と比べ、窖窯で焼かれた「志野」には自然の炎による複雑な表情・質感が感じられます。

窖窯だからこそ出せる景色があるのです。

(左) 窖窯焼成 (右) ガス窯焼成

窖窯の現状

2011年に発生した台風15号による大雨の影響で、五蓮窯の窖窯はとても大きな被害を受けました。大雨によって窯場で土砂崩れが起こり、後ろから窯全体が押され、薪を入れる焚き口は手前に押し出され、それに伴って天井が落ちています。

焚き口上部。手前に押し出され、ヒビ割れも顕著に見られます

伝統的な美濃焼「志野」を生み出す「窖窯」は私たちにとって命です。この先代から受け継いだ窖窯でしか作品を生み出すことができません。

さらに、窖窯で「志野」を作る窯元はほとんど残っていないのが現状です。伝統的な「志野」の絶滅も危惧されます。伝統的な美濃焼を後世にも残していくためにも、窖窯が必要不可欠なのです。

窯全体に歪みが生じ、危険な状態です

窖窯の歪みやヒビ割れは年々悪化しており、今年は特に窯焚きをしている時、危機感を抱くほどでした。毎年細かい修繕を繰り返しなんとか保ってきましたが、このまま焚いていれば必ず崩れます。そのため、この窯での窯焚きは今年で最後にすることを決めました。

窯内部。修繕を重ねて使ってきました

煙突のヒビ割れも悪化しています

そして、窯の修繕を決意しました。窯を構成している耐火レンガも長年の使用でもろくなっているため、土台を除いた全てを解体し、耐火煉瓦を新たに組み直します。

先代の窯をもとに、さらに私たちの思いを重ねて新たに窯を作り上げていきたいと願っています。


美濃焼の未来に向けて

五蓮窯での窯焚きは年に1度だけ。1年間で作り上げた作品を窖窯で一週間かけて焼き上げます。

そんな窯焚きには、毎年全国各地からさまざまな方々が参加してくれます。地域の方々をはじめ、地元で焼き物を学ぶ研修生や陶芸作家、個展を行なっている全国各地の百貨店で出会ったお客様が足を運んでくれることもあります。

私たちがこのように皆さんと窯焚きを行うのは、今後も美濃焼を繋げていきたいからです。窖窯を焚けるところも減ってきており、一度途絶えてしまうと再現はほぼ不可能だと思います。この窯で技術はもちろん、考え方を含めて全て教えてもらったから今の自分がある。だからこそこれから先後世の人にも繋げていきたいし、この体験が若い人たちのきっかけになれば嬉しいです。


私自身、初めて窖窯で、炎で焼かれる “焼き物” を見て衝撃を受けました。「これが本当の焼き物なんだ。」と。この窖窯の炎で焼かれる “焼き物” を少しでも多くの方々に肌で感じてもらい、これからの世代に繋げていきたい。

現在使用している先代から受け継いだ窯も、地域の方々に支えられてできた大事な窯です。この窯じゃないと繋がらない縁がたくさんありました。このご縁を大事に、これからも自分だけじゃなく、みんなでいい方向に進んでいけたら嬉しいです。


使いやすさを追求して

うつわは使っていただくもの。五蓮窯では持ちやすさに徹底的にこだわり制作しています。

成形する際に自然な歪みが出るようにロクロを挽き、持った時に手になじむように歪みを利用しています。土と対話しながら形を変えていきます。使用時に違和感の無いように軽さも意識しているため、手に吸い付くように馴染みます。

絶妙な力加減で自然の歪みを生み出します

持つと手に馴染む形を意識しています

美濃焼を全国、世界へ

窯元が集まり五蓮窯も所属する岐阜県土岐市の「美濃陶芸村」。

陶芸村で毎年行われている「美濃焼伝統工芸品まつり」では、五蓮窯も作品を販売していますが、最盛期と比べ売上は1/3に落ち込んでいます。作家の高齢化も重なり、後継者育成という観点からも今後美濃焼の行く末が心配されます。

そのような中、今回のクラウドファンディングを通して五蓮窯を少しでも多くの方々に知っていただき、陶芸村全体がもっと盛り上がり、さらに美濃焼が活気に溢れ、日本の焼き物を日本全国、そして世界に届けたい。このクラウドファンディングがその第一歩となります。


リターン紹介

●プロジェクト・五蓮窯を応援したい!感謝の気持ちを込めてお手紙をお届け

プロジェクトを応援してくださった方々に感謝の気持ちを込めて。お礼のお手紙をお届けします。
【価格】1,000円 100名様


●五蓮窯の迫力を遠隔で!窯焚きライブ配信

窯焚きを見てみたいけど遠くて現地に来るのが難しい方へ。オンラインで実際の窯焚きが見れる窯焚きライブ配信をご用意しました!窖窯の炎の迫力をオンラインで体感していただけると嬉しいです。  

【価格】1,500円 100名様限定
【開催日時】2024年4月26日(金) 19:00-20:30頃


●窖窯の迫力を現地で!窯焚き見学コース

実際に岐阜県土岐市にある窯元へ来ていただき、窯焚きをじっくりと見学できるコースです。1年に一度の窖窯の迫力を現地で!地域の皆さんのまかないご飯も食べられるかも!?5名限定のリターンとなります。

【価格】6,000円 5名様限定
【開催日時】 2024年4月25日(木) 18:00-20:00頃


●自分の手で美濃焼に関われる!窯焚き見学&薪入れ体験コース

実際に岐阜県土岐市にある窯元へ来ていただき、美濃焼を焼いている窖窯に薪を入れる体験ができます。自分の手で美濃焼に関われる貴重な体験です!

来ていただくのは約1週間続く窯焚きの中でも、1200℃を超える終盤。炎の迫力を感じていただけます。地域の皆さんのまかないご飯も食べられるかも!?3名限定のリターンとなります。

【価格】12,000円 3名様限定
【開催日時】 2024年4月27日(土) 13:00-16:00頃


●半永久的に五蓮窯にあなたの名前が残る!あなたの名前入りプレート制作

ご支援いただいた方のお名前(フルネーム)をプレートに掘り出し、伝統的な美濃焼「鼡志野」として修繕後初めての窯焚きで焼成します。完成した美濃焼の名入れプレートは窯の隣のスペースに設置、半永久的に五蓮窯に残ります。 

ご支援していただいた皆さんとともに今後も窯焚きを続けていきたい!という思いで作らせていただきます。

【価格】5,000円 100名様限定
【プレートサイズ】 約13.0cm×4.0cm×0.5cm(窯の焼成によって多少のサイズ変動がございます)

※写真のプレートは参考です。実際はご支援していただいた方のフルネーム(姓名)の名入れとなります。


● 伝統をあなたの手に!窖窯で作り上げた美濃焼 「志野」「鼡志野」

1年に一度「五蓮窯」で焼成される美濃焼をお届けします。

美濃地方で古くは平安時代より焼かれている「美濃焼」。そして桃山時代、千利休や古田織部等による茶の湯の流行から茶陶の世界が生まれ、「志野」が作られるようになります。「美濃焼」は日本で古くから続く伝統ある焼き物です。

今回は美濃焼の中でも桃山時代から続く【志野】と【鼡志野】をご用意いたしました。

(左) 志野 (右) 鼡志野

【志野】
美濃地方で採れる「もぐさ土」で成形した素地に、同じく美濃地方で採れる「鬼板」で絵を描き、長石釉をたっぷり掛けて窖窯で焼成します。窯の中の場所や温度・炎の当たり方で現れる「緋色」が変化。温度の低い所は紅、高い所は白くなるため、一つ一つ個性ある作品になるのが特徴です。

【鼡(ねずみ)志野】
「もぐさ土」で成形した素地全体に「鬼板」を塗って鉄化粧にし、模様を描き落とし制作します。グレーがかった色味が特徴。大人しいグレーを表現するため鉄化粧は独自の調合をしています。火力の強い場所では鉄の発色の赤味が強くなることも。


◾️湯呑 志野20個 鼡志野20個 
 クラファン限定価格10,000円
 (通常販売価格11,000円)

◾️ぐい呑〈桐箱入り〉 志野30個 鼡志野30個 
 クラファン限定価格12,000円 
 (通常販売価格13,200円)

◾️飯碗 志野10個 鼡志野10個
 クラファン限定価格6,000円
 (通常販売価格6600円)

◾️マグカップ 志野5個 鼡志野5個
 クラファン限定価格12,000円 
 (通常販売価格13,200円)

◾️花生〈桐箱入り〉 志野2個 鼡志野2個 
 クラファン限定価格35,000円 
 (通常販売価格38,500円)

◾️茶盌〈桐箱入り〉 志野3個 鼡志野3個 
 クラファン限定価格130,000円 
 (通常販売価格143,000円)


応援メッセージ

美濃焼伝統工芸士 水野敬子様数年前、初めて山下さんに出会い、ほっとしました。「志野」を「窖窯」でやる人がいなくなっていく中、このような方が現れて本当に嬉しかった。「志野」が絶滅するのではないかと本気で思っていました。

山下さんは美濃の歴史を背負ってくれる方。ぜひ盛り上げてほしいと思っています。まだまだ若手なのでこれからが楽しみです。


ニッポン手仕事図鑑 代表 大牧圭吾様「山下さんの存在は、職人を目指す若者たちの希望になる」

山下さんの映像を制作させていただいたとき、私はそう確信しました。先代と血縁関係になくても、その歴史や技術とともに窖窯を受け継ぎ、多くの人に愛される作品を作り続けることができる。そして、地域に愛される職人にもなれる。

「この窖窯だからこそ、出せる色がある」「この窖窯だからこそ、つながれる人がいる」「この窖窯だからこそ、挑戦できることがある」

山下さんがいつものように、新しい窖窯の前でそう語ってくれる未来。それは、美濃焼の文化や歴史を残していくだけでなく、全国の陶磁器の職人を目指す若者たちの希望になる。だからこそ私たちニッポン手仕事図鑑は、このプロジェクトを全力で応援させていただきます!


資金の使い道

今回のクラウドファンディングは、五蓮窯の窖窯の修繕および、修繕を終えた窖窯を地域の若手陶芸家にも使ってもらい、美濃焼の技術と伝統文化の継承を目的としています。皆様からいただいた資金は五蓮窯の修繕と今回クラウドファンディング実施にあたってかかる諸経費(美濃焼制作費・人件費・クラウドファンディング手数料)に充てさせていただきます。

<募集方式について>本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


実施スケジュール

2023年
8月4日  クラウドファンディング開始
10月4日  クラウドファンディング終了
10月上旬 窖窯修繕開始
10月下旬 窖窯修繕完了
11月   リターン品【美濃焼・お礼のお手紙】発送

2024年
4月25日  窯焚き見学会
4月26日  窯焚きライブ配信
4月27日  窯炊き見学&薪入れ体験会
5月   窯出し・【名入れプレート】写真送付
6月   名入れプレート設置完了

実行者チーム紹介

Producer:山下 祥・五十嵐 卓(五蓮窯)
Director/Writer:今野 陽介(花巻工芸)
Photographer:タナカ ヨシノリ(PHOTOWORKS TANAKA)
Adviser:大牧 圭吾・藤本 那奈子(ニッポン手仕事図鑑)
Editor:古園 麻子(ニッポン手仕事図鑑)

Director/Writer:今野 陽介(花巻工芸)

今回、ディレクターを担当させていただいた今野です。岩手県花巻市で地域おこし協力隊として活動し、3年半花巻の工芸のプロモーションを行なってきました。現在は岐阜県多治見市に移り、研修生として焼き物の制作を行なっています。

初めて五蓮窯を伺った時感じたことは、人のご縁を大事にしている五蓮窯のお二人の思いです。五蓮窯にはたくさんの方々が訪れますが、山下さんの作品はもちろん、この窯の雰囲気を感じたいから来ている方々も多くいらっしゃいます。地域の方々の美味しいご飯のおもてなしもあり、窯の力強さを感じながらもお二人の温かさを感じる不思議な空間です。

花巻ではクラウドファンディングはじめ複数のプロジェクトに関わってきました。今回、五蓮窯のお二人からお声がけをいただき、プロジェクトに関わらせていただくことを嬉しく思います。

今回のクラウドファンディングだけではなく、今後も末長く五蓮窯を応援していただき、ぜひ足を運んでいただけたら嬉しいです。


最後に

最後までご覧いただきありがとうございます。この美濃地方で炎による「焼き物」を初めて体感し感動した30年前の修行時代から思いは変わっていません。先代から全てご縁で今の五蓮窯が成り立っています。これも今まで関わっていただいた皆様のおかげです。

今回、クラウドファンディングという形で皆さんのお力添えをいただくことになりますが、ご支援いただいた皆様とこれからも関わっていければ嬉しく思います。ご支援をいただき、窯の修繕が終わりましたら、今後さらにアップデートし、日本の誇る伝統「美濃焼」を作っていきたいと思います。

私たちの世代だけではなく、次の世代に美濃焼、日本の焼き物の良さを伝え、後世まで続いてくれることを願っています。今後も五蓮窯をどうぞよろしくお願いいたします。

五蓮窯 山下祥・五十嵐卓


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