自分の体と未来は僕たち、私たちが決める ケニアの若者が広める性教育を応援したい!

ケニアのホマベイ郡は国内の中でも、2番目に10代の妊娠率が高い地域です。「自分の体と未来を、自分で決められるようになるために。」21名の若者をピア・エデュケーターとして育成し、彼らを通して子どもたちに啓発活動を行っています。今年は、子どもたちだけではなく、大人たちへの啓発活動も開始します!

現在の支援総額

2,308,000

115%

目標金額は2,000,000円

支援者数

57

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2024/07/16に募集を開始し、 57人の支援により 2,308,000円の資金を集め、 2024/08/31に募集を終了しました

自分の体と未来は僕たち、私たちが決める ケニアの若者が広める性教育を応援したい!

現在の支援総額

2,308,000

115%達成

終了

目標金額2,000,000

支援者数57

このプロジェクトは、2024/07/16に募集を開始し、 57人の支援により 2,308,000円の資金を集め、 2024/08/31に募集を終了しました

ケニアのホマベイ郡は国内の中でも、2番目に10代の妊娠率が高い地域です。「自分の体と未来を、自分で決められるようになるために。」21名の若者をピア・エデュケーターとして育成し、彼らを通して子どもたちに啓発活動を行っています。今年は、子どもたちだけではなく、大人たちへの啓発活動も開始します!

社会課題の解決をみんなで支え合う新しいクラファン

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初めまして、エイズ孤児支援NGO・PLASです。私たちは、取り残された子どもたちが前向きに生きられる社会をめざしてケニアとウガンダで約19年間、活動をしています。

設立当初

私たちの活動地域では、貧困やHIV/エイズなどによって子どもたちが社会から取り残され、十分な教育を受けられず貧困の連鎖を断ち切ることができません

その活動地の1つ、ケニア西部のホマベイ郡。
アフリカ最大のビクトリア湖畔に位置する人口113万人ほどの地域です。(*1)

活動地の様子

みなさんは、「早すぎる妊娠」「望まない妊娠」「若年妊娠」「10代の妊娠」などといった言葉を聞いたことはありますか。

日本でも、新型コロナウイルスによる自粛の影響で、10代の女性からの妊娠相談が急増したというニュースが話題になっていたので、どこかで見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

このホマベイ郡は、ケニア国内の中でも2番目に10代の妊娠率が高い地域です(*2)。

早すぎる妊娠をした女の子の多くは、中絶を選択できず、出産をするケースが多いです。そうすると、十分な教育機会を失うことにより、将来安定した収入を得る機会が失われ、貧困の連鎖に陥ってしまいます。

これらは、現地でインタビューした女の子たちの声です。

本文と写真の女の子は関係ありません

早すぎる妊娠をする子どもたちを減らしたいー。
妊娠をきっかけに夢を諦めてほしくないー。
自分の人生を自分で選択してほしいー。

私たちはこんな思いから、2023年から「早すぎる妊娠を防ぐ事業(SRHR事業)」を開始しました。


開発途上国では毎年約2,100万人の15〜19歳の女の子が妊娠し、そのうち約1,200万人が出産していると推定されています(*3)。

こうした妊娠の背景を調査するために、事業開始前の2022年4月頃に現地調査を実施し、早すぎる妊娠をする背景と問題が見えてきました。

地域には男性優位の価値観が根強く残っていることから、女性の地位が男性より低く見られがちです。そのため、男性に性交渉を迫られた際に「Noと言えない」ことがあります。また家計が苦しい女の子にプレゼントという名目でお金を渡し、性交渉を迫るケースもあります。

SRHR(性と生殖に関する健康と権利)についての知識を子どもたちがどんな風に学んでいるのかというと、小学校では理科の授業の中で、中学校では生物の授業の中で、受精や性感染症などの限定された知識を学んでいます。しかし具体的な妊娠・避妊の情報を学ぶ機会がありません

実際に子どもたちに話を聞いてみると、「1回だけなら妊娠しない」「コンドーム以外の避妊手段は知らなかった」という言葉が出てきていることから、子どもたちに正しい性教育が届いていないことが分かります。

こうした背景から妊娠をした女の子たちが直面する問題が、4つあります。

このような問題により、「早すぎる妊娠」は子どもたちの未来を奪う可能性があります。


そこで私たちは子どもたちが正しい性の知識を持ち、自分の行動を自分で決めることができるように子どもたちへの啓発活動を行っています。

この啓発活動にはユニークな点があります。それは、若者たちの中からこの啓発活動を行うリーダーを選出し、研修などを通して学んだリーダーがその他の子ども・若者たちへと啓発を行う点です。

子どもの頃、心や体の変化を相談したいけど家族や周りの大人には言いづらかったという経験はありませんか?そんな悩みを解消してくれるのが、ピア・エデュケーターの存在です。

ケニアの若者たちが行う啓発だからこそ、地域の子ども・若者たちは興味を持って耳を傾け、効果的に知識を得たり行動を変えたりすることができるのです。

この事業ではピア・エデュケーターによる啓発活動を中心に行い、最終的に2つのことを目指しています。


そのために、この1年間はピア・エデュケーターの育成を行い、子どもたちを中心に啓発活動を実施してきました。

■ピア・エデュケーターの育成
■マニュアルの作成
■ピア・エデュケーターによる啓発活動
■避妊具の配布

地域の大人たちが正しい妊娠・避妊の知識を子どもたちに伝えるのではなく、意欲のある地域の15~18歳の子どもたち21名をピア・エデュケーターとして選出、育成しました。

現地では「妊娠・出産」は女の子に対してのみアプローチをすることも多いのですが、男女に対して活動を行っていくことが大切だと考えています。育機会の男女格差や男性優位な慣習のある中で「女の子の問題」としてしまうのではなく、男の子が学び、行動を変えていくことが課題解決の重要なポイントです。

そこで、この事業では男女半々でピア・エデュケーターを選出、育成しています。

21名はピア・エデュケーターになる研修を受講し、妊娠や避妊、性感染症やジェンダー・ベース・バイオレンス、予防行動、ジェンダー平等、性的同意や性的不同意を伝えるテクニックなどの自分自身の身体を守る方法等を学びました。

さらにSRHR(性と生殖に関する健康と権利)の正しい情報を元に自分の将来を選択していくことができるよう、ライフスキルを身に着けるために情報リテラシー、伝える/聴く技術の習得練習、パブリックスピーチなどの内容も取り入れています。

ピア・エデュケーター

研修時に使用するマニュアルや、ピア・エデュケーターを育成する現地カウンセラーの育成マニュアル、ピア・エデュケーターが効果的・戦略的に啓発活動を行えるようにサポートするアクションプランがガイドラインやアクションプランシート、啓発活動実施後のレポートなど、今後活動を拡大していくための体系化、マニュアル化を行っています

事業で使用しているアクションプランのガイドラインとマニュアル

ピア・エデュケーターとして参加しているアリスさん(仮名)は高校に通っている女の子で一児の母でもあります。

「私は若い母親として経験や人生で直面した課題を、友達に伝えています。ピア・エデュケーターとしての活動で、多くの女の子たちが将来、自分の夢・ゴールを達成することを望んでいます。」と話してくれました。

本文と写真の女の子は関係はありません

また医療施設では十分な数の避妊具が用意できないといった課題があり、必要な時に必要なだけ子ども・若者たちに提供できるよう、連携しています。必要に応じて施設のスタッフは子どもたちのカウンセリングを行っており、スタッフの子どもへのコミュニケーション指導なども事業の中で実施しています。

配布した緊急避妊薬とコンドーム


次の1年間は、ピア・エデュケーターによる啓発活動や避妊具の配布などを続けることに加えて、子どもたちを守る大人たちへ啓発活動を届けていきます。

■ピア・エデュケーターによる啓発活動
■医療施設と連携した避妊具の配布支援
■子どもたちを守る地域の大人たちへ啓発活動
■行政や地域のステークホルダーとの連携強化、関係者会合の実施

ピア・エデュケーターは習得した知識や技術を磨きながら、引き続き地域の子ども・若者たちのために啓発活動を実施していきます。

1年目の活動が地域から大きな評価を得て、高校や医療施設でも啓発活動を頼まれるようになりました。

引き続き、現地スタッフがきめ細やかに6つの医療施設のニーズをくみ取り、連携していきます。

ピア・エデュケーターによる医療施設での啓発活動後に、希望する子どもたちに避妊具を配布するなど、連携を深めていく予定です。

医療施設との会議の様子

子ども・若者たちだけでなく、子どもたちを守る保護者への啓発活動も行います。

事業地域では家庭で性の話をすることはタブー視されており、保護者から子へ正しい性の知識を提供したり、保護者が性に関する子どもの相談に乗ったりすることはほとんどありません。それどころか、性に関する正しい知識がなく、子どもたちにどう対応したらよいかわからないと悩む保護者も少なくありません。

一方で妊娠がわかった際に女の子が相談する先は保護者であることが多く、「もっと子どもとコミュニケーションを取っておけばよかった」「子どもと性について話しておけばよかった」という保護者の声を聞いてきました。

早すぎる妊娠の社会課題を解決するには、地域全体で取り組むことが必要です。

地域全体に事業内容や進捗を共有し、事業に対するフィードバックや協力を得て、連携強化を行います。

親や周りの大人たちに相談できないことも、早すぎる妊娠・出産する原因の1つにあります。子どもたちは、日々の生活をする中で危険を感じたとしても、性交渉後に体の異変を感じても、それを周りに相談できず、気づいたら妊娠していたというケースも多いのです。

そのため、子どもたちを守る大人たちへの啓発活動を通して、地域全体で早すぎる妊娠の課題を認識し、解決できるコミュニティを目指していきます


*1The Kenya National Bureau of Statistics (KNBS). 2019 Kenya Population and Housing Census.2019.
*2 Fiona Samuels, Carmen Leon-Himmelstine, Lilian Otiso, Maryline Mireku and Beryl Oyier.Unintended pregnancies and HIV among adolescents and young people A situation analysis of Homa Bay, Kenya.2020.
*3 Sully EA, Biddlecom A, Daroch J, Riley T, Ashford L, Lince-Deroche N et al., Adding It Up: Investing in Sexual and Reproductive Health 2019. New York: Guttmacher Institute; 2020.


<目標金額>200万円
<内訳>※1ケニアシリング=1.24円で計算

カウンセリング実施費・カウンセラー人件費 ¥649,760
アクションプラン・研修立案・実施費 ¥323,020
避妊具へのアクセス(男性用コンドーム、緊急避妊薬) ¥578,177
地域の理解促進(関係者会議) ¥97,364
交通費・通信代など ¥361,336

※このほか事業担当者の人件費・現地派遣費など年間120万~140万円程度を自己資金および助成金等で補填します。

※NPO法人エイズ孤児支援NGO・PLASは「NPO法人」として認定されていますが、このクラウドファンディングを支援することで、支援者が税制優遇を受けることはありません。


2024年7月  保護者や地域の大人たちへの啓発内容の策定
2024年8月  ピアエデュケーターによる啓発活動➀/ピア・エデュケーターへの研修
2024年9月  ピアエデュケーターによる啓発活動②/行政や地域のステークホルダーとの会議実施 
2024年10月  保護者や地域の大人たちへの啓発活動
2024年11月  ピアエデュケーターによる啓発活動③/ピア・エデュケーターへの研修
2024年12月  ピアエデュケーターによる啓発活動④
2025年1月  ピアエデュケーターによる啓発活動⑤
2025年2月  修了式


多くのみなさんのご支援のもと開始することができた本プロジェクトも2年目を迎えることができました。いつも温かいご支援を本当にありがとうございます。

「自分の体と未来は、自分が決める」


ピア・エデュケーターの若者が研修を重ねるごとに知識を深め、堂々と自身の考えを語る姿は力強く、尊敬と感動を覚えます。
彼らは自分のためだけではなく、地域の同世代の仲間たちのために学び、伝えています。彼らが足元から地域を変革していく試みを是非応援してください。

子ども・若者たちが望まない10代の妊娠を防ぎ、未来を切り開いていけるよう、ご支援をよろしくお願いいたします。


このプロジェクトは、現地パートナーNGO「VIAGENCO(ビアジェンコ)」と協働で行っています。

ビアジェンコは今から26年前に設立されたNGOで、ケニアのホマベイ郡全域で活動しています。代表のベンソン氏を中心に、貧困やHIV/エイズに影響を受ける家庭の生計向上のために活動していて、約20名の職員が活動する組織基盤も比較的安定した団体です。

PLASとは2016年からパートナーとして、FLOWER事業やHOPE事業など複数の協働プロジェクトを行ってきました。

地域のニーズや慣習・価値観を理解し、地域の住民たちからも信頼を寄せられるビアジェンコと実施することで、子どもたちに寄り添った活動ができます。


特定非営利活動法人エイズ孤児支援NGO・PLASは、2005年にエイズ孤児の課題を解決するために当時大学生だった7名によって設立されました。

「取り残された子どもたちが前向きに生きられる社会をめざす」をビジョンに、これまでにウガンダとケニアの2か国で、3115人の子どもたちと685のひとり親家庭に支援を届けてきました。

社会から取り残された子どもたちが前向きに、夢を描ける社会をつくるため、設立から19年、PLASは現地のパートナーNGOと協働しながら、「地域と共に、つくる支援」をめざして活動をつづけています。

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  • あたたかい応援とご支援をいただき、本当にありがとうございます。2023年からケニア・ホマベイ郡で実施してきた「SRHR(性と生殖に関する健康と権利)プログラム」が、このたび3年間の活動を終えました。このプログラムは、PLASにとって初めてとなる性に関する教育事業です。これまでPLASは、親子支援事業などを通じて、子どもたちを取り巻く環境づくりに取り組んできました。その中で、現地では早すぎる妊娠や出産といった課題が繰り返し見えてきており、長年活動を続ける中で、この問題に向き合う必要性を強く感じてきました。そこで新たな挑戦として始まったのが、このSRHRプログラムでした。このプログラムを担当したのは、海外事業プログラムオフィサーの牧野です。ピアエデュケーターと牧野現地パートナー団体ビアジェンコと日々オンラインでやり取りを重ね、何度も現地へ足を運びながら、若者や保護者、教師、地域の人々と向き合ってきました。3年間を振り返り、牧野が感じたのは、若者たちの確かな成長だけではありません。「支援する」とはどういうことなのか。現地の文化や価値観とどう向き合うべきなのか。そして、自分たちが良いと思っていることを、そのまま伝えることが本当に相手のためになるのか。現場で活動を続ける中で、答えがすぐには見つからない問いにも向き合い続けた3年間でした。今回は、プログラムを通して生まれた変化とともに、現場で牧野が感じた学びや葛藤もあわせてご紹介します。自分で選び、決める」ための知識を届けるSRHRとは、「性と生殖に関する健康と権利(Sexual and Reproductive Health and Rights)」のことです。自分の体、性や生殖について、誰もが十分な情報を得られ、自分の望むことを自分自身で選択し、決定できること。そして、そのために必要な医療や相談へ安心してアクセスできることを意味します。牧野は、3年間このプログラムに携わる中で、SRHRは決してアフリカだけの課題ではないと感じるようになったと話します。「SRHRって、なかなか身近なトピックではないと思われがちなんです。でも、恋愛や結婚、妊娠、出産など、私たち自身の人生の選択にも関わることです。日本でも、周りの声や社会の価値観によって、自分の意思決定が左右されることがあると思います。」SRHRプログラムは、性について教えることだけが目的ではありません。誰もが正しい知識を持ち、自分自身や相手を尊重しながら、自分の人生を自分で選択できるようになる取り組みです。なぜ、この地域で取り組む必要があったのかプログラムを実施したケニア・ホマベイ郡は、ケニア国内でもHIV感染率や10代の妊娠率が高い地域です。HIV感染率は全国平均を大きく上回り、10代の妊娠率は約23%。これまでには、9歳の少女が妊娠・出産した事例も報告されています。その背景には、性について話すことがタブー視される文化や、正しい知識を学ぶ機会の少なさがあります。また、若年妊娠をした少女は学校を中退せざるを得なくなったり、周囲から偏見や差別を受けたりすることも少なくありません。その結果、教育や就業の機会を失い、貧困が次の世代へ引き継がれてしまうという課題があります。牧野は、こうした課題に向き合う中で、「知識を届けること」の意味について考え続けてきました。知識を伝えるだけで、本当に若者たちは未来を選べるようになるのだろうか。家庭や学校、地域の環境が変わらなければ、若者たちは安心して行動できないのではないか。そうした問いを持ちながら、プログラムは進められてきました。 若者だけではなく、地域全体とともにプログラムの中心となったのは、「ピアエデュケーター」の育成です。15〜18歳の若者たちがSRHRについて学び、その後、自分たちの学校や地域で同世代へ知識を伝えていきます。ピアエデュケーターたちしかし、PLASが目指したのは、若者だけが変わることではありませんでした。家庭へ戻れば、保護者がいます。学校へ行けば、教師がいます。困ったときには相談できる医療施設が必要です。そして、その地域には行政や地域のリーダーがいます。だからこそ、このプログラムでは、保護者への研修、教師への研修、医療施設との連携、行政との関係者会議など、地域全体を巻き込んだ取り組みを進めてきました。牧野は、このプログラムの特徴を次のように話します。「全体としては、ピアエデュケーターの育成と啓発活動ということになるんですけれども、そこから学校、家庭、地域を巻き込むプロジェクトの設計になっています。」地域の中に、若者が安心して相談できる人がいること。家庭でも学校でも、将来について話せる環境があること。そうした積み重ねが、若者たちの選択を支える力になるとPLASは考えています。そして、牧野はピアエデュケーターについて、こんな言葉で表現しました。「ピアエデュケーターというのは、パッと問題を解決する存在ではありません。すごく長い目で知識を届けていかなければいけない存在です。地域の中で変化を生み出す入り口であり、きっかけになる存在だと思っています。」目に見える変化は、すぐには現れないかもしれません。それでも、一人の若者が勇気を持って声を上げることが、友人へ、家族へ、そして地域へと少しずつ広がっていく。PLASは、その小さな積み重ねこそが、地域の未来を変える力になると信じています。たくさんの子どもたちの前で話すトレバーさん若者たちの挑戦が、地域を少しずつ変えていった3年間のプログラムを通して育成したピアエデュケーターは28名。学校や地域で実施した啓発活動には延べ1,628名の子ども・若者が参加し、6つの医療施設を通じて約21,000個の避妊具と約3,800個の避妊薬を届けました。こうした数字は、プログラムが届けた成果の一部です。しかし、牧野が3年間で最も大きな変化として感じたのは、数字では表せない「人の変化」でした。「伝える側」へと成長した若者たちリリアンさんは、学校で同級生が若年妊娠やHIV/エイズによって将来の選択肢を失っていく姿を見て、「自分も地域を変える一人になりたい」と思い、ピアエデュケーターになりました。活動を始める前は、人前で話すことが苦手で、自信もありませんでした。しかし、研修や啓発活動を重ねる中で、今では地域の人々に性感染症や望まない妊娠について自信を持って伝えられるようになりました。ロジャースさんもまた、若年妊娠や学校中退が身近にある地域を変えたいという思いから活動に参加しました。活動を続ける中で特に印象的だったのは、若者と親世代との間にある「世代間のギャップ」だったと言います。「親や祖父母の世代は性について話すことに抵抗がある。でも、若い世代には正しい知識が必要です。」そう感じたロジャースさんは、地域だけでなく、自分の家庭でも少しずつ話し合いを始めました。その結果、家族の中でも将来や家族計画について話せるようになり、「チームワークで地域を変えられること、人は誰かに良い影響を与えられることを学びました」と話しています。牧野は、こうした若者たちの姿を間近で見続けてきました。「以前は人前で話すことが苦手だった子が、自信を持って地域で話せるようになる。そういう変化を見られたことは、本当に大きな成果だったと思っています。」 地域にも少しずつ広がった変化変化は、若者たちだけにとどまりませんでした。学校の先生からは、「ピアエデュケーターは学校にとってとても大切な存在です。先生は恥ずかしくて話題を避けてしまうこともありますが、生徒同士だからこそ安心して話せることがあります。」という声が寄せられました。また、医療施設のスタッフからは、「以前は若年妊娠した少女が毎日のように来ていましたが、今は着実に人数が減っています。」という変化も聞かれました。一方で、「若い世代は以前より情報を得られるようになってきました。次は地域の大人たちの意識も変えていく必要があります。」という声もありました。若者たちが変わることで、学校や家庭、医療施設にも少しずつ変化が生まれ始めています。だからこそ、このプログラムは若者だけではなく、地域全体を巻き込む形で進めてきました。データが裏付けた「対話」の変化プログラムでは、開始前と終了後に同じアンケートを実施し、参加者の変化を確認しました。その結果、家族とのコミュニケーションには大きな変化が見られました。「心配事や身の危険について親と話せる」と答えた若者は大幅に増え、「性や生殖について家族と話したことがある」という回答も大きく伸びました。また、・若年妊娠が将来へ与える影響への理解・妊娠が分かったときに取るべき行動・性的同意の大切さ・性について友人と話すことへの抵抗感など、知識だけでなく、自分で考え、行動する力にも変化が見られました。一方で、データだけでは見えてこないこともありました。例えば、アンケートでは「家族と話せるようになった」という結果が出ても、その背景には、勇気を出して初めて親に話しかけた若者がいます。人前で話すことが怖かった子が、何度も練習を重ねて地域で啓発活動を行うようになった姿があります。そうした一人ひとりの変化を見てきたからこそ、牧野は「数字だけでは測れない成果がある」と感じています。現場で見えてきた問い3年間の活動を通して、若者たちには確かな変化が生まれました。一方で、牧野の中には、活動を続けるほど簡単には答えを出せない問いも生まれていきました。その一つが、「ジェンダー」についてです。アンケートでは、性や生殖に関する知識や、性的同意への理解は大きく向上しました。しかし、男女の役割に対する考え方については、大きな変化は見られませんでした。活動地域では、宗教や文化の影響もあり、「男性はこうあるべき」「女性はこうあるべき」という価値観が、長い年月をかけて地域に根付いています。その現実を目の当たりにした牧野は、「変わらなかった」という結果だけでは語れない思いを抱くようになりました。「私たちが『ジェンダー平等でなければいけない』と伝えることが、本当に現地にとって良いことなのか。理想だけれども、現実は全然違う。そのギャップの中に若者たちを置き去りにしてしまっているんじゃないか。そんなことも現地で考えるようになりました。」PLASが目指しているのは、価値観を押し付けることではありません。地域には、その土地の歴史や文化、人々の暮らしがあります。だからこそ、外から「こうあるべき」を伝えるだけではなく、現地の人たちと対話を重ねながら、一緒に考えていくことを大切にしています。ヒアリングに協力してくれたピアエデュケーターのウィクリフさんとクリスフィーンさん(中央)牧野は、この問いに対する答えは、まだ見つかっていないと言います。「データだけ見れば、『変わらなかった』と言えてしまうかもしれません。でも、それだけではないと思っています。答えはまだ見えていません。」その一方で、この3年間を通して、一つ確信したこともありました。「知識は必ずついていることはデータからも見えています。その知識を持った上で、お互いを尊重するパートナー関係を築けること。その大切さを伝えていくことが、今の私たちにできることなんじゃないかと思っています。」現場では、ほかにもさまざまな課題が見えてきました。例えば、HIVに関する感染経路についてです。研修を重ねても、「唾液で感染する」といった誤った知識が繰り返し聞かれることがありました。また、USAIDによる支援縮小などの影響を受け、避妊具や避妊薬の供給をPLASに頼らざるを得ない医療施設もあります。牧野は、このことについても率直に語っています。「PLASとしては『あげる支援』ではなく『つくる支援』を目指しています。避妊具や避妊薬についても、現地で持続的に入手できる方法を模索していきたいと思っています。でも、どうすれば依存を減らし、現地だけで続けられるのか。まだ答えは見えていないところです。」若年妊娠は、知識だけで防げる問題ではありません。貧困や教育、社会制度、文化、偏見など、さまざまな要因が複雑に重なり合っています。だからこそ、このプログラムも「知識を届けたら終わり」ではなく、地域の中で対話を続けながら、一歩ずつ環境を変えていくことを目指してきました。 次の挑戦へ3年間のプログラムで得られた経験は、新たな取り組みへとつながっています。現在、ホマベイ郡では、若者たちが安心して学び、相談できる「チルドレン&ユースセンター」の建設が進んでいます。建設中のチルドレン&ユースセンターセンターにはパートナー団体ビアジェンコのカウンセラーが常駐し、研修や相談対応、若者同士が学び合う場として活用される予定です。また、新たに50名のピアエデュケーター育成も始まりました。さらに、ケニアで培った経験は、2026年からウガンダでも新たなプログラムとして展開されています。もちろん、ケニアとウガンダでは地域の状況が異なります。だからこそ、同じ方法をそのまま当てはめるのではなく、現地の人たちと話し合いながら、それぞれの地域に合った形を一緒につくっています。ムコノ政府との会合(ウガンダ)若者たちの勇気を、これからも牧野は、この3年間を振り返り、最後にこんな言葉を話しました。「ピアエデュケーターは、すぐに問題を解決する存在ではありません。時間をかけて知識を届け続けることで、地域の中に少しずつ変化を生み出していく存在だと思っています。」一人の若者が勇気を持って声を上げること。その声が友人へ届き、家族へ届き、地域へ広がっていくこと。その積み重ねが、少しずつ地域を変えていく力になると、PLASは信じています。修了証書を手にしたピアエデュケーターたち。修了式後の集合写真。3年間のプログラムは一区切りを迎えました。しかし、若者たちが自分らしい未来を選択できる地域をつくる挑戦は、これからも続きます。現地の人たちとともに悩み、ともに問い、ともに答えを探し続けながら。この3年間の歩みは、皆さまからのあたたかいご支援があったからこそ実現することができました。これからも、若者たち一人ひとりが自分らしい未来を選択できる社会を目指して、現地の人々とともに歩みを続けてまいります。PLASは設立20年という節目を迎え、これまで培ってきた支援の知見を他の地域へ広げる新たな挑戦を進めています。「子どもたちに夢を。支援の知見を分かち合う、20年目のPLASの挑戦」については、こちらからご覧いただけます。 もっと見る
  • こんにちは。PLASです。クラウドファンディング「自分の体と未来は僕たち、私たちが決める ケニアの若者が広める性教育を応援したい!」にあたたかい応援とご支援をいただき、誠にありがとうございます。このたび、SRHRプログラム修了報告会を開催することとなりました。PLASのSRHRプログラムでは、若者たちが性に関する健康と権利(SRHR)について学び、同世代へ知識を届けるピアエデュケーターとして活動してきました。性に関する正しい知識を学び、同世代に届けること。ときに話しづらさや偏見のあるテーマに向き合い、仲間たちに声をかけることは、決して簡単なことではありません。それでも若者たちは、自らも学びながら一歩を踏み出し、それぞれの地域で活動を続けてきました。その一歩は、すぐに大きな変化として見えるものではないかもしれません。けれど、正しい知識に出会う人が増えること。自分のからだや未来について考えるきっかけが生まれること。そうした小さな変化が、少しずつ地域に広がっています。今回の報告会では、若者たちの挑戦や、活動を通じて生まれた変化についてご紹介します。「PLASの活動を応援していて、現地で生まれた変化を知りたい」「応援した事業の、その後を知りたい」「性に関する教育やSRHRについて、もう少し理解を深めたい」「国際協力や社会課題に関心があり、自分にできる関わり方を考えたい」そんな思いをお持ちの方に、ぜひご参加いただきたいイベントです。ご支援いただいた皆さまとともに育んできた若者たちの挑戦と、その先に生まれた変化を、ぜひお聞きいただければ嬉しいです。【イベント概要】日時:6月27日(土)10:00~11:15開催方法:オンライン(Zoom)参加費:無料申込方法:https://peatix.com/event/5036303皆さまのご参加を心よりお待ちしております。 もっと見る
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    2024/09/19 17:00
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