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ダムの底に沈んだ集落の「岩手山南部曲り家」再生へ。地域の伝統文化を守り続けたい!

キャンプファイヤー 寄付型のバッヂ

当施設にある「岩手山南部曲り家」の茅葺屋根が老朽化し、修繕が急務となっています。地域の歴史文化を活かした体験と伝統の継承に加え、持続可能な発展の在り方を学ぶESD(持続可能な開発のための教育)を実践する場として発展させるため、「曲り家再生プロジェクト」にご支援をお願いいたします!

現在の支援総額

1,000,000

33%

目標金額は3,000,000円

支援者数

85

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2023/10/02に募集を開始し、 85人の支援により 1,000,000円の資金を集め、 2023/12/10に募集を終了しました

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33%達成

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目標金額3,000,000

支援者数85

このプロジェクトは、2023/10/02に募集を開始し、 85人の支援により 1,000,000円の資金を集め、 2023/12/10に募集を終了しました

当施設にある「岩手山南部曲り家」の茅葺屋根が老朽化し、修繕が急務となっています。地域の歴史文化を活かした体験と伝統の継承に加え、持続可能な発展の在り方を学ぶESD(持続可能な開発のための教育)を実践する場として発展させるため、「曲り家再生プロジェクト」にご支援をお願いいたします!

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Ⅰはじめに

1.「岩手山南部曲り家」はなぜここに?

かつて「御所村」という村がありました。
そこは、緑多き山々に囲まれ、静かなる田園風景が広がり、東北民家の典型「曲り家」が数多くありました。

それらはすべて先人たちの労苦の結晶であり、ひとびとはその伝統を綿々と受け継いできました。

豊穣の地 御所地域曲り家と御所地域の人々の暮らし

しかし、御所ダムの建設により、集落は湖底に沈みました。

そこにあった、人が生まれ育ち、苦楽をともにし、豊かな自然の中で営みを続けてきた時間と空間、思い…。
それらはやがて忘却の彼方へと消えてゆく。

祖先を偲び、湖底に没する郷里に当時の人々はこう語ったといいます。

「故郷の記憶と歴史をこれからの若者たちに伝えてほしい」

曲り家のある風景、曲り家の解体 そして、湖底に沈む

御所ダム建設の最中、国立岩手山青年の家の設置が決まりました。
人々の想いに応え、御所地域にあった曲り家(福崎邸)を当施設に移設。
現在の「岩手山南部曲り家」となりました。
雫石町御所にあった頃の曲り家(昭和47年 福崎邸)
以来、多くの方々が曲り家において創作活動や研修に訪れています。体験をとおして私たちのルーツに思いを馳せる。曲り家は思索と交流の場として、その役割を果たしてきました。曲り家での体験活動

当施設の曲り家は多くの方々がご利用いただけるように一部改修と補強を行い、安価な価格で宿泊利用ができる場として広く開放してきました。
岩手県内で唯一公立施設の中で宿泊できる曲り家という大きな魅力を持っています。


2.「岩手山南部曲り家」再生プロジェクト

しかし、50年が経ち、茅葺き屋根の老朽化による雨漏りが目立つように…。
現在は宿泊利用を中止し、日帰りのみの利用に制限する状況にあります。

L字型の構造が曲り家の特徴ですが、その屋根の谷となっている部分に雨水が集中するため、この部分の傷みが激しく、ちょうど囲炉裏があるところが雨漏りがひどく、大雨時は下の写真のように対応している状況です。

また、屋根と建物(桁)の間のすき間を埋めるために茅や藁の束を入れているのですが、これが経年の風雪によって吹き飛ばれてしまっています。そのため、冬場になると冷気がここから入ってきてしまうため、現在は冬季の利用に適さない状況です。

ふるさとの原風景「南部曲がり家」を次代に伝え、持続可能な社会の在り方を学ぶ場としたい――。

かつて御所地域の人々が託した「偲郷」のバトンを、未来への希望として次代につなげるため、「岩手山南部曲り家」の茅葺き屋根の修繕と体験活動プログラムの拡充を行います。
再生プロジェクトにご支援をお願いいたします!

【プロジェクトの内容】

・茅葺き屋根の修繕
 伝統技法をもった職人さんが「差し茅」手法を用いて茅葺き屋根を修復します。

・茅葺き作業体験
 再生循環可能な葦を使った茅葺き屋根の修復体験を行います。
 体験をとおしてSDGsを体感できる機会とします。

・地域郷土料理のメニュー追加
 野外炊事メニューに「南部せんべい」、「南部せんべい汁」づくりを追加します。

・曲り家での薪ストーブ暖房冬季体験
 冬季でも曲り家を利用できるように薪ストーブを設置します。
 自然の厳しさと先人の知恵を体感できるプログラムを追加します。

Ⅰ応援メッセージ

■岩手県立博物館 主任専門学芸員 近藤 良子さん

曲り家フェスタにて講義をされる近藤良子主任学芸員雨の日の茅葺き民家の佇まいが大好きです。
雨水は茅の表面をつたってぽたぽたと地面に落ち、建物内部に雨水が入ることはありません。よく乾燥させた茅は雨に強く、通気性が高いので湿気を逃してくれます。中に入ると、吸い込まれるような静けさに包まれます。かつて里山のシンボルであったこうした茅葺き民家は見られなくなってきています。

当施設の曲り家 「岩手山南部曲り家」は、敷地内に茅場を持つ大変貴重な民家です。実際に民家に滞在しないと気付くことができない魅力がたくさんあります。

この貴重な民家を残していくため、皆さまのご協力を是非ともお願いいたします。


■EarthBuilding Iwate 代表 磯和 亮治さん

茅葺屋根は植物性の天然素材の屋根で、その素材として主に葦やススキが使われています。

葦やススキは多年生の植物で、屋根の材料として用いる際は秋から冬にかけて刈り取ります。刈り取られた後の株は翌春また新たに芽を出し、秋まで成長しまた刈り取り時期を迎えます。この成長過程において多くの二酸化炭素を吸収し、水辺に生える葦であればリンや窒素分を吸収するので、水質浄化作用もあります。また、葦原やススキの原野には多種多様な生物たちが生息するので、その周辺の生物多様性も維持されることになります。

   茅場で葦の生態を説明し、葦を使った創作活動を指導される磯和さん

茅葺屋根は、屋根を葺いてから約20年、手入れの仕方次第では、30年、40年とその寿命は延びていきます。修理や葺き替えの際に廃棄される古茅は、良質な肥料として利用することができ、田畑にまくことで土に還っていきます。また、そこでの暮らしは、人と自然との関わりをより身近なものとして感じることができます。

茅葺き屋根を維持管理していくことは、多くの費用が掛かりますが、その建物を残し受け継いでいくということだけでなく、その背景には、自然環境の保全、生物多様性の維持、SDGsの観点からも、今後はより注目されていくことが考えられ、非常に意義深いものだと思います。

「岩手山南部曲り家」は、盛岡市西部にある御所ダムが建造される頃、ダムの底に沈む予定の地域から移築された建物で、当時のその地域の建物や生活様式を知る上でも貴重な建物だと思います。

この歴史・文化的にも、SDGsの観点からも価値のある建物を、今後もより多くの人たちが利用し、茅葺屋根の下での生活を少しでも気軽に体験し続けられるよう、大変だとは思いますが、今後も維持・管理に努めていただきたいと思います。そして、修復後には宿泊施設としての活用にも期待しています!


Ⅰ資金の使い道

・修繕費:  2,256,000円
・謝金、旅費:  15,000円
・印刷製本、通信費:85,200円
・返礼品費、発送費:158,800円
・管理費:251,500円
・手数料:229,055円
なお、目標額を超えた寄附金については、岩手山南部曲り家の建物修繕費、活動プログラムで使用する物品の更新やメンテナンス、曲り家周辺の整備等に充当いたします。


Ⅰ実施スケジュール(予定)

・令和5年12月  茅場での茅刈り体験の開催

・令和6年 1月~ 茅葺屋根修繕工事に係る契約開始

・令和6年 4月  茅葺き作業体験の開催

・令和6年 8月~ 茅葺屋根修繕工事の開始

・令和6年11月末 茅葺屋根修繕工事の完了

・令和6年12月  曲り家冬季体験の開始・開催、返礼品(リターン)の発送

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、返礼品(リターン)をお届けします。


Ⅰ返礼品(リターン)

3,000円コース

 ・御礼のメッセージ

5,000円コース(3,000円コースにプラス)

 ・事業実施報告書、当施設ホームページへの氏名掲載(希望者のみ)

10,000円コース(5,000円コースにプラス)

 ・茅葺き作業体験会への参加(2024年11月ごろ)またはオリジナルバッグのどちらか、ミニ茅掛け軸の創作セット

30,000円コース~1,000,000円コース(10,000円コースにプラス)

 ・茅葺き作業体験会への参加、オリジナルバッグ、ミニ茅掛け軸の創作セット、寄附銘板へのご芳名の氏名掲載、南部鉄器風鈴
 ※ミニ茅掛け軸は、当施設茅場で刈り取った葦を使ったものになります。


Ⅰ本プロジェクトへの支援(寄附)について

・本プロジェクトへのご寄附は、独立行政法人国立青少年教育振興機構国立岩手山青少年交流の家への寄附となり、当施設が寄附金の受付及び活動報告、領収書発行・郵送をおこないます。
・独立行政法人国立青少年教育振興機構は税制上の特定公益増進法人として定められていますので、寄附をされた個人や法人は、税制上の優遇措置を受けることができます。寄附金の領収書を添えて税務署にて確定申告※1または還付申告※2を行ってください。
※1 確定申告について(国税庁HP):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm
※2 還付申告について(国税庁HP):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm

所得税(個人の場合)
2千円を超え総所得額の40%までの寄附金額に対して、その額から2千円を引いた額が、総所得から控除されます。
 所得控除額=寄附金額(40/100を限度)-2千円(所得税法第78条、同法施行令第217条)

法人の場合

次のいずれか少ない金額が損金に算入されます。
(1)特定公益増進法人(独立行政法人等)に対する寄付金の合計額
(2)特別損金算入限度額
[資本金等の額×当期の月数/12×3.75/1,000+所得の金額×6.25/100]×1/2(法人税法第37条、同法施行令第77条)


Ⅰ最後に

国立岩手山青少年交流の家は開所から50年、青少年の現代的課題に対応しながら青少年の健やかな成長と自立を推進するためにさまざまな教育事業を展開してきました。私たちの「ルーツ」と「これから」を学ぶ持続可能な発展のための教育を展開したく、本施設「岩手山南部曲り家」再生プロジェクトに、ぜひご支援よろしくお願いいたします!

Ⅰ資料「国立岩手山青少年交流の家(テンパーク)」について

■50年の歴史 1973年(昭和48年)設立

1973年、第9番目の国立青年の家として「国立岩手山青年の家」(旧名称)を開所し、2023年で50周年をむかえました。

■利用者数約520万人

青少年教育施設の拠点の一つとして、学校団体をはじめ、国内外を問わず、多くの方々に利用していただいています。

■体験活動の意義をさらに高める

「青少年一人ひとりが幸福を追求できる持続可能社会を実現する」ことをめざし、活動のプログラムをより一層高める取組をしていきます。過去・現在・未来という「時間軸」、岩手山麓の大自然、地域、郷土のもとで仲間との交流という「空間軸」によって、テンパークでの交流・体験活動の意義がさらに広がりをもって感じられるような工夫を積み重ねていきます。



※写真等の出典
御所ダム対策協議会(1972)『湖底のふるさと偲郷』、―(1962)「御所ダム対策協議会情報」(所蔵:雫石町立図書館)

最新の活動報告

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  • 季節は晩秋となりました。前回の投稿では、残暑厳しい8月下旬で、東側屋根の修復が完了したことをお伝えしました。西側屋根の修復工事も終わり、これで屋根の修復は完了しました!※Youtube動画が視聴できない場合は、下のInstagramからご覧いただきますようお願いいたします。https://www.instagram.com/reel/DA5MsV8BBP5/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==そして、屋内では薪ストーブを新設し、現在試運転期間です。支援者の皆さんへのお披露目に向けて準備をすすめています。 もっと見る

  • ここ岩手山麓も30℃を超える日が続いております。皆様、お体ご自愛ください。さて、曲り家茅葺き屋根のうち、最も雨漏りがひどかった東側屋根の修復が完了しました。暑い中、職人さんたちが手際よく表面の古い茅を取り除き、新しい葦束を差していく作業を直接見ることができ、感激を覚えます。修復前の東側屋根修復された東側の屋根岩手県内にも茅葺き屋根の建物が現存していますが、そう簡単に葺き替え作業を見られるわけではないので、とても貴重な風景です。茅葺き屋根の葺き替えはおよそ30年に一度の作業で、職人さんによる手作業かつ近代工法と比べて時間がかかり、工事費用も高額になります。皆様のご支援のおかげで工事を始めることができましたこと、改めて感謝申し上げます。今、西側屋根の修復を行っています。雨水が入らないようにシートで養生しながらの作業です。近々、薪ストーブの設置工事も始まります。こちらも皆さんにお伝えいたします。 もっと見る

  • 先月、曲り家の旧所有者である福崎家の皆さんが来訪されました。以前、本サイトの活動報告「50年前の記憶」において、当時の所有者のご子息が現在も雫石町に住んでいらっしゃることをご紹介しました。https://camp-fire.jp/projects/689651/view/activities/530445#mainなぜここに曲り家が移設されることになったのか、その経緯を近いうちに伺いたいと書いたものの、なかなか行動に移せないまま、年は明け、いつの間にか半年が経ってしまいました。そんな折、「昔、曲り家に住んでいた者です。曲り家を見せてもらえますか?」とのお電話。電話をされた方は、旧所有者であった福崎順夫さんのご子息にあたる公博さんでした。ご一家で来訪され、曲り家を見ていただきました。所長、次長、専門職が曲り家を案内しながら、福崎家のルーツ、住んでいた当時の曲り家での暮らし、移設の経緯などを伺いました。曲り家の基本的な構造や間取りそのものは変わっていないものの、移設時に体験活動の場として機能することを重視し、馬屋の部分を改修しています。公博さんは、「この部分に風呂桶があったな」、「囲炉裏の近くで父ちゃん(順夫さん)、縁側近くにおれたち(公博さんきょうだい)」が寝起きしていたこと等を教えてくださいました。移設の際に譲り受けた民具(生活用具)もご覧になり、「この『えんつこ』で育ったんだよ」と盛り上がりました。「えんつこ」とは、今でいう「ゆりかご」です。また、曲り家の屋根には、「丸に九曜紋」が施されています。かつて雫石地域は「陸奥国滴石」「滴石御所」とよばれ、この地を治めていた武将・戸沢氏が用いた家紋です。公博さんは「うちは百姓(農家)なんだけどね」と 仰っていましたが、もしかすると、福崎家のルーツは戸沢氏に関係する一族だったのでしょうか。遥か昔の歴史に思いを巡らせつつ、50年前の移設当時について伺いました。移設当時、公博さんは高校生だったそうです。なぜ、この曲り家が移設保存されることになったのかは、その詳細までは分からないとのことでしたが、「集落の中では(比較的)状態が良いほうで、建物も割としっかりしていたから残すことになったのではないか」とのことでした。ちなみに、旧所有者の福崎順夫さんは御所ダム対策協議会の委員となっており、そのことが関係していたのかもしれません。ちょうど公博さんが来訪された折、林間学校で訪れていた子どもたちが曲り家のそばで活動し、野外炊事の準備をしたり、曲り家の中で涼んだりしているところでした。「自分の住んでいた曲り家が体験の場として使ってもらっているのがうれしい」と仰っていました。これからもその思いに応えられるように曲り家の維持・整備に努めていきたいと思った次第です。7月に入り、曲り家屋根の修繕工事が始まりました。随時、工事風景を報告してまいります。 もっと見る

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