カナダからアラスカのベーリング海に注ぐユーコン川約3200kmをカヌー・カヤックで旅して、ドキュメンタリー番組を撮影します。 私は唯一の日本人クルーとして参加。映像を撮影するとともに出演者として川を下ります。

プロジェクト本文

▼はじめにご挨拶

 

 こんにちは!新居拓也と申します。

新聞記者を7年間務めた後、現在は山小屋の従業員をしながら川の自然保護の活動をしています。

 

私は今年6月から北米に渡り、約3ヶ月をかけてユーコン川のほぼ全行程、約3200キロを下ります。

旅や自然を映像に収めてドキュメンタリー番組を製作し、流域の自然や人々の暮らし、それを守る人たちの取り組みについて伝えるためです。

 

 

▼プロジェクトの概要 ードキュメンタリーの収益で北米の自然と暮らしを守るー

 

プロジェクトの名前は"Yukon Journey: From Bennett to the Bering"といいます。

Benettはスタートのベネット湖(カナダ)、Beringはゴールのベーリング海です。

 

アメリカ人をリーダーに、イギリス、カナダなど、7人の多国籍の仲間と進めています。

僕はその中で唯一の日本人のメンバー。役割はカメラマン兼出演者です。 

 

 

(写真:ラバージュ湖。ユーコン川は時折、湖に姿を変える。2016)

 

目的は、番組を販売して、その収益を北米の自然保護に充てることです。

支援先を具体的に言えば、荒野で活動する消防士やサーチ&レスキュー(First Responder)です。

 

北米では近年、山火事が増加しており、毎年多くの森林が消失しています。

 例えば、プロジェクトのリーダーのジョンが2013年、ユーコン川を下っていた時に大規模な林野火災に直面した山火事は19060haもの山林が消失しました(山手線の内側が6300ha)。この山火事は街の近くで発生しましたが、幸いにも消防士の活動で食い止められました。

大規模な山火事と戦う消防士は大きな危険に晒されています。同年、アリゾナ州では19人の消防士が活動中に死亡する林野火災も発生しています。

 このような過酷な仕事に携わり、人々の暮らしや自然、そして旅行者の安全を守ってくれる”First Responder”を支援します。

 

 

(写真:右がリーダーのジョン・バンバリガー。僕らはユーコン川の上で出会った。2016年)

 

▼プロジェクトの意義 ーなぜユーコンなのかー

 

北米の自然保護といっても、日本人にはピンとこないものかもしれません。

ですが、僕は今回のプロジェクトが日本人にとっても興味深いものになると信じています。

 

理由① 北米の山火事の増加は地球規模の問題であること

 

まず山火事の増加は温暖化にも関係していると指摘されていて、地球規模の問題であるという点です。

単に山火事の増加といっても、その規模は日本人の私たちの感覚からすれば莫大なものです。

先に2013年に山手線の内側の3倍以上の面積が消失する火災が発生したと紹介しましたが、同年ユーコンでは他にも約40カ所で林野火災が発生しています。

 

これにより、生態系がダメージを受ける、人々の生活が脅かされるといった地域的な問題だけでなく、山火事によって発生した二酸化炭素で、またさらに温暖化が加速するともされています。

温暖化は大きな問題であるとされながらも、日本ではまだその悪影響を切実に感じることはありません。ですが、海外では切実な問題として形に現れつつあるのです。

 

理由② 失われるには惜しい自然があるということ

 

僕は過去に2度、ユーコンを訪れています。

そしてその自然は失われるには惜しく、また「もっと多くの日本人に訪れてほしい」と思わせる魅力を感じています。

 

ユーコンの魅力は、日本にない圧倒的に広大な自然や、各国からの旅行者との交流、カナダ人の人の良さ、野生動物との出会いなどたくさんあります。

 

僕としては、ユーコンの自然の魅力は”緊張感”という感覚でも表せるように思います。

 

 (写真:茂みから音がすると思ったらブラックベアだった。2016)

 

写真家・星野道夫はアラスカでキャンプのことをこんな風に書いています。

「アラスカの自然を旅していると 、たとえ出合わなくても 、いつもどこかにクマの存在を意識する 。 (中略 )クマの存在が 、人間が忘れている生物としての緊張感を呼び起こしてくれる。 」

この言葉、ユーコン川を旅しているとその意味をよく理解できます。 

 

クマに限らず、豪雨、沈没の危険性など、荒野に身を置いているからこその緊張感が常にあって、それが感覚を研ぎ澄ませ、「生きなければ」という気持ちを奮い立たせます。

これらの感覚は日本ではなかなか感じられないものです。

 

危険な一面を書きましたが、実はユーコン川のカヌー旅は、区間によればそれほど難しいものではありません。

カヌーや道具はレンタルできるし、ゴールしてからの交通手段もきちんとあります。

 

実際、世界中から老若男女、多くのカヌーイストが訪れていて、僕が出会ったグループには6~60歳のニュージーランドの3世代家族や、聴覚障害者を含む3人の高齢者グループなどもありました。

 

僕はこの魅力的な自然を守りたいし、そしてこれから多くの日本人がユーコンを訪れることを期待しているんです。

 

(写真:川辺のカヌーレンタル店。2週間後、ゴール地点でカヌーを回収してくれる。2016)

 

 ▼映像で伝えたいこと

 

 今回の僕の役割は、出演者兼カメラマンです。

 映像を通して伝えたいことは大きく2つ、「わくわくする大自然」と「人と川のつながりのヒント」です。

ジョンが編集する番組の他にも、自分で撮影した映像の一部はYoutubeでも公開する予定です。

 

 

(写真:ユーコン川沿いに点在する朽ち果てた建物。地図によるとこの場所は資材置き場だったという。2017)

 

【伝えたいこと①】わくわくする大自然。 

 

自然には美しさがあります。未知の世界には発見があります。映像には力があります。

僕にそれらを表現して使いこなす力がどれだけあるかはまだわかりませんが、できる限り最高のものを製作したいと思っています。

 

ところでユーコン川の旅って、想像できますか?

 ー川幅は?

 数十メートルの場所もありますし、数キロのところもあります。

 

 ー水の色は?

底まで透明な場所もありますが、中盤からは土が混じった色になります。


 ーどんな風景?

 針葉樹林の間が多いですが、両岸が岩山の場所や、湿地帯もあります。

 川が湖になる場所もあります。

 

 ーどんな生き物がいるの?

 クマやムース、ビーバーなどの愉快な仲間たちがたくさんいます。僕はこれまでに6頭のクマに会い、ビーバーが切り倒した木で焚き火をして、帰ってきたビーバーに悲しそうな顔をされたこともあります(あれは本当に申し訳なかった)。

 

日本とは少し違った広大で荒々しい自然の映像をお伝えできればと思います。

 

 

(豪雨が目の前を通過していった。この日のキャンプは他の日本人、カナダ人と。2016)

 

【伝えたいこと②】 人と川のつながりのヒント

 

僕の人生の1つのテーマは「人と自然のつながり」を考え、伝えることにあります。

 

きっかけは、人生の師の一人である吉野川可動堰を巡る住民運動のリーダーの姫野雅義さん(故人)の言葉にあります。

「僕らがやったのは反対運動じゃない。自分たちの川のことは自分たちで決めようと呼びかけたんだ」

 

僕は自然が美しいと思っていて、守る価値があるものだと思っています。

そして多くの人と共有したいのは、川の問題は自分たちの暮らしの問題であるということです。

 

ユーコンにも人と自然のつながりを考えるヒントがあると思っています。

例えばサケです。

 

 

(一晩で網にかかった鮭の一部。この一族は1940年代からずっと同じ場所に網を仕掛けているという。2016)

 

夏はサケの遡上のシーズンで、先住民の方々が網を仕掛けてサケ漁をしています。このサケはFish Campと呼ばれる簡易な屋外作業場でさばいて、乾燥させ、保存食にします。

 

ユーコンの冬は日照時間が短く、雪と氷で覆われるので、この乾燥したサケが貴重な食料となっていたのです。

1950年代にできたホワイトホースダムに世界最長の魚道が設置されていることからも、どれだけサケが人の暮らしに結びついていたのかを感じることができます。

 

  

(写真:焚き火の上で乾燥されるサケ。カーマックス近くのフィッシュキャンプにて。2016) 

 

▼リターンについて

 

このプロジェクトへの参加はボランティアであるため、みなさんからの支援が大きな助けになります。集まったお金は渡航費や食費、備品費、映像制作費にあてさせていただきます。

また私もそのご支援に対してできる限りのものをお返ししたいと思っています。

リターンには、フォトブックや報告書などをご用意しています。

製作するドキュメンタリー番組については、 具体的な完成時期が未定であることから、リターンに加えることができません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

【フォトアルバム(WEB)】

3ヶ月の間に撮影したユーコン川の写真をウェブアルバムで公開します。

川の風景だけでなく、クマやビーバーとの出会い、ユーコンで生活する人々などユーコンを少しでも訪れた感覚になれるような様々な写真をお届けします。

 

 【フォトブック+フォトアルバム】

写真と文章で旅を紹介するハードカバーもしくはソフトカバーのフォトブックをお送りします。

フォトアルバムのパスワードもお付けします。

 

【ルート、日数、食料、道具などの詳細を記した報告書(PDF)】


この旅において記録した移動距離などの情報、日々の食糧事情、持ち込んだ道具、各地の見どころなどをまとめた報告書をお送りします。

実際にユーコンを旅する時の参考資料になることを目指します。

とりわけ、ホワイトホース以前とドーソン以降のユーコン川の情報は、日本では入手困難ですので、それらの区間に興味がある方はぜひお役立てください。 

 

 ▼最後に

 

今回の旅は、ジャーナリズム、環境教育など、僕がこれまで取り組んできたことの1つの集大成です。

実力はまだ未知数かもしれませんが、精一杯のことをしたいと思っています。

今回のプロジェクトと僕の可能性に、少しでもご支援いただけましたら幸いです。

 

 

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